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Academic year: 2021

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(1)

平成10年度東海・北陸地区国立学校等教室系技術職 員合同研修「電気・電子コース」を担当して

著者 岡井 善四郎, 酒井 孝則, 鈴木 重寛, 辻 正晴, 橋 谷 茂雄, 本堂 義記, 山田 隆昇

雑誌名 技術報告集

巻 4 (1998年度)

ページ 95‑100

発行年 1999‑04

URL http://hdl.handle.net/10098/7626

(2)

平成 1 0 年度東海・北陸地区国立学校等教室系技術職員合同研修 r 電気・電子コース J を担当して

岡井善四郎・酒井孝則・鈴木重寛・辻 正晴 橋谷茂雄・本堂義記・山田隆昇

.研修概要について

「電気・電子コース J を担当するにあたって、実習を研修の中心において「福井大学技術部 として何ができるか j がまず最初の課題であった。一ヶ月弱の期限で研修概要提出の依頼を受 けて、主に「電気・電子コース j に近い分野の技術官が集まり、世話人会を構成して当たるこ ととなった。

実習「半導体レーザ駆動回路の製作と実験 j は、「製作回路が具体的で興味がもたれるもの J 、

「少なからず実用性のあるもの j 、 「一日で完成できる規模のもの J 、 「今日的でなおかっ電 子回路技術の基礎的な事柄の修得も図れるもの J など、議論の結果決めたテーマである。専門 講義についても実習内容との関係を考慮しながら世話人が手分けして講師の交渉にあたるなど によって、概要案、すなわち研修の骨格ができあがった。

2. 

r 実習」当日に向けて

世話人は「電気・電子コース j の分野に近いとはいっても半導体レーザについては必ずしも 精通していないので、世話人の中での学習から開始することとし、およそ週 1 回半日をその時 間に費やした。まず、文献などの資料を調査し、半導体レーザの基礎、半導体レーザの使い方、

半導体レーザの応用と駆動回路などについて、主に輪読による学習を 5 月から 6 月初旬に実施 した。

6 月中旬には具体的な回 路の検討に入り、試作回路 3 種類を実際に製作して実 測、検討し、実習用回路を 決めた。ここでは、回路パ ターン、部品実装、計測実 験、時間内に完成できるこ となどを考慮して細部にわ たって検討を重ねた

特に、

回路定数の決定には、試作、

計測実験を繰り返して最善 を尽くした。

8 月には、回路の検討と

研修当日の実習会場風景 並行してテキストの執筆に

着手した。このために、夏休みも返上のハードなスケジュールを強いられ、さらに、レンズホ ルダの製作、部品の調達、工具、測定器の整備、実習会場の準備などが加わって、 8 月下旬か

Fhu 

n v  

(3)

ら研修当日まではかなり詰めた日程をこなすこととなった

学習から実習用回路の設計・製作に至る過程は世話人各人が分担執筆した原稿のなかに凝縮 しているので、実習テキストは実習当日だけで終わらせるには惜しい、充実した内容のものが できあがった。以下に、実習テキストの概要とその中心を成している半導体レーザ駆動回路の 製作、回路の調整方法、駆動回路図などを掲載する。

平成 1 0 年度

東海・北陸地区国立学校等教室系技術職員研修

半導体レーザ駆動回路の 製作と基礎実験

福井大学技術部

3. 半導体レーザ駆動回路の製作

目次

1.はじめに…...・ H ・....……… …・・… ...........1

半導体レーザの使い方....…- ……-……...・H・- ・……・...・ 2

2.1  使用する半導体レーザ...・.......………....…………...・H・-………・ 2

2.2 半導体レーザの取扱い方.………・...…...…………....・H ・....・ H・ .3 2.3 安全上の注意...・H ・....・H・....・ M・......・H ・...…...・H・...・H ・ ....4

3. 半導体レーザ駆動回路の製作…....・M ・...…....・H・...……… .....5

3.1  A陀回路の動作... ぃ ・……・・ …・・・・…...“・ 5 

3.2 APC 回路の設計 . “ ・ ・・ ………… …・ ...6

(1)  回路設計仕樽………ー・・・....……H ・H・"………...・ M・-…・・…...… 6

( 2 )  

LD 駆動用抵抗の設計 .........6

( 3 )  

基車電圧倒の設計...・・…… ....・……"..……“ ....7

(4)  光モニ空電流検出抵抗の設計...… ...7

(5)  オベアンプの選定.........…・ ...・・ー一ーー・ーーー-……… ...8

(6)  サージ対策.........・ e ・・・ e ・・・・ ....ー… ...8 

3.3 駆動回路図. …ー ・・・・ H・ H ・.....ー・ ・・ ...9 

3.4  実装配線図... …… …...・H ・-・…・…… …. 10  3.5 APC 回路調整方法........…・ ・・・・ ・・・ ・・ E ・ E ・ ...11

半導体レーザの光出力測定...・ H ・.........・ H ・ H・...・ H ・..……・ 12 4.1  測定回路…,... ……・・ H・ H ・ H … … ...12  4.2 劃定方法…H………・・ー...・H・....・H・....…ー…・・ ・…...・H ・-… 13 参考文献……....・H・....・ M・....・H・....・H ・....・H・-…....・H ・..…・・H・H・....…....・ M・-・・・ 14

資料 1 半導体レーザ規格表

資料 2 放熱ホルダ

資料 3 I叩一Po. Iop ‑1n実曽l特性 資料 4 括主抗カラーコード表

資料 5 ンデンサ容量表示の競み方

資料 6 ツェナーダイオード規格表

資料 7 トランジスタ規格表

資料 B オベアンプ規格表

資料 9 部品リスト

資料 1 0  ハンダ付の基礎知識 資料 11  惨考回路図

光エレクトロニクス技術の代表的なものの一つにレーザがあり、そのなかで半導体レーザ(以 下 LD と略)は小型で消費電力が少なく光通信や情報処理など数多くの分野で使われている

LD はダイオードの一種であるが、通常のダイオードと違いレーザ発振器の機能を備え手軽 に 10mW級のレーザ光を得ることができる。

本研修で使用する赤色 LD は LD チップと、このチップよりの光出力を検出するモニタ用フ ォトダイオード(以下 PD と略)からなるパッケージ形態で構成されている。

3.1 

APC 回路の設計と動作

LD は、光出力一順電流に温度特性有し一定電流で駆動しても周囲温度などの影響により光 出力が大きく変動する。そのため実用上は広い温度範囲で一定の光出力が得られるように制御

‑96‑

(4)

する駆動回路が必要となる。

したがって、本実習では駆動周囲路の LD に内蔵された PD の光出力モニタ電流 を負帰還増幅し、安定化する回路である

A P  C  (Automatic  Power 

Control) 回路を 用いることとし、その設計と製作について

の研修を実施する

また、製作した駆動回路を用いて LD の 基本特性を実測し、 LD の基本特性を確認 する

図 3. 1 に APC 回路の基本構成を示す

LD順電流

図 3

.

1

A P 

C 回路の基本構成

図における LD チップ後面からの放出光は同じパッケージ内の PD に入射し、 LD の光出力と 比例関係の光モニタ電流となる

この光モニタ電流は I-V 変換で電圧に変換され、その電圧

を基準電圧と比較して絶えず等しくなるように LD の順電流を制御し、光出力を安定させる。

(  1 

)回路設計仕様

今回の製作で使用する L

D  (E L65 

-18-4) の設計仕様数値を表 3.

に示す。

表における設計仕様数値は LD の特 性規格表および 1 0 P ‑

。、 1 0 P ュ

I 皿の実測特性から読みとる

ただし、 P 。は定格値を、

0 P は

設計最小値 設計最大値

(L 

D 光出力)

1 [ mW]  5  [mW] 

O P  (LD 動作順電流)

3 3 [mA]  6 0  [mA] 

(光モニタ電流)

3 6 

[μA]

1 3 0 

[μAJ

表 3.

LD 設計仕様数値 LD の劣化を考慮して定格値の 20

%

程度大きな値を採用し、 電源 V

c

c は 9V とする

(2)  L 

D 駆動用抵抗 R

L

の設計

LD 光出力を設計最大値に設定し、図 3. 2 における合成抵抗 R

L

=

(R

L l

+ R

L2

+ R

L 3) 

は表 3. 1 より 1 P の設計最大値を用いて次式より求める

図 3.2 3

.

3

‑97‑

Vc  c 

づ「

̲L 

3.4

(5)

R‑Vcc  ‑

VOP(m皿)-VCE(回t)

L=‑

.L OP(m蹴)

一一 (2

‑ 1  ) 

ここで、 LD の特性規格値より V

OP 

(皿 a x) を読みとり、 トランジスタ (T

)のコレクタ ーエミッタ間飽和電圧 VCE(sat)

=0.1 

V とすると R

L

は 1050 となる。

つぎに、求まった合成抵抗を R

1 、 R

2 、 R

3 に分割する。まず、 Tr のエミッタバイア ス抵抗 R

L 3

=100 とし、 R

2 を実験での 1 P 観測用に 100 に設定すると R

L  1 

=850 となり、

抵抗数値規格 E24 シリーズより R

1 ニ 820 に選定する。

(  3 

)基準電圧部の設計

APC 回路の安定度は基準電圧 Vr e f の安定度で決まるため、ツェナーダイオード (Z

D) 

には温度係数の小さい素子を選定し、 RD5A (NEC 製)を使用する。図 3. 3 における

ZD の駆動抵抗 Rz は ZD の規格値より求めと 3600 となる。

つぎに、オペアンプ o

2+ 側へ入力する最大基準電圧 V r e f を ZD より得られる電圧 V

z

の約 1/2 程度にするため、多回転半固定抵抗 VR

r

=5KO と固定抵抗 R

1

=4.7KO で分圧し、

0"'-'2.46V の可変幅に調整して LD の光出力を調整する

(  4 

)光モニタ電流検出用抵抗 V Rm~ Rm の設計

図 3. 4 における PD には光出力に比例した光モニタ電流 I 皿が流れ、抵抗 Rm と可変抵抗 VR

m

で光モニタ電圧 V 皿に変換する。このV

m

は、ボルテージフォロワ用のオペアンプo

P  1 

(図 3. 5 駆動回路図参照)でインピーダンス変換された後、差動用の o

2 の一側に負帰還さ れ Vm  (m a x) 

=  V 

r e f (皿 a x) でバランスする。

したがって、光モニタ電流の制限抵抗 Rm は V

ref

(max) と、表 2

.

1 で示す 1

(皿 a

x

) よ り求められ、 E24 シリーズ!から 18K 0 を選定する

VR 血は光モニタ電流を約 1

/

2 程度の調 整を可能にするために 20KO とする。

+ V c   =  9v 

C l   iFZ百一ジ

47μ

GND 

図 3.5

T r : 2 S C 2 2 3 5   Z D : R D 5 A   O P 1 . O P 2 : L M 3 5 8 N  

V L D : E L 6 5 ‑ 1 8 ‑ 4  

( 6 5 0 n m  

赤色)

レーザダイオード駆動回路 (A

C 回路)

‑ 98‑

(6)

(  5 

)オペアンプの選定とサージ対策

使用するオベアンプは乾電池使用のため、単電源で使用が保証されているデュアルタイプの LM358N を選定する。

また、 LD はサージ電流に対して非常に弱く、過大電流が流れると劣化あるいは破壊につな がる。このためスロースタート回路を設け LD の駆動回路全体をサージから保護する。

4. 半導体レーザの光出力測定

半導体レーザは光出力が絶対最大定格を越えると、発光端面が物理的損傷を受けて破壊する ことがあるので、初めて半導体レーザを使う場合、駆動電流だけで光出力を推定するのは危険 である。必ず光出力を測定しながら使用する。

①正確に光出力(測定誤差:t 5% 以内)を測定する場合は、半導体レーザ用の光パワーメー タが計測器メーカから発売されているので、それを使用したほうが便利である

②簡単に光出力(測定誤差:t15% 程度)を測定するには、フォトダイオードを用いるのが 最適である。

今回は②の測定法を用いる。

4.  1 

測定回路

フォトダイオードは一般的にシリコンで作られている。分光感度のピークが半導体レーザの 波長とほぼ一致しており、フラットな特性を持っている。今回使用する測定用フォトダイオー

ドは浜松ホトニクス製 S1226-5BK を用いる。

ここで、光出力 PO とフォトダイオードの放射感度 S は (4

‑ 1 

)式のように表される。

E

PO 

=一一一・一一一

(4 ‑ 1  )  R

ただし、

R

:負荷抵抗 [Q J 、 E

L

R

L

の両端の電圧 [mVJ である。波長 650nm の S として実測 値 0.75[mA/mWJ を用い、 4.

(a) に示すようにフォトダイオードの RL を 10Q にすると、 PO

は (4

2) 式で求まる。

Po=E

L

1.

33/10  [m  wJ  (4 ‑ 2) 

RL の値はレーザ光の光出力に応じて変えることができるが、その両端の出力電圧が 200mV を越えないよう注意する必要がある

出力電圧が 200mV を越えると、フォトダイオードの線形 十生がなくなる。

4.  2 

測定方法

負荷抵抗 1

Q の両端電圧を測定し、この値を (4

2) 式より光出力に換算する。

また、高出力タイプの半導体レーザの場合は半導体レーザに内蔵されている光モニタ用フォ トダイオードの電流が小さいため、光出力一定条件 (APC) での動作中は、測定用フォトダイ オードからの反射光がレーザパッケージ内のモニタ用フォトダイオードに戻らないように図

4. 

1 に示すように測定用フォトダイオードを少し傾けて光出力を測定する。

以下、測定手順について述べる

1  . 

測定用フォトダイオードを組込んだ光パワーメータと放熱ホルダーに取付けた LD を 密着する。使用するパワーメータは、図 4. 1 の方法で測定できるように作られている。

‑ 99‑

(7)

光パワーメータの出力端子に、デジボル(直流電圧レンジ)を接続する。

2. 

3. 

製作した APC 回路中の半固定抵抗 VRm を時計方向いっぱいに回転しておき、 LD 駆動用抵抗 R

L  z  (1 0 

n) の両端に、もう一台のデジボノレ(直流電圧レンジ)を接続 する。

4. 

5. 

APC 回路およひ、光ノξ ワーメータの電源スイッチを ON にする。

基準電圧調整用の多回転半固定抵抗 VRr をゆっくり回転しながら、 R Lz の両端電圧

(V 10P ) と光ノ〈ワーメ}タの出力電圧値

(EL) を同時に読みとる。ここで、 V IOP の 測定範囲は O"'500m V とする。

つぎに、 1 P は V

10P

Xl/I0 で換算し、 PO は式 (4

2) に E

L

を代入して求める。

5. おわりに

半導 i本レーサ'

図 4.1 光出力測定

実習参加者が予定者数を上回る 24 名であったので、準備の負担がいっそう増すことになっ たが、より多くの人に受講してもらえたことは喜ばしいことである。準備の段階で十分検討し たつもりであっても思い通り運ばなかったこと、配慮が足りなかったことなどの反省点もある が、世話人としては研修日程を終えて、苦労が充足感に置き換わった思いでもある。

実習「半導体レーザ駆動回路の製作と実験 J は、駆動回路の製作と簡単な実験を行うことに よって、半導体レーザの基礎を学び、加えて、アナログ回路製作技術の基礎を修得することを 狙いとしたが、実際には実習参加者よりも世話人の方が何倍もの時間を費やし学習、製作・実 験を行ってきたので、はるかに充実した研修を終えたと言えるかもしれない。本報告はそれら の一端を記したにすぎないが、今後に生かすための一文となれば幸いである。

平成 1 0 年度東海・北陸地区国立学校等教室系技術職員研修(電気・電子コース)日程表

福井大学

9 : 0 0   1 0 : 0 0   1 1 : 0 0   1 2 : 0 0   1 3 : 0 0   1 4 : 0 0   1 5 : 0 0   1 6 : 0 0   1 7 : 0 0  

3 0   4 0   5 5   2535  1 9 : 0 0  

第 1 日目 開写オ 講義 講義 講義 講義

「安全管理」 「電子回路の基礎j 「レーザーと

真エ

9 月 9 日 その応用」

緯テ 鮒北陸亀カ福井支店 Jチ‘ぜー

(水) 扱 l 支店長室業務担当

福井庶大務錬学長

福井大学工学部 福井大学工学部

副課長僚会衛生担当)

岡山秀昭 林閏重量治 教授谷口慶治 助教授仁木秀明

式影ン

実習 実習

第 2 日目 「半導体レーザー駆動回路の 「半導体レーザー駆動回路の

製作と基縫実験J 製作と基礎実験」

福井大学工学部助教授仁木秀明 福井大学工学部助教授仁木秀明

9 月 1 0 日 福井大学技符部 福井大学技術部

(木) 岡井普四郎 酒井孝則 岡井善四郎 酒井孝則

鈴木重寛 正晴 鈴木重寛 正晴

橋谷茂雄 本堂義記 橋谷茂雄 本堂義記

山田隆昇 山田隆昇

2535  3 0  

講義 講義 施設見学

第 3 日目 「ロポットと I太陽光発電の

画像認識」 ぜ術動向J 側福井村田製作所

9 月 1 1 日 (武生市岡本町 1

3  ‑1) 

(金) 福井大学工学部 福井大学工学部

教授朝倉俊行 教授山本趣勇

‑100 ‑

参照

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