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『早稲田日本語教育学』創刊にあたって ―

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Academic year: 2022

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【巻頭言】

『早稲田日本語教育学』創刊にあたって

―世界に発信する新しい日本語教育専門研究誌の誕生―

大学院日本語教育研究科長 日本語教育研究センター所長

川 口  義 一

早稲田大学大学院日本語教育研究科は、日本語教育研究センターの教育と研究の実績を 基盤にして作られた、日本語教育研究と日本語教員養成の専門大学院である。

日本語教育研究センターは1988年に旧語学教育研究所から分離独立し(2004年4月に 日本語研究教育センターから名称変更)、早稲田大学で学ぶ年間2,000人を超える留学生 に対する日本語教育を担ってきた。

2001年4月に開設された大学院日本語教育研究科は、これまで280名を超える修士課 程修了者を送り出すとともに、2006年3月には博士後期課程を完成して博士学位取得者 第1号を世に送り出した。

2006年度までは、この両機関の教育研究の成果を問うものとして、日本語センターよ り『講座日本語教育』および『日本語センター紀要』を、大学院日本語教育研究科より『早 稲田大学日本語教育研究』ならびに『早稲田大学日本語教育実践研究』を刊行してきた。

『講座日本語教育(1〜42分冊)』は1965年に、『日本語センター紀要(1〜20号)』は 1988年に創刊されて以来、戦後の日本語教育の歴史を物語る貴重な実践研究を数多く含 んだ日本語教育専門誌として学界に貢献してきた。一方、最終号までに10号を数えた『早 稲田大学日本語教育研究』と、6号を数えた『早稲田大学日本語教育実践研究』は、前者 は理論と実践の統合を目途にした研究誌として、後者は当研究科独自の科目「日本語教育 実践研究」の優秀レポートを集めて公刊する意欲的な試みの雑誌として、ともに単なる

「応用言語学」ではない新しい日本語教育学の姿勢を世に問うてきた。

2007年度を迎えるにあたり、1998年度から継続的に行ってきているセンターおよび研 究科のカリキュラムの全面改訂にあわせ、両機関の教育研究の成果を発表する場であった この4誌を一つに合体・統合し、早稲田大学の新しい日本語教育研究を発信する母体とし て、『早稲田日本語教育学』の創刊に踏み切ることとなった。

この新誌は、常に問いつづける早稲田の日本語教育にふさわしく、質の高い教育研究論 文を数多く掲載することによって、斯界最大の日本語教育学術誌をめざし、年3回の刊行 により世界に発信するものである。ここにその創刊号を公にすることができたのは、われ われの誇りとするところであり、かつ責任の大きさに身の引き締まる思いでもある。

こうして、先行する4誌の実績を踏まえ、新たな日本語教育研究の展開を図る、この『早 稲田日本語教育学』に対し、大方のご支援とご批判を仰ぐ次第である。

2007年9月15日

参照

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