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厚生労働科学研究費補助金 (エイズ対策研究事業)

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Academic year: 2022

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厚生労働科学研究費補助金  (エイズ対策研究事業)

分担研究報告書

C型肝硬変の肝不全病態進展度と予後の検討 研究分担者  八橋  弘 

独立行政法人国立病院機構長崎医療センター・臨床研究センター長

研究要旨  C 型肝硬変患者の肝不全病態進展速度について検討した。対象は長崎医療セン ターで2009年〜2010年に腹部超音波検査を受けたC型肝硬変115例である(年齢中央値 69.5才、男49例(42.5%))。観察期間中央値は3.4年(最大4.1年)。経過中初発肝癌が 診断された症例は 30 例(26.1%)。最終観察時(2013 年11 月 30 日)の生存例は 75 例

(65.2%)、死亡例23例(20.0%)、不明17例(14.8%)であった。死亡例23例のうち肝 癌13例(65.2%)、肝不全1例(4.3%)、他病死7例(30.4%)、不明2例(8.7%)。肝疾 患関連死亡は14例(60.9%)であった。観察開始時Child Aであった86例の累積病態進 展率は1年後19.0%、2年後32.5%、3年後41.6%であった。観察開始時Child Bまたは Cであった29例の累積病態進展率は、1年後 21.4%、2年後42.9%、3年後63.0%であっ た。C型肝硬変においては、Child AよりB/Cが肝不全病態進展速度は速い。

共同研究者

山崎  一美  独立行政法人国立病院機構長崎医療センター・臨床研究センター・臨床疫学研究室長 阿比留正剛  独立行政法人国立病院機構長崎医療センター・臨床研究センター・肝臓内科

釘山  有希  独立行政法人国立病院機構長崎医療センター・臨床研究センター・肝臓内科 A. 研究目的

本邦では、血液製剤によるHIV感染者の

95%以上が HCV に重複感染していると報

告されている。一方、抗HIV治療のめざま しい進歩により良好な病態コントロールが 行われてきたことで、HIV・HCV重複感染 症例の死因において肝疾患の占める割合が 高くなってきた。特にHIV・HCV重複感染 者は、若年で、肝予備能の程度に比し、非 硬変性門脈圧亢進症による側副血行路の発 達や血小板数が低下を来している場合があ り、このような病態が肝関連死の一因とも いわれている。またHIV・HCV重複感染の 線維化はHCV単独感染より10年早いとい う報告もある(Ann Intern Med. 2013)。

本研究では、邦人における HIV・HCV 重複感染者の病態進展速度を今後評価する 必要がある。そのためHIVを合併していな いC型肝硬変の病態進展様式について検討 した。

B. 研究方法

  対象は、独立行政法人国立病院機構長崎 医療センターで2009年〜2010年に腹部超 音波検査を受けたC型肝硬変115例である。

観察開始日は2009年〜2010年の腹部超音 波検査施行日。最終観察日は2013年11月30 日として観察開始時からの病態進展を評価 した。

またエンドポイントを総死亡として生存 率を評価した。

(倫理面への配慮)

  研究の遂行にあたり、患者の個人情報は すべて秘匿された状態で扱った。

C. 研究結果

1)対象患者の背景

対象患者C型肝硬変115名の背景を表1に 示す。

(2)

表1.

症例数 男性(

年齢中央値 腹水 脳症 肝癌合併 Child T.Bil AST ALT Albumin PT%

Platelet Creatinine Na

K Cl AFP 2)転帰

観察期間中央値は

過 中 初 発 肝 癌 が 診 断 さ れ た 症 例 は

(26.1

(65.2 例(14.8 肝癌 他病死

あった。肝癌、肝不全を合わせた肝疾患関連 死亡は

3)Child   Child す。観察開始時

積病態進展率を評価した。観察開始から 年 後 に

(Child B スク者 リスク患者 ク患者   観察開始時

例の累積病態進展率を評価した。観察開始 から

展した症例(

亡、Child C 者28

. 患者背景 症例数

男性(%)

年齢中央値(才) n,(%) 脳症n,(%) 肝癌合併n,(%) Child  A n,(%) B n,(%) C n,(%)

Bil

Albumin PT%

Platelet atinine

(数値は中央値(最小 2)転帰

観察期間中央値は

過 中 初 発 肝 癌 が 診 断 さ れ た 症 例 は 26.1%)。最終観察時点で生存例は 65.2%)、死亡例

14.8%)であった。

肝癌13例(65.2 他病死7例(30.4

あった。肝癌、肝不全を合わせた肝疾患関連 死亡は14例(60.9

Child分類による病態進展率

Child 分類による病態進展率を図1に示

観察開始時Child A

積病態進展率を評価した。観察開始から 年 後 に Child A

Child B、Cまたは死亡)は スク者84例)であった。

リスク患者80例)、 ク患者77例)であった。

観察開始時Child B

例の累積病態進展率を評価した。観察開始 から1年後にChild B

展した症例(Child B Child Cは死亡)は 28例)であった。

115例 49例(

69.5 (41 17例(

14例(

28例(

86 例(74.5) 24 例(20.9) 5 例( 4.3) 1.0 (0.3 55 (13 44 (10 3.9 (2.1 81.8(41.4 9.2 (1.0 0.7 (0.4 140 (133 4.1 (2.5 106 (96 10 (1-

(数値は中央値(最小

観察期間中央値は3.4年(最大 過 中 初 発 肝 癌 が 診 断 さ れ た 症 例 は

%)。最終観察時点で生存例は

%)、死亡例23例(20.0

%)であった。死亡例23 65.2%)、肝不全

30.4%)、不明2

あった。肝癌、肝不全を合わせた肝疾患関連 60.9%)であった。

分類による病態進展率

分類による病態進展率を図1に示 Child Aであった

積病態進展率を評価した。観察開始から Child A か ら 病 態 進 展し た症 例

または死亡)は であった。2年後は

例)、3年後41.6 例)であった。

Child Bまたは

例の累積病態進展率を評価した。観察開始 Child Bまたは

Child BはChild C は死亡)は21.4 例)であった。2年後は

例(42.6)

69.5 (41 - 86) 例(14.8)

例(12.2)

例(24.3)

(74.5) (20.9) ( 4.3) (0.3-6.0)

(13-173) (10-205) (2.1-5.2)

(41.4-112.5) (1.0- 22.5) (0.4-8.6)

(133-150) (2.5-5.1)

(96-114) -133,044)

(数値は中央値(最小 − 最大))

(最大4.1年)。経 過 中 初 発 肝 癌 が 診 断 さ れ た 症 例 は 30

%)。最終観察時点で生存例は 75 20.0%)、不明

23例の内訳は、

%)、肝不全1例(4.3%)、 2例(8.7%)で あった。肝癌、肝不全を合わせた肝疾患関連

%)であった。

分類による病態進展率の評価 分類による病態進展率を図1に示

であった86例の累 積病態進展率を評価した。観察開始から

か ら 病 態 進 展し た症 例 または死亡)は19.0%(被リ 年後は32.5%(被 41.6%(被リス またはCであった 例の累積病態進展率を評価した。観察開始

またはCから病態進 Child Cまたは死 21.4%(被リスク

年後は42.9%(被リ

最大))

年)。経 30 例 75 例

%)、不明17 例の内訳は、

%)、

%)で あった。肝癌、肝不全を合わせた肝疾患関連

の評価 分類による病態進展率を図1に示

例の累 積病態進展率を評価した。観察開始から 1 か ら 病 態 進 展し た症 例

(被リ

%(被

%(被リス であった29 例の累積病態進展率を評価した。観察開始 から病態進 または死

%(被リスク

%(被リ

スク患者 患者

(図1)

態進展率

(図2)

  C は、

4年 生存率は、

B(

40.0 D.

  C る検討では 2235

化の進展速度は

上がって肝硬変になるまでに約 としている。また

検をもとに肝線維化速度を計算しているが、

0.10

子として感染時の年令 日以上)、男性の で感染した場合 展するが 染後

ことがあるとの報告もある。注意すべき点は、

線維化の進行速度(傾き)は直線的ではなく スク患者28例)、

患者27例)であった。

(図1)C 型肝硬変の 態進展率

(図2)C型肝硬変の生存率 C 型肝硬変全体(

は、1年95.6%、

年73.3%であった。

生存率は、Child A

(n=24)で 40.0%であった。

D. 考察

C 型慢性肝疾患 る検討では Poynard

2235人で検討していいる。それによれば線維 化の進展速度は

上がって肝硬変になるまでに約 としている。また

検をもとに肝線維化速度を計算しているが、

0.10段/年であった。

子として感染時の年令 日以上)、男性の で感染した場合

展するが40歳以上の年令で感染した場合、感 染後 10 年くらいで急速に肝硬変へ進行する ことがあるとの報告もある。注意すべき点は、

線維化の進行速度(傾き)は直線的ではなく 例)、3年後63.0

例)であった。

型肝硬変のChild

型肝硬変の生存率 型肝硬変全体(n=115

%、2年88.2%、

%であった。Child Child A(n=86)

で 69.1%、Child C

%であった。

肝疾患の線維化の進行速度に関す

Poynard らが肝生検を施行した

で検討していいる。それによれば線維 化の進展速度は 0.133段/年と計算され4段 上がって肝硬変になるまでに約

としている。また Shiratori

検をもとに肝線維化速度を計算しているが、

段/年であった。進行速度に関与する因 子として感染時の年令(40歳以上

日以上)、男性の3 つを挙げられ,

で感染した場合30-40 年かけて肝硬変へと進 歳以上の年令で感染した場合、感 年くらいで急速に肝硬変へ進行する ことがあるとの報告もある。注意すべき点は、

線維化の進行速度(傾き)は直線的ではなく 63.0%(被リスク

Child分類による病

型肝硬変の生存率

n=115)の累積生存率

%、3年82.3 Child分類別の

)で88.8%、Child Child C(n=5

の線維化の進行速度に関す が肝生検を施行した で検討していいる。それによれば線維 段/年と計算され4段 上がって肝硬変になるまでに約 30 年かかる Shiratoriらも 2回の肝生 検をもとに肝線維化速度を計算しているが、

進行速度に関与する因 歳以上)、飲酒( つを挙げられ,20歳以下

年かけて肝硬変へと進 歳以上の年令で感染した場合、感 年くらいで急速に肝硬変へ進行する ことがあるとの報告もある。注意すべき点は、

線維化の進行速度(傾き)は直線的ではなく

%(被リスク

分類による病

)の累積生存率 82.3%、

分類別の 3年 Child n=5)で

の線維化の進行速度に関す が肝生検を施行した で検討していいる。それによれば線維 段/年と計算され4段 年かかる 回の肝生 検をもとに肝線維化速度を計算しているが、

進行速度に関与する因

、飲酒(50g/

歳以下 年かけて肝硬変へと進 歳以上の年令で感染した場合、感 年くらいで急速に肝硬変へ進行する ことがあるとの報告もある。注意すべき点は、

線維化の進行速度(傾き)は直線的ではなく

(3)

年令が進むに従って加速することであり、50 代に入ると進行速度が速くなり 50 歳代後半 から 60 歳台にかけて肝硬変になりやすいと 考えられる。

  しかし肝硬変に至ったのち、代償期から非 代償期への病態進展についてはまだ明らかで ない。そこでわれわれは肝硬変の病態進展速 度について検討した。進展速度の基準はChild 分類を用いた。観察開始時Chil Aであった症

例は 3 年後には 41.6%が病態進展していた。

一方Child B・Cでは3年間で63%が病態進 展していた。各Child病期における病態進展 速度は同じではなく、肝病態の進展に従い、

早くなっていた。そしてChild B・CはAよ り約 1.5 倍の加速度で進展していた。肝不全 コントロールを図る目的で治療介入を行う際、

病態進展速度が高い時期では治療抵抗性とな ると考えられる。

  HIV・HCV重複感染例の肝線維化進展速度 は、HCV単独感染例よりも早いとする海外の 報告が散見される。邦人における検討は我々 が昨年、この研究班で報告した。国立国際医 療研究センターで管理された HIV・HCV 重 複感染例 9 例の病態推移の評価を、当院の HCV単独感染27例の病態推移と比較検討し た。これまでの欧米の報告と同様に、邦人に

おいても HIV・HCV 重複感染例の病態進展

速度は速かった。HIVが共感染しているC型 肝硬変では肝不全の病態進展も早い可能性が ある。HIV・HCV重感染肝硬変症例ではChild A から移植待機を想定しておことが重要かも しれない。

E. 結論

HCV 単独感染の肝硬変症例の病態進展 速度は、Child AよりもB/Cの進展速度が 速い。

F. 健康危険情報

  特記すべきことなし。

G. 研究発表 1.  論文発表

1. Omata M, Nishiguchi S, Ueno Y, Mochizuki H, Izumi N, Ikeda F, Toyoda H, Yokosuka O, Nirei K, Genda T, Umemura T, Takehara T, Sakamoto N, Nishigaki Y, Nakane K, Toda N, Ide T, Yanase M, Hino K, Gao B, Garrison KL, Dvory-Sobol H, Ishizaki A, Omote M, Brainard D, Knox S,

Symonds WT, McHutchison JG, Yatsuhashi H, Mizokami M. Sofosbuvir plus ribavirin in Japanese patients with chronic genotype 2 HCV infection: an open-label, phase 3 trial. J Viral Hepat. 2014 Nov;21(11):762-8.

2. Kumada H, Hayashi N, Izumi N, Okanoue T, Tsubouchi H, Yatsuhashi H, Kato M, Rito K, Komada Y, Seto C, Goto S.

Simeprevir (TMC435) once daily with peginterferon-α-2b and ribavirin in patients with genotype 1 hepatitis C virus infection:

The CONCERTO-4 study. Hepatol Res.

2014 Jun 24. PMID: 24961662

3. Yamasaki K, Tateyama M, Abiru S, Komori A, Nagaoka S, Saeki A, Hashimoto S, Sasaki R, Bekki S, Kugiyama Y, Miyazoe Y, Kuno A, Korenaga M, Togayachi A, Ocho M, Mizokami M, Narimatsu H, Yatsuhashi H. Elevated serum levels of WFA+ -M2BP predict the development of hepatocellular carcinoma in hepatitis C patients.

Hepatology. 2014 Nov;60(5):1563-70.

2.学会発表 なし

H. 知的財産権の出願・登録状況(予定を含む。)   1.特許取得

    なし

  2.実用新案登録     なし

  3.その他     なし

参照

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