心房細動合併脳梗塞症例の臨床的検討
9
0
0
全文
(2) 190. 十河. 泰 司:他6名. 表1. 脳梗 塞 死 亡例 と喫 煙 ・飲 酒 の 関係 x2検 定 でい ず れ も有 意の 関係 な し. 図1. 脳 梗塞 死 亡 例 と年 齢 の関 係 t検 定 で男 性 にお いてP<0.05で. 有 意差 あ り 表3. 表2. 脳 梗 塞死 亡例 と糖 尿病 合 併例 の 関孫 x2検 定 で有 意の 関 係 な し. 脳梗 塞 死亡 例 と高脂 血症 の 関係 x2検 定 で いず れ も有 意 の関 係 な し. 表5. 脳 梗塞 死 亡健 と心 房細 動合 併 例 の 関係 x2検 定 でP<0.005で. 表4. 有 意 の 関係 あ り. 脳 梗 塞 死亡 例 と心 疾 患合 併例 の関 係. 3). x2検 定 でP<0.005で. 総 コ レ ス テ ロー ル は220mg/dl以. 有 意 の関 係 あ り. 死 亡 と高 脂 血 症 に つ い て. 150mg/dl以. 上,中. 上 を 異 常 と し た.表2の. 例 と高 コ レス テ ロ ー ル 血 症,高. 性脂 肪 は ご と く死 亡. 中性 脂 肪 血 症 の. 間 に 有 意 の 関 係 は 認 め られ な か っ た . 4). 死 亡 と糖 尿 病 に つ い て. 表3の. ご と く糖 尿 病 合 併 例 は死 亡 率21%非. 綱 は16%と 2). 死 亡 と喫 煙,飲. 表1の. 酒 につ いて. ご と く,死 亡 例 と喫 煙 ・ 飲 酒 に つ い て は,. 合併. わずか に糖尿病 合併 例 の死亡率 が高. か ったが統 計学的 に有意 の差 は認 め られなか っ た.. 喫 煙 ・飲 酒 例 が わ ず か に 死 亡 率 が 高 か っ た が,. 5). 統 計 学 的 に は い ず れ も有 意 の 関 係 は 認 め られ な. 表4の. 死 亡 と心 疾 患 合 併 に つ い て. か っ た.. 例 は 死 亡 率12%と. ご と く心 疾 患 合 併 例 は死 亡率40%非. 合併. 心 疾 患 合 併 例 に 死 亡 す る率 が.
(3) 心 房細 動 と脳 梗塞 表6. 191. 脳梗 塞 死 亡 例 と梗 塞 部 位 との関 係. 表7. x2検 定 で有 意 の関 係 な し. 心 疾 患 合併 例 の分 類 CHD:先 天性 心 疾 患 DCM:拡. 張 型心 筋症. SSS:洞. 機 能不 全症 候 群. 高 い事 が 有 意 に 認 め られ た.. 3.. 心房 細動合 併例 につ いての検 討. 6) 死亡 と心房 細動 合併 につ い て. 1). 心房 細動合 併例 の基礎 疾患. 表5の ご と く心房細 動合 併例 は,死 亡率37%と. 表8の. ご と く,心 房 細 動 合 併 例 に つ い て,そ. 非合 併例 の死 亡率11%に 比 し有 意に死亡 す る率. の 塞 礎 疾 患 を み る と,高 血 圧 症3例. が 高い事 が認 め られ た.. あ るが 基 礎 疾 患 な しが12例 と最 も 多 く,次 い で. を含ん でで. 7) 死亡 と梗 塞部位 につ いて. 心 臓 弁 膜 症7例. が 多 く認 め られ た.心. 疾患 では. 表6の ご と く皮質 枝 型梗 塞 に死 亡例が 多い傾 向. 狭 心 症2例,洞. 機 能 不 全 症 候 群2例,先. 天性 心. はみ られ る もの の統 計学的 に は有意 の関係 は認. 疾 患1例. め られ なか っ た.. 呼 吸 器 疾 患3例,甲. 以上 の よ うに脳 梗塞 の死 亡例 につ いて は,最 も関係 の あ る要 因 は心疾 患や心 房細動 を合 併 し. 2). が 認 め られ た.心. 疾 患 以 外 で は,慢. 状 腺 疾 患2例. 性. が 認 め られ た.. 心房 細動 は慢性 か発作 性か 心 房 細 動 合 併27例 の うち 慢 性 持 続 性 心 房 細 動. て いるか ど うか で あ る事 が認識 され たの で以下. が21例 と約3/4を 占め る が,残. そ の点 につ い て検 討 した.. 6例 は 発 作 性 心 房 細 動 で あ り,そ の6例. 2. 心 疾 患合 併例 につ いての検 討. が 死 亡 し て い る.そ の4例. は慢 性 呼 吸 器 疾 患1. 例,高. 血圧 に狭心 症が合 併. 心疾 患合 併例 は表7の ご と く,そ の半 数以上. 血 圧 症 の み1例,高. し た例 が1例,連. 症 の よ うに心房 細動 を合併 して いな い もの も認. た.心 房 細 動 合 併 例 の 死 亡 例 は10例 で あ る の で,. め られ た.心 臓弁 膜 症 は心房 細動合 併例 が7例. 発 作 性 心 房 細 動 は6例. 中4例. が 死 亡 し,慢 性 持. でその 内訳は,僧 帽 弁大 動脈弁 の 連合弁 膜症 が. 続 性 心 房 細 動 群 は21例 中6例. が 死 亡 と い う結 果. 2例,僧. で,割. 閉鎖不 全症1例,大. 帽弁. 動脈 弁 閉鎖不 全症2例 であ. であっ. 合 か らす る と発 作 性 心 房 細 動 群 に死 亡 例. が 目立 っ た 結 果 で あ っ た が 統 計 学 的 な 有 意 差 は. った.心 房 細 動 を合 併 して い ない1例 は大動脈. 認 め られ な か っ た.. 弁狭 窄症 で大 動脈弁 置換 術後 の例 で あっ た.先. 3). 天性心 疾 患の1例 は肺静脈 還 流異常症 であった.. の 計4例. 中4例. は 同時に心 房細動 を合併 してい たが,心 筋梗塞. 帽弁 狭窄 兼閉鎖 不全 症が2例,僧. 合 弁 膜症1例. りの1/4を 占め る. 心 房 細 動 合 併 の 有 無 と年 齢 の 関 係 図2の. よ う に 男 性,女. 性 と も心 房 細 動 合 併 の. 洞機能 不全 症候 群 の3例 に まいず れ も恒 久ペー ス. 有 る群 と無 い 群 で 平 均 年 齢 に 有 意 差 は 認 め ら れ. メー カー が植 え こ まれ て いた.心 疾 患合 併例 で. な か っ た.. 死亡 した8例 は いずれ も心房 細動 を同時に合併. 4)心. 房 細 動 合 併 の 有 無 と血 栓,塞. 栓 症 との 関. した例 であ り,そ の 内訳は心 臓弁 腰症5例,狭. 係. 心症2例,先. 脳 梗 塞 を脳 血 栓 症 と脳 塞 栓 症,い. ず れか はっ. 天性心 疾 患1例 で あ った.心 疾 患. 合併例 で も心房 細動 を合耕 して いな い もの は死. き りし な い不 明 群 の3群. 亡 は認め られ なか っ た.こ の事 よ り心疾 患合併. の 診 断 は 症 状 の 突 発 完 成 を主 に基 礎 疾 患の 存 在,. に分 類 した.脳. 塞栓 症. の有無 よ り心房 細動 合併 の有 無 の方が よ り強 く. 他 臓 器 塞 栓 の 合 併 を考 慮 して 診 断 し た.表9の. 死 亡 と関連 してい ると考 え られ たの で以下心房. よ う に心 房 細 動 合 併 例 は 脳 塞 栓 症 が 有 意 に 多 く. 細 動合 併例 に つい て検討 した.. 認 め ら れ た..
(4) 192. 十河 表8. 表9. 泰 司:他6名. 心房細動合併例の基礎疾意の分類. 心 房 細動 と血 栓,塞 栓症 との 関係 x2検 定 でP<0.001で. 有 意 の関 係 あ り 図2. 心房 細 動合 併 の有 無 と年 齢 との 関係 t検 定 で有 意 の差 な し. 表10. 心房 細 動 と梗 塞 部位 との 関係 x2検 定 でP<0.05で. 表11. 有意 の 関係 あ り. 心 房細 動 と意識 障 害 の程 度 x2検 定 でP<0.01で. 有 意 の関係 あ り. 表12. 心 房 細動 と退 院後 の 運動 機 能 x2検 定 で有 意 の関 係 な し. 表13. 心房 細 動 と退 院 後の 社会 生 活 x2検 定 で有 意 の 関係 な し. 5) 心 房細 動 と梗 塞部 位 との関係 頭部CT所. 見 よ り脳梗 塞の タイプ を皮質枝 型,. 会 Ⅲ‑3方. 式 に よ り, 0〜3点. を傾 眠 〜 昏 迷, 100〜300点. を 覚 醒, 10〜30点 を半 昏 睡 〜 昏 睡 の3. 穿通枝 型,多 発性梗塞 型 に分 け る と,表10の ご. 段 階 に分 類 し て,心 房 細 動 の 有 無 に よ り検 討 す. と く心 房細 動合 併群 で は皮質枝 型11例 に対 して. る と,表11の. 穿通枝 型3例 と統計 学的 に も有 意に皮 質枝 型が. 半 数 の13例 が100〜300点. 多 く認 め られ た. 6) 心 房細 動合 併例 と意 識障害 の程度. 度 の 強 い 例 が 多 く認 め ら れ た.. 入院 時 の意 識障害 の程度 を脳卒 中の外科研 究. 7). ご と く心 房 細 動 合 併 例 は27例 中 約 に 入 り,意 識 障 害 の 程. 心 房 細 勤 合 併 例 と退 院 後 の 運 動 機 能 表12の ご と く死 亡 例25例 を除 き141例 につ い て.
(5) 心 房細動 と脳 梗塞. 193. 退 院 時 の 運 動 能 力 を 歩 行 を 中心 に し て分 類 し,. こ とな が ら重 複 して い る もの も 多 く認 め ら れ,. 心 房 細 動 の 有 無 に よ り比 較 し た が,両. 我 々 の 症 例 で も心 臓 弁 膜 症 の7例. 群 に有意. の 差 は認 め られ な か っ た.. して い た が,心. 8). 動 の 合 併 は 認 め られ な か っ た.同. 心 房 細 動 合 併 例 と退 院 後 の 社 会 生 活. 筋梗 塞 の4例. は 両 者 を合 併. は い ず れ も心 房 細 じ心 疾 患 患 者. 表13の ご と く退 院 後 も入 院 前 とほ ぼ 同 じよ う. で も心 房 細 動 を合 併 した 心 臓 弁 膜 症 と,心 房 細. に 社 会 生 活 が 行 え て い るか ど うか を検 討 す る と,. 動 を合 併 しな い 心 筋 梗 室 症 とで は,脳 梗 室 発 生. 心房細動 の有無 に よ って両群 に有 意の差 は認め. の 機 序 に 相 違 が あ る可 能 性 が考 え られ た.ま. られ な か っ た.. 心 疾 患 合 併 例 の うち で も死 亡 例 は,す 考. に 心 房 細 動 を 合 併 して い る群 で あ り,反 対 に 心. 察. 房 細 動 合 併 例 で 心 疾 患 を合 併 し な い 者 に 死 亡 例 我 が 国 で 長 年 死 亡 原 因 の 第1位 脳 血 管 障 害 も,最 近 で は 癌,心. た. べ て同時. を占め ていた. 疾 患 に次 いで業. 3位 の 死 亡 原 因 と な り,脳 血 管 障 害 全 体 と して. が 認 め られ る な ど特 に 心 房 細 動 合 併 例 の 重 要 性 が 認 識 され た. 心 房 細 動 は,加 齢 と と もに 増 加 す る よ く見 ら. の 発 生 頻 度 は 減 少 して い る事 は 事 実 で あ る.し. れ る不 整 脈 でFramingham. か しそ の 減 少 の 大 部 分 は,脳. 動 は 成 人 の0.]4%に 見 られ,頻 度 は 加 齢 と共 に 上. 出 血の急 激 な減少. Studyで. は心房 細. に よ る と こ ろ が 大 き く,脳 卒 中 に つ い て 病 型 別. 昇 し, 60歳 以 上 の 一 般 人 口 で は2〜5%に. 発 生 頻 度 をみ る と,脳. ら れ る と い わ れ て い る.1)我が 国 に お い て も心 房. 出血 の減 少に伴 い脳梗 塞. の 占め る割 合 が 増 加 しつ つ あ る.ま. た 今 日,社. 認め. 細 動 の 有 病 率 は60歳 以 上 で 男 性 の1.6%女. 性の. 会 的 な 問 題 とな っ て い る老 年 性 痴 呆 に つ い て,. 1.5%で. 日本 で は 約6割. が脳 血管 性痴 呆 であ る といわれ. く関 連 す る と報 告 さ れ て い る.2)そし て心 房 細 動. て お り,こ れ か ら の 高 齢 比 社 会 の 招 来 を考 え る. が脳 梗 塞 に 高 率 に 合 併 す る事 も よ く知 られ た事. と,現 在 の 老 年 性 痴 呆 の 有 病 者 数60万 人 が1995. 実 で あ る. 3)4)5)8)脳梗 塞 に 合 併 し た 心 房 細 動 の 基. 年 に は100万 人透 くな る と予 想 さ れ て い る.こ れ. 礎 疾 患 を み る と,基 礎 疾 患 な しが12例 と 最 も 多. ら の事 を考 え る と,日 本 に お い て 現 在 の 脳 血 管. く,高 血 圧 症 合 併 の3例. を 除 い て も9例. 障 害,と. 認 め られ た 。Framingham. Studyに. りわ け 脳 梗 塞 症 に つ い て の 現 状 を分 析. 性 差 は な く血 圧 よ り加 齢 に よ る増 加 に 強. と多 く. おいて も. し検 討 す る こ とは 意 義 の あ る事 と思 わ れ る.そ. Wolfら. が,心 房 細 動 は リウ マ チ性 心 疾 患 の 有 無. こ で 私 共 の 病 院 で1983年 か ら1986年 ま で に 入院. に 拘 らず 脳 梗 塞 の 重 要 な 危 険 因 子 で あ る と述 べ. し た脳 梗 塞 患 者166名 に つ い てretrospectiveに. て い る し,3)Brandら. 検 討 を加 え た.. に 多 く,そ れ が 良 性 の病 態 で な い と述 べ て い る.6). ま ず一 番 重 要 な 問 題 で あ る 死 亡 率 の 問 題 を検 討 して み た.年. 齢 との 関 係 で は,男. 性 にお いて. は 死 亡 者 群 が 有 意 に 年 齢 が 高 か っ た が,女. 性に こ. Shermanも. も脳 卒 中 は 孤 立 性 心 房 細 動. 心 房 細 動 の 患 者150人 中31%に. 塞 を 認 め,心. 脳梗. 房 細動合併 脳梗 塞志者 の基礎 疾患. で最 も 多 い の は,高. 血 圧 症 で あ り,孤 立 性 心 房. お い て は 死 亡 者 群 と生 存 者 群 の 間 に 有 意 差 は認. 細 動 も4名 あ っ た と述 べ て い る.7)我が 国 で も 山. め られ な か っ た.次. 口 ら は 国 立 循 環 器 病 セ ン ター 入 院 の 脳 塞 栓 症 の. に一般 的 に動脈硬 化 の危険. 因 子 と し て知 ら れ て い る高 脂 血 症(高 ロ ー ル血 症,高. 中 性 脂 肪 血 症),糖. コ レステ. 尿 病,喫. 煙,. う ち74%が. 心 房 細 動 を合 併 して お り,特 定 の 基. 礎 疾 患 を もた な い 心 房 細 動 が61例(33%),心. 臓. 飲 酒 と脳 梗 塞 死 亡 率 との 間 の 関 係 を み た が,い. 弁 膜 症 が57例(30%)と. ず れ も有 意 の 関 係 は 認 め ら れ な か っ た.し. 動 の脳 塞 栓 症 へ の 関 与 の 大 きい事 を示 してい る.8). 脳 梗 塞 に 心 疾 患 を合 併 し た群,脳. か し. 梗 塞で心 房細. 基 礎 疾 患 の な い心 房 細. 次に心 房細動 が持 続性 か発作 性か につ いてみ る. 動 を合 併 した群 は まいず れ も有 意 に 死 亡 率 が 高 く,. と持 続 性3に. こ れ ら心 疾 患 や 心 房 細 動 を合 併 した 脳 梗 塞 症 例. 発 作 性 心 房 細 動 に よ る脳 梗 塞 が 必 ず し も少 な く. の 検 討 が 重 要 な 課 題 とな っ て い る こ とが 確 認 さ. な い事 を示 して い る.山 口 らの 報 告 で も持 続 性:. れ た.心. 発 作 性 は2:. 疾 患 合 併 例 と心 房 細 動 合 併 例 は 当 然 の. 対 して 発 作 性 が1と. な っ て お り,. 1で あ り8)蔵本 らの報 告 で は4:. 1.
(6) 194. 十河. 泰 司:他6名. で あ り9)大体 問 じ よ うな 傾 向 を示 して い る.心 房. spectiveに. 細 動 を 合併 す る脳 梗 塞 の 種 類 に つ い て み る と,. 1). まず 脳 梗 塞 が 脳 血 栓 か 脳 塞 栓 か と い う こ とが 大. ー ル 血 症 ,高 中 性 脂 肪 血 症,糖. き な 問 題 と な る.脳 梗 塞 を血 栓 と塞 栓 に分 類 す. い ず れ も有 意 の 関 係 は 認 め られ な か っ た.. る こ と は 必 ず し も容 易 で は な い が, Cerebral. 2). Embolism. い る例 は 有 意 に 死 亡 率 が 高 か っ た.. Task. Farceの. 脳 塞栓 症診 断の ガイ. ドラ イ ン を参 考 に し て 診 断 して み る と,4)心房 細. 検 討 した.. 脳 梗 塞 死 亡 例 と喫 煙,飲. 酒,高. コ レス テ ロ. 尿病 につ いて は. 脳 梗 塞 で心 疾 患 ま た は 心 房 細 動 を合 併 して. 3). 心 疾 患 合 併 例 は20例 で あ り,そ の うち12例. 動 合 併 例 で は 有 意 に 脳 塞 詮 が 多 く認 め られ た.. が 同 時 に 心 房 細 動 を合 併 し て い た.心 疾 患 の 種. Richardは. 類 は 心 臓 弁 膜 症 が7例. で 最 も 多 く認 め られ た.. 4). は い ず れ も心 房 細 動 非 合. 心 房 細 動 の 症 例 の 剖 検 知 見 か ら,僧. 帽 弁 疾 患 の41%,虚 心 房 細 動 の17%に. 血 性 心 疾 患 の35%,孤. 立性. 塞 栓 が 認 め られ た と述 べ て お. 心 筋 梗 塞 症 の4例. 群 例 で あ っ た.. り,10)Hartsら. は弁 膜症 の ない心房 細動 の脳梗. 5). 塞 の う ち63%は. 塞 栓 症 で あ った と述 べ て い る.11). ず れ も同 時 に ご心 房 細 動 を 合 併 して い る例 で あ っ. 自 験例 や こ れ らの 知 見 か ら考 え て,心. 房 細動合. 併 脳 梗 塞 患 者 の 多 くは脳 塞 栓 症 であ る と い え る.. 心 疾 患 合 併 脳 梗 塞 症 例 で 死 亡 した 例 は,い. た. 以 上 よ り脳 梗 塞 症 に お け る 心 房 細 動 の 重 要 性. ま た 梗 塞 部 位 をみ る と,皮 質 枝 型 が 多 く認 め ら. が 認 識 さ れ た.そ. こで 心 房 細 動 合 併 脳 梗 塞 症 例. れ た,志 賀 ら も心 房 細 動 合 併 脳 梗 室 は 中 大 脳 動. に つ い て そ の 臨 床 像 を検 討 した.. 脈 の 皮 質 枝 領 域 の 病 変 が 多 い と述 べ て い る.12)入. 6). 院 時 の 状 態 に つ い て 意 識 障 害 の 程 度 で検 討 して. 圧 症 の3例. み る と,心 房 細 動 合 併 例 は 入 院 時 の 意 識 障 害 の. 例 が 最 も多 く認 め られ た.基 礎 疾 患 を有 す る者. 強 い もの が 多 く認 め られ た.こ 細 動 合 併 例 は,脳. の 原 因 は,心 房. 塞 栓 で皮 質 枝 型梗 塞 が 多 い事. 心 房 細 動 の 基 礎 疾 患 に つ い て み る と,高 血. と して は,心. を含 ん で で あ る が 基 礎 疾 患 な しの12. 臓 弁 膜 症7例,狭. 性 心 疾 患1例,洞. 心 症2例,先. 機 能 不 全 症 候 群2例. が 原 因 と思 わ れ る.脳 塞 栓 症 が 脳 血 栓 症 に比 較. 心 疾 患 以 外 で は,慢. し て 意 識 障 害 の 程 度 が 強 い例 が 多 い事 は こ れ ま. 疾 患2例. 天. が あ り,. 性 呼 吸 器 疾 患3例,甲. 状腺. が 認 め られ た.. で に も報 告 さ れて い るが13) 14)これ らの 報 告 では,. 7). 脳 塞 栓 症 は 入 院 時 の 意 識 障 害 が 強 い ば か りで な. 栓 症 が 多 く,梗 塞 部 位 は 皮 質 枝 型 梗 塞 が 多 く認. く,生 命 予 後 が 悪 く,麻 痺 の 回 復 が 悪 く,機 能. め られ た.入 院 時 意 識 障 害 の 程 度 の 強 い もの が. 予 後 も悪 い 例 が 多 い と述 べ ら れ て い る.我. 多 く死 亡率 も高 い こ とが 認 め られ た.. 例 で は,心. 房 細 動 合 併 例 は,脳. 々の. 塞栓症 で皮 質枝. 型 の梗 塞 を示 す もの が 多 く,入 院 時 意 識 障 害 の 強 い も の が 多 く死 亡 率 も高 か っ たが,生 つ い て は,退. 存例 に. 院 時 の 運 動 能 力 や 日常 生 活 の程 度. 8). 心 房 細 動 合 併 脳 梗 室 症 例 の 臨 床 像 は,脳 塞. 生存 例は ま非 心 房 細 動 合 併 例 に 比 し,運 動 機. 能 や 退 院 後 の 社 会 生 活 に つ い て有 意 の 差 は 認 め られ な か っ た. 以 上 よ り心 房 細 動 は 基礎 疾 患 の 有 無 に か か わ ら. が や や 悪 い もの が 多 い傾 向 は み られ る もの の 統. ず,脳 梗 室 の 大 き な 危 険 因 子 で あ り,脳 梗 塞 発. 計 学 的 に は 有 意 差 は 認 め られ ず,こ. れ までの報. 症 の 予 防 的 治 療 と して の 抗 凝 固療 法,抗. ずれ に して. 療 法 に つ い て今 後 検 討 さ れ るべ きで あ る と思 わ. 告 とや や 異 な っ た 結 果 とな っ た.い も心 房 細 動 合 群 脳 梗 塞症 は,脳. 梗塞 症全体 の 中. で か な り特 徴 釣 な 臨 床 像 を呈 し,生 命 予 後 も不 良 で あ り,そ の 発 症 予 防 の た め の 治 療 が 考 慮 さ れ るべ きで あ る と思 わ れ る. 結. 論. 1983年 よ り1986年 ま で に 高 松 赤 十 字 病 院 へ 入 院 した脳 梗 塞 患 者166名 に つ いて 臨 床 的 にretro. れ た.. 血小板.
(7) 心房 細動 と脳梗 塞. 文. 献. 1) Kannel WB, Abbott RD, Savage DD, and McNamara fibrillation. 2). The Framingham. 宇 佐 見 隆 広:日. Study.. 195. AB: Epidemiologic features of chronic atrial. N Engl J Med (1982) 306, 1018-1022 .. 本 に お け る循 環 器 疾 患 の 疫 学 的 研 究.民. 3) Wolf PA, Dawber TR, Emerson Thomas H Jr. chronic atrial fibrillation and risk of stroke.. 族 衛 生(1980). 46,. 237‑260.. and Kannel WB: Egidemiologic assessment of. The Framingham. Study. Neurology (1978) 28, 973. - 977. 4) Cerebral Embolism Task Force: Cardiogenic Brain Embolism.. Arch Neurol (1986) 43, 71-84.. 5) Britton M, de Faire U, Helmers C, Miah K, Ryding C and Wester PO: Arrhythmias with Acute Cerebrovascular. Disease. Acta Med Scand (1979) 205, 425-428.. 6) Brand FN, Abbott RD, Kannel WD. and Wolf PA: Characteristics Fibrillation.. in Patients. and Prognosis of Lone Atrial. JAMA (1985) 254, 3449-3453.. 7) Sherman DG, Goldman L, Whiting RB, Jurgensen K, Kaste M and Easton JD: Thromboembolism in Patients with Atrial Fibrillation.. Arch Neurol (1984) 41, 708-710.. 8). 山 口武 典,矢. 坂 正 弘:心. 房 細 動 と脳 血 管 障 害.内. 9). 蔵本. 下. 之 内 博,坂. 築,松. 10) Richad CH, Fibrillation. 哲,山. Philip JK,. 井. John TF,. 誠,心. Allan,. 科(1987). 房 細 動 と脳 塞 栓,. on Incidence of Systemic Embolism. a retrospective. 12). 志賀. 13). 神 田. 14). 長 木 淳 一 郎,山. 13,. 茂,日. study.. 884‑885. Geriat. Med. (1987). 25,. 1003‑1013.. LF and Miller CF: Influence of Etiology of Atrial Am J Cardiol (1977) 40, 509-513.. 11) Hart RG, Coull BM. and Hart D: Early recurrent fibrillatin:. 60,. embolism associated with nonvalvular atrial. Stroke (1983) 14, 688-693.. 笠 親 績,中. 嶋 玲 子:脳. 梗 塞 一 危 険 因 予 と して の 心 房 細 動 に 関 して‑,島. 根 中病 医 誌(1986). 井 芳 明:虚. 血 性 脳 血 管 障 害 に 関 す る 共 同 調 査 一 脳 塞 栓 と 脳 血 栓 の 経 過 と 予 後 ー,脳. 22‑26.. (1984). 直,桜 8,. 脳卒 中(1982). 卒 中. 121‑123. 口 武 典,平 4,. 54‑62.. 田. 温,田. 代 幹 雄,澤. 田. 徹:脳. 塞 栓 の 臨 床 像‑急. 性 期48例 に お け る分 析‑..
(8) 196. 十河. Clinical investigation. 泰 司:他6名. of cerebral infarction. accompanied by atrial fibrillation Taiji SOGO1),Masashi KIMURA1),Naoki KOBIKI1), Nozomi OGASAWARA2), Shoichi HARAOKA3), DaijiSAITO3) and Takao TSUJI4)1 )Department of Cardiology, Takamatsu Red Cross Hospital 2)Department of Internal Medicine, Takamatsu Red Cross Hospital Takamatu 760, Japan 3)Central Laboratory of Okayama University Medical School (Director: Prof. S. Haraoka) 4)First Department of Internal Medicine, Okayama University Medical School, Okayama 700,Japan (Director: Prof. T. Tsuji) A retrospectivestudyof 166casesof cerebralinfarction whowere treated at the Takamatsu Red Cross Hospitalfrom 1983to 1986was conducted. 1) There was no significant relationshipbetween cases of cerebral infarction deaths and smoking,alcoholconsumption,high bloodcholesterollevels,high bloodneutral fat levelsor diabetes. 2) Those cases of cerebral infarction which were complicatedby heart diseaseor atrial fibrillation demonstrateda significantlyhigher mortality rate. 3) From amonga total of 20casesof cerebral infarctioncomplicatedwith heart disease,12 cases had a simultaneouscomplicationof atrial fibrillation.The most commontype of heart diseaseobservedwas cardiac valvedisease,whichwas present in 7 of the cases. 4) All 4 cases of cardiac infarction were not complicatedby atrial fibrillation. 5)All of the casesof death dueto cerebralinfarction complicatedby heart diseasewere also complicatedby atrial fibrillation. Thesefinding indicatethe importanceof atrial fibrillationin casesof cerebral infarction. A study of the clinical picture of cases of cerebral infarction complicatedwith atrial fibmillationwas conducted. 1) The clinical picture of cases of cerebral infarction complicatedby atrial fibrillation frequentlyinvolvedcerebral embolismand the site of infarctionwasfrequentlyobservedto be the dendriform cerebral cortex. In addition, these cases were usually quite severe, even resulting in consiousnessdisordersand also involveda high mortality rate. 2) In comparisonto cases whichwere not complicatedby atrial fibrillation,there was no significantdifferenceobservedbetweensuch casesnd survivorsof cerebralinfarction compli.
(9) 心 房細動 と脳 梗塞 cated. by atrial. Based infarction. on the. fibrillation above,. irrespective. in terms atrial. of their. fibrillation. of the presence. function. is believed or absence. 197. of movement to be a major. of underlying. and social life style. risk. disorders.. factor. of cerebral.
(10)
関連したドキュメント
[r]
30m 地点と 70m , 100m 地点での
[r]
月 31 日相当激しい鳴動が阿寒湖時友らびに阿寒川に沿う一帯の住民を 驚かせた。との現象はかつて
Three temperature sensors (T01 in sample center, T02 on sample surface, and T03 in oil around the rock specimen in the Pressure Vessel B) were deployed for monitoring
46 の後半の5力点は逆に訂正死亡率が粗死亡率より1
4 討の余地があろう。 2.未熟児と出生時の社会生物学的因子:未熟児の出