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『任意売却体験記』
【Chapter 1】 任意売却とは?
【Chapter 2】任意売却との出会い
任意売却という言葉がだいぶ浸透してきたようです。 実際、この言葉と「債務整理」などを組み合わせて、ネット上で検索すると、任意 売却をビジネスにするところが大変多いことに驚きます。 私は不動産業に従事しているわけではありませんので、自らの債務整理に着手する まで、この言葉は知りませんでした。その話を聞いても、正直、普通の不動産売買と どう違うのかな?と感じる程度でした。ただ知り合いの間では、任意売却し、自分の 家なのに家賃を払って住んでいるとか、「うまいこと不動産屋に買い取ってもらい、 競売を回避したよ」などと言っているのを聞いたことがありました。 そんな私が任意売却を体験しました。 結果はどうだったか? 別のところでも触れましたが、私は他にも債務があり、 様々な債務整理の方法を試したものの、うまくいかず、一時は自己破産すら出来 ず、とことん、追い詰められた経験があります。 それが任意売却をすることで完全ではありませんでしたが、ともかくも袋小路を 脱し、現在を迎えることが出来ました。もし任意売却を知らず、また行わず、住 宅ローンを抱えたまま、債務の返済を迫られていたら、どうなっていたか? 最悪の結論は比較的容易に考えられました。 そこで、ここでは私と同じように債務を抱え、なおかつ住宅ローンの支払いに窮 されている方々を想定して、私の経験からみたアドバイス的なことを書いてみま す。 そのことによって、これを読まれた方が新たな展開を果たしていただければ幸い です。2
【Chapter 3】任意売却の実際 ①
さて、任意売却≒住宅ローンからの解放ですが、もちろん全てがゼロになる わけではありません。多くの方はローンの残債と売却金額の差がマイナスと なり、負債を抱え込むことになります。とはいっても、任意売却がみな住宅 ローンがらみではないでしょう。 あくまで資産処理的な意味合いをもつ場合もあるでしょうし、債務整理の一 環で当面、特定の第三者に売却することで、自宅を保持するケースもままあり ます。 大事なことは、家はあくまで家であって、それ以上のものではありません。 観念的なことを書きましたが、商品として買ったものですから、また商品と して売ればいいわけで、負債云々はその次の段階です。 債務整理は割り切りが大事です。確かに自宅や持ち家に深い思い入れをする 方が多くいます。ご自身のこれまでの苦労、大事な家族との思い出やこれから を考えれば、「家を手放すなどとんでもない!」とおっしゃる方のほうが多数で あることもよくわかります。 しかし債務整理は後退することが許されないシビアなものです。逡巡して最 悪の結果を迎えた例は枚挙にいとまがありません。であれば、余計な感傷を拝 し、前へ進むしかありません。 大切な家族との事は今後も続きます。対処を誤れば、それこそ家族そのもの が瓦解します。自宅を売却することは、このへんの本末を考えるべき問題でも あります。 ご自身が厳しければ息子さんや娘さんに後事を託しても良いでしょう。 その上で売却後に残るであろう残債は、誠心誠意、交渉して可能な範囲で払っ ていけばいいだけです。 この点を間違えなければ、あなたはきっと窮地を脱っせるはずです。 繰り返しますが、私自身がそうでしたし、もし債務整理について、法的手段 ばかりを優先され検討されているなら、ご自宅や不動産をお持ちの方に関し、 それ以外の選択肢もお知らせしたいと思います。3
【Chapter 4】任意売却の実際 ②
【Chapter 5】任意売却の実際 ③
任意売却は、住宅ローンの借入れをした金融機関の同意があり、住宅にそのほ かの抵当権が設定されていなければ、むしろスムーズに進みます。あなたがキ チンとした対応をすれば、3ヶ月程度ですべてが終わることが可能です。この 間、無論、住宅ローンを支払う必要はありませんし、売れるまでは、逆に物心 ともに余裕が生じます。他の債務があれば、そのことへの対処に集中し、あと は英気を養います。販売を担当する不動産会社との交渉も必要最低限で済みま すし、商売とはいえ、たいていの不動産会社は、あなたのために動いてくれる はずです。彼らにとっても、間違いなく売れる物件で、収益が期間内で保証さ れているという好条件なのですから・・・。 不動産会社と甘言はつきものですが、任意売却はあなたが主導です。自宅の売 却金額と残債の確認さえ出来れば、あとは不動産会社に任せましょう。余分な 気苦労をする必要はありません。 気遣いをするのは、購入希望者が内覧といって住宅を見に来ますが、これは決 まるまで続きます。しかしそう頻繁なことではありませんし、その時はその時 でお客さんだと思って接しましょう。お調べになったかと思いますが、任意売 却というものは、売却金額を債権者が案分するもので、販売手数料を始め、あ なたが支払うべきものは一切ありません。 この間、準備してもらいたいのは、転居先です。任意売却をすると、いわゆる ブラックリスト入りとなり、10 年間の登録が原則です。しかし全銀連という銀行 関係が加盟している機関には登録されますが、他の信販やクレジットまではされ ません。ただし相互に情報交流している可能性はあります。要はケースバイケー スです。ご心配なら、それぞれの信用情報の登録状況をご自分で閲覧することも 出来ますので、確認してみてください。 要は債務整理には痛みが伴うということです。この程度のことを気にしてい ては、前に進めません。「ブラックリスト、大歓迎!」の気持ちで臨みましょう。 しかし、この種のブラックリストが、どの程度、不動産契約時の保証契約まで 及んでくるかは正直わかりません。その意味で次の自宅の確保だけは急がれてく ださいというわけです。 場合によっては転居先を決めてから、任意売却をしてもいいと思います。単身 者ならさほど問題はありませんが、ご家族で暮らされているなら、むしろ、この 点を一番留意すべきでしょう。4
【Chapter 5】任意売却を終えて ②
【Chapter 6】任意売却を終えて ③
さて上記の経緯をたどって無事、任意売却を終えました。 任意売却で助かったこと、その効能を書いたつもりですが、あるいは違う方 向に話が行ったかもしれません。 では、もし任意売却をしていなかったらという論点で、もう一度、振り返って みましょう。 3ヶ月、半年も住宅ローンを払わなければ、金融機関からは競売通知が届きま す。こうなると、いざ任意売却に話を戻そうとしても簡単ではありません。むし ろ不可のほうが一般的でしょう。裁判所の管轄下におかれ、そのまま推移すれば 競売後、立ち退きを求められて強制執行です。負債額が任意売却と比して多くな るのも間違いありません。引越し準備も出来ず、債務整理への対応も中途半端で、 もしかしたら、出来ていなかったかもしれません。まして私は自己破産が出来な い身の上です。 まさに進退が極まったことでしょう。 債務整理の要点は「余裕を持って」、「自分主導」が原則です。よくヤフーの 知恵袋などの質問コーナーをみると、「競売になって立ち退きを求められています。 私たちはどうしたら、いいんでしょう」といった質問を見かけますが、こうなる前に 何とか出来なかったか、行動を起こすことが出来なかったかと思います。 「余裕を持って」、「自分主導」が出来れば、座して競売になるよりも、任意売却を 行って、その後の可能性にかけるほうが数段いいでしょう。5