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― ― 憲法と国籍の関係に関する一考察

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(1)

憲法と国籍の関係に関する一考察(松澤)  153

はじめに

 グローバル化の進展によって国際的な人的交流が拡大したことに伴い、

日本国民、日本人等の概念に関し再考することに対する関心が社会的に高 くなってきたと思われる

(1)

。国家が国民とされる人間から構成される集団・

論 説

憲法と国籍の関係に関する一考察

―憲法にかかる国籍に関する問題意識のあり方―

松 澤 幸 太 郎

はじめに

1 .大日本帝国憲法第18条 2 .日本国憲法第10条 3 .日本国憲法第22条 4 .若干の検討 おわりに

(1) 一般的な日本国憲法の概説書や逐条解説書に加え、外国人の人権論等に関連し て、国籍あるいは国籍法に関し検討する先行研究は多数ある。それとは別に主に近 代日本の始まりとして明治期からの時期を分析対象として、日本人、日本民族、日 本国民などの概念の形成過程を分析する先行研究として、例えば以下のものが1990 年代以降出版されてきている(書籍として出版されたもの)。

  ―小熊英二『単一民族神話の起源―「日本人」の自画像の系譜』(新曜社 1995)

  ― 同『「日本人」の境界―沖縄・アイヌ・台湾・朝鮮 植民地支配から復帰運動ま で』(新曜社 1998)

  ―丹野清人『国籍の境界を考える』(吉田書店 2013)

  ― 遠藤正敬『近代日本の植民地統治における国籍と戸籍―満洲・朝鮮・台湾―』

(2)

団体であることを踏まえるならば、国家を構成する人間について考えるこ とは、国家に関し考える際に重要であり、この点に関心が向けられること は、有意味である。また、上述のとおり世界の国際化が進展する現在、

日々の行政実務における国籍法や戸籍法の執行等に係る実務的な法技術上 の整理等に係る視点にとどまらない観点からこの点について考えること は、今後の我が国の方向性を考えるためにも有益である。

 このような状況を踏まえ本稿では、大日本帝国憲法第18条と、日本国憲 法第10条及び第22条の制定過程等に係る議論を整理し、憲法との関係でど のような点が国籍に関し議論されてきたかを概観し

(2)

、次にこれを踏まえ、

(明石書店 2010)

  ―同『戸籍と国籍の近現代史―民族・血統・日本人』(明石書店 2013)

  ―同『戸籍と無戸籍』(人文書院 2017)

  ― 佐藤潤一『日本国憲法における「国民」概念の限界と「市民」概念の可能性』

(専修大学出版局 2004)

  これらの先行研究は、最後のものを除いて法学の業績でないこともあり、成文法 等を資料としているものもあるが,内容は思想状況や社会状況等を分析したものと 解される。

  また上記の最後のものや,ここでは上げなかった多数にわたる憲法学を中心とす る法学分野の業績も、実際に制定された成文法としての憲法の関連条文や国籍法の 構造、憲法の関連条文の制定過程,最高裁判決を始めとする裁判所の判断を分析等 するもので、詳細な事実・法令解釈等の分析・研究はされているが、どのような問 題意識のもとで憲法の国籍に関係する条文や国籍法が制定されたのかに十分に関心 を向けたものは見当たらなかった。そしてその結果として、これまでの研究等で は、憲法との関係で国籍・国籍法について考える際に、どのような問題意識から検 討すべきなのか、ということは十分に整理されていないと考えられた。

  このことから本稿では、憲法の国籍関連の条文等に関するこのような先行研究を 踏まえつつ、憲法との関係で国籍に関してどのような問題意識をもち、どのような 検討を行うべきかについて整理したいと考えた。

( 2 ) 大日本帝国憲法では、国家の構成員を意味する文言として「臣民」の文言が使 用されており、日本国憲法では「国民」の文言が使用されている。なお人をさす文 言として、役職等を示す文言の他に、大日本帝国憲法では「子孫」「何人」、日本国 憲法では「日本国民」「子孫」「国民」「人間」「個人」「者」「何人」「成年者」「配偶 者」「子女」「勤労者」「児童」「選挙人」「文民」「投票者」「住民」「人類」「現在お よび将来の国民」等の文言が使用されている。

(3)

憲法と国籍の関係に関する一考察(松澤)  155

憲法との関係で、国籍に関してはどのような点について考えるべきかを検 討する

(3)

1 .大日本帝国憲法第18条

( 1 )   『憲法義解』における理解

 大日本帝国憲法第18条に関し『憲法義解』の中で伊藤博文は、「日本臣 民とは外国臣民と之を区別するの謂なり。日本臣民たる者は各々法律上の 公権及び私権を享有すべし。此れ臣民たるの要件は法律を以て之を定むる を必要とする所以なり。日本臣民たるに二つの類あり。第一は出生による 者。第二は帰化又は其の他法律の効力に依る者

(4)

。」としている。この記述 からすると日本臣民たる者の定義の必要性は、法律上の公権及び私権を享 有する者を区別するためにあったようにも読める。しかしながら、このう ちの私権について伊藤は「私権に至ては内外の間に懸絶の区別をなしたる はすでに歴史上の往事に属し、今日は一二の例外を除く外、各国大抵外国 人をして本国人と同様に之を享受することを得せしむるの傾向を取りた り。」としている。この記述からするならば、伊藤の意味するところは、

私権に関しては、外国人と日本人を区別することを意図したものではなか ったと推測される。また伊藤は、日本臣民に関し、出生による者だけでな

  以 上 に 関 連 し て、 日 本 国 憲 法 の 英 文 公 定 訳 で は、 前 文 の「日 本 国 民」 は Japanese people の文言が使われている一方で、第10条の「日本国民」は Japanese national の文言が使われている。

  また、これは必ずしも日本国憲法に限ったことではないが、第三章の国民の権利 義務の章に規定される規定の中には、例えば第19条の「思想及び良心の自由は、こ れを侵してはならない。」とする規定のように、保障される自由が規定されている が、だれに対して保障されるかが規定されていない規定がある。

( 3 ) 例えば大日本帝国憲法第18条は「日本臣民タル要件ハ法律ノ定ムル所ニ依ル」

とし、オリジナルは漢字片仮名交じり・歴史的仮名遣いで表記されているが、読み やすさの観点から本稿では、適宜漢字平仮名交じり・現代仮名遣いの表記を用い る。

( 4 ) 伊藤博文著『憲法義解』46頁(岩波書店 1989)。

(4)

く、帰化やその他の法律の効力による者があるとしており、このことから するならば、日本臣民には日本に帰化する者も含まれると考えていた、と 解される。

 なおここで伊藤は公権について、選挙権や被選挙権、任官の権の類を公 権とし、公権は憲法又はその他の法律でこれを認定し、もっぱら本国人の 享有するもので、外国人に許さないのは各国の普通の公法であるとしてい る。伊藤はこれ以上の詳細を記述していないことから、どのような理由に より、各国の公法で公権が専ら本国人の享有するものとされていたのか、

ということに関してどのように伊藤が理解していたかは、必ずしも明らか ではない。

( 2 )   秘書類纂における国籍

(ア) 井上毅とモッセ・ロエスレルの問答等

 政府の顧問であったモッセは、本条の制定過程で、国民の資格

(国籍)

の得失について憲法典に規定を設けている国と設けていない国があるが、

どちらが良いか、という井上毅の質問に対して、この件は国際関係

(条 約)

に関係することが多いことから、憲法に明文の規定をおくと、

(他国 の法等との)

抵触が生じた場合や、頻繁に変更が求められる場合等に不便 であることから、憲法に規定を設けないことが適切とする意見を述べてい

(5)

。また、同様に政府の顧問であったロエスレルは、国民の要件は法律を

( 5 ) 伊藤博文編『秘書類纂 法制関係資料 上巻』435頁及び483頁(秘書類纂刊行 会1935) (http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1235785)。ここでモッセは、この点に関 し英国のように不文の憲法とすることを支持するが、日本の事情にかんがみて、成 文を設けなくてはならないとしても、大綱として重要なる事項を定めるにとどめる べき、と述べている。

  なおモッセは、外国人の帰化及び任官を容易にすることは、国の進歩に利益にな り、帰化した外国人に自由に公権を与えるべきといっても、選挙による代議の権利 については特にこれを制限すべきではないか、との井上の問いに対し、帰化の後若 干の年限を経ることを必要とするようにすべき、と述べている。また、モッセは、

井上の、ドイツは血統主義をとっているが、ドイツで外国人の子として生まれた者

(5)

憲法と国籍の関係に関する一考察(松澤)  157

もって定めるべき、としている

(6)

 明治憲法の作成作業の過程においては、井上毅のいわゆる「甲案

(7)

」「乙

(8)

」やロエスレルの「日本帝国憲法草案

(9)

」に本条の原案と考えられるもの が示されている。前者の井上の案では、日本国民の身分は、出生により、

あるいは法律をもって定めた要件に従い帰化することによって取得する、

としている。後者のロエスレル案第50条

(10)

は、国民たる資格の得喪に関する 原則は、法律で定めるとしつつ、それに続く部分で、帰化に関する規定を 設けることを提案している。なおこのロエスレル案は、大帰化によるので なければ、国会議員、大臣または行政各部の長官、陸海軍隊の司令官に任 命され、又は選挙される資格を得ない、としている

(11)

(イ) 井上毅の『憲法義解』

 秘書類纂第12巻に所収されている井上毅の『憲法義解

(12)

』は、第 5 条とし て、「日本帝国に於て、公権の享有を得る為には、日本国民たるを必要と す」、「日本国民たるの身分は、或いは出生に由り、或いは法律を以て定め たる要件に従い帰化するに由てこれを得。」とし、これの解説として、次 の点を述べている。

 第一に、日本国民の身分のある者とすべき者として、「日本国の内外に 於て生まれたるにかかわらず日本人の父の子」、「外国人の子にして日本国

の子について、ドイツでの扱いはどうか、との質問に対して、ドイツは血統主義に より、例外はないと回答している。

( 6 ) 同487頁。

( 7 ) 伊藤博文編『秘書類纂 憲法資料 上巻』334頁、656頁(秘書類纂刊行会1935) 

(http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1259516)。

( 8 ) 同上533頁。なおこの井上の案では、「臣民」ではなく、「国民」の文言が使わ れている。

( 9 ) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3947565

(10) 本案では、「臣民」ではなく、「国民」の文言が使われている。

(11) 本案においては、大帰化証は、15年間日本国に滞在したる者、又は国家に対し 抜群の功労のありたる者に非ざればこれを下附することを許さず、とされている。

(12)  6 頁。本編は未完初稿とされている。http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1877067

(6)

内に生まれたる者、21歳となりたる年内に日本国民たるべきの志願を日本 政府に申告し、その住所を日本国内に定るか又は兵役に服するの義務を充 たす者」「その母日本人なる所の私生の子、その父たる外国人の公認を経 ざる者」を上げている。

 第二に外国人にして、日本国民の身分を得べき者として「帰化したる外 国人又は日本政府の任用に由り帰化に均しき資格を得たる外国人」、「日本 人に嫁したる外国人の婦人」等を上げている

(13)

 次に井上は、第 6 条として、日本政府より任用したる外国人は、別段 の約束あらざれば、任用の間帰化の国民とす、外国人は、すでに、帰化法 により帰化したるも、法律を以て特別の許可を与えるに非ざれば、内閣の 構成員、参事院議官及び陸海軍の将官たることを得ず、とする条文案を上 げ、次の点を述べている。

 第一に、本国人又は帰化したる外国人にあらざれば、公権の享有をゆる さざるは

(第 5 条に)

すでにこれを明言したところであるが、才能技術を 求むるに当たり、外国人を任用し、官務に従事せしむるは時宜の必要によ るものなり、と述べ、さらに、外国人の任用と帰化の関係について、各国 の例を参照して、帰化を待って初めて任用する例や任用と同時に帰化の効 力を有らしめる例がある旨を紹介している。

 第二に内閣の構成員等について、これらは国民至高の地位を極め、国事 の枢要に当たる者であるから、通常帰化の外国人にこれを許可せざるを国 法の当然とす、としつつ、諸外国の例を参照している

(14)

(13) 以上のほか井上は、日本国民の権利・身分を得るべき者、失うべき者について 述べ、また、民権は(外国人にも)完全に共有される一方で、公権は専ら国民の身 分の得喪に付随すること、外国人に公権を認めないのは、各国に普通の公法である こと等を述べている。

(14) この点に関し、同書の318頁以降では、ロエスレルの答義として、たいていの 国では、外国人の任官を禁じているが、ドイツではそれが便益であるとして任官と 同時に帰化をしたとする法制を取っていることが紹介されている。

(7)

憲法と国籍の関係に関する一考察(松澤)  159

( 3 )  大日本帝国憲法草案における国籍

 いわゆる夏島草案

(15)

では、実際に制定された第18条と同じく、日本臣民た るの要件は、法律の定めるところによる、とされていた

(16)

。この夏島草案に 付された説明によれば、日本臣民とは、外国臣民と区別される者で、正当 な権利・義務を有する者である、とされている。またこの説明は、日本臣 民の要件は法律で定められ、日本臣民になる方法としては、出生による、

あるいは、外国からの帰化がある、としている。なおこの説明の附記で は、選挙権、被選挙権、任官の権等

(17)

を公権といい、専ら本国人の共有する ところで、外国人に許さないのは、各国の公法の定めるところであると し、他方で、私権については、内外で区別をするのは歴史上のことに属 し、相互の措置により、本国人が外国においてそれを享受する限りにおい ては、内国において外国人がそれを享受するとされている

(18)

、としている。

 この附記と同趣旨の内容が枢密院における提案に記載され、このうちの 臣民の権利義務に関して森文相と伊藤議長の間で議論がされたが、最終的 にこの案は枢密院の第一審会議で可決された

(19)

(15) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3947464

(16) この夏島草案では「臣民」の文言が使われている。なおこの夏島草案の臣民の 文言に関連して、夏島草案の 8 月草案では「凡そ日本臣民たるの資格の得喪及び 帰化に関する規則は法律の定むる所による」とされていたとされている。稲田正次

『明治憲法成立史(下巻)』202頁(有斐閣1994)。なおこの 8 月草案については、井 上毅が、「臣民(サブジェクト)とは、男女老少を問わず、一般に通ずるの名にし て、民権・公権を失う者も、また帝国臣民に非ざるはなし、この章は国民の権利を 著すに於いて臣民の字はその当たる所に非ず、改めて国民(シチズンズ)となすべ し」とする意見を述べようとしたが、さらに考えて、この文章を削ったとされてい る。同230頁。

(17) このほかに陪審たるの権、新聞発行の権、公証人、代言人たるの権がこれに属 するとされている。

(18) 同附記は、後見人となる権、養子となる権、遺言の証人となる権については、

民法の制定するところに属し、民法で明文をもって規定されない限りは、外国人は 共有しないとされている、としている。

(19) 稲田正次『明治憲法成立史(下巻)』628―632頁(有斐閣1994)。

(8)

2 .日本国憲法第10条

( 1 )

 制定の経緯

 日本国憲法第10条は「日本国民たる要件は、法律でこれを定める。」と 規定している

(20)

 1946年 5 月16日に召集された第90回帝国議会で提出された帝国憲法改正

(21)

には、この条文は入っていなかった。この点については、同年 6 月25日 の衆議院本会議並びに同年 7 月 2 日及び 7 月15日の衆議院帝国憲法改正案 委員会において金森徳次郎国務大臣が、当初は、国民たるの要件は重要で あるが、憲法にはっきり書ききれるものではなくいずれは法律で定めるこ とを要すること、この憲法は、主なる事柄は法律で決めることとしている こと等を理由として、これを規定することを省いた旨等を答弁している

(22)

。 その後同年 8 月21日の衆議院帝国憲法改正委員会において芦田委員長は、

憲法案の第三章冒頭に現行の規定と同一の文言の規定を入れることを提案

(23)

、最終的には本提案はそのまま衆議院で可決され、その後貴族院で若干

(20) 大日本帝国憲法第18条と本条を比較すると、大日本帝国憲法は「臣民」の文言 を使っているのに対して、日本国憲法は「国民」の文言を使っていること、大日本 帝国憲法は「臣民たるの」としている一方で日本国憲法は「国民たる」としている こと、日本国憲法においては、「要件は」の後に「、」が入れられていること、大日 本帝国憲法においては「法律の定むる所による」としているのに対し日本国憲法は

「法律でこれを定める」としていること、を上げることができる。このうち大日本 帝国憲法が「臣民たるの」としている一方で日本国憲法は「国民たる」としている 点については、若干の意見が貴族院での議論において山田三良議員から述べられ た。清水伸『逐条日本国憲法審議録(第二巻)』233頁(有斐閣1962)。

(21) http://www.ndl.go.jp/constitution/shiryo/04/117/117_001r.html

(22) 憲法調査会事務局『帝国憲法改正審議録(六)基本的人権編(上)(憲資・権 第 9 号)』衆議院議事速記録第 5 号155頁、衆議院帝国憲法改正案委員会議録(速 記)第三回281頁、同第13回484頁。

(23) 憲法調査会事務局『帝国憲法改正審議録(六)基本的人権編(上)(憲資・権 第 9 号)』衆議院帝国憲法改正案委員会議録(速記)第二十一回774頁。

(9)

憲法と国籍の関係に関する一考察(松澤)  161

の議論はあったが

(24)

、可決された

(25)

( 2 )

 憲法調査会における憲法10条に関係する国籍に係る論点

 1961年に憲法調査会事務局から出された報告書『憲法運用の実際につい

(24) 貴族院での議論に関し、憲法調査会事務局『帝国憲法改正審議録(七)基本的 人権編(下)』177頁―227頁。ここで金森国務大臣は、答弁の中で、次の点を述べて いる。

 ・大日本帝国憲法下の「臣民」の文言には天皇は含まれなかったが、日本国憲法の

「国民」には天皇が含まれる(ただし、第 3 章の規定は、当然には天皇に関する定 めではない。)。なお皇族に関しても、原則として憲法第 3 章が当てはまるが、第 1 章の影響で一般国民とは異なることになる。(180―181頁、183頁)

 ・日本国民たるの要件については、実質的には、明治憲法下の制度を踏襲する(こ こで金森国務大臣は、佐々木惣一議員の、「所謂建前は属人主義(ママ)ですな、

詰り日本人の子であると云ふ、日本人の子である者を日本国民とする、大体さう取 って宜しうございますね。」という質問に対して、首肯している。)。(185頁)

 ・国籍を付与する際にはもとより国家の意思が必要、他方で、国籍を離脱する場合 には、憲法において離脱の自由をはっきり規定しているので、その趣旨に背馳しな い程度にしかるべき制度を設けたい(ただし金森国務大臣は、これに続く答弁の中 で、国籍離脱の自由を侵されないということは、国家の意思が入らないということ までも含むものではなく、国籍離脱の自由にも公益上の制約はあり得る、と答弁し ている。なおここで金森大臣は、22条の国籍離脱の自由の趣旨について、なるべく 人類全体を考えて、その流動をなだらかにするという趣旨から設けたものと説明し ている。)。(186頁)

  なお以上のほか、政府原案になかった本条を政府が追加提案した理由に関し金森 国務大臣は次の点等を述べている。(220頁以下)

 ・理論的に考えるならば、国の領域に関する憲法に国の領域に関する規定や人的範 囲に関する規定を掲げるべきであるが、(政府の原案で)領域に関する規定をおか なかったので、国籍に関する規定もおかなかった。

 ・国籍に関する事項は当然に法律をもって規定すべきものであることは自明である ことから、このことを憲法に定める必要はないと考えた。

 ・国民たるの要件や、国際法上の事由による国籍の変動は、すべて法律によって規 定しつくせるものではなく、このような規定をおくことで、必要以上に細かい議論 を生ぜしめる恐れがある。

(25) 帝国議会における審議のために策定された想定問答における「国民」の意義に 関し用意された答弁の内容に関し、佐藤達夫『日本国憲法成立史(第三巻)』465頁 及び470頁以下(有斐閣1994)。

(10)

ての第 1 委員会報告書―国民の権利及び義務、司法

(26)

―』は、憲法第10条の 運用に関連する事項として、次の点を述べている

(27)

 第一に日本国民たる要件に関し本条が、実質的内容について規定してお らず、すべて法律に委任していることから、国籍に関する事項は法律で規 定しなければならないが、そのような立法の準拠すべき原理については憲 法上空白にされていると本報告書はしている。さらに本報告書は、国籍の 得喪に関する条項を憲法に定める必要があるかどうか、もしこれを規定す るとするならば、本条のような形式的な規定のみでよいか、あるいはさら に実質的な内容についても定めるべきであるかどうかが論点になる、と

(28)

、国籍の得喪に関する要件に関して問題になった点として、次の点を上 げている。

(ⅰ) 国籍の抵触の防止

 国籍に関する立法については、消極的な国籍の抵触である無国籍及び積 極的な抵触である国籍の重複の発生を防止することに対する配慮が必要で ある。

(ⅱ) 国籍自由の原則

 国籍については、本人の意思にかかわらず、強制的にこれを付与し、ま たは、これをはく奪することはなされるべきではなく、本人の意思による 国籍離脱については、その自由を認めるべきである。

(ⅲ) 出生による国籍の取得

 血統主義によるべきか生地主義によるべきか

(29)

、また国籍留保の届出制度

(26) https://www.digital.archives.go.jp/das/meta/F0000000000000331445

(27) 19頁以下。ここで上げるほかに、国民の観念に関連して、日本国憲法の規定す る国民の観念が天皇を含むものであるかどうかに関する議論について本報告書は言 及している。

(28) ここで本報告書は、各国の例を参照し、国政の得喪に関する要件を憲法に直 接詳細に定めるもの、重要な事項のみを定め、あるいは詳細については法律に委任 するとしているもの、簡単な原則規定のみ置くもの、民法によって規定するとして いるもの、法律に委任する旨の形式的な条項のみ定めるもの、特に国籍の得喪に関 する規定を憲法においていないもの、の例があるとしている。

(11)

憲法と国籍の関係に関する一考察(松澤)  163

をどのように扱うか

(30)

(ⅳ) 帰化による国籍の取得

 帰化の条件について、国籍法の規定する条件が厳格にすぎる。

 具体的にここで本報告書は、当時の国籍法が、帰化の許可される要件と して、国籍を有せず、又は、日本の国籍の取得によって、従来の国籍を失 うべきことを定めていることから、本国法で外国への帰化により当然には 従前の国籍国の国籍を失うことがないとされているような場合には、かか る国の国民が日本に帰化することが難しくなっていることを上げている

(31)

。  第二に本報告書は、国籍の変動は、国内法上の事由によるほか、領土の 変更等の国際的な原因によっても生ずることがあることを指摘し、日本に おいては、日本の領土ではなくなった朝鮮、台湾、樺太、千島や、米国施 政権下にあった沖縄、小笠原諸島等の地域に関係する者の国籍が問題にな った例があることを指摘している。

 第三に同報告書は、外国人の権利能力、外国人に関する法令の規定及び

(29) この点に関し本報告書は、外国で出生したという偶然の事情のために、本国の 国籍が認められずに、生まれた場所の国の国籍が付与されてしまうという不便を避 けるためにも、血統主義が望ましいという見解が参考人から述べられた点を指摘し ている。さらに本報告書は、血統主義によるにしても、父系主義をとるか、母の国 籍によることも同時に認めるべきか、という問題があることを指摘している。

(30) この点に関し本報告書は、当時の国籍法第 9 条の規定する国籍留保の届出制度 については、米国における日本移民の排斥という特異事情に由来するものであり、

この規定があるために、たまたま留保の届出をしなかった者が日本の国籍を認めら れずに、帰国後改めて帰化の手続きを取らなければならないという不便が生じてい るが、このような事情は存在していないのであるから、留保の届出に関するこのよ うな規定は廃止することが望ましく、これを廃止しても、国籍離脱の規定のみで、

二重国籍の問題を処理するのに十分である、という意見が、調査の中で参考人から 述べられたとしている。

(31) なお同報告書はこのほかに、国の治安ないしは経済力等を考慮した場合に、帰 化についての行政府の許可を規制するために、法務大臣に許可権を与えるのではな く、議会が帰化の承認権なり議決権をもつことはどうか、という質問に対し、帰化 の制度の運用の事情からみて法務大臣の許可で十分であるということが、調査の中 で参考人から述べられたとしている。

(12)

外国人の準拠法の問題について述べている。

3 .日本国憲法第22条

( 1 )  制定の経緯

 日本国憲法第22条は、国籍離脱の自由に関し、「何人も、

(中略)

国籍を 離脱する自由を侵されない。」と規定する

(32)

。本条の制定過程における貴族 院での議論で金森国務大臣は、国籍離脱の自由が規定されることで、自由 に日本国民であることをやめることができるということか、という趣旨の 質問に対し、国籍を離脱する自由を侵されないということは、日本国民た る国籍を有することを希望しない場合には、無理矢理に引き留めておく必 要も恐らくないことから、原則としてその自由を認めるとする趣旨で、そ れが日本国民たることを免れようとして逃げていくという場合を全部含む かどうかは、個々の場合によって異なると思われるとし、また公益上の必 要の枠は当然あてはめられる、とする趣旨の答弁をしている

(33)

( 2 )  憲法調査会における憲法第22条の国籍離脱の 自由に関する解説

 前出の憲法調査会事務局から出された報告書『憲法運用の実際について の第 1 委員会報告書―国民の権利及び義務、司法

(34)

―』は、憲法第22条の国 籍離脱の自由に関して、そもそも国籍の喪失については、強制的なはく奪 によってなされるべきではなく、日本の国籍法は、自己の意思に基づいて 外国に帰化する場合にのみ、国籍の離脱を認めているが、無国籍者をでき るだけ出さないようにという国籍立法の趣旨からいっても、このような規

(32) なお大日本帝国憲法下においては、国籍法(明治三十二年法律第六十六号)第 20条が、自己の志望によりて外国の国籍を取得したる者は、日本の国籍を失う旨規 定していた。

(33) 清水伸『逐条日本国憲法審議録(第二巻)』464頁以下(有斐閣1962)。

(34) https://www.digital.archives.go.jp/das/meta/F0000000000000331445

(13)

憲法と国籍の関係に関する一考察(松澤)  165

定ぶりは適当な規定で、憲法に違反するものではないと考える、とする参 考人の意見を紹介している

(35)

4 .若干の検討

( 1 )  憲法制定過程等における国籍

 大日本帝国憲法制定当時明治政府は、国際社会の中ですでに主権国家と して存在していた欧米諸国に伍していくために,憲法を制定して立憲政体 を確立する必要があった。またそのような状況の中で、それまで存在して いた階級制を廃し,国家を構成する国民を形成することが目指された

(36)

。  このような中、欧州各国の憲法の国民の定義に関する規定を参照しつ つ、大日本帝国憲法第18条が起草された。この起草の際には、国際的な調 整の必要性が生じることが予想されることから、憲法典には日本臣民たる

(35) 26頁、157頁。ここで報告書は、本人の意思によらずに父親が無断でなした離 脱の届出を無効とした裁判例を引用している。また本報告書は、次の二点の参考人 の意見について述べている。

 ・国籍法第10条(当時)は、日本の国籍と同時に、外国の国籍をも有している場合 でなければ、日本の国籍の離脱を許していないが、かかる制限は、国籍離脱の自由 を侵害するものではなく、無国籍の防止のためにも必要なものであると考えられて いる。

 ・外国の国籍法が、日本の国籍をすでに離脱してきたことを条件として、その国の 帰化を許可するとしているような場合に、日本からそのような国へ帰化することが できるか、という点については、憲法第10条の規定によれば、そのような国への帰 化の方法は存在しないことになる。またこの問題と関連して、日本からすでに国籍 を離脱してきたことを証明しない限り、帰化を許さないとしていたカナダの国籍法 を、日本の法律に対する無知に基づく立法であるとして、改正させたことがある。

(36) 伊藤博文は、武門の政治においては、武士と平民との間を分かち、武士を公権 の専有者として、平民の預からない事としたのみならず、その私権をあわせて平民 が享有する事が全く出来なかったことから、公民の義は、これに依って減絶して、

伸びる事はなかったが、維新の後に、数々の大令を出し、氏族の特異な権利を廃止 し、日本臣民である者が始めて平等にその権利を持ち、その義務を盡くすことを得 られた、旨を述べている。『憲法義解』46頁(岩波書店1989)。

(14)

要件が法律で定められることのみが規定されることとされた。また、この 国際的な調整の必要に対する配慮との関係では、最終的には憲法典におい て規定されることはなかったが、起草の過程ですでに帰化の制度について も検討がされていた。なお、この帰化制度との関係では、外国人の公務就 任との関係が検討されたが、その際には、外国人の帰化及び任官を容易に することは、国の進歩に利益になるということも考慮されていた。これら のことからすると、大日本帝国憲法制定当時から、日本を構成する国民に 外国から帰化した者が含まれる可能性は考慮されており、また、外国人の 貢献が国家の構築に有益であることが認識はされていた、ということがで きる。

 次に日本国憲法の制定過程では、それに限られるとされていたわけでは ないが、日本国民の要件は法律で定められるとした第10条が規定され、ま た、国籍の喪失については、強制的なはく奪によってなされるべきではな く、基本的には本人の意思に基づいて変動すべき、という考えから、第22 条に国籍離脱の自由が規定された。このうち前者の憲法第10条との関係で は、本条が規定されたことにより、法外在的な基準によってではなく,日 本国民たる要件が定められるということが示され、また憲法の諸規定の範 囲で民主主義的決定過程にしたがって制定される法律により日本国民たる 基準が定められるとされた、と解される。また、後者の第22条について は、国籍が本人の意思によって変動すべきものである、という考え方が本 条によって示されたと解される。

 なおその後の憲法調査会の報告書では、日本国憲法第10条が、実体的な 点について規定していないことから、それらについて考える必要があるこ とが指摘され、国籍の抵触の防止、国籍自由の原則、出生及び帰化による 国籍の取得、領土の変動等の国際的要因による国籍の変動、外国人の権利 能力等外国人の地位に関する問題が、憲法第10条に係る国籍に関する問題 として挙げられた。これらの問題については、立法技術的な観点からは、

国籍法等で調整が進められ、対応が図られている。他方で、この憲法調査

(15)

憲法と国籍の関係に関する一考察(松澤)  167

会の報告書が指摘するように、憲法との関係では、国籍に関する原理・原 則についてどのように考えるべきかは、必ずしも整理されていない。

( 2 )  憲法問題としての国籍問題

 冒頭で述べたとおり、国家が国民とされる人間から構成される集団・団 体であることを踏まえるならば、国家を構成する人間について考えるこ と,つまり,誰がどのような理由により国家を構成するのか,あるいは国 家は誰を国民とするのか,を考えることは、国家にとっても、それに属す る個人にとっても重要である。また大日本帝国憲法第18条及び日本国憲法 第10条の制定過程等においては、実はそれがもっとも重要な問題であった と考えられる。

 しかしながら,実際の大日本帝国憲法第18条も,日本国憲法第10条も,

臣民あるいは国民の要件を法律で定めることとしているのみであり,先述 の憲法調査委員会の報告書が指摘するように,法律で国民の要件を規定す る際の原理・原則に関しては,憲法上明文で規定されておらず,また,当 該報告書が列挙するような,国籍法制の形成に係る基本的な論点につい て,どのように考えるべきなのか,ということについては明確にされてい ない。

 大日本帝国憲法第18条の制定当時以来認識されているように,国籍の問 題への対応については国際的な関係を考慮すべき場合があり,その点での 調整が必要になることは理解できる。しかしながら,それのみが国籍に関 する重要な勘案事項ではなく,むしろ,繰り返しになるが,憲法との関係 では,誰を国家の構築に関与する人間とするか,ということこそ重要な関 心事項であり,この点からするならば,憲法の規定とするかしないかの議 論は別にするとしても,法律で国民の要件を規定する際の原理・原則に関 して,憲法の観点からはどう考えられるべきなのか,を検討することは重 要であると考える。

 この点に関し,具体的に例えば大日本帝国憲法制定の際日本には、欧米

(16)

諸国に伍していくという目標があり、そのためには、平等にその権利を持 ち、その義務を果たす日本臣民である者を形成する,あるいは国の進歩に 有益な外国人材が公務に就くことが出来るようにすることが必要であっ て,それが出来るように大日本帝国憲法第18条の定める法律は規定される 必要があったことは認識されていた。そこで実際に制定された

(当時の)

国籍法の規定をどのように評価するのかに関しては、各種各様のとらえ方 があり得ると解されるが、国籍について考える際の問題意識が、例えば帰 化に関する規定を含んでいたことを踏まえるならば

(37)

,それまで存在した

「日本人」の実定法への翻訳、というようなものではなく、実際にもそれ だけで済むものではなかったと解することができると思われる。

 またこのような大日本帝国憲法の制定及び国籍法の制定過程で問題とさ れた、だれを国民とするのか,の問題は,具体的な論点の対象は天皇が国 民に含まれるか等、異なるものであったかもしれないが、依然として日本 国憲法第10条の制定過程でも,制定者が直面した問題であった。そしてこ の問題は,実は現在に至るまで国籍法の制定・改正において問題とされる 点であると考えられる。しかしながらその基礎的な考え方の方向性は,憲 法との関係では、明確にされないままというのが現状でないかと思われ

(38)

(37) http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/788011

(38) なおこの点に関し最高裁は、憲法と国籍の関係について、憲法第10条の解釈と して、平成27年 3 月10日の判決(平成25(行ツ)230)において、次のとおり述べ ている。

  「憲法10条は、日本国民たる要件は、法律でこれを定める。」と規定し、これを受 けて、国籍法は、日本国籍の得喪に関する要件を規定している。憲法10条の規定 は、国籍は国家の構成員としての資格であり、国籍の得喪に関する要件を定めるに 当たってはそれぞれの国の歴史的事情、伝統、政治的、社会的及び経済的環境等,

種々の要因を考慮する必要があることから、これをどのように定めるかについて,

立法府の裁量判断に委ねる趣旨のものであると解される。そして、憲法14条 1 項が 法の下の平等を定めているのは、合理的理由のない差別を禁止する趣旨のものであ って、法的取扱いにおける区別が合理的な根拠に基づくものである限り、同項に違 反するものではないから、上記のようにして定められた日本国籍の取得に関する法

(17)

憲法と国籍の関係に関する一考察(松澤)  169

 繰り返しになるが、上記の憲法調査会の報告書で指摘された一連の問題 を含む国籍をめぐる問題は、国際的な調整の必要性はあるにしても、日本 国の構成員はだれとすべきなのか、また、そう考える理由は何かという問 いの観点から検討され,対応されるべき問題と考える。

おわりに

 そもそも我が国の憲法との関係で、日本の国籍を保有する者としての日 本国民の概念は、アプリオリに存在したわけではない。むしろ歴史的に は、江戸時代から明治時代になって日本全体としてまとまり、集団として の国家を形成し、それに伴って、各種の状況の影響を踏まえ、様々なこと が考慮されながら、日本国民という概念が形成されたと考えられる。

律の要件によって生じた区別につき、そのような区別をすることの立法目的に合理 的な根拠があり、かつ、その区別の具体的内容が上記の立法目的との関連において 不合理なものではなく、立法府の合理的な裁量判断の範囲を超えるものではないと 認められる場合には、当該区別は,合理的理由のない差別に当たるとはいえず、憲 法14条 1 項に違反するということはできないものと解するのが相当である。」

  この判示の意義・妥当性等については、より詳細な検討が求められると考える が、本稿との関係では、例えば、立法府が考慮すべき「国の歴史的事情、伝統、政 治的、社会的及び経済的環境等,種々の要因」と、最高裁の示した、憲法14条 1 項 の定める法の下の平等については「法的取扱いにおける区別が合理的な根拠に基づ くものである限り、同項に違反するものではない」という考え方、より詳細には、

「区別をすることの立法目的に合理的な根拠があること」、「その区別の具体的内容 が上記の立法目的との関連において不合理なものではないこと」、「立法府の合理的 な裁量判断の範囲を超えるものではないと認められること」の要件との関係は、ど のような準則に従って、どのように判断すべきなのかは検討すべき重要な論点と思 われる。

  なおさらに、特に例えば、国の歴史的事情、伝統、政治的、社会的及び経済的環 境等に関する立法府の合理的な裁量判断の範囲というのは、人権保障との関係でど のように認められるのか、という点については、別の判決で最高裁自身も認めてい るように(最高裁平成18年(行ツ)第135号平成20年 6 月 4 日大法廷判決(民集62 巻 6 号1367頁))、個人の現実の人生・生活において国籍が非常に重要な役割を果た していることを勘案すると、慎重な検討が求められると考える。

(18)

 このような経緯を踏まえると、これまでの歴史における状況と同様現代 においても、現在の社会状況等を踏まえ、これまでの歴史において人為的 に構成された「日本国民」という概念の再検討を行うことは排除されない と考えられる。またこの点に関しては、より積極的に将来の日本のあり方 を考えるという視点から考えるならば、国際社会の相互依存が深化し、多 種多様な場面で従来とは比べものにならない質・量により、ヒト・モノ・

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