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教師が臨床心理学・精神医学を学ぶことの意義

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Academic year: 2021

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(1)

教師が臨床心理学・精神医学を学ぶことの意義

学 校 教 育 専 攻

教育臨床コース 朝 井 照 貴 1.  関題と詩的

生徒指導(教師)と心理臨床〈臨床心理 士)の連携の在り方を探るのではなく,臨床 心理士の視点を併せ持った教師が,教育 現場においてどのような点で有効性を発揮 できているのかについて明らかにしたいと 考えた。その研究の一着手として,人間関 係、に焦点を絞ることにした。

そこで、,臨床心理学や精神医学を学ぶ ことが,教師の対児童生徒・対向穣・対保 護者の人間関係に与える影響について明 らかにすることを目的として研究を進めた。

2.方法と対象 (1)方 法

①質問紙の作成

予備調査質問紙の作成にあたり,宮内 (1998) 11)の司教師のメンタルヘルスの良 好さ診断尺度』の作成一小学校教師の認 知的評価を手がかりにして‑Jを参考にし た。検討の結果,全30項目から成り立つ質 問紙を作成し,これを『教師の人間関係尺 度』として用い,鳴門教育大学大学院教育 臨床コースM2(第 19期生)の現職教員28 名を対象に予備調査を実施した(20031 月)。その結果をもとに, 22項目からなる質 問紙を作成した。この質問紙は,

r

よくあて はまるjから「まったくあてはまらないj4 件法で回答を求めるようになっている。

②質問紙による調査

予備調査をもとに作成した質問紙

< f

師の人間関係尺度~)を用い,本議査を実

00  

指 導 教 富 田 中 難 三

施した{2

33月下旬........4月下旬)0 (2)対 象

鳴門教育大学大学院学校教育研究科 教育臨床コース(J日:牛.接指導コース)修了 生〈住所の判明した現職教員のみ)319

i

こ郵送し, 177名の回答を得た。そのうち分 析可能な 166名の回答を本調査の分析に 用いた(有効回答率52.倒)。

3.結 果 (1)国子分折

『教師の人間関係尺度~22 項目につい て因子分析(主成分分析, varimax回転) を行ったo共通性が 0.30以上,因子負荷 量が0.40以上,その因子への負荷量が最 大,因子負荷量の差が 0.10以上,の条件 を満たさない2項目を削除し, 20項自につ いて,再度因子分析(主成分分析, varimax  回転)を行った。その結果,国有値が1.0以 上の 5因子が抽出された。以下の 5因子 によって示される尺度が,本調査の捉える

『教師の人間関係

J

である。因子名につい ては,第1因子はf児童生徒との人間鑓係 (α=0.880 J,第2因子はf教職員・保護者 との連携 (a=0.816) J,第3因子はf保護者 に対するt否定的感情(α=0.803)J,第4因 子 は f教 職 員 集 出 へ の 適 応 感 (

=0.7523) J,第5鼠子はf同僚との人間関係 (α=0.643) Jと命名したc全項目のα係 数 は, 0.880という値となり,信頼性が確認で きたむ

(2)

(2)対象者全体の前後比較

対象者全体 (N=166)の入学前と現在 (調査時)の『教師の人間関係尺度.s, r

童生徒との人間関孫(第1因子)J , r教 職員・保護者との連携(第2因子)J, r保 護者に対する否定的感情{第3因子:逆 転 項 目 は 逆 に 得 点 化 し て 整 理 し て い る)J, r教職員集問への適応感〈第 4留 子)J, r同僚との人間関孫(第5因子)J の§つの視点で平均得点を比較するため に t検定を行った。その結果,全てにお いて入学前に比較して現在(調査時)の 方が平均得点が有意に上がっていた。

(3)男女別の議後比較

男性 (N=126)では r保護者

i

こ対す

る否定的感情Jを除いた全てにおいて,

入学前に比較して現在(調査時)の方が 平均得点が有意に上がっていた白

女性 (N=40)では,全てにおいて入 学前に比較して現在〈調査時)の方が平 均得点が有意に上がってし、た。

(4)技種別の前後比較

小 学 校 教 諭 (N=77), 高 等 学 校 教 諭

(N=23)では, r保護者に対する否定的

感情jを除いた全てにおいて,入学前に 比較して現在(調査時)の方が平均得点 が有意に上がっていた。

中学校教諭 (N=45)では,全てにお いて入学前に比較して現在(調査時)の 方が平均得点が有意に上がっていた。

(5)年代思jの前後比較

30代の教師 (N=20)では,

r

教師の

人間関係尺度.n, r児童生徒との人間関 係J~こおいて平均得点が有意に上がって

おり

r

教職員・保護者との連携J

r

護者に対する否定的感情j, r教職員集団

への適応感J

r

同僚との人間関係jでは 有意差がなかった。

40代の教師 (N=lll)では,全てにお いて入学前に比較して現在{調査時)の 方が平均得点が有意に上がっていたn

50代以上の教師 (N=35)では, r保 護者

i

こ対する再定的感情jを除いた全て において,入学前に比較して現在{調査 時)の方が平均得点が有意に上がってい た古

(6)諺了後年数lJIJの前後比較

疹了後5年以下の教師 (N

=6

4)では,

全てにおいて入学前に比較して現在{調 査時)の方が平均得点が有意に上がって いた。

修了後6""'10年の教額 (N=38),諺了 後 11'"'‑'15年 (N

=4

4),修了後16年以上

(N=20)では,

r

保護者に対する否定的 感情jを除いた全てにおいて,入学前に 比較して現在(調査時)の方が平均得点 が有意に上がっていた。

4.考察

臨床心理学や精神医学の講義や演習 は,

r

教師の人間関係尺度』の平均得点 を有意に上昇させた。以上の結果,臨床 心理学や精神医学を学ぶことが教師の 人間関係を改善することに有効である

と考えるG

5.今後の課題

男性教諭,小学校・高等学校教議, 30 

代・ 50代以上の教諭,修了後 6年以上 の教諭においては,下位尺度 f保護者に 対する否定的感情jを改善するには至っ ていない。この点が今後の課題である岳

円 べu

o o  

参照

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