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第 64 回 (2020 年度 ) 北海道開発局技術研究発表会論文 牛朱別川の樹木伐採箇所における再樹林化抑制の試験的取り組み 伐採箇所を活用したコスト縮減に向けた試験結果の報告 旭川開発建設部旭川河川事務所計画課〇橋本宗希哉山上翔吾尾関敏久 現在 平成 30 年 7 月豪雨を踏まえた防災 減災 国

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HASHIMOTO Tokiya, YAMAKAMI Shogo, OZEKI Toshihisa

第64回(2020年度)北海道開発局技術研究発表会論文

牛朱別川の樹木伐採箇所における

再樹林化抑制の試験的取り組み

―伐採箇所を活用したコスト縮減に向けた試験結果の報告―

旭川開発建設部旭川河川事務所 計画課 〇橋本 宗希哉

山上 翔吾

尾関 敏久

現在、平成30年7月豪雨を踏まえた防災・減災、国土強靱化のための3カ年緊急対策として河道 掘削及び樹木伐採を重点的に実施している。しかし、掘削後の裸地への種子の着床や伐採後の切 株の萌芽による河道内の再樹林化、伐採等の維持管理費用が課題となっている。本稿では、旭川 河川事務所で実施した、伐採箇所を活用したコスト縮減に向けた再樹林化抑制の試験的取り組 みの内容や結果を整理し、今後に向けた考察を行う。 キーワード:再樹林化抑制、複数回伐採、木酢液、コスト縮減

1.はじめに

河道内に繁茂する樹木は流下阻害や洪水時の河川管 理施設の損傷、巡視等の河川管理上の支障などの問題か ら定期的に伐採・伐根が行われてきた。しかし、伐採後 の伐り株の萌芽や伐根後の裸地への種子の着床による河 道内の再樹林化の進行がみられている。特に、北海道の 河川で多くみられるヤナギ類は、伐り株からの萌芽の成 長が早く、数年で元の大きさまで戻ってしまう。このよ うな再樹林化は、伐根まで行うことで長期的に抑制する ことができるが、コストが高くなる。 現在、平成 30 年 7 月豪雨を踏まえた防災・減災、国土 強靭化のための 3 カ年緊急対策として平成 30 年から河 道掘削及び樹木伐採を重点的に実施している。 このため、より広い面積が樹木伐採の対象となったが、 今後の維持管理に向けて可能な限り低コストで再樹林化 を抑制することが求められる。そこで、旭川河川事務所 内では、樹木伐採箇所で再樹林化を抑制する取り組みを 試験的に実施した。本稿では、その実施状況及びモニタ リング結果を整理し、今後の河川管理に向けた考察を行 う。

2.伐採箇所を活用した再樹林化抑制試験の取り組み

(1) 再樹林化抑制試験地の状況 再樹林化抑制試験は、牛朱別川の旭永橋下流のKP7.0 ~7.2左岸において実施した(図-1)。伐採前の河畔林の 状況と伐採後の状況を写真-1に示す。伐採前の河畔林の 主な構成樹種はエゾノカワヤナギ、オノエヤナギ、エゾ ノキヌヤナギ等のヤナギ類及びハリエンジュであった。 旭川市 鷹栖町 当麻町 東神楽町 比布町 美瑛町 愛別町 東川町 (km) 0 5 10 15 20 再樹林化抑制試験地 (牛朱別川:KP7.0~7.2左岸) 図-1 再樹林化抑制試験地位置 写真-1 再樹林化抑制試験地の状況 伐採前:R1.8.27 【主な樹種】 エゾノカワヤナギ、エゾノキヌヤナギ、 オノエヤナギ、タチヤナギ、ハリエンジュ 伐採後:R2.5.7(萌芽前)

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(2) 試験方法 伐採は令和 2 年 1 月に実施し、再樹林化抑制の試験区 を設定した。試験区は 4 つ設定し、試験区 1 では二段階 伐採を、試験区 2 では萌芽枝同一年複数回刈取り、試験 区 3 では木酢液塗布、試験区 4 では伐採・伐根を実施し た。 a) 試験区 1:二段階伐採 令和 2 年 1 月に伐採を行い、伐採後の 1 年目の夏季の 令和 2 年 7 月下旬に、萌芽した幹を含めて地際で再度伐 採を実施した。夏季の萌芽枝がある程度成長した状態で 2 回目の伐採することで、伐り株全体にダメージを与え、 光合成による栄養分の蓄積を抑制することで、樹木の萌 芽再生能力を低下させることを期待した方法 1)である (図-2)。 b) 試験区 2:萌芽枝同一年複数回刈取り 令和 2 年 1 月に伐採を行い、伐採後の 1 年目の夏季の 令和 2 年 6~8 月に伐り株から発生する萌芽枝の刈取り を 3 回実施した。伐採後の萌芽枝の成長期に刈取りを複 数回することにより、伐り株を衰弱・枯死させることを 期待した方法である(図-3)。 c) 試験区 3:木酢液塗布 令和 2 年 1 月に伐採を行い、伐採直後に伐り株の上面 及び側面に木酢液を塗布した(写真-2)。伐採面等に木酢 液を塗布することにより、伐り株を酸性状態にして、枯 死・衰弱させることを期待した方法である。 試験区 3 については、令和 2 年 6 月において、伐り株 から萌芽枝が発生し、木酢液塗布による枯死・衰弱の効 果が確認されなかった。このため、試験区 3 を 2 つに分 割し、試験区 3-1・試験区 3-2 とし、試験区 3-1 では 7 月に萌芽枝の刈取りを行った上で、木酢液を上面や刈取 り跡を含む側面に再塗布した。試験区 3-2 では、新たな 対策を実施せず、そのまま経過観察を行った。以下、試 験区 3-1 の試験内容を木酢液 2 回塗布、試験区 3-2 の試 験内容を木酢液 1 回塗布とする。なお、木酢液は下川町 産(ふるさと興業協同組合)の農業用の木酢液(木ター ル除去・精製済)を塗装用の刷毛を用いて、原液のまま 伐り株の切口及び側面に塗布した。 d) 試験区 4:伐採・伐根 試験区 4 では、従来どおり伐採・伐根を実施した。 (3) 各試験区の状況 試験区は下流側から試験区 1、試験区 2、試験区 3-1、 試験区 3-2、試験区 4 とした(図-4)。各試験区の構成樹 種は、全体的にヤナギ類が多く、特にオノエヤナギ、タ チヤナギは各試験区で共通した。また、試験区 3-1、試 験区 3-2 ではハリエンジュが多かった(表-1)。 (4) 試験・調査スケジュール及び調査内容 各試験区の試験スケジュールは、試験区 1 では 7 月下 旬に 2 回目の伐採を、試験区 2 では 6 月下旬、7 月下旬、 8 月下旬に萌芽枝の刈取りを、試験区 3-1 では 7 月下旬 に萌芽枝刈取り・木酢液再塗布を実施した(表-2)。 調査は 6~9 月に各 1 回、計 4 回実施した。6~8 月の 各調査は、各月に実施した各試験の直前に実施した。調 試験区No. 合計本数 主な樹種と伐り株数(10株以上を対象) 試験区1 175本 エゾノカワヤナギ:75本、オノエヤナギ:34本、タチヤナ ギ:28本、シロヤナギ:16本 試験区2 183本 エゾノカワヤナギ:50本、シロヤナギ:46本、オノエヤナ ギ:32本、タチヤナギ:24本、エゾノキヌヤナギ:19本 試験区3-1 166本 ハリエンジュ:42本、オノエヤナギ:36本、エゾノカワヤ ナギ:28本、エゾノキヌヤナギ:24本、タチヤナギ:21本 試験区3-2 92本 ハリエンジュ:27本、オノエヤナギ:20本、エゾノキヌヤ ナギ:17本、タチヤナギ:10本 図-2 二段階伐採のイメージ 図-3 萌芽枝同一年複数回刈取りのイメージ 写真-2 木酢液塗布の状況 1 回目の塗布作業(R2.1) 2 回目の塗布作業(R2.7) 萌芽刈取り跡も塗布 図-4 再樹林化抑制試験地平面図 表-1 各試験区の伐り株数及び主な樹種 表-2 試験区及び調査のスケジュール 2~5月 10月 試験区 No. 試験内容 令和2年 1月 6月 7月 8月 9月 試験区3-2 木酢液1回塗布 試験区4 伐採・伐根 試験区1 二段階伐採 試験区2 萌芽枝同一年 複数回刈取り 試験区3-1 木酢液2回塗布 モニタリング調査 萌芽枝刈取り (7月24日) 萌芽枝刈取り (8月28日) 2回目伐採 (7月24日) 萌芽枝刈取り+木酢液塗布 (7月24日) モニタリング調査 樹木伐採 樹木伐採 +木酢液塗布 樹木伐採 伐採・伐根 萌芽枝刈取り (6月29日) モニタリング調査 モニタリング調査 樹木伐採 +木酢液塗布 凡 例 調査木(残存伐り株) 除根された伐り株

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HASHIMOTO Tokiya, YAMAKAMI Shogo, OZEKI Toshihisa 査内容は、全ての伐り株を対象に、伐り株から発生する 萌芽枝数及び最大萌芽枝長を計測した。また、各試験区 の萌芽枝の生育状況について写真撮影を行った。 (5) 調査結果 a) 萌芽率の変化について(図-5) 試験区 1 では、2 回目伐採後に萌芽率が減少したが、9 月調査時に試験区全体で約 70%、樹種別で萌芽率は 58 ~87%と高く、生存している伐り株が多く確認された。 試験区 2 では、3 回目の萌芽枝刈取り後の 9 月調査に 萌芽率が大きく減少し、全体で約 30%、樹種別では 0~ 52%と低く、萌芽していない伐り株の割合が比較的高か った。 試験区 3-1 では、伐採直後(令和 2 年 1 月)の木酢液塗 布による伐り株の枯死が期待されたが、7 月調査におい て、萌芽率が全体で約 80%、樹種別にみてもエゾノカワ ヤナギやハリエンジュ等は約 100%であり、枯死せずに 生存している伐り株が多く確認された。また、萌芽枝刈 取り・木酢液塗布前後で萌芽率に大きな変化はみられな かった。 試験区 3-2 では、6 月から 7 月にかけて、オノエヤナ ギ、エゾノキヌヤナギの萌芽率が増加したが、7 月以降 は大きな変化はみられなかった。 b) 最大萌芽枝長の変化について(図-6、写真-3) 試験区 1 では、全ての種で 2 回目伐採後の 8 月調査に 最大萌芽枝長が減少したが、その後伸長し 9 月調査時に は全体平均で約 70 ㎝、最も長いエゾノカワヤナギの平 均で約 90 ㎝であった。 試験区 2 では、全ての種で最大萌芽枝長は 7 月以降の 調査で低く推移し、9 月調査時には全体平均で約 10 ㎝、 最も長いタチヤナギの平均で約 17 ㎝であった。 試験区 3-1 では、萌芽枝刈取り・木酢液塗布後の 8 月 調査に最大萌芽枝長が減少したが、その後伸長し 9 月調 査時には全体平均で約 80 ㎝、最も長い樹種のハリエン ジュの平均で約 128 ㎝であった。 試験区 3-2 では、全ての種で 6~9 月に萌芽枝は伸長 し続け、9 月調査時には、全体平均が約 179 ㎝、最も長 い樹種のハリエンジュの平均で約 309 ㎝であった。 試験区 1 1m 試験区 3-1 1m 試験区 2 1m 試験区 3-2 3m 0 50 100 150 200 6月 7月 8月 9月 萌芽長(㎝) 調査月 試験区1 2回目伐採 0 50 100 150 200 6月 7月 8月 9月 萌芽長(㎝) 調査月 試験区2 萌芽枝刈取り 萌芽枝刈取り 萌芽枝刈取り 0 50 100 150 200 6月 7月 8月 9月 萌芽長(㎝) 調査月 試験区3-1 萌芽枝刈取り+木酢液塗布 246 309 0 50 100 150 200 6月 7月 8月 9月 萌芽長(㎝) 調査月 試験区3-2 0% 100% 試験区全体 エゾノカワヤナギ オノエヤナギ タチヤナギ シロヤナギ エゾノキヌヤナギ ハリエンジュ 写真-3 各試験区の 9 月調査時の状況(令和 2 年 9 月 24 日) 図-5 各試験区の萌芽率の状況(全伐り株及び代表樹種) ※代表樹種は各試験区伐り株数が 10 株以上の樹種 ※萌芽率は全伐り株数に占める萌芽した伐り株の割合 図-6 各試験区の最大萌芽枝長の状況(全伐り株及び代表樹種) ※代表樹種は各試験区伐り株数が 10 株以上の樹種 ※最大萌芽枝長は各伐り株の発生する萌芽枝のうち最も長い萌芽枝の長さ 0% 100% 試験区全体 エゾノカワヤナギ オノエヤナギ タチヤナギ シロヤナギ エゾノキヌヤナギ ハリエンジュ 0% 20% 40% 60% 80% 100% 6月 7月 8月 9月 割合 調査月 試験区3-2 0% 20% 40% 60% 80% 100% 6月 7月 8月 9月 割合 調査月 試験区1 2回目伐採 0% 20% 40% 60% 80% 100% 6月 7月 8月 9月 割合 調査月 試験区3-1 萌芽枝刈取り+木酢液塗布 0% 20% 40% 60% 80% 100% 6月 7月 8月 9月 割合 調査月 試験区2 萌芽枝刈取り 萌芽枝刈取り 萌芽枝刈取り

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c) 萌芽枝数の変化について(図-7) 試験区 1 では、2 回目伐採後に、エゾノカワヤナギ、 シロヤナギ、タチヤナギの萌芽枝数が減少し、元々萌芽 枝数が少ないオノエヤナギは変化がみられなかった。 試験区 2 では、6~8 月の萌芽枝刈取り後に全ての樹種 で萌芽枝数が減少した。 試験区 3-1 では、萌芽枝刈取り・木酢液塗布後にエゾ ノカワヤナギ、タチヤナギの萌芽枝数が減少し、ハリエ ンジュ及び元々萌芽枝数が少ないタチヤナギ、エゾノキ ヌヤナギは変化がみられなかった。 試験区 3-2 では、全調査を通じて萌芽枝数に大きな変 化はみられなかった。 (6) 各試験の再樹林化抑制効果のまとめ 各試験区における萌芽枝の生育状況について、萌芽率・ 萌芽枝数・最大萌芽枝長の各項目で比較した(表-3)。こ の結果、最も抑制効果がみられたのは試験区 2 の萌芽枝 同一年複数回刈取りであった。試験区 2 では、萌芽枝の 刈取りを 3 回実施することにより萌芽枝数・最大萌芽枝 長が低く維持され、3 回目の萌芽枝の刈取り後に萌芽率 も減少し、全項目で抑制効果がみられた。その他の試験 区では、試験区 1 及び試験区 3-1 では、一部の樹種にお いて萌芽枝数で抑制効果がみられたが、萌芽率・最大萌 芽枝長では効果がみられなかった。また、試験区 3-2 で は、7 月調査時に全体の約 90%で萌芽枝が確認されたこ とから、期待された効果はみられなかったといえる。 ただし、木酢液塗布については、岩見沢河川事務所管 内の事例2)において、その効果が確認されている。この 事例では、樹木の成長期で栄養分が分散する夏季に伐採 が行われている。それに対して、本試験では伐採が冬季 になったことにより、木酢液塗布による効果がみられな かった可能性がある。

3.各試験区のコストについて

各試験区のコストについて、表-4 に整理した。最もコ ストが低い試験は、試験区 3-2 の木酢液 1 回塗布(276 千円/1,000m2)であり、次いで試験区 2 の萌芽枝同一年 複数回刈取り(293 千円/1,000m2)であった。これらは試 験区 4 の伐採・伐根(332 千円/1,000m2)よりもコストが 低かった。また、試験区 1 の二段階伐採(366 千円/1,000m2 及び試験区 3-1 の木酢液 2 回塗布(461 千円/1,000m2 は、試験区 4 の伐採・伐根よりもコストが高かった。 0 5 10 15 6月 7月 8月 9月 萌芽枝数(本) 調査月 試験区1 2回目伐採 0 5 10 15 6月 7月 8月 9月 萌芽枝数(本) 調査月 試験区2 萌芽枝刈取り 萌芽枝刈取り 萌芽枝刈取り 0 5 10 15 6月 7月 8月 9月 萌芽枝数(本) 調査月 試験区3-1 萌芽枝刈取り+木酢液塗布 0 5 10 15 6月 7月 8月 9月 萌芽枝数(本) 調査月 試験区3-2 0% 100% 試験区全体 エゾノカワヤナギ オノエヤナギ タチヤナギ シロヤナギ エゾノキヌヤナギ ハリエンジュ 表-3 再樹林化抑制試験の効果のまとめ 表-4 各試験区のコスト比較(直接費) ※作業人工等から算出 図-7 各試験区の萌芽枝数の状況(全伐り株及び代表樹種) ※代表樹種は各試験区伐り株数が 10 株以上の樹種 ※萌芽枝数は伐り株 1 本当たりの平均萌芽枝数 試験区名 試験内容 萌芽率 最大萌芽枝長 萌芽枝数 試験区1 二段階伐採 × 伐採後に大きな 変化なし △ 伐採後に減少した が、その後伸長 △ 伐採後に一部の 樹種で減少 試験区2 萌芽枝同一年 複数回刈取り ○ 3回目刈取り後に 減少 ○ 低い値で推移 ○ 低い値で推移 試験区3-1木酢液2回塗布 × 刈取り・木酢液塗 布後に大きな変 化なし △ 刈取り・木酢液再 塗布後に減少した が、その後伸長 △ 刈取り・木酢液再 塗布後に一部の 樹種で減少 試験区3‐2木酢液1回塗布 × 高い値で推移 × 増加傾向 × 大きな変化なし 費用 (/1000m2 主な種別 費用 (/1000m2 主な種別 二段階伐採 199千円 伐木 集積積込 運搬(幹) 処分(幹) 167千円 伐木伐竹 集積積込 運搬(幹) 処分(幹) 366千円 萌芽枝同一年 複数回刈取り 199千円 伐木 集積積込 運搬(幹) 処分(幹) 94千円 萌芽枝刈取 処分(枝)  (各3回分) 293千円 3‐1 木酢液2回塗布 276千円 185千円 萌芽枝刈取 木酢液塗布 処分(枝) 461千円 3‐2 木酢液1回塗布 276千円 - - 276千円 伐採・伐根 332千円 伐木 除根・整地 集積積込 運搬(幹・根) 処分(幹・根) - - 332千円 試験区4 令和元年度 令和2年度 合計費用 (/1000m2) 試験区名 試験内容 試験区1 試験区2 伐木 集積積込 運搬(幹) 処分(幹) 木酢液塗布 試験区3

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HASHIMOTO Tokiya, YAMAKAMI Shogo, OZEKI Toshihisa

4.考察

本試験による再樹林化の抑制効果がみられ、かつ伐採・ 伐根よりも低コストであったのは、試験区 2 の萌芽枝同 一年複数回刈取りであった。試験区 1 の二段階伐採及び 試験区 3-1 の木酢液 2 回塗布は、本試験により再樹林化 の抑制効果がみられず、伐採・伐根よりも高コストであ った。また、試験区 3-2 の木酢液 1 回塗布は、伐採・伐 根よりもコストが低かったが、本試験による再樹林化の 抑制効果はみられなかった。これらのことから、再樹林 化の抑制効果及びコスト面から試験区 2 の萌芽枝同一年 複数回刈取りが最も有効的であると考えられた。 過去 10 年間の旭川河川事務所管内の伐採面積につい て、伐採・伐根により実施した場合と、萌芽枝同一年複 数回刈取りにより実施した場合のコストについて比較し た。その結果、伐採萌芽枝同一年複数回刈取りを実施す ることで、伐採・伐根よりも年間で 417~13,896 千円の コストが縮減されることとなり、10 年の合計で 42,331 千円となる。これは、10 年平均で 1.2 年分の面積に相当 する(表-5)。従来の伐採・伐根においても、その後の維 持費が必要となる場合もあることを考慮すると一定の有 効性があると言えるが、本試験で確認した萌芽枝同一年 複数回刈取りの効果は単年度の結果であり、完全な枯死 を確認できているとは言えないため、次年度以降に萌芽 枝が発生し、再樹林化が進行する可能性もある。このた め、長期的なモニタリングが必要であると考えられる。 また、試験区 1 において実施した二段階伐採では、2 回 目の伐採時期を 7 月下旬としているが、他の事例1)では 晩夏に実施して効果を検証している。さらに、試験区 3 において実施した木酢液塗布は、最もコストの低い方法 であったが、本試験においては再樹林化の抑制効果は確 認できなかったことから、冬季に伐採した樹木への有効 性はやはり低いと考えられる。このため、今後、再度条 件を変えて試験を実施することが望ましいと考えられる。

5.まとめ

(1)牛朱別川における伐採箇所を活用し、再樹林化抑制 対策として、伐採・伐根、二段階伐採、萌芽枝同一年 複数回刈取り、木酢液塗布の各試験を実施した。 (2)各試験の萌芽枝の生育状況及びコスト面の両面から、 最も効果的な再樹林化対策について検討した。その結 果、萌芽枝同一年複数回刈取りが最も効果的であると 考えられる。 (3)萌芽枝同一年複数回刈取りについては、今後もモニ タリングを実施し、長期的な抑制効果について把握す る必要がある。 (4)木酢液塗布については、条件設定を変更して、再度 試験を行う必要がある。 参考文献 1) 斎藤新一郎:札内川における河畔林樹種の高伐・再萌 芽した幹の地際伐り、流木繁殖起源および実生繁殖起 源の立木の年輪解析、環境林づくり研究所、2018 年 9 月 2)西村柾哉、姫野一樹、伊東秀規:河道内樹木伐採に おける再樹林化抑制について―取り組み状況とモニ タリング方法―、第 63 回(2019 年度) 北海道開発技 術研究発表会論文 表-5 萌芽枝同一年複数回刈取りによるコスト縮減効果 (伐採・伐根との概算比較) 伐採・伐根の場合 萌芽枝同一年複数 回刈取りの場合 H21 251,700 83,564 73,748 9,816 H22 45,500 15,106 13,332 1,775 H23 240,600 79,879 70,496 9,383 H24 71,700 23,804 21,008 2,796 H25 356,300 118,292 104,396 13,896 H26 38,900 12,915 11,398 1,517 H27 22,000 7,304 6,446 858 H28 10,700 3,552 3,135 417 H29 27,600 9,163 8,087 1,076 H30 20,400 6,773 5,977 796 計 1,085,400 360,353 318,022 42,331 平均 108,540 36,035 31,802 4,233 年度 旭川河川事務所管内 の伐採実績(m2) 想定されるコスト(千円) コスト差 (千円)

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