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学校教育専攻 人間形成コース 片 山 博 文

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Academic year: 2021

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子どもの意識や行動に影響を及ぼす学校トイレ要因についての調査研究

学校教育専攻 人間形成コース 片 山 博 文

指導教員 伴 恒 信

1.研究目的 て,学校種及び性別による有意な差異が見られ トイレの乱れは学校の乱れにつながるDだか た。学校トイレ様式希望に関して,中学校女子 ら rトイレがよくなれば,学校がよくなる」 に和式トイレを希望する割合が高い。理由とし とは論理的である。しかし,学校トイレが学校 て,他人との使座共有を嫌がるなど,清潔志向 教育に深く関わることは一般には受け入れら の高まりが考えられる。

れておらず,トイレ改善の効果やその重要性が 十分に認知されているとは言えない。学校のト イレ環境を改善することの正しい意義付けが 必要である。

そのために,子どもの排世習慣やトイレイメ ージ,学校生活における意識や行動,教師のト イレに関わる指導等との関わりから,それらを 明らかにする必要がある。

小中学校の子どもの実態調査から学校のト イレに関する問題や特徴をふまえ, トイレ環境 や教師の指導が,子どもの意識や行動にどのよ

うな関わりや影響があるのかについて調査研究 する。

2.小中学校トイレの実態

学校トイレに関わる小学生の実態は,学年が あがるごとに好ましくない傾向があり,中学校 でさらに顕著に表れ,学校トイレに関わる問題 が一層顕在化している。

小学校と比べ,中学校では,学校で排便を我 慢する子どもや教室から離れた場所のトイレを 使用する子どもの割合が有意に高い。

擬音装置の希望やトイレ様式の希望につい

3.学校での排便抑制と使用トイレ

学校での排便抑制に関して,中学生は「から かいjや f冷やかしjよりも,排便行為そのも のに対する差恥心や抵抗心が大きく,小学生よ りも排便に対する差恥心や抵抗感が顕在化して し、る。

中学校では,規模の大きな学校ほど排便抑制 が顕著である。規模が小さな学校ほど,人間関 係を構築することが容易であることから,他者 との関わりに,排便抑制の要因があると考えら れた。

排便抑制と相関が見られた「本当に使用した いトイレ」に関して,教室に近い場所のトイレ を使用する割合は6割強であり,約3割が,教 室から離れた場所のトイレを使用している。授 業間のわずか10分の休憩時間に,教室から離れ た場所のトイレを使用する理由として, r清潔・

きれしリを理由とする子どもは少なく, r混んで いないから Jr落ち着く Jr他の人に知られたく ないJr安心j と回答した割合が多い。

教室から離れた場所のトイレを使用する要 因として,使用者の割に少ないブース数や狭い

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トイレスペースなど,学校トイレの基本設計に 問題があることが考えられる。また, r他の人に 知られたくないJT安心」と回答した子どもに関 しては,排准行為に対する差恥心や不安感など が要因であると推測された。 トイレを清潔@き れいにするだけが, トイレ環境の改善でないと 言える。

4.排便抑制と使用トイレの要因

トイレの基本設計や設備@仕様などのトイレ 事情が,排使抑制に影響を及ぼすかに関しては,

トイレ未改修校で「トイレ設備@仕様Jと「ト イレメンテナンス」で有意な相関が見られた。

トイレ改修校では,排便抑制との相関が有意で なかったことから, トイレ改修が排便抑制を改 善する一要因であると言える。

トイレ改修校@未改修校のいずれも,男子は,

他者との人間関係、が良好なほど,学校での排便 を我慢していないことが分かつた。男子では,

他者との関わりや学校内の人間関係が排便抑制 の最大の要因になっていると言える。女子では,

排池音を気にするほど,学校での排便を抑制し ている。排?世音を気にすることは,精神的なス

トレスとの相関が有意である。

使用トイレは,排便抑制とも相関があり,他 者との関わりから見る学校トイレイメージが悪 く, トイレに関わる教師の指導をよしとは,思っ ていない,あるいは,気に留めていない子ども、

は,落ち着く・他人に知られない@安心なトイ レを求める傾向がある。

教室から離れた場所や職員・来賓用のトイレ を使用している子どもたちは,他者との関わり や教師の指導に関して,何らかの問題を抱えて いる可能性がある。他者との関わりにおける不 安や恐れを払拭できれば,排便抑制やそれに伴

う精神的なストレス等を感じることが少なくな り,子どもたちの健やかな育みにつながると考 えられる。

5.学校トイレ環境と子どもの行動要因 トイレの使い方,使用状況などトイレマナー は,家庭のしつけや習J慣だけで、身に付くのでは なく,学校でのトイレに関わる教師の指導も,

中学生のトイレマナー構築の一要因で、ある。

トイレの基本設計,設備・仕様,メンテナン スなどのトイレ事情は, r基本的な生活習慣Jr自 主・自律Jr勤労・奉仕Jr公平@公正Jr公共心@

公徳、心Jに影響を及ぼす。中学生の学校トイレ イメージは, r思いやり Jr自主@自律Jr社交性J に影響を及ぼす。学校トイレに関わる教師の気 遣いや指導は, r思いやり Jr基本的な生活習慣J

「自主・自律Jr創意工夫Jr勤労@奉仕Jr公共 心・公徳心jに影響を及ぼすことから,いじめ や非行に対する教師の姿勢や気遣い, トイレを 使用する子どもための配慮,あるいは, トイレ 掃除やトイレマナーについての指導や学校全体 の環境美化への取り組みが,子どもの思いやり の気持ちゃ自主@自律心の育成,勤労奉仕の精 神,好ましい公共心・公徳、心などの醸成につな

がっていくと考えられる。

トイレ事情,学校トイレイメージ, トイレに 関わる教育的指導などの学校トイレ環境要因全 体では,中学生の学校生活における様々な行動 に有意な正の影響を及ぼしている。

6.まとめ

学校トイレ施設や,子ども聞の人間関係, ト イレや排滑に関わる教師や学校の取り組みなど の学校のトイレ環境は,子どもの意識や行動に 深く関わっている。

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参照

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