• 検索結果がありません。

腎性尿崩症の3例

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "腎性尿崩症の3例"

Copied!
14
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

⼊院後に判明した

リチウム誘発性腎性尿崩症の3例

沖縄県⽴南部医療センター・こども医療センター 総合内科

加藤 愛⾹⾥、仲⾥ 信彦、永⽥ 恵蔵

⽩⽔ 雅彦、塚本 裕、平⼭ 結佳⼦

発表者のCOI開⽰

演題発表に関連し、発表者らに開⽰すべきCOI関係にある企業などはありません。

(2)

諸⾔

炭酸リチウムの重⼤な副作⽤の1つに、

腎性尿崩症が知られている。

(3)

症例① 33歳⼥性

【主訴】

発熱、腹痛

【既往歴】

双極性障害

【内服歴】

【現病歴】

精神科病院に⻑期⼊院中の⽅。

来院前⽇から腹痛、発熱、嘔吐あり、

救急外来受診された。

腹部全体の疼痛と反跳痛あり、

エコーで急性⾍垂炎と診断され、

緊急⼿術が⾏われた。

術翌⽇から⾼Na⾎症となり、

原因検索のために内科に相談となった。

炭酸リチウム

1 2 0 0

m g /d ay

ラモトリギン

250

m g /d ay

アリピプラゾール

24

m g /d ay

クロルプロマジン

50

m g /d ay

フルニトラゼパム

2

m g /d ay

ブロチゾラム

0.25

m g /d ay

トリヘキシフェニジル

2

m g /d ay

センノシド

12

m g /d ay

酸化マグネシウム

3

g /d ay

(4)

症例① 33歳⼥性

【来院時⾝体所⾒】

BP 150/90

mmHg

HR 147

bpm

、RR 20

回/分

SpO2 99

%

BT 37.6

頭頸部:眼瞼結膜貧⾎なし、眼球結膜⻩染なし

頸部リンパ節腫脹なし

⼝腔内乾燥なし、咽頭発⾚なし

扁桃腫⼤なし

胸部:呼吸⾳清、⼼⾳整で⼼雑⾳なし

腹部:

膨満軟〜やや硬い 腸蠕動⾳正常

圧痛点は全体にあり

反跳痛あり

McBurney陽性

、Murphy陰性

四肢:末梢あたたかい

【来院時⾎液検査】

W B C

2 4 4 0 0

/μg

R B C

4 1 2

万/μg

H b

1 1 .4

g /d L

H ct

3 4 .2

%

p lt

3 4 .2

万/μg

血算

PT -IN R

1 .1 7

%

A PT T

4 2 .8

sec

凝固

N a

1 4 0

m E q /L

K

3 .9

m E q /L

C l

1 0 3

m E q /L

C a

9 .1

m g /d L

B U N

1 8

m g /d L

C re

0 .9 4

m g /d L

eG FR

5 4 .9

A S T

1 2

IU /L

A LT

8

IU /L

A LP

2 7 2

IU /L

LD H

1 8 4

IU /L

γG T P

1 3

IU /L

A M Y

3 1

IU /L

C K

2 7

IU /L

T -B il

0 .2

IU /L

C R P

3 4 .1

m g /d L

生化学

(5)

症例① ⼊院経過

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

⼊院⽇

⼿術

⾎中Na濃度

(mEq/L)

尿浸透圧

(Osm/L)

尿量

(mL)

3400

5500

6000

補液+⾃由飲⽔

6500

2700

3800

173

補液

(mL/day)

140

168

171

143

337

94

150

CMZ

PIPC/TAZ

内服中⽌

補液+⾃由飲⽔

3800

171

143

150

PIPC/TAZ

補液+⾃由飲⽔

3850

171

143

150

PIPC/TAZ

Li再開

(6)

症例① ⼊院経過

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

⼊院⽇

⼿術

⾎中Na濃度

(mEq/L)

尿浸透圧

(Osm/L)

尿量

(mL)

3400

5500

6000

補液+⾃由飲⽔

6500

2700

3800

173

補液

(mL/day)

140

168

171

143

337

94

150

CMZ

PIPC/TAZ

内服中⽌

補液+⾃由飲⽔

3800

171

143

150

PIPC/TAZ

補液+⾃由飲⽔

3850

171

143

150

PIPC/TAZ

Li再開

【追加現病歴】

1⽇5L以上飲⽔しており、

夜間頻尿もあり不眠になっていた。

⇨ 腎性尿崩症

と診断

バソプレッシン

(点⿐)

負荷試験

投与前 3 0 分 6 0 分 9 0 分 1 2 0 分

尿量

(m l)

1 8 0

1 4 0

1 0 0

1 2 0

尿浸透圧

(m O sm /L)

1 1 4

1 1 3

1 2 0

1 2 3

1 3 4

(7)

症例① ⼊院経過

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

26

⼊院⽇

⼿術

⾎中Na濃度

(mEq/L)

尿浸透圧

(Osm/L)

尿量

(mL)

3400

5500

6000

補液+⾃由飲⽔

6500

2700

3800

173

補液

(mL/day)

140

168

171

143

337

94

150

ヒドロクロロチアジド 25mg 内服

CMZ

PIPC/TAZ

内服中⽌

Li再開

→中⽌

〜 〜

退院

(8)

3症例の⽐較

症例① 3 3 歳女性

症例② 5 8 歳女性

症例③ 5 8 歳男性

主訴

腹痛

発熱、体重減少

発熱、ショック

入院疾患

急性腹症

発熱精査

イレウス、誤嚥性肺炎

敗血症

基礎疾患

双極性障害

双極性障害、

甲状腺機能亢進症

精神発達遅滞、

統合失調症

リチウム内服量

1 2 0 0 m g ×3 年未満

8 0 0 m g ×1 0 年未満

6 0 0 m g ×3 0 年以上

リチウム濃度

(m E q /L)

普段は0 .8 ~1 .5

来院時0 .3 9

(測定していない)

2 .1 8

A V P濃度

(p g /m L)

3 .2

9 .3

5

所見・症状

高N a、多尿

高N a、脱水

高N a、多尿、ショック

発症理由

手術後の禁食

感染症、またはM M Iの

(9)

考察①

リチウム誘発性腎性尿崩症

▶発症機序

1,2)

AQP2

AVPR2

AVP

1)宮岡等:精神障害のある救急患者対応マニュアル,医学書院,2007 2)Marieen L. A. Kortenoeven, Horst Schweer, Rik Cox, et al :

Lithium reduces aquaporin-2 transcription independent of prostaglandins.

Am. J. Physiol. Vol. 302 no. 1, C131-C140, 2011

3)Hans Bendz, Mattias Aurell : Drug-Induced Diabetes Insipidus. Incidence, Prevention and Management. Drug Safety Dec:21(6), 1999

(10)

考察①

リチウム誘発性腎性尿崩症

▶発症機序

1,2)

AQP2

AVPR2

AVP

Li

Li

1)宮岡等:精神障害のある救急患者対応マニュアル,医学書院,2007 2)Marieen L. A. Kortenoeven, Horst Schweer, Rik Cox, et al :

Lithium reduces aquaporin-2 transcription independent of prostaglandins.

Am. J. Physiol. Vol. 302 no. 1, C131-C140, 2011

3)Hans Bendz, Mattias Aurell : Drug-Induced Diabetes Insipidus. Incidence, Prevention and Management. Drug Safety Dec:21(6), 1999

(11)

考察①

リチウム誘発性腎性尿崩症

▶発症機序

1,2)

AQP2

AVPR2

AVP

Li

Li

1)宮岡等:精神障害のある救急患者対応マニュアル,医学書院,2007 2)Marieen L. A. Kortenoeven, Horst Schweer, Rik Cox, et al :

Lithium reduces aquaporin-2 transcription independent of prostaglandins.

Am. J. Physiol. Vol. 302 no. 1, C131-C140, 2011

3)Hans Bendz, Mattias Aurell : Drug-Induced Diabetes Insipidus. Incidence, Prevention and Management. Drug Safety Dec:21(6), 1999

▶治療

1,3)

・リチウム内服の減量・中⽌

・サイアザイド系利尿薬

(12)

考察②

▶⼀般に、炭酸リチウムは15年内服を継続すると12%で

腎性尿崩症を発症し、⽤量依存性だが少量でも起こしうる

3)

とされている

▶多飲の場合には⾼Na⾎症になりにくいが、多飲多尿の病歴と、

尿量や尿浸透圧などを定期的に測定することで、

腎性尿崩症を発⾒することが出来る

3)

(13)

考察②

本症例は、リチウム内服年数が3年・10年以下・30年以上とばらつきがあり、

低⽤量でも発症しうるといえる

尿崩症の患者は、⾃由飲⽔下では⾼Na⾎症になりにくく、⾒逃されやすい

本症例は急性期病院⼊院後の飲⽔制限や経⼝摂取不良で判明した症例であり、

飲⽔制限時に顕著となることがあるといえる

3症例ともに精神科病院⼊院中であったが、同病院で定期的な尿量測定や

尿検査を施⾏していれば、早期発⾒できた可能性がある

リチウム内服患者では、多飲多尿に伴う夜間不眠を訴えることがあり、

精神疾患増悪だけでなく、薬剤の副作⽤も考慮すべきである

(14)

結語

炭酸リチウム内服患者で、急性期病院に⼊院し

飲⽔制限下で判明した、リチウム誘発性腎性尿崩症の

3例を経験した

炭酸リチウム内服患者は、腎性尿崩症に⾄っている

可能性も考慮し、診療にあたるべきである

参照

関連したドキュメント

本症例における IL 6 および IL 18 の動態につい て評価したところ,病初期に IL 6 は s JIA/ inac- tive より高値を示し,敗血症合併時には IL

にて優れることが報告された 5, 6) .しかし,同症例の中 でも巨脾症例になると PLS は HALS と比較して有意に

15762例目 10代 男性 下市町 学生 (県内) 軽症 県内感染者と接触 15761例目 10代 男性 天理市 学生 (県内)

信心辮口無窄症一〇例・心筋磁性一〇例・血管疾患︵狡心症ノ有無二關セズ︶四例︒動脈瘤︵胸部動脈︶一例︒腎臓疾患

10例中2例(症例7,8)に内胸動脈のstringsignを 認めた.症例7は47歳男性,LMTの75%狭窄に対し

東医療センター 新生児科部長   長谷川 久弥 先生.. 二酸化炭素

High rates of long-term renal recovery in survivors of coronavirus disease 2019–associated acute kidney injury requiring kidney replacement therapy.. Figure 1Renal outcomes

⑫ 亜急性硬化性全脳炎、⑬ ライソゾーム病、⑭ 副腎白質ジストロフィー、⑮ 脊髄 性筋萎縮症、⑯ 球脊髄性筋萎縮症、⑰