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博士論文審査報告書

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Academic year: 2022

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(1)早稲田大学大学院アジア太平洋研究科. 博士論文審査報告書 論 原題名 Original Title. 英訳 In Japanese. 文. 名. Name 学籍番号 Student ID. 目. Japan as the Gateway to Asia and Beyond: The Long-Term Impacts of US Undergraduate Study Abroad Experiences アジアと世界へのゲートウェイとしての日本 -米国人学部生の日本留学経験の長期的インパクトに関する研究-. 申. 氏. 題. 請. 者. 姓 Last Name. Middle Name. Asada. Renee 4011S001-0. 2017 年 1月. 0. 名 First Name. Sarah.

(2) 1.本論文の主旨 本研究は、留学の人生におけるインパクトを、高等教育の国際化に関する様々な 理論的・理念的観点からの研究視角に基づき概念化し、米国からの日本留学を事 例として、実証的に問うものである。具体的には、米国から日本への留学経験者に 対して、サーベイ調査と聞き取り調査を実施し、こうした1年もしくは1学期の日本留 学が、(1)経験者の学問的成長、職業的成長、個人的成長に対して、どのようなイ ンパクトがあったのか、また(2)こうしたインパクトは、留学先国(本研究の場合は日 本)に関連するものか、留学先国の所在する地域(この場合はアジア)に関連する ものか、または留学先国にとらわれない国際的・グローバルなものであるのか、とい う2つの問いに、本研究は答えようとしている。研究手法としては、1963年から201 0年までの長期にわたる、米国中部地区のリベラルアーツカレッジ群から日本の早 稲田大学への留学プログラムの経験者で連絡先のわかる 530 名に対して、イン ターネットを通じたサーベイ調査を行い、259 名からの回答を得た。また、25名の 経験者に面接調査を、長期フィールドワークを通じて実施し、量的と質的なアプ ローチを組み合わせた研究手法により、多面的に米国からの日本留学のインパクト に接近しようと試みた。本研究の結果、留学経験は個人の人生に長期間にわたっ て影響を及ぼし、その影響は、個人の職業的、学問的、個人的成長の広範囲にわ たり、留学先国との関係だけではなく、留学先地域や世界的・国際的名広がりを有 することがわかった。また、留学先国と留学先地域の関係には、歴史的・地政学的 な影響があり、また一国への留学が留学先を特定しない一般的な国際的・世界的 関心への原動力となることも実証された。 2.本論文の構成と概要 第 1 章 「Introductioin」では、社会経済のグローバリゼーションの中で、高等教育 の国際化、特に留学がどのように世界的状況の中で、また日米間で進展してきて いるのかを概観したうえで、留学をめぐる学術的・国際政策的議論を整理し、近年 高まりつつある国際関係論・比較国際教育学における留学に関する研究関心の背 景を説明している。その後、本研究の研究課題として、留学経験が(1)経験者の学 問的成長、職業的成長、個人的成長に対して、どのようなインパクトを与えたのか、 また、(2)こうしたインパクトは、留学先国に関連するものか、留学先国の所在する地 域に関連するものか、または留学先国にとらわれない国際的・グローバルなもので あるのか、という2つの問いを挙げている。また、研究仮説として、(1)留学は個人 の職業、進学、ライフスタイル、居住地等の人生の選択に影響を与えている、(2) 日本留学は、日本だけではなく、アジアや世界へのゲートウェイとしての留学経験 者の態度や行動に影響を及ぼしている、(3)米国から日本への留学経験者は留学 経験を通じて、米国を日本、アジア、世界と架橋する役割を担うことを学ぶ、の 3 つ を立てている。 第 2 章 「Literature Review」では、高等教育の国際化、留学、そして留学のイン パクトに関する文献研究を行っている。高等教育の国際化に関しては、この傾向が 世界的なコンテキストと、特に日米間二国間において、どのような社会科学的な概 念化がなされ、学術的探求の可能性があるかについて、説明されている。また、留 学については、特に米国からの外国留学の影響と意義づけに関する既存研究の レビューを行い、本研究の米国における重要性を明らかにしている。さらに、国際 的なコンテキストにおいて、留学の個人の行動や態度、価値に対する研究や、国 1.

(3) 際関係論における文化外交論(Cultural Diplomacy)やソフトパワー論のレビューを 行い、1 章で示された本研究の理論的フレームワークの基礎を説明している。 第 3 章「Research Methodology」では、まず本研究の研究手法として、量的・質的 の両面からアプローチする手法と事例追跡法(tracer case study)に関して、先行研 究に即して説明した上で、2013 年 1-2 月に実施した米国リベラルカレッジ群から 早稲田大学への留学経験者でコンタクト先のわかる 530 名に対して実施したオンラ インベースのサーベイ調査(回答 259 名、回答率 48.7%)と、2013 年 3-7 月に実 施した上記プログラム経験者 25 名の面接聞き取り調査の詳細が説明されている。 そして、章の最後に、取得データの概要と分析方針が述べられている。 第 4 章「Data Analysis and Finding」では、データ分析の結果が示されている。ま ず、回答者の性別、人種や年齢、留学志望動機等の基本的・背景的なデータの概 要がまとめられている。そして、第一の研究課題として設定された学問的成長、職 業選択、個人的成長の 3 側面において、サーベイ調査結果による量的分析に続き、 面接聞き取り調査による質的データに基づいた説明的で具体的な、量的分析では なしえない質的分析が行われている。また、この質的分析においては、第二の研 究課題として設定された留学の留学先国との関係、地域的(アジア)との関係、留 学先国や地域にとらわれないグローバル・国際的な関係のインパクトについて、 データ分析の結果が詳述されている。 第 5 章「Discussion and Conclution」では、本研究の結論が述べられている。つま り、留学経験は個人の人生に長期間にわたって影響を及ぼし、その影響は、個人 の職業的、学問的、個人的成長の広範囲にわたり、留学先国との関係だけではな く、留学先地域や世界的・国際的名広がりを有すること、また、留学先国と留学先 地域の関係には、歴史的・地政学的な影響があり、また一国への留学が留学先を 特定しない一般的な国際的・世界的関心への原動力となること等が、本研究より、 実証された。また一方、本研究が一つのプログラムの経験者からの収集データの 分析に基づくものであり、一般化することには課題があること、留学していない米国 人(コントロールグループ)との比較研究はできていない等の本研究の限界も指摘 され、将来的な研究のニーズが示唆された。 3.口述試験での質疑応答 本論文審査委員会は、申請者から提出された学位請求論文を査読し、2016 年 11 月 28 日に 2 時間余にわたり口述試験を実施した。主たる論点は以下の通 りである。 (1)留学の長期的インパクトを分析するための理論的フレームワークは、十分な 文献研究と共に、完成度の高いものとなっている。 (2)この研究の対象としたプログラムの特殊性・ユニークさと、回答者や面接調査 協力者のバイアスと限界について、具体的に説明すべきである。 (3)研究対象事例のプログラムの 48 年という歴史の長さを考えると、歴史的、世 代的な違いをもっと議論すべきである。また、質的分析の中でも、対象の留学時 2.

(4) の年齢やその時代についての分析をより深く行うべきである。 (4)留学のネガティブなインパクトに関しても分析・考察を行うべきである。 (5)将来的には日本側への影響に関しても研究を行うべきである。 (6)量的分析や質的分析の手法をより学術的に発展させるべきである。 口述試験では、以上の指摘や質問に関して回答が示され、修正すべき点につ いては、最終提出までに適切に修正することとなった。審査委員会は修正意見に 対する対応表とともに、修正が適切になされていることを確認した。. 4.評価と審査結果 以上のように本論文は、高等教育の国際化の一形態である留学の長期的インパ クトに関して、米国リベラルアーツカレッジからの日本留学を事例に分析することに より、学問的・職業的・個人的成長を、留学先国・留学先地域・グローバルなコンテ キストにおいて、理解し展望するための分析枠組みを提示するとともに、質的・量 的双方のデータを実証的に研究したものである。高等教育の国際化、そして留学 は、伝統的に政策的実践的な重要性は指摘されながらも、実証研究を基とした理 念的な考察は十分ではなかった。本研究では、オリジナルな研究枠組みを設定し たうえで、実証分析の結果を基に熟度の高い考察を行うことに成功しており、これ は本研究の大きな学術的貢献と言える。口 述 試 験 の内 容 を踏 まえ、論 文 に関 して慎 重 かつ総 合 的 に審 査 を行 なった結 果 、博 士 学 位 請 求 論 文 として の 水 準 を 満 た し て い るも の と 判 断 し 、こ れ を 受 理 する こと に 全 委 員 が 合 意 した。. 3.

(5) 申請者名:. Sarah Renee Asada. 博士論文審査委員会 主査. Chief Examiner:. 氏 名 Name: 黒 田 一 雄 ㊞(Signature) 所 属 Affiliation: 早 稲 田 大 学 大 学 院 アジア太 平 洋 研 究 科 職 位 Ti t l e : 教授 学 位 Degree: Ph.D. in Education 取 得 大 学 C o n f e r r e d b y : コーネル大 学 専 門 分 野 Specialty: 比較国際教育学 副査. Head Deputy Examiner:. 氏 名 N a m e : Gracia Liu-Farrer ㊞(Signature) 所 属 Affiliation: 早 稲 田 大 学 大 学 院 アジア太 平 洋 研 究 科 職 位 Ti t l e : 教授 学 位 D e g r e e : Ph.D. in Sociology 取 得 大 学 C o n f e r r e d b y : シカゴ大 学 専 門 分 野 Specialty: 社会学 副査. Deputy Examiner:. 氏名 所属 職位 学位. Name:. 副査. Deputy Examiner:. 氏名 所属 職位 学位. Name:. 中嶋聖雄 ㊞(Signature) Affiliation: 早 稲 田 大 学 大 学 院 アジア太 平 洋 研 究 科 Ti t l e : 准教授 Degree: Ph.D. in Sociology 取 得 大 学 C o n f e r r e d b y : カリフォルニア大 学 バークレー校 専 門 分 野 Specialty: 社 会 学. 垂見裕子 ㊞(Signature) Affiliation: 早稲田大学高等研究所 Ti t l e : 招聘研究員 D e g r e e : Ph.D. in Comparative Education and Sociology 取 得 大 学 C o n f e r r e d b y :コロンビア大 学 専 門 分 野 Specialty: 比 較 国 際 教 育 学. 2017年. 1月. 26 日. 4.

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参照

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