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密教研究 Vol. 1929 No. 32 002中野 達慧「興教大師御撰述に對する書史學的研究 (接前號) P71-125」

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(1)

(接

ニ前

ー)

部、

か、

義。

・難

く、

中、

て、

のと、

り、

て、

ば、

より

に、

し、

て、

源、

て、

(2)

興 教 大 師 御 撰 述 に 封 す る 書 史 墨 的 研 究 七 二 一 切 有 情 の 身 中 に 本 來 不 生 不 滅 の 理 あ り、 之 れ を 胎 藏 界と 名 く ご 説 き、 更 に 進 ん で 得 名 出 盤 等 の 細 繹 -に 入 り、 微 に 徹 し て 簡 な る 解 繹 を 試 み 給 ふ 之 れ に 次 ぐ に 金 剛 界 曼 茶 羅 の 総 繹 を 以 て し、 毘 盧 内 謹 の 法 は、 是 れ 金 剛 薩 唾 超 昇 の 径 路 に し て、 一 切 有 情 の 身 中 に 本 來 あ る 自 性 清 浮 の 大 菩 提 心 が、 即 ち 金 剛 界 ご 縛 せ ら る、 ご 述 べ、 然 る 後 得 名 出 髄 等 の 別 繹 に 移 り、 略 に し て 要 を 得 た る 説 明 を 施 し 了 て、 爾 界 表 示 の 不 同 ご 曼 茶 羅 圖 ご に 就 き、 種 子 ・ 三 昧 耶 ・尊 像 の 三 種 あ る 所 以 を 示 し、 以 て 爾 界 曼 茶 羅 功 徳 の 要 旨 を 講 讃 し し 給 ひ た り。 此 書 は 遺 教 録 憲 第 二 に 牧 録 さ る。 全 集 本 三 百 五 十 三 頁 六 行 の 無 比 無 過 上 昧 は 無 比 味 無 上 過 昧、 八 行 の 提 は 薩、 三 百 五 十 五 頁 七 行 の 目 は 巳、 九 行 の 身 は 界、 次 頁 十 二 行 の 通 は 遍、 三 百 五 十 七 頁 六 行 の 起 は 赴、 三 百 五 十 九 頁 初 行 の 實 性 の 下 に 是 實 性 即 是 實 性 の 七 字 ご、 七 行 の 薗 の 上 に 是 の 字 を 脱 し、 十 二 行 の 門 法 は 法 門、 次 頁 七 行 の 智 徳 は 徳 智、 入 行 の 奴 は 妙、 三 百 六 十 一 頁 八 行 の 足 は 説 の 誤、 叉 圖 の 一, 字 は 次 行 の 首 め に 逡 っ て、 別 行 ご 爲 す 可 き 文 句 な り、 其 他 些 末 な る 僻 庇 は 数 々 あ る も 之 れ を 省 く、 封 照 本 の 奥 書 左 に、 ( イ ) 東 寺 観 智 院 ご 栂 尾 高 山 寺 こ の 爾 古 爲 本 に は、 全 集 本 四 百 九 十 四 頁 六 行 の 封 蘭 巳 下 の 六 行 を 付 せ り。 ( ロ ) 高 山 寺 藏 別 本

(3)

久 安 五 年 二 月 十 三 日 書 了 爲 令 法 久 佳 交 了 華 押 (ハ ) 高 山 寺 藏 別 本 延 癒 元 年 四 月 光 日 鮎 了 仁 眞 年 廿 三 (ニ ) 高 山 寺 藏 別 本 外 題 二 輪 圓 徳 抄 仁 李 元 年 辛 未 十 二 月 三 日 於 二 高 野 山 西 谷 一書 ゾ 之 爲 二 求 佛 利 生 報 謝 師 恩 一也 眞 典 院 杢 校 了 音 奨 界 秘 事 一 云 眞 言 要 事 一 巻 踊 書 は 金 胎 爾 界 に 就 き、 其 梵 名 ・ 三 昧 耶 形. 因 果 理 智 ・観 照 ・東 西 曼 茶 羅 ・ 九 會 十 三 會 ・ 灌 頂 ・ 本 蓬 ・偶 碩 ・ 牽 法 ・印 明 ・ 供 養。 修 行、 並 に 灌 頂 堂 讃 の 次 第 等、 あ ら ゆ る 相 違 の 箇 塵 を 饗 比 詳 蓮 し 給 ひ た る 者 な れ ば、 一 目 の 下 爾 界 の 相 違 を 知 り 得 る 口 決 な り。 全 集 は 遺 教 録 憲 第 一 牧 録 本 に 依 る、 今 観 智 院 ご 高 山 寺 こ の 爾 古 鳥 本 に 校 合 せ し が、 交 字 の 爲 脱 は 樺 々 歎 箇 所 に 過 ぎ ざ る も、 細 注 が 本 文 こ なり、 別 行 が 前 文と 接 綾 し て 岡 連 の 文と な り、 或 は 咽 字 二 字 の づ め 室 所 を ベ タ 詰 に せ し 爲 め、 意 義 の 領 解 に 苦 し む 所 闘 憲 に 充 ち、 到 底 之 れ を 書 き 霊 し 得 ざ る な り。 叉 小 野 随 心 院 所 藏 本 に は、 懇 末 に 或 抄 云と し て, 胎 藏 界 有 二 三 種 灌 頂 一 巴 標 し、 一 事 業 灌 頂 云 々、 二 秘 ち 印 灌 頂 云 々、 三 心 授 灌 頂、 四 は 塞 露 こ な り、 五 甘 露 灌 頂 秀 々 ゐ 次 に 蘇 悉 地 説 二 四 種 灌 頂 一ご 牒 し 一 結 縁 灌 頂 興 教 大 師 御 撰 述 に 罰 ず ろ 書 史 學 的 研 究 七 三

(4)

興 教 大 師 御 撰 述 に 罰 す る 書 史 學 的 研 究 七 四 蓉 々、 二 寂 実 灌 頂 云 々、 三 受 明 灌 頂 韓 々、 四 得 阿 闊 梨 位 灌 頂 鶉 々 等、 凡 そ 廿 飴 行 を 書 添 へ 終 て、 右 ・す 上 人 御 作 其 言 要 事 一 冊 以 二 栂 尾 山 経 藏 法 鼓 壁 第 十 二 所 レ 納 古 本 一書 霧 了 則 剋 精 校 耳 干 時 安 永 六 年 仲 冬 上 旬 金 剛 佛 子 暉 喩 ご あ り。 次 に 唯 此 の 全 集 本 の み の 誤 り に 止 ら す、 密 部 聖 教 全 膿 に 亘 つ て、 末 未 ・ 雨 爾・ 木 水・ 千 干・ 切 功・ 加 如・ 季 華 ・亨 享 ・叙 劔 ・ 若 苦 ・名 各 ・ 旦 且 ・ 宜 宣 ・ 蜜 密 ・ 耶 邪 ・ 宮 官 ・ 完 宍 ・ 陳 陣 ・ 噺 瀬・ 薩 藁 等・ 實 に 霧 し き 書 き 誤 り あ せ し る 事 は 皆 人 の 知 る 所、 又 有 在 ・ 所 虜 ・ 坐 座 ・薫 蕪 ・ 受 授・ 令 被 の 隔 別 な く 故 に 受 け し か 授 け し か 或 は 又 合 せ ら む る か 襟 剃 る か を 混 用 せ る は、 讃 者 の 甚 だ 戴 む 黙 に て、 坐 う に 眞 言 學 者 が 文 字 の 使 用 に 暗 く、 且 っ 文 章 の 拙 き ご を 暴 露 す る も の こ も 構 す 可 き が 術 ほ 暉 ・ 浮 土 ・ 眞 宗 等 の 鎌 倉 佛 教 に 比 し て、 季 安 佛 教 の 眞 言 宗 は 修 僻 ご 思 索 に 就 て も、 甚 し き 遜 色 あ る は、 到 底 掩 ふ 可 か ら ざ る 事 實 な り、 さ れ ば に や 暉. 浮 土. 翼 宗 等 に は 傑 田 の 名 篇 多 き 割 合 に、 天 台 眞 言 の 爾 宗 に は 勘 き に 徴 し て も、 優 に 其 浩 息 を 窺 ふ に 足 る。 斯 の 如 く 密 部 聖 教 に は、 古 來 の 爲 誤 を 踏 襲 す る 風 あ b、 流 派 に 依 て は 之 れ が 訂 正 を 許 さゞ る 掟 す ら 存 す る も、 併 し 訂 正 し て 可 な り ご 思 ふ 二 三 の 例 を 墨 げ ん に、 全 集 本 百 九 十 六 質 四 行 に は 縛 日 羅 こ し 乍 ら、 後 の 二 百 三 頁 四 行 ご 二 百 四 頁 初 行 ご に は 縛 日 羅 こ な せ る 類 是 れ な り、 是 等 は 峯 ね 底 本 に も 爾 か 爲 せ る が 爲 め な ら ん も 、 召 は 男 聲 に て ﹁ ザ﹂ 女 聲 に て ﹁ ジ ﹂ 壷 暑 す る 故 へ、 ﹁ バ ザ ラ ﹂ の 梵 音・ に 符 合 す る も

(5)

日 は ﹁ ワ ツ ﹂ な れ ば、 到 底 之 れ が 劉 繹 文 字 に は 擬 し 得 ざ る な り。 タ ソ

が、

・式

う て、 ﹁ シ ヤ ﹂ の 音 な れ ば、 決 し て 封 繹 交 字 ご は な し 得 ざ る 可 し、 何 こ な れ ば 字 形 の 頗 る 相 似 た る 撮 の 字 は、 康 撫 字 典 に 奴 版 切 ・ 乃 版 切 ・ 並 音 難 ざ あ り て、 此 の 字 が 正 し き も、 古 來 の 塁 教 中、 此 の 服 を 用 ひ す し て、 赦 の 字 を 用 ひ 來 だ れ る は 是 非 も 無 き 次 第 な り、 併 し 斯 る 爲 誤 は 必 す し も 日 本 の み に て は 無 く、 遠 く 唐 代 に も あ り し も のと 見 へ、 希 鱗 の 績 矧 切 経 音 義 憲 第 一 ・ 大 乗 理 趣 六 波 羅 蜜 多 経 巻 第 四 の 下 に 撮 而 上 摯 棟 反、 方 言 云 レ 服、 亦 魂 也、 説 文 云、 面 葱 赤 也、 字 從 二 憂 聲 一也、 艮 昔 展、 経 文 從 レ 皮 作 ゾ 赦 誤 書 也。 ど 記 し、 高 麗 板 藏 経 中 の 密 教 三 部 に も 搬 の 字 を 用 ひ、 藁 を 誤 て 藥 ど せ る 杯、 之 れ を 思 へ ば 千 古 の 誤 り は 剛 朝 に し て 改 め 難 き 類 か、 憶 惑 ひ 易 き は そ も 亦 類 似 の 丈 字 な る か な。 其 他 二 百 四 頁 初 行 の 膏 立 曼 莫 三 嚢 多 縛 日 羅 赦 畔 ご あ る も、 立 ゾ 膏 ・ 襲 莫 三 曼 多 縛 日 羅 撮 瞠 の 誤 り に て 各 庭 に 散 見 せ る 在 は 有 ・ 軌 は 軌 ・ 藁 は 薩 響 咽 は 唖。 夜 双 は 夜 叉 の 誤 り な れ ば、 此 等 は 是 非 改 め て 爾 る べ し ざ 思 は る。 秘 密 蕪 巖 不 二 義 章 一 巻 興 教 大 師 御 撰 述 に 蜀 す る 書 史 學 的 研 究 七 五

(6)

興 欲 大 師 御 撰 述 に 封 す る 書 史 學 的 研 究 七 六 本 有 の 三 密。 性 徳 の 曼 茶 は、 是 れ を 秘 密 荘 嚴 の 心 ど 爾 す、 胎 理 金 智 爾 部 の 海 會 は、 此 の 不 一 の 名 に 於 て、 無 二 李 等 の 玄 致 を 顯 は す に あ る が、 本 書 は 具 さ に 其 所 以 を 説 か ん が 爲 め、 假 り に 敷 番 の 疑 難 を 設 け て、 繹 論 巻 第 一 ・ 弘 法 大 師 の 開 題 ・ 畔 字 義 等 の 謹 文 を 描 げ、 逐 次 祀 文 の 見 方 を 指 示 し て、 徐 う に 撫 部 の 教 理 を 明 か し、 終 り に 不 二 一 心 義 ・ 無 量 無 数 義 ・亦 一 亦 多 義 ・ 非 一 非 多 義 ・輪 圓 具 足 義 の 五 義 を 列 畢 し て、 甚 深 の 宗 要 を 詳 に し 給 へ り。 此 書 は 諸 秘 繹 巻 第 三 牧 録 本 に 依 れ る が、 篤 誤 甚 だ 勘 し、 全 集 本 百 珊 一 頁 九 行 の 智 は 知、 百 蹴 二 頁 十 行 の 圓 清 は 圓 満 の 誤 植 な る ど、 及 び 外 に 数 箇 庭 丈 字 の 異 同 ど、 百 購 一 頁 二 行 の 二 一 即 一 中 一 也 ど あ る を、 観 智 院 本 に は 二 即 一 色 即 一 者 一 即 二 也 ど あ り し に 過 ぎ ざ る な り、 封 校 本 左 の 如 し。 ( イ ) 醍 醐 三 寳 院 藏 本 告 慶 長 十 五 暦 庚 戊 仲 秋 下 旬 候 書 了 畳 鍵 上 人 作 抄 也 秘 藏 々 々 莫 ゾ渡 二 子 他 所 麟紛 失 之 基 也 末 資 不 二 依 違 -突 座 主 准 后 義 演 華 押 (ロ ) 東 寺 観 智 院 藏 本 元 亨 第 四 暦 懸 鐘 二 六 天 於 二 高 野 山 谷 上 寳 聚 院 一書 爲 之 畢 権 律 師 輝 長 (ハ ) 豊 山 楊 柳 庫 藏 華 温 房 良 轡 所 持 本 東 大 守 校 本 暑 寳 菩 提 院 本

(7)

二披

一而

本 云

て、

種ま

も、

は、

ち、

ふ、

て、

ば、

て、

し、

て、

り、

て、

し、

て、

へ、

も、

は、

り、

て、

ん、

所、

所、

て、

し、

し、

が、

なと

す。

る、

に、

名、

し、

倒、

磯、

興 教 大 師 御 撰 蓮 に 樹 す ろ 書 史 學 的 研 究 七 七

(8)

通、

倒、

て、

り、

使

字、

何。

云、

下、

集.

ハ ノ ノ ノ ノ エ チ ト ニ 按、 此 在 二 す 字 密 観 中 一指 二 若 凡 若 聖 頚 文 輔 廣 澤 傳 中 此 頚 名 二 即 身 成 佛 義 言 ハ 叉 題 目 云 二 即 成 身 成 佛 ノ ノ ス ル 義 一、 皆 同 本 也、 然 此 頚 非 二 南 山 撰 ↓ 具 如 二 顯 謹 辮 ↓ 範 録 恐 誤 也。 も と ど あ る が、 之 れ は 元 々 慧 範 法 印 の 諸 師 製 作 録 に、 即 身 成 佛 章 ど 義 集 ど を 別 本 ど 爲 し た る を、 謙 順 僧 並 が 承 け 縫 ぎ し よ り、 毬 に 斯 の 如 き 蛇 足 的 考 謹 を 附 せ ざ る を 得 ざ る に 到 り し も の な り。 大 日 眞 雷 開 題 翼 云 夷 曾 電 爽 耀 五 字 秘 緯 一 巻 此 書 は 世 間 に 尤 も 多 く 知 ら れ た る、 大 日 経 悉 地 出 現 品 中、 胎 藏 界 大 日 如 來 の 眞 言 の 随 一 な る 満 足 瞬 切 智 を 印 に 就 て、 解 説 を 試 み ら れ た る 者、 先 づ 初 め に 大 意 を 総 叙 し、 次 に 此 の 眞 言 に は 通 別 の 二 意 あ b 別 し て は 猫 一 無 二 無 相 法 身 大 日 如 來 の 眞 言 な る も、 通 じ て は 十 方 三 世 無 監 無 飴 一 切 諸 佛 の 通 呪 総 印 な る 旨 を 述 べ さ せ ら れ、 此 の 一 呪 に 一 切 の 諸 法 を 悉 く 含 む が 故 に、 此 の 一 呪 を 唱 へ だ ら ん 者 は、 即 ち 一 切 の 法 一 ど し て 成 就 せ ざ る は 莫 し ど 説 き、 若 し 叉 此 の 五 字 明 を 縮 む れ ば、 唯 阿 の 一 字 ど な る ど て、 大

(9)

・悉

品。

て、

なり。

る、

に、

あり

み。

き、

て、

の、

に、

る。

る、

に、

し。

て、

み、

は、

し、

き、

者り、

が、

め、

なり

を、

ど、

魯智

は、

て、

し。

(10)

興 教 大 師 御 撰 述 に 劃 す る 書 史 墨 的 研 究 八 〇 三 賓 院 藏 本 の 奥 書 左 に、 慶 長 十 六 稔 辛 亥 月 日 威 二 得 之 一加 二 入 性上 人 作 分 一納 二 金 輪 院 経 藏 一莫 レ 出 二 闘 外 之 外 一突 座 圭 准 三 后 樺 享年 六九 尚 ほ 今 大 師 に は 牽 都 婆 法 則 及 び 日 傘 都 婆 式 あり、 之 れ は 講 式 法 則 部 に 編 次 せ し が、 叉 印 朋 大 串 部 に 牧 め し 日 率 都 婆 の 大 事 も あ れ ば、 併 せ 見 ら れ ん こ ど を 望 む。 鐵 塔 事 一 巻 高 組 弘 法 大 師 の 御 繹 に、 此 縄 及 大 日 経 並 是 龍 猛 菩 薩 從 二 南 天 鐵 塔 内 一所 二 諦 傳 "経 是 也 ど あ る 故 へ、 大 日 経 も 亦 金 剛 頂 経 ど 同 じ く、 龍 猛 菩 薩 が 南 天 竺 の 鐵 塔 を 開 ひ て、 金 剛 薩 唾 よ り 相 承 し 給 ひ た る 御 経 な り ど 傳 聞 相 承 す る も の の、 其 實 彼 の 金 剛 頂 経 義 決 の 初 め に、 同 経 の 密 傳 縁 起 を 詳 記 せ る が、 明 了 に は 大 日 纒 の 塔 内 相 承 に 迄 言 及 し 居 ら ざ る 事、 今 一 つ は 大 日 経 の 序 に、 此 経 は 北 天 竺 の 石 窟 よ り 禰 猴 相 承 す ど あ る を 以 て、 叢 に 古 來 論 議 の 題 目 ど な れ り 之 れ を 巧 み に 會 通 せ ん が 爲 め、 鐵 塔 口 傳 な る 紳 秘 的 解 葎 す ら 生 す る に 到 る。 今 大 師 は 斯 の 如 き 問 題 に は 鯛 れ 給 は す、 陀 や 鐵 塔 に 就 て 淺 略 深 秘 の 一義 を 設 け、 共 深 義 に 依 れ る 行 者 の 肉 即 鐵 塔 説 を 極 成 し、 併 せ て 臼 芥 子 を 以 て 加 持 す る 理 由 を 説 明 し 給 ふ が、 實 に 本 書 の 眼 目 ど な れ

(11)

り。 い ま

る、

に、

深、

ス ル

肉、

道、

也、

ど、

ど、

ど、

し、

屯、

し、

に、

(

)

・ぐ

(

)

廿

なり

も、

勢、

は、

軌。

度。

て、

て、

興 教 大 師 御 撰 蓮 に 野 す ろ 書 史 學 的 研 究 八 一

(12)

なり、

て、

が、

宛、

句、

し、

り。

る、

が、

み、

に、

(

)

(ロ

)

(ハ

)

き、

し、

て、

が、

(13)

此 の 旨 趣 を 籏 充 し て、 三 界 六 道 の 輪 廻 を 脱 れ て、 成 佛 謹 果 の 勝 善 を 獲 る は、 偏 に 此 の 十 佳 心 の 維 説 を 遵 奉 す る に あり ど 諭 し 給 へ り、 末 尾 の 文 を 秩 失 せ る 爲 め、 其 の 全 射 を 窺 ひ 得 ざ る は 頗 る 遺 憾 な る も、 現 存 せ る 七 言 廿 句 ど、 四 言 十 句 の み に て も、 紹 述 し 給 へ る 主 旨 は 十 分 に 之 れ を 窺 ふ こ ど を 得 ん、 巻 尾 を 失 へ る 書 物 に 尾 題 あ る 筈 無 し、 之 れ あ る は 後 人 の 添 加 ど 知 ら る。 全 集 は 逡 教 録 巻 第 三 牧 録 本 に 依 る、 今 観 智 院 藏 果 寳 本 ど 樹 校 せ し に、 一 字 の 差 升 あ る こ ど 無 し、 但 し 軌 は 軌 の 誤 り な る や 元 よ り 論 な し。 翼 書 泉 鼠 密 修 行 問 答 二 種 各 一 巻 此 の 聖 教 は 眞 言 行 者 が 諸 尊 の 三 霧 を 修 行 す る 行 相 に 就 き、 十 数 番 の 問 答 を 設 け て、 學 匠 問 に 起 る 可 き 疑 義 を 究 明 し 給 ひ た る 者、 同 名 の 書 二 部 あ り、 内 容 に は 大 差 無 き も、 全 集 の 初 出 本 は 遺 教 録 に 依 り て 稽 々 長 く、 後 描 本 は 諸 秘 騨 に 依 て 少 々 短 か ん、 叉 墾 方 共 に 完 本 な る も、 初 出 本 は 恐 く 御 草 案 未 治 本 か ど も 拝 せ ら る。 之 れ を 観 智 院 ど 高 山 寺 の 雨 古 本 ど に 封 綾 せ し に、 全 集 本 二 百 十 一 頁 四 行 の 細 注 六 字 が、 菩 提 心 の 右 側 に 在 て、 心 性 法 界 の 傍 注 ど なり、 五 行 の 此 段 虫 食 不 分 明 ど あ る 虜 が 約 六 字 分 の 虫 損 を 受 け、 下 の 一 切 諸 佛 の 右 側 に 無 相 等 同 虚 室、 九 行 の 本 有 本 地 の 右 側 に 本 來 法 爾、 十 一 行 の 妙 身 之 中 の 右 側 に 常 佳 不 興 教 大 師 御 擬 蓮 に 蜀 す ろ 書 史 學 的 研 究 八 三

(14)

興 教 大 師 御 撰 蓮 に 封 す る 書 史 學 的 研 究 八 四 攣 寂 滅 無 相 の 傍 注 あ り て、 尾 題 無 し。 次 に 後 出 本 の み は 観 智 院 高 山 寺 藏 爾 本 の 外 に、 天 台 宗 上 野 寛 永 寺 所 藏 本 に も 甥 校 せ し が、 全 集 本 二 百 廿 三 頁 二 行 の 若 の 字 が 爲 悉 地 成 就 世 間 出 世 間、 六 行 細 注 の 秘 繹 云 が 秘 密 之 義 ど な れ り、 而 し て 此 の 三 古 爲 本 が 共 に 尾 題 無 き よ り 見 れ ば、 尾 ﹁題 あ る は 正 し く 後 人 の 蜜 入 な る 可 し。 顯 密 不 同 章 一 巻 試 み に 顯 密 の 不 同 を 詳 説 せ ん か、 恐 く 無 量 無 擾 の 差 蓮 あ ら ん、 今 其 の 大 略 を 述 ぶ る も、 ザ ッ ト 一 萬 の 不 同 あ り ど て、 其 の 由 を 胃 頭 に 示 し 給 ひ、 さ て 其 の 顯 教 な る も の は、 癒 途 懸 化 の 説 法 な る も、 密 部 の み は 貴 き 法 佛 の 秘 談 な り、 又 顯 教 は 顯 露 淺 略 の 方 便 説 な れ ば、 縄 に 外 相 の 憾 跡 を 説 く に 止 り、 未 だ 法 佛 の 境 界 を 談 せ ざ る も、 密 教 は 深 秘 至 奥 の 究 覧 説 な れ ば、 本 地 の 奥 藏 を 開 ひ て 性 海 の 源 底 を 究 む、 も こ た ゞ 而 も 其 の 顯 教 す ら 元 を 糾 せ ぱ、 尚 ほ 此 密 教 より 縁 起 せ し 者 な れ ば、 顯 ど 錐 こ も 決 し て 密 を 離 れ て 存 せ ざ る 由 致 を 述 べ さ せ ら る、 然 も 之 れ に は 略 し て 入 法 二 種 あ つ て、 人 の 中 に も 復 二 あ り、 因 果 別 な る が 故 に、 法 の 中 に も 亦 四 あ り、 教 理 行 果 あ る が 故 に ど 説 き、 以 て 眞 言 秘 藏 が 顯 教 に 超 過 せ る 所 以 を 詳 叙 し 給 ふ か、 此 の 聖 教 の 主 旨 な り ど 拝 せ ら る。 全 集 は 遣 教 録 霧 第 一 牧 録 本 に 依 る、 今 高 山 尋 藏 本 及 び 観 智 院 藏 呆 寳 本 ど 蜀 校 せ し に、 相 達 せ る 所 甚

(15)

く、

り、

し。

て、

者、

を、

泥り

る、

す。

て、

時、

ふ、

が、

を、

る。

る、

に、

あるこ

し、

し 全 集 本 九 十 頁 十 一 行 の 硫 は 疏 の 誤り な る ど、 九 十 二 頁 五 行 の 也 の 下 ど、 九 十 三 頁 入 行 の 法 門 の 下と に 細 字 に て 文 の 字 あり し ど、 爾 文 共 に 次 下 を 別 行 ど せ る 相 達 あ り し の み。 興 教 大 師 御 撰 述 に 醤 す ろ 書 史 學 的 研 究 八 五

(16)

興 教 大 師 御 撰 述 に 封す る 書 史 學 的 研 究 八 六 勧 登 頭 叉 云 勤 嚢 潭 心 頭 或 云 勤 登 修 行 頭 一 巻 五 言 八 十 句 の 偶 頚 に 於 て、 世 間 有 漏 法 の 如 幻 虚 妄 な る 事 を 述 べ て、 切 に 之 れ を 厭 離 せ し め、 急 ぎ 出 も こ ゐ み や こ 砥 萬 法 の 基 な る 三 密 を 修 し て、 早 く 五 智 の 都 に 蹄 れ ど 勘 誠 し 給 ふ が 乃 ち 本 書 の 目 的 な う ど 窺 は る。 い ま

る、

に、

は、

ハ テプ ノ ハ テ ノ イ ロ の 爾 本 に 大 畳 々 如 レ 夢、 遊 一二 實 眞 城一、 群 迷 々 異 ゾ 道、 訂 二 三 假 幻 野 一 ど な れ る に、 沖 本 は 今 ど 同 じ、 又 イロ の 爾 本 は 六 行 の 重 が 薫、 七 行 の 何 が 孚、 次 頁 三 行 の 以 不 が 不 次、 萄 が 易 ど な れ り、 此 等 の 相 遠 よ り 考 ふ る に、 恐 く ば 御 草 案 本 ど 改 治 本 ど の 二 本 あ り し も の か、 翁 照 本 の 奥 書 左 に、 ( イ ) 東 寺 観 智 院 藏 呆 寳 所 持 本 元 亨 第 四 暦 吾 爲 之 了 椹 律 師 縄 良 ( ロ ) 御 室 仁 和 寺 心 蓮 院 奮 藏 本 慮 永 聾 一 年 六 月 一 日 以 二 五 智 房 融 源 自 筆 本 一書 二篇 之 一畢 (別 筆 ) 心 蓮 院 是 先 師 法 印 手 跡 也 ( ノ ) 醍 醐 三 寳 院 藏 義 演 准 后 本

(17)

囎 嚴 登 露 繊 悔 文 一 巻 妄 想 に 纏 は れ た る 我 等 凡 夫 が、 二 六 時 申 不 知 不 識 の 間 に、 身 口 意 の 三 業 を 以 て、 誤 て 無 量 の 衆 悪 を 犯 し つ、 あ る 其 の 現 状 を、 些 の 覆 藏 な く 登 露 自 白 し、 三 寳 に 向 て 衷 心 よ り 憾 悔 し て、 哀 懲 を 乞 は せ 絵 ひ し も の、 僅 に 七 言 四 十 四 句 の 短 篇 な る も、 非 常 の 名 文 な れ ば、 日 躁 勤 行 の 時 之 れ を 讃 説 し て、 自 行 策 働 の 聖 訓 ど 爲 し 來 れ る 事、 是 れ 宛 も 眞 宗 の 朝 夕 勤 行 の 終 末 に、 蓬 如 上 人 作 の 領 解 文 を 讃 む に 均 し、 も ろ く カ も 眞 宗 の 方 は 純 他 力 の 法 門 故 へ、 諸 の 難 行 難 修 の 心 を 振り 捨 て、 一 心 に 彌 陀 の 大 悲 に 縄 う、 虚 曝 の 蓮 謬 を 改 悔 し て、 本 願 の 正 意 に 蹄 入 せ ん 事 を 拗 め ら れ だ る ど の 相 蓮 あ る は 元 よ り 論 な し。 所 謂 臓 悔 ど は 餓 ど は 梵 語 幟 摩 の 略 に し て、 罪 過 の 容 忍 を 請 ふ ご ど 価 悔 ど は 悔 過、 乃 ち 既 に 犯 せ る 罪 過 柔 野 し て 答 悔 す る こ ど、 故 に 悔 を 以 て 俄 摩 の 意 課 ど 爲 す 可 し、 天 台 大 師 の 観 経 疏 (○ 藏 第 墾 拾 屡 套 ) に、 臓 摩 梵 言 ・悔 過 漢 語、 彼 此 並 墨 故 云 二 臓 悔 一、 將レ 果 瞼レ 因 知 二 過 去 有レ 罪、 恐 償 未レ 鑑 來 更 受、 故 須 二 臓 悔 リ。 ど 騨 し、 道 宣 律 師 の 戒 疏 憲 第 一 (績 藏 第 六 十 二 套 ) に、 ノ ノ 繊 悔、 々 是 此 土 之 言、 臓 是 西 方 略 語、 如 二 梵 本 音 一幟 摩 也、 字 臓 非 二 倉 雅 所レ 陳、 近 俗 相 傳 故 耳。 ど 云 ひ、 宗 密 大 師 の 圓 壁 修 謹 儀 霧 第 二 (績 藏 第 二 編 乙 第 壼 套 ) に は 此 の 二 字 を 注 し て、 興 激 大 肺 御 撰 蓮 に 鍬 す る 書 史 學 的 研 究 八 七

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興 教 大 師 御 撰 蓮 に 封 す る 書 史 學 的 研 究 八 八 セ バ 言 二繊 悔 一 者、 具 云 二 臓 摩一、 此 云 二 悔 過 一、 若 別 説 者、 臓 名 レ 陳 二 露 先 罪一、 悔 名 二 改 レ往 修 レ 來。 ど あ り、 其 他 慧 苑 音 義 ・ 玄 懸 音興 義。 翻 謬 名 義 集 等 に も、 梵 漢 併 暴 ど せ る が、 天 台 大 師 の 摩 詞 止 観 (會 本 ・ 岩 第 七 之 四、 卍 藏 第 墾 拾 武 套 ) に、 幟 名 レ 陳 二 露 先 悪一、 悔 名 二 改 ゾ 往 修 ゾ來。 零 繹 し、 同 大 師 の 金 光 明 脛 文 句 憲 第 三 (卍 藏 第 墾 拾 参 套 ) 繹 餓 悔 品 の 初 め に、 諸 大 乗 経 多 分 散 明 二 臓 悔一、 此 経 專 以 二 幟 悔 齢當 レ 品、 今 先 繹 レ 名、 幟 看 首 也、 悔 者 伏 也、 又 幟 名 二 白 法 一 悔 名 二 黒 法一、 又 繊 名 二 修 來 一悔 名 二 改 往一、 往 日 所 ゾ 作 悪 不 善 法 鄙 而 悪 ゾ 之、 故 名 爲 レ 悔、 往 日 所 レ 棄 一 切、 善 法 今 日 巳 去 誓 願 勤 修、 故 名 爲 レ恨、 棄 レ往 求 ゾ 來 故 名 二 戯 悔一、 又 幟 名 レ披 二 陳 衆 失一、 登 二露 過 答 一不 二 敢 騰 騒 灘一、 悔 名 佐 断 ご 相 綾 心一。 (抄 録 ) 嫁 云 ひ て、 十 番 の 繹 名 を 設 け、 更 に 諸 経 を 引 ひ て 幟 悔 の 瘍 塵・ 方 法・ 位 時 等 を 廣 説 せ り、 其 他 宗 密 大 師 の 圓 畳 輕 大 疏 ( 績 藏 第 十 四 套 ) に ノ 餓 悔 雨 字 各 是 一 義、 臓 名 二 陳 露 一者、 翻 二 繊 字 一如 二 佛 名 維一、 云 幟 是 臓 謝 之 名、 悔 以 二 悔 責 一爲 レ義。 ど あ る は、 梵 漢 爾 語 の 訓 話 を 當 面 ど せ す、 包 容 の 義 理 に 基 き、 二 字 共 に 漢 字 ど 見 て、 各 別 の 意 義 を 表 示 す る も の ど な せ る 説 な り、 之 れ を 要 す る に 楚 漢 並 畢 ど 爾 字 各 擦 } 義 ど の 爾 繹 あ る も、 幟 悔 し て 往 非、 を 免 れ、 更 に 犯 さゞ る 榛 努 む る の 趣 旨 に 到 つ て は、 共 に 其 揆 を 一 に せ り、 而 し て 此 の 臓 悔 の 性 質 を 大

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に、

ん、

(

)

て、

ノ 若 能 如 法 餓 悔 者 當 下 依 三 一種 観 門 一修 上 嗣 者 観 事 滅 罪 門 二 者 観 理 滅 羅 門 観 箏 滅 罪 有 二 其 三 一 上 中 下 根 爲 二 三 品 一 ど 牒 し、 然 る 後 廣 く 三 品 の 観 相 を 明 し 終 て、 次 に 観 理 滅 罪 門 を 説 き て、 君 於 島 修 習 観 二 正 理 一 遽 二 離 一 切 諸 散 働 一 著 二 新 澤 衣 一躁 跣 坐 擾 レ 心 正 念 離 二 諸 縁 嶋、 常 観 二 諸 佛 好 法 身 禮 牲 如 レ 室 不 可 得 一 一 切 諸 罪 性 皆 如 顛 倒 因 繰 妄 心 起 如 レ是 罪 相 本 來 空 三 世 之 中 無 二 所 得 一 乃 至 日 夜 能 観 二 妙 理 塞 輔 一 切 罪 障 自 清 滅 ど 陳 ぺ た る は 乃 ち 其 例 に し て、 此 他 の 諸 維 に も 往 々 散 見 せ り、 古 來 禮 佛 謙 経 等 の 諸 作 法 を 爲 し て、 罪 過、 を 登 露 幟 悔 す る を 事 幟 ど 幕 せ し が、 彼 の 丈 殊 悔 過 経。 含 利 弗 悔 過 経 ・ 三 聚 幟 悔 経 等 に 於 て、 六 時 の 五 悔 を 修 せ る も の、 及 び 律 部 中 の 布 薩 ど 自 恣 の 儀 式 杯 も 皆 之 れ に 属 す 可 し、 然 る に 諸 法 實 相 萬 法 皆 塞 の 理. を 観 じ て、 衆 罪 元 ど 妄 念 よ り 鵡 る ど 知り 其 忘 念 に 實 燈 無 け れ ば、 随 て 所 造 の 罪 過 も 亦 塞 な も ど 竸 達 す る を、 理 畿 ど は 名 け し な り、 尤 も 教 義 の 差 異 に 依 う、 観 の 内 容 を 岡 じ く せ ざ る は、 元 よ も 論 無 し、 然 り 而 し て 新 る 繊 悔 に 依 て、 果 し て 何 物 が 得 ら るゞ や ど 云 ふ に、 例 の 心 地 観 経 の 前 交 に は、 興 教 大 師 御 撰 述 に 謝 す る 書 史 學 蘭 研 究 八 九

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興 教 大 師 御 撰 述 に 封 す る 書 史 學 的 研 究 九 〇 若 能 如 法 餓 悔 者 所 有 煩 儲 悉 皆 除 猶 如 下 劫 火 壊 二 働 間 嶋 焼 甲 盤 須 彌 並 且 海 上 臓 悔 皆 嶢 二 煩 欄 薪 麟 熾 悔 能 佳 二 生 天 路 蝋 等 ど 讃 歎 し、 観 普 賢 経 ( 卍 藏 第 拾 登 套 第 四 冊 ) に は 閣 巻 に 亘 り、 幟 悔 の 作 法 ど 其 利 盆 ど を 詳 叙 し、 且 つ 在 家 居 士 の 臓 悔 に 就 て、 五 種 の 方 法 を も 説 け り、 若 し 夫 れ 密 家 常 用 の 書 に 就 ん か、 彼 の 無 畏 暉 要 ・ 不 塞 の 受 菩 提 心 戒 儀 等 を 初 め ど し、 灌 頂 式 中 の 三 昧 耶 戒、 金 剛 界 五 悔 及 び 胎 藏 界 九 方 便 ㊨ 出 罪 方 便 杯 も 亦 此 の 事 臓 に 相 當 す べ し、 而 し て 斯 の 如 く 往 非 を 畿 悔 す る 所 作 に 依 て、 滅 罪 生 善 の 功 徳 を 獲 る も の ど 説 か る、 伍 て 此 の 熾 悔 文 の 如 く 眞 心 よ り 改 過 遷 善 し た ら ん に は、 曝 か し 敷 多 の 名 匠 碩 徳 を 出 し た ら ん に、 惜 む ら く ば 世 の 降 る に 從 ひ、 戚 じ が 鈍 く な る も の ど 見 へ、 網 師 折 角 の 躬 行 實 踵 的 良 範 も、 い つ し か 儀 式 化 し て、 心 に 之 れ を 讃 み、 躬 に 之 れ を 行 ふ の 實 を 敏 け る は、 窪 に 痛 歎 の 極 み な り。 麟 て 之 れ を 眞 宗 の 改 悔 文 を 見 る に、 儀 式 化 の 弊 を 矯 ん が 爲 め、 各 自 思 ひく に 作り 替 て、 御 領 解 の 大 要 を 陳 べ さ せ る 杯 は、 以 て 他 山 の 石 ど な す べ く、 叉 彼 の 基 督 教 に も、 悔 ひ 改 め る こ ど は、 信 仰 に 入 る 第 一 の 鍵 ど さ れ、 嚴 か な る 臓 悔 自 白 の 式 あ り て、 之 れ を 重 親 す る よ う 推 さ ば、 熾 悔 の 一 事 こ そ、 げ に 世 界 宗 教 共 通 の 良 訓 ど 知 ら れ た り。 -次 に 七 言 四 句 幟 悔 の 偶 文 は、 古 へ よ り 一 般 に 讃 謡 さ れ し に も 拘 ら す、 今 大 師 が 特 に 之 を 作 ら せ ら れ 以 て 自 他 の 警 策 ど 爲 し 給 ひ し 所 以 は、 蓋 し 保 延 元 年 三 月 は 御 年 四 十 一 歳 に て、 金 剛 峯 寺 ど 大 傳 法 院と

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の 爾 座 圭 職 を 濁 占 せ ら れ 花 る 全 盛 時 代 の こ どゞ て、 金 剛 峯 寺 大 衆 の 怨 嵯 嫉 妬 も、 其 の 最 頂 に 達 せ し よ り、 此 等 大 衆 の 強 塵 に 堪 へ 得 す、 断 然 此 の 爾 顯 職 を 持 明 院 眞 碁 嗣 閣 梨 に 譲 ら せ ら れ、 自 ら 退 ひ て 密 嚴 院 に 引 籠り、 閑 寂 な る 別 天 地 に 起 臥 し て、 聖 胎 長 養 を 專 ら ど 遊 ぱ す、 劃 期 的 新 生 活 の 初 頭 に 際 し、 戚 概 の 程 も 殊 の 外 深 か り し か ば、 期 せ す し て 此 の 傑 作 が 出 來 し も の な ら ん ど 伺 は る。 全 集 は 諸 秘 繹 馨 第 八 牧 録 本 に 依 る、 今 三 寳 院 及 び 寛 永 寺 藏 本 ど 醤 校 せ し に、 全 集 本 四 百 入 十 四 頁 五 行 の 比 が 假 ど な れ り、 假 の 字 の 方 佳 な ら ん、 三 寳 院 藏 本 の 奥 書 左 に、 醤 慶 長 十 五 稔 庚 戊 仲 秋 初 入 日 尋 二 求 書 上 人 之 作 分 一爲 レ納 二 金 剛 輪 院 之 縄 藏 一馳 ソ 筆 突 座 主 准 三 后 美 演 華 押 謝 徳 威 佛 碩 一 巻 七 言 六 十 句 の 偶 頚 を 以 て、 大 師 御 自 身 を 鞭 難 し て、 修 道 の 箴 言 ど な し、 併 せ て 師 恩 を も 謝 し 給 ひ だ る 者、 宗 教 的 大 偉 人 の 心 地 も 窺 は れ て、 洵 に 奪 き 極 み なろ、 此 書 元 ど 無 題 なり し を、 後 人 が 今 の 題 目 ` を 付 け し な ら ん。 い ま 全 集 は 遺 教 録 懇 第 二 牧 録 本 に 依 る 今 古 窩 本 ど 劉 校 せ し に、 全 集 本 五 百 廿 一 頁 五 行 の 年 は 季、 六 行 の カ は 刀、 八 行 の 焚 は 焚、 次 頁 四 行 の 支 は 友 等、 其 他 数 箇 礎 に 差 異 あ う、 叉 尾 題 も 安 せ す、 術 ほ 邊 り 假 興 敏 大 師 御 撰 蓮 に 封 す る 書 史 學 的 研 究 九 一

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興 教 大 師 御 撰 述 に 鍬 す ろ 書 史 學 的 研 究 九 二 名 も 籐 程 異 れ り、 封 校 舌 篤 本 奥 書 左 に、 ( イ ) 東 寺 観 智 院 藏 果 寳 本 ト ツ テ ス ヲ

∴随

一右

(ロ

)

て、

て、

け、

り。

る、

外、

し。

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眞 言 毘 盧 一 宗 の 大 生 命 だ る 其 法 脈 を 繋 ぎ て、 之 れ を 千 歳 に 傳 ふ 可 き 機 能 を 墨 げ ん か、 乃 ち 事 教 の 二 相 に 出 で ざ る 可 し、 そ が 教 相 に 關 す る 今 大 師 の 御 製 作 類 は、 以 上 に て 既 に 略 叙 し 了り た れ ば、 之 れ よ り 更 に 事 相 編 に 移 る 可 し、 由 來 事 教 の 二 相 は 宛 も 鳥 の 墜 翼 の 如 く、 彼 此 の 間 に 於 て、 些 か たり ど も 優 劣 差 等 あ る べ き 筈 な き も、 而 も 諸 尊 内 謹 の 三 昧 を 畳 得 し て、 自 利 々 他 成 辮 せ し む る 最 終 の 結 實 は、 之 れ を 事 相 練 行 の 牧 獲 に 待 つ べ き も の の た れ ば、 彼 の 教 相 の 春 花 に 封 す る よ り も、 矢 張 り 此 の 事 相 の 秋 菓 に 就 て、 一 層 重 親 せ ら る、 は 差 し 勢 ひ の 爾 ら し む る 所、 是 れ 初 期 上 代 の 眞 言 宗 が 教 相 の 研 讃 よ り も、 寧 ろ 事 相 の 得 験 に 重 き を 置 き し、 顯 著 な る 事 實 に 徴 し て も、 之 れ を 謹 す る に 鯨り あ り、 然り 而 し て 教 相 研 鎭 の 極 致 だ る や、 畢 覧 阿 字 本 不 生 の 道 理 さ へ 判 れ ば 能 事 足 れ る を 以 て、 此 の 義 理 を 詮 顯 す る 都 合 上、 其 の 説 明 に は 融 通 キ ク 蓬 も あ る が、 猫り 此 の 事 相 の 練 行 の み は 其 の 流 例 流 格 を 守 り て、 侮 事 形 に 表 は し て、 之 れ を 實 行 せ ね ば 効 果 な き 關 係 上、 到 底 誤 魔 化 し が キ カ ぬ 爲 め、 随 て 之 れ を 傳 承 す る 師 資 を 嚴 選 し、 爾 る 後 華 麗 に し て 豪 嚴 な る 紳 秘 的 儀 式 を 行 ふ に 至り し も の、 故 に 相 承 を 重 要 硯 し、 之 れ を 各 自 唯 一 の 櫻 威 ど な せ る 結 果、 一 器 め 水 を 一 器 に 潟 せ し 爲 め 肝 心 の 法 味 に は 些 の 獲 異 な し ど す る も、 其 取 扱 ひ に 就 て は、 野 澤 の 爾 系 よ り 遽 に 十 二 支 流 を 生 じ、 更 に 分 れ て 辮 六 流、 或 は 無 敏 の 末 涙 を 算 す る に 到 れり、 故 に 眞 言 宗 の 分 涙 は、 必 す し も 教 義 上 の 見 解 よ り 起 り し も の に て は 非 す し て、 寧 ろ 此 の 事 相 上 の 流 例 流 格、 乃 ち 灌 頂 の 儀 式。 諸 尊 の 行 法 等 の 相 違 より 來 り し も の な る や 明 か なり。 興 教 大 師 御 撰 述 に 封 す ろ 書 史 墨 的 研 究 九 三

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興 敬 大 師 御 撰 蓮 に 封 す る 書 更 墨 的 研 究 九 四 所 謂 事 相 ど は 果 し て 何 を 指 す も の た る や、 之 れ に 答 ふ る 抽 象 的 読 明 ど し て、 本 誰 二 乃 ち 本 誌 第 三 十 號 一 二 一 頁 に 於 て、 事 相 の 定 義 及 び 其 の 性 質 ど を 略 叙 し、 同 一 一入 頁 已 下 十 九 頁 に 亘 て、 そ が 史 實 に 現 は れ し 事 相 の 興 起 濫 膓、 並 に 其 の 相 承 傳 播 の 具 禮 的 畢 謹 を 示 め せ し が、 尚 未 だ 其 の 實 質 の 箇 髄 的 叙 違 に 達 は ざ り し、 傍 て 今 聯 か 之 れ を 試 み ん。 乙 細 説 ほ ゞ 今 大 師 御 製 作 の 書 無 慮 二 百 部、 之 れ を 四 大 部 門 に 分 つ ど 錐 ざ も、 事 相 に 關 す る 聖 教 が 粗 其 の 雫 ば を 占 め 居 る か を 拝 せ ば、 今 大 師 が 如 何 許 り 事 相 の 傳 持 ど 其 の 宣 布 ど に、 心 を 注 が せ 給 ひ だ る か を 伺, 潮 に 足 る 可 く、 且 叉 今 大 師 の み な ら す、 上 代 本 宗 古 徳 の 製 作 が 殆 ん ご 其 の 揆 を 一 に せ る か を 知 ら ば、 以 て 其 の 重 ん す る 所 を 察 す る に 足 る、 然 れ こ も 其 の 製 作 の 書 に 優 劣 あ り て、 適 否 行 城 の 差 あ る は、 そ も 亦 免 れ 難 き 命 数 に て、 其 の 多 敷 が 蚤 に 浬 滅 に 蹄 せ る に も 拘 ら す、 ム ー大 師 の 製 作 に か ぎ り、 殆 ん ご 存 在 せ る こ ど は、 是 れ 量 に 一 頭 地 を 抜 け る 傑 作 な る ど 隅 時 に、 法 命 の 爾 ほ 未 だ 括 ち ざ る 瑞 籔 ど も 見 る べ き な り、 先 き に 今 大 師 御 製 作 中、 現 存 事 相 聖 教 八 十 飴 種 を 列 記 し、 假 り に 分 類 し て 四 度 次 第。 傅 法 灌 頂。 印 明 大 事 ・ 諸 尊 作 法 及 び 講 式 表 白 類 の 五 部 に 排 厨 せ し が、 焼 謂 四 度 ど 稽 し 灌 頂 ど 謂 ふ 名 稽 が、 密 檜 周 知 の 常 套 語 で あ り 乍 ち、 而 も 未 だ 纒 り た る 記 述 を 見 ざ る は、 畢 覧 各 自 の 傳 承 を 紳 秘 ど し、 之 れ を 顯 露 に す る こ ど を 避 け た る こ ど、 及 び 彼 此 の 諸 流 を 比 較 し て、 其 の 得 失 を 取 捨 改 易 す る こ ど を 忌 み だ る 慣 例 上

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科 學 的 批 判 は 勿 論、 歴 史 的 考 謹 も は だ 叉 綜 合 的 研 究 を も 爲 し 得 ざ り し ど 同 時 に、 斯 の 如 き 學 究 的 詮 索 よ り も、 寧 ろ 實 際 の 修 法 さ へ 出 來 れ ば、 そ れ に 不 自 由 を 域 せ ざ り し が 爲 あ に も 依 る な ら ん、 故 に 事 相 行 者 の 無 學 が 三 代 も 績 か ば、 其 の 法 全 く 外 道 に 瞳 せ り ど さ へ 誠 め ら れ た る は 蓋 し 之 れ が 爲 め な り、 さ れ ば に や、 ロ に 四 度 灌 頂 印 信 大 事 等 の 名 稽 を 唱 ふ ど も、 其 の 意 義 を 詳 か に せ ざ る や の 映 隅 あ り、 傍 て 柳 か 之 れ が 考 謹 を 爲 さ ん。 丙 四 度 の 概 藝 所 謂 四 度 ど は 十 入 滋 ・ 雨 界 及 び 護 摩 の 四 法 に 名 け し も の、 古 來 密 教 に 投 ぜ し 僧 徒 は、 先 づ 初 め に 諸 経 ・諸 陀 羅 尼 ・ 聲 明 等 の 顯 的 學 業 の 外 に、 更 に 此 の 四 種 の 練 行 を も 課 す る 規 定 に て 之 れ を 終 了 せ ざ れ ば 遙 ん で 眞 言 深 秘 の 大 法、 並 に 諸 奪 の 作 法 を も 授 け 得 ざ る を 以 て、 深 秘 に 進 む 爲 め に は 是 非 之 れ が 豫 備 的 行 爲 ど し て、 必 す 先 づ 此 の 四 度 練 行 を 要 す る な り、 而 し て 此 め 作 法 に 四 度 の 順 次 あ る よ り 四 度 加 行 ど 名 け し も、 同 法 を 四 度 繰 返 へ す 意 に は 非 す、 彼 の 台 密 に て は 此 の 四 法 に 他 の 修 法 を も 加 へ、 穴 太 流 く ぎ り に て は 七 度、 法 曼 流 に て は 十 度 の 稽 あ り、 之 れ は 畢 覧 傳 法 の 句 切 に 名 け た る も の に て、 度 敷 は 法 を 受 く る ど 否 ど に 依 り て 起 る、、 故 に 人 毎 に 同 じ き を 得 ざ る が、 四 度 の み は 入 密 必 須 の 加 行 ど な れ り、 さ れ ご 束 密 の 行 法 ど 同 じ か ら ざ は 免 れ 難 し。 イ 十 八 道 次 第 興 教 大 師 御 撰 述 に 謝 す る 書 史 學 的 研 究 九 五

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畢 教 大 師 即御 撰 述 に 封する る 晶轡 史 學 的 研 究 九 六 四 度 中 先 づ 初 め に 十 入 道 の 名 義 を 輝 せ ん、 蘇 悉 地 維 に 説 く 契 印 に、 一 浄 三 業 二 佛 部 三 蓮 華 部 四 金 部 五 被 甲 六 地 行 七 培 界 八 如 來 拳 九 虚 塞 藏 十 逡 車 轄 十 一 請 車 轄 十 二 迎 請 十 三 降 三 世 十 四 金 剛 綱 十 五 火 院 十 さ 闘 伽 工丁 七 花 座 十 八 飽 臼 供 養 の 十 八 種 あ り、 此 の 十 入 契 印 に 依 て 建 立 せ し 修 法 な れ ば、 之 れ を 十 入 道 ど 総 す る な り、 然 り 而 し て 此 の 十 八 道 た る や、 金 剛 界 曼 茶 羅 の 九 會 ど、 胎 藏 界 曼 茶 羅 中 壷 八 葉 院 の 九 尊 ど を 合 し て、 金 胎 不 二 の 略 だ て 行 に 要 約 し た る も の に て、 入 密 加 行 の 最 先 に 此 の 十 八 滋 立 の 修 法 を 熟 習 さ せ 初 地 即 極、 即 ち 凡 位 の 最 初 に 於 い て 爾 前 の 徳 を 開 き、 初 登 心 時 の 修 行 が 其 儘 即 到 菩 提 ・ 凡 聖 不 二 の 妙 用 あ る 深 致 を 領 得 せ し む る に あ り、 蓋 し 金 胎 爾 部 の 大 法 は、 其 の 行 事 廣 汎 に し て 繁 多 な れ ば、 初 心 の 行 者 修 し 難 く 惑 ひ 易 し、 彷 て 其 の 廣 行 を 撮 略 し て、 楷 梯 の 初 行 ど 定 め た る が、 即 ち 此 の 十 入 道 の 作 法 な り、 故 に 此 の 十 入 蓮 な る も の は、 別 奪 一 門 修 行 の 法 則 に し て、 大 法 普 門 法 界 の 法 則 に は 非 す、 然 れ ざ も 此 法 た る や、 全 く 大 , 賓 を 饗 懸 す る 儀 式 に 則 る も の な れ ば、 略 な れ こ も 而 も 漏 ら す こ ど 無 し ど 稽 せ ら れ た り、 廣 澤 宏 教 法 印 の 績 行 法 用 心 に 十 入 道 の 名 義 を 繹 し て、 カ ゾ ハ テ ノ ス ノ ノ ノ 或 計 二十 入 印 騰羅 二 成 其 名 義一、 他 門 流 々 大 旨 如 レ斯、 自 門 人 々 粗 叉 存 二 此 義一、 云 二 十 八 這 -即 蘇 悉 地 行

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