2004年度助成金受給者一覧
177 『史資料ハブ 地域文化研究』4号をお届けします。2003年3月に1号を刊行してから、はやく も4冊目を迎えました。
まず、今年6月に表象文化資料班と本学アジア・アフリカ言語文化研究所との共催で開催され たシンポジウム“Thinking Malayness”の報告要旨と、やはり6月に21世紀地域文化研究班[第 一分科会]主催で行われたパネル・ディスカッション『9・11後の世界とフォト・ジャーナリズ ム』の内容を掲載しました。“Thinking Malayness”は3日間にわたって8セッション25本の報 告からなる大規模なシンポジウムでしたので、本誌には表象文化史料班代表宮崎恒二氏に当日行 われた報告の要点のみ整理して掲載していただきました。『9・11後の世界とフォト・ジャーナリ ズム』は、ジャーナリストの広河隆一氏と安田純平氏のお話しとともに写真展も併設した企画で、
紙面からも参加した多くの学生の熱気が伝わってくるようです。
「南アジア関係 史資料収集事業報告」では、史資料総括班の活動を中心的に担っておられる 松本脩作氏と鈴木喜久子氏の論考をいただきました。今回松本氏が紹介してくださったのは、第 二次世界大戦開戦から戦後にかけてインドに在住した日本の民間人が、インドで抑留された事実 を検証するための資料収集作業についてです。松本氏自身、この事実を知ったのは2003年12月 24日のことであるといい、まさに貴重な事実発掘事業といえます。鈴木氏には、現在COEで進 めておられる資料整理作業に加えて、ご自身の研究成果から得られたベンガル地方史に関わる知 見をご紹介いただきました。
「オーラル・ヒストリー」では、これまでも各国のオーラル・アーカイブズに関する報告をま とめてきた寺内こずえさんによる、カンボジアの「シクロー蹴り」に関する論考を得ました。今 後の展開が楽しみです。
「アジアにおける在地固有文書」では、COEフェローの高松洋一さんに在地固有文書班での研 究報告をもとに、オスマン朝の文書についてまとめていただきました。インドネシア・パレンバ ン写本調査報告は、在地固有文書班の活動の一環として、本COEポスト・ドクター研究員の菅 原由美さんがインドネシア写本協会とともに進めている写本調査の概要報告です。この調査事業 の成果は、別途単行本として刊行される予定です。
ところで、21世紀COEでは昨年度、次の5冊の単行本を刊行するに至り、本誌では掲載しき ることのできない分量と多様な内容の成果を公表しました。
FUTAKI Hiroshi & Demberel ULZIIBAATAR “Researching Archival Documents on Mongolian History :Observations on the Present and Plans for the Future”
Thu Nandar “The Catalogue of Materials on Myanmar History in Microfilms”
井尻秀憲編『21世紀世界論』
西谷修編『〈世界化〉を再考する―P・ルシャンドルを迎えて―』
編集後記
史資料ハブ/活動報告
178
愛場百合子『モリスコ史資料研究文献目録―アルハミアを中心に―』
今年度も、こうした単行本の刊行によって調査・研究活動の成果を発表しながら、本誌『史資 料ハブ 地域文化研究』にはよりホットなシンポジウムの成果報告や研究論文を掲載していきた
いと思っています。 (文責:吉田ゆり子)
編集担当:吉田ゆり子、今井昭夫、西谷修 編集補助:土屋知子
史資料ハブ/活動報告
180
史資料ハブ
地域文化研究No.4
発行日 2004年9月 発行人 藤井毅
編集・発行 文部科学省 21世紀COEプログラム「史資料ハブ地域文化研究拠点」総括班 〒183-8534
東京都府中市朝日町3-11-1 東京外国語大学大学院地域文化研究科 21世紀COE拠点本部 Tel. 042-330-5540
E-mail:[email protected] http://www.tufs.ac.jp/21coe/area/
公衆送信権と複製権は東京外国語大学が有する 制作 三元社
印刷 モリモト印刷 雑誌コード ISSN 1348-3250
表紙図版、本文72頁参照。裏表紙図版、本文126頁参照。