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圧入工法を併用したニューマチックケーソン工法の沈下関係について

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Academic year: 2022

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キーワード ニューマチックケーソン,圧入,現場計測,土圧,周面摩擦力,間隙水圧,刃口反力,沈下関係 連絡先 〒105-8007 東京都港区芝浦一丁目2-3-12シーバンスS館 03-5441-0579

圧入工法を併用したニューマチックケーソン工法の沈下関係について

清水建設(株) 正会員○長澤達朗 下間充 田中博章 (株)白石 井上智裕

JR東日本 石田芳行

1.はじめに

ケーソン施工を計画するとき,掘削による沈下の可否を判定することは重要である.ニューマチックケーソ ン工法は圧気下での掘削工法であることから,刃先下までの掘削が可能である.このため刃口反力を無視して, 沈下関係の検討を行うのが通常である.首都高大宮線の新幹線・埼京線下トンネル工事1)では,ニューマチッ クケーソン工法による道路トンネルの施工が採用された.本工事はJR高架橋などの重要構造物に近接した箇 所での施工であったため,姿勢制御を目的に刃先まで掘削せずジャッキを用いた圧入工法を併用して沈下掘削 を行った.本報告では圧入併用のニューマチックケーソン施工時の計測結果 2)から,圧入工法を併用した場合 に見られる沈下関係について

検証した.

2.設計値

設計段階の沈下検討は沈下 関係図により行い,総沈下力≧

総沈下抵抗力となるよう検討 する.総沈下力としてはケーソ ン躯体重量および水荷重の和 を考え,総沈下抵抗力は壁面摩 擦力,揚圧力,刃口反力の和を 考慮する.通常のニューマチッ クケーソンと同様に圧入力と 刃口反力は無視して図-1の沈下 関係図を作成している.本工事で は別途,圧入力を圧入オープンケ ーソン工法で用いる刃口抵抗力 の算出式により求め,3MN ジャッ キ6台を設置した.

3.実測値

ケーソン躯体に設置した計測 器より得られた沈設中・躯体構築 中全てのデータを使用し,沈下抵 抗力と沈下力について分析した.

図-2に計測結果より得られた沈 下抵抗力を示す.①周面摩擦力:

ケーソン側壁部で上下2箇所に より計測された値を平均し,これ

に側壁部での分担面積を乗じて評価した.TP+5.00m 付近までの沈下初期における値は,道路橋示方書 (以下,

図-1 沈下関係図(設計値)

TP+10.5 施工基面

TP+9.4

27.55m

15.65m 0 50 100 150 200

8R 7R 6R 5R 4R 3R 2R

4.3m 3.0m 3.7m 3.27m 3.5m 4.1m 3.0m 2.6m 1R

[MN]

-20 -15 -10 -5 0 5 10

圧入力(参考)

設計値 躯体重量 水荷重 総沈下力 周面摩擦力 揚圧力 総沈下抵抗力

-20 -15 -10 -5 0 5 10

Ds1

Dc3 Dc2 Ds2 Dc1 Lc 改良地盤

TP,[m]

刃口反力 設計値 実測値 事前地盤調査より

算出した揚圧力 揚圧力

設計値 実測値 周面摩擦力

設計値 実測値

[MN] [MN] [MN]

0 0 0 10 20 30 40 50 100 150 200 20 40 60

図-2 沈下抵抗力

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

‑245‑

III‑123

(2)

道示と称す) による値と比較すると摩擦低減工法を用いなかったため若 干大きめではあるものの,ほぼ近い値となった.その後,深度方向に増 加する傾向が見られ,計測値は設計値より小さい.これは,摩擦低減工法 としてベントナイト注入による周面摩擦力の低減を図ったことが大きく 寄与していると考えられる.低減効果の割合は道示の値の約 30~50%で あった.②揚圧力:揚圧力は作業室内に設置した気圧計の値にケーソン 底面積を乗じて算出した.この値は洪積砂層の Ds2 までは静水圧分布の 理論値と同様な値であったが,粘性土に入ると若干小さい値を示した.

これは,工事着工前に調査した原位置の間隙水圧値から算出される揚圧

力と一致する.③刃口反力:実測値は図-3 に示す上下二段からなる刃口の中心 位置までを有効幅とし,計測値に有効面積を乗じて算出した.設計値は総沈下力 と総沈下抵抗力の差とした3).全体的に実測値は設計値よりも大きな値を示して いる.今回の施工では刃口直下の掘削を行わず,先行圧入による沈設を行ってい るためと考える.④沈下力:図-4に刃口深度と沈下力の関係を示す.

4.各沈下抵抗力の分担率

図-5に沈下抵抗力の3つの要素について,その分担率を示す.周面摩擦力の実 測値は沈設初期でほぼ 0%であるが TP+5.00m 以深では 5~10%の割合である.設 計値は沈設初期において実測値と同等であるが,TP-7.00m 以深では約 20%であり,

実測値は設計値の約半分の分担率である.刃口反力は沈設初期でほぼ 100%であ り,設計値と実測値は同じである.しかし TP-5.0m 以深では実測値の分担率が大 きく 20~30%の差が生じている.また,揚圧力は設計値・実測値ともに沈設当初 はほぼ 0%であるが,TP+5.0m 以深では設計値よりも 5~20%実測値のほうが大き い分担率となっている.以上,分担率については,刃口反力は設計値よりも実測値 の方が大きく,揚圧力は実測値よりも設計値の方が大きい傾向にあった.

5.まとめ

周面摩擦力は摩擦低減工法を用いることで,道示に 示される値に対して 30~50%の低減効果が得られた.

その実測値は総沈下抵抗力の 5~10%を分担し設計値 20%よりも小さい.揚圧力は理論の静水圧分布でなく 地盤内の間隙水圧分布に依存している.また分担率は TP0.0m 以深で 60%以上と大きいため,特に大深度のニ ューマチックケーソンを計画する場合,間隙水圧を正 確に把握することが沈下管理上,非常に重要となる.

刃口反力の実測値は設計値よりも大きな値を示し,分 担率も設計値の 20~30%大きな値を示した.これは,

圧入工法の併用による影響と考える.今後は,圧入を 用いた場合のケーソンの刃口抵抗力の算定式,周面摩 擦力の深度方向の分布や刃口反力の分担面積の評価に ついて,実測値をもとに検討を行う必要がある.

謝辞:本検討にあたり,首都高速大宮線・高速埼玉東西連絡道新設工事の清水・白石・間JVの方々に多大なる 御協力を頂いた.この場を借りて厚くお礼を申し上げる.

参考文献:1) 佐藤,縄田,小林:ニューマチックケーソンによる新幹線・埼京線下道路トンネルの施工,土木施工,Vol.49,No.11,pp9-15,2001 2)藤 井,篠瀬,齊藤,高橋:圧入併用ニューマチックケーソン沈設時の作用外力,第57回年次学術講演会論文集,Vol.57,2002,(投稿中) 3)藤井,増子,大内, 加茂野ら:ニューマチックケーソン沈設に伴う地盤変形解析,第37回地盤工学研究発表会,2002.7,(投稿中)

282mm 有効幅

図-3 刃口反力有効幅 200mm

200mm 563mm

250mm

図-5 沈下抵抗力の分担率

0 20 40 60 80 100

0 20 40 60 80 1000 20 40 60 80 100 周面摩擦力

設計値 実測値

沈下抵抗力の割合,(%) 揚圧力

設計値 実測値

刃口反力 設計値 実測値

図-4 沈下力

0 50 100 150 [MN]

-20 -15 -10 -5 0 5 10

躯体自重 水荷重(実測値) 水荷重(設計値) 圧入荷重+躯体自重

刃口深度,TP[m]

-20 -15 -10 -5 0 5 10

Ds1

Dc3 Dc2 Ds2 Dc1 Lc 改良地盤

TP,[m]

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

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