理 学療 法学
第
28
巻 第2号38
〜
46頁 (2001
年 )原 著
高 齢 者
に
対 す
る
3
ヶ
月
間
の
異 な
る
運
動
が
静 的
・
動 的
姿 勢
バ
ラ
ン ス
機 能
に
及
ぼ
す
影
響
*島
田
裕 之
D2
)内
山
靖
3} 要 旨高
齢 者 に 対 す る 運動 介
入 を行
い,
姿 勢
バ ラン ス機 能
が向
上 す る か を検討
し,
運動
の種 類
の違
い に よっ て改 善 す
る機 能
に特 異 的 な 反 応が生 じ る か明
ら か にする こ とをH
的 と した。
対象
は 施設
を利 用
する後 期 高齢
者
34
名
(平 均 年 齢80
.
8
±6
,
6
歳) で,
これ らの対 象
を無 作 為
にコ ン トロー
ル群,
静
的バ ラン ス練 習 群
,
動
的
バ ラン ス練
習群
に 分 類 し た。
運動
によ る介
入 は週
2
か ら3
回の頻 度
で12
週 間 継 続 し て 行っ た。
バ ラ ン ス検 査
は全 被 検 者
に対
し 運動
開 始前
.
終 了時
,
終 了
か ら12
週 間後
に行
っ た。
介
入 群で は 静 的・
動 的バ ラ ンス検
査,
歩 行検 査
,
応 用 動 作 検 査の 全ての要 素に関 して機 能
の改善
が認
め ら れ,
そ れ らの多 くの機 能
が運 動 終 ∫後
にも保 持
さ れ ていた。
コ ン トロー
ル群では,
最 初
の 正2
週 間
で機 能 変 化
は認
め ら れ な かっ た が,
24
週後
に は姿 勢
バ ラ ン ス機 能
の低
ドが 認 め ら れ た。
ま た,
介
人の方 法
に よっ て改 善
する機 能 は 変 化 し,
静
的バ ラ ン ス練 習
で は片
足立 ち 保 持 時 問の 延 長 やFunctional
Reach
Test
の向
ヒが認
め ら れ た。一
方, 動的
バ ラン ス練 習
で はTimed
Up
andG
(>Test
に お け る 歩行 時 間
の短 縮
と,
階 段 を降 り
る所 要 時
間 が短
縮 した。
本 研
究の結 果
か ら,
維 持 期 高 齢 者
に対 す
る 運 動介
入 は 効 果 的であ り,
改 善 す
る機 能
は運 動の種
類 に 対 応 す ること か ら,
総含的
な評 価
を行 う
こ と で効 率 的 な 運 動 処 方の作 成 が 可 能である と考
えら れ た。
また,
両 群 に 共 通 して
Functional
Balance
Scale
が改 善
し,
介
入の効
果 判定
に 有 益 な指 標
と な る可 能 性
が示 唆
さ れ た。
キ
ー
ワー
ド姿 勢
バ ラン ス機 能,
運動 効 果
,
高 齢 者
緒 言高 齢 者
に おける姿 勢
バ ラ ン ス機 能 低 下 に 対 し,
理学 療
法
で は 主 と して運 動 を 用
い た介
人方 法
に よ り機
能の維 持・
改善
を図
る場 合
が多
い。
この介
入チ段
の効
果 判定
が 欧 米 を 中 心 と して近年
盛ん に行
われ ている一
し か し,
運 動の種 類,
介
入期 間
,
頻 度
,
強 度
や使 用 し
た検 査 法
の違
い に よ り,
運 動 効 果 が 認 め ら れ た と す る報 告
1−
11) と,
認め られ ない とす る もの 1216 〕 と が あ り,
効果
の是非
は研 究 者
に より様
々であ る、
ま た,
これ らの研 究
では 主に地 域 在 住
の健 常 高 齢 者 を対 象
と し,
機 能 障 害 を 有 す る 施設
利 用高 齢 者
を扱
っ た研 究 は 少 ない。
施 設 利 用 高 齢 者 は *E「fects
of
a
Threヒ
.
M〔m [hProgram
of
S[attc
and
Dyntunic
P〔xsttirnl Balancc Excrcises
f
〔,r Lhピ ElderlyD 老入保 健 施 設
.
:ツ箭江1〒979
−
3124福島県い わき市 小 川田」.
1.
小m
字 大 坂68−
])Hiro}
・
uki Shimada,
RPT,
MS:HeatLh Cure Fadli匸y Futatsuyaso2〕北 里 丿{学 大学 院 医 療 系研究科博十 課 程
KiLu
.
−
ato Univcrsity GraduaLe Svhool,
D〔,cto 「a[ Program of Medlca [Sc正ences3) 群 馬 大学医学 部 保 健 学 科
Yasushi Ilchiyania
,
RPT,
PhD』
Departmenr匸
釦
f Physical Therapン.
Facult》
・
of Medicine、
Gunma University〔受付 口 2000年8月1アH/受 埋 日 2σ0】牢 1 月 201D 地
域 在 住 高 齢 者
と比 較
して運動 機 能
が 低 く 転 倒率
が高
い 17)。
また,
寝
たき
り者
の約
10% は 転 倒 や 骨 折によ り引 き起
こさ
れるため 18),
こ のよう
な障 害
を 有 す る高 齢
者
に対
し,
機 能
の維 持
・
改 善
,
寝
たき り防
IRの た めに,
理 学 療 法の役 割
は 大 きい もの と考
え ら れ る。
したがっ て,
本 研 究の第
・
の 目的
は,
施 設
を利 用 中
の後 期 高 齢 者
に対
し て姿 勢
バ ラン ス練 習 を 行い,
維 持 期 高 齢 者
でも運 動 介
入
に よっ て機 能
の改 善
が 叮 能 か ど う か を 調べ る ことであ
る,
、
ま
た,
先 行研 究
に おい て姿 勢
バ ラン ス改 善のた めに施
行
さ れ た プロ グ ラ ム は筋 力 強 化
4)6〕7jlo]MM6 ),
歩 行・
バ ラ ン ス練 習
4丿8〕12U 覗 5),
持 久
的 な有 酸
素 運 動Z 〕3)1m6 ),
リラ ク ゼー
シ ョ ンL札
メ ン タル・
プ ラクティ ス D,
家庭 内
自一
孫 東習9〕,
患者
教育
8}14) な ど が含 ま
れ非 常
に幅
が 広 く,
これ らの複 合 練 習によっ て効 果 を ヒげてい る も の が多
い。
し か し複 合練
習で は運 動の種
類に よ る特 異 的 な効 果
を判 定 す
ること は困 難
であ
る。姿 勢
バ ラン ス機 能
を 大 別 す る と,
支 持 基 底 面 内で の バラ ンス保 持
で あ る静 的バ ラン ス と,
支 持 基 底 面 が 移 動 し た 状 態にお けるバ ラ ン ス保 持 機 構
と し ての動 的バ ラン ス に 大別
さ れ る19〕。
高 齢 者に対す る3ヶ月 問の異 な る 運 動 が静的 動 的 姿 勢 ラ ン ス機能に及ぼす 影響 39
機
能 的 に姿
勢バ ラン スを分 類
し,
そ
れぞ
れの運 動
を行
っ た と きに高 齢者
の バ ラ ン ス機 能
が如 何 な
る変 化
を示
す か は 興 味 深い。
した がっ て本 研
究の第
2
の 目 的 は.
静 的バ ラン ス と動 的
バ ラ ンス の練 習
を別
の群で行
い,
姿 勢
バ ラ ンス機 能
の改 善
に特 異
的 な 変 化 が 生 じ る か を 明 ら か に す る こ と と し た。
これ らの 結 果に基づ き 運 動 療 法の有効 性
を検 証
し.
運動療 法
の選 択, 決 定.
効率
化が可能
か ど う か を検 討
した,
,
対 象 と方 法
1
.
対 象対 象 は 福 祉 施 設 を 利 用し てい る
67
〜
91
歳の歩行
ロ]’
能 な 高 齢者
と し た、
、
こ のう
ち研
究の 目的 お よ び 後 述 す る 方法 を 説 明 し
,
十 分 な 同 意
と協 力
が得
ら れ た34
名
〔平 均年 齢
80
,
8
±6
,
6
歳)を対 象
と し た.
屋 内 歩 行の み 叮能
な者
と,
屋外
歩 行 まで 卩∫能 な 者 とに層 別 化 し た 層 別 化ブ ロ ッ ク ラ ンダム法
20’に よ り,
コ ン トロー
ル群
と静 的
バ ラ ン ス練習
群,
動 的バ ラン ス練
習群
の各
々に対 象 者 を分 類
し た.
.
/
表1
にはベー
スライン時 に お ける対象 者
の個
人特
性
を示
し た.
/
2
.
検 査 項 目及び測定 方 法
被 検 者
の個
人情 報
と して年 齢
,
性 別
.
身 長
,
体
重,
Body
Mass
Index
(llMI
),
知的 機 能
〔改訂
長 谷 川 式 簡易 知 能 評 価
ス ケー
ル :HDS
−
R
) を 調 査 し た。
本 研究
で行
っ たバ ラ ン ス検
査 は一
般
に普
及 している 重 心 動 揺 検 査 と,
特 別
な機
器 を使
用 せ ず に 測 定口∫能 で あ り,
あ る程 度
の信
頼 性,
妥
当 性 が検
証 さ れてい る臨床 的検 査 法 を 選 択
し た2⊥ 1。
静 的バ ラ ン ス 検 査 と し て は
重
心動 揺 検 査
〔Body
Sway
:BS
) 22},
片
脚 立ち 保持 検 査
〔One
Leg
Standing
:OLS
) L)
2},
Functional
Reach
Test
(FRT
)L
’
3/,
を
行
っ た。
動
的バ ラン ス検 査
はManua
]Permrbation
Test
(MPT
)241,
Functi
〔}nalBalance Scale
(FBS
)25}
,
Performance
−
Oriented
Mobility
i丶ssessment
of
gail
and
balallce
(
POMA
)261,
Titned
Up
andGo
Tesr
CTLTG
, L,7’
,
を 測定
し た。
BS
の 測 定 は,
被 検 者 は 開 眼 にて両 側の踵 部 中 心 間 距離
を15
cm開
脚 位 に 位 置 し,
重 心 動 揺 計の上 に30
秒
間 静1L、k
位 保 持 し た と きの単位 軌 跡 長
〔LNG
) と外 周 面
積 (
AREA
) を 測 定 した (Anima
社製
Grav
[corderGS
−
10C )
。
OLS
は 開 眼に て両 ド肢
2
回ずつ行
い,
30
秒 間 を 上限
と して ス トッ プウ ォ ッチに て測定
し,
最 長 保 持 時 間 を 値 と して用い た,
FRT
は 肩 幅程
度の 開 脚 立位
にて片
手 を90
’
屈 曲 し,
そこ か ら最 大 限前 方
に 上肢 を伸
ば し たとき
の到 達 距 離 を
メ ジ ャー
に てlcm
単位
で測 定
し たな
お,
メジャー
は屈 曲
し たE
肢
に平行
に位 置
し,
前 ノ∫移動
の時
に は肩
が メジャー
に沿っ て移 動 す る よ うに指 示 し た/
tMPT は被 検 者
の肩
に後 方
か ら予告 な
し に軽
い後
丿∫ 刺 激 を 徒手
に て加
え,
外 乱 負 荷
に対 す
る反応 様 式
を3
段
階 に 得 点 化 した。
得点
化に当
た っ て はPostural
Stress
Test
(PST
)28〕の反応 様 式
を参 考
とし,
PST
の0
〜
2
点 に相 当 す
る1
一
刺 激
に対
.
して転 倒
す る 反 応 」 を0
点,
3
−
6
点
に相 当
する「
ス テッ ピン グ 反 応 が起
きて立位 保 持
可 能」
を1
点,
7
〜
9
点に相’
iiす る 「その 場で べrl位 保持
μ∫能 」
を2
点
と して得
点 化 し た。FBS
,POMA
は静
.
tE
時
や運動 時
の姿
勢バ ラ ン ス の状態
や遂 行 状
況を 定性 的
に段
階づ けて検 査 し た。
検 査 項H
は}il
:ち ヒが り,
着 座
,
立位
保
持,
回転
動 作, 移 乗 動作
, 歩行
な どで構 成
さ れてい る。TUG
は 椅座 位
か ら立ち
.
ヒがっ て5m
前 方
の ポー
ルま
で,
で き る 限 り速 く往 復歩 行
し,
椅
子に腰掛
けるまで の時 間
をス トップ ウォ ッチにて測 定
した。その
他
の動 作
テ ス ト と して階 段 昇 降 所 要 時 間
〔昇
り時 間Stair
−
Climb
:SC
,
降
りStair
−
Down
:SD
> と 床 か らのvZ
ち
上がり所 要 時 間
CGetting
−
Up
:GIJ
)の検
企 を 行っ た.
,
階段 昇 降検
査 は高
さ15cm
の階 段5
段 分の昇 り,
降 り そ れぞれ の所
要 時 間 を 測 定 し た/
t床
か らの 立 ち 上 がり
は,
背 臥 位
か らしヒ位
(直
立姿 勢
)までの所
要 時 間 を 測定
した。
い ず れ も時 間計
測 はス トッ プ ウォッ チ を 用いた/
t3
.
実 験デザ イン (図 1 )本 研 究 で は 実 験
期
を3
期
に分 類
して調 査 測 定 を 行
っ た,
全 対
.
象 者
が 同時 期
に実験
を開 始
し た、第
1
期
はベー
スラ イ ン期
と し,
対
.
象 者
の初 期 機 能
の測定
を行
い,
対.
象
者
の個 人情 報 を聴 取
,
計 測
し た、.
ベー
ス ライン期
では,
測 定f
直
の被 検 者 内 変 動
が大 き
い と考
え ら れ たBS
,
MPT ,
FRT
,
TUG
につ いて毎
週4
回反復
測 定 し,
変 動 係 数 を求
め冉 現性
の確 認
を行
っ た。
第
H
期
は介
人期
と し,
ベー
ス ライン期の測定
後,
介
入 群の全 対象
者 は,
週2
〜
3
回の割 合で12
週 間 運 動 を 継続
した。
コ ン トロー
ル群 につ い て は通 常 通 りの生活 を指
示 し,
特 別 な 運 動 は 行 わ ない よう
に し た.
,機 能 検 査
は全
対 象 者 に 対.
し 介 入 期 終 了 時に行っ た。
第皿
期
は追
跡期
と し,
す
べて の対 象 者
に対
する運動
を巾 止
し,
12
週 後
に全
て の機 能 検 査
を行
っ た。 ま た,
全期
間 を 通し て,
通常 行
っ ていたバ ラ ン ス練 習
以外
の物
理療 法 (
温 熱療 法
) や集 団 体 操
〔座位
で上 肢の ス トレッチ運 動
)な
どにつ い ては継 続
して行
っ た。
4
.
運 動 方 法介 入 祥 は 週
2
〜
3
回の割 合 で,
1
回 につ き約
40
分
の運動 を
理学 療 法
lr
の監 視
.
.
ドに て実 施
した。静 的
バ ラ ン ス練
習 群は.
支 持
基底 面
内でバラ ンスを維
持 する運 動 を 行っ た。
具 体 的
には.
.
ヒ肢 前 方 到
達練 習
を30
回,
バ ラ ン スボー
ド を 用い た 前 後左
右 方向
へ の重 心 移動
練 習 ユ0
分
間,
片 脚 立 ち保 持
5
分
間,
マ ン肢 位 保 持
5
分 問
と した。
40
理 学 療法 学 第28巻 第2号 表 1 ベー
ス ライン時 に お け る対 象 者の個人特 性 平 均値 (標 準 偏 差 ) 年齢 (歳)コ ントロ
ー
ル群 (n=
10
) 介 入 群 (n=
24)静 的バ ラ ン ス練 習群 (n
・
12
)動 的バ ラン ス練 習群 (n
=
12
) 性 別 (人数 ) コ ントロー
ル 群 介 入 群静 的バランス練 習群 動 的バラン ス練 習群 居 住区 お よ び 入所
・
通 所 利 用 期 間(
月 )*在
宅 居住
(n=
19
) 施 設 入所 (n=
14
)在宅 と ショ
ー
トステイの併 用 (n・
’
1) 身長 (cm ) コ ン トロー
ル群 介入 群静 的バ ラ ン ス練 習 群 動 的バ ラン ス練 習 群 体重 (
kg
) コ ントロー
ル群 介 入 群静 的バ ラン ス練 習 群 動 的バ ラン ス練 習 群
BMI
コ ン トロー
ル群介
入群 静 的バラン ス練 習 群 動 的バラン ス練 習 群 知的機
能 (長 谷 川 式 簡 易 痴 呆スケー
ル) コ ン トロー
ル群 介入群 静 的バ ラン ス練 習 群 動 的バ ラ ン ス練 習 群 疾 病 コ ン トロー
ル群 介入群 静 的バ ラン ス練 習 群 動 的バ ラン ス練 習 群83
,
6
〔5
.
7
)79
.
6
(6
.
7
)79
.
9
(5
.
9
}79
.
3
{7
.
6
) 男性:3
名女 性: 7
名
男 性:2
名女 性:
22
名
男 性:2名
女 性 :
10
名男性 :0
名
女 性12
名 178 (8.
3)9
,
0
(92
)15
.
0
144
.
5
(10
,
1)143
.
0
(6
.
8
)143
.
8
(8
,
9
)142
.
3
(4.
0) 52.
4 (1L5) 46.
6(7
.
2>
46
.
8
(
9
,
1
) 46,
4 (5、
2
)25
.
0
(4
.
6
)22
,
7
(2.
6)22
,
5
(2.
9)22
,
9
(2
.
5
) 16,
7 (6.
3) 19.
1 (8ユ) 21.
2 (69
) 17、
0 (8,
9
) 脳血 管 障害1名
,
大 腿 骨 骨折 後1
名,
変 形 性 脊椎 症4名
,
変 形性 膝関節 症2名
,
人工膝
関節
術 後1
名,
な し1
名 脳血管
障害10
名,
変 形性 脊椎 症4
名
,
変
形性
膝 関 節症5
名 大 腿 骨 骨折 後
1
名,
痴 呆4名
脳 血 管 障害
4
名,
変 形性 脊 椎 症2
名
,
変 形 性膝 関 節 症3
名痴呆
3
名
脳血
管障害
6
名, 変 形 性 脊 椎 症2名
,
変 形 性膝関節 症2
名 大 腿 骨 骨 折後1
名,
痴 呆 1名 *入 所 者につ いて は1
ヶ月 以内の短 期 間の退 所 は入 所 中と し て換算
し た.
動 的
バ ラ ン ス練 習群
は,
支 持 基 底 面
を 移動
さ せつ つ重
心
を保 持
す る 運動 を 行
っ た。
内 容 は 連 続 歩行
10
分 間
,
階段 昇 降
練 習5
段 を
10
往 復
,
タン デ ム歩 行
5
分 間,横
歩
き を5
分 間 と し た。
な お,
運 動 機 能
の重 症度
に より練
習
量 は若 干
変 化 させ,
対 象 者
にとっ て適 切 な 運 動 量とな る よう
に 配慮
した
。コ ン トロ
ー
ル群
は,
物
理療 法
や座 位
での簡 単 な集 団体
操
の み を行
い,
個
別で の特 別 な 運 動は行わず 通 常
の生活
を 送
っ た。
5
.
分 析 方法
1
) 予備
検
討
事
項
a) 各 群 閔
に おけ
る初 期 機 能
の比較
ベ
ー
ス ラ イン期
に お け る年 齢
,
身 長
,
体
重,BMI
,HDS
−
R
お よ び全
て の姿 勢
バ ラン ス検
査項
目 につ い てコ ン トロー
ル群
,静 的
バ ラ ン ス練 習
群,
動 的バ ラン ス練 習
群 間の差 を調
べ るた
めに多 重
比較 検 定
(
Scheffe
法 )
を行
っ た。
その結 果
,
全
て の項
目 に おい てコン トロー
ル群
,
介
入 群,
静
的バ ラ ン ス練 習 群,
動 的バ ラ ン ス練 習
群 間に動
静
的 動 的 姿 勢 ラ ス機 能に及ぼす影 響41
時 間経 過 運 動 開 始 ベー
ヤ
・・↓
…ヂ
…
運動 終 了↓
追跡 調査 (運動終 了 か ら12
週 間 後 ) ▽ コ ン トロー
ル群 静的バ ラ ン ス 練 習 群 動的バ ラン ス 練 習 群検
査実
施 検 査実施 検 査 実施
通常
の生活
を持 続 (特 別な 運動は行わない ) 1) 重心移
動 練 習2
)バラ ン ス ボー
ド3
) 片足 立ち保 持 4)マ ン肢 位 保持1
) 歩 行 (10
分 間)
2
) 階 段 昇 降 3)
タンデム歩 行 4)横 歩 き検
査 実施
検
査 実 施 通 常の 生 活 を 持 続 練 習 中 止 通常の生 活に 戻る 検 査 実 施練 習 中止
通
常
の生活に 戻る 検 査 実 施 検 査 実 施 検 査 実施 図1実 験デ ザ イ ン (タイム スケジュ
ー
ル と練 習 方 法 )有 意差
は 認 め ら れな
かった
。b
)
ベー
ス ライン期
にお け る姿 勢
バ ラ ンス検 査
の再
現性
BS ,
MPT ,
FRT
,
TUG
につ い て は,
ベー
ス ラ イン期
で 測定
し た計
4
回
の測 定 値
か ら変 動 係 数
を調
べ,
再 現
性 を確 認
し た。 その結 果
,
全 例
で平 均 し た 変動 係 数
は,
BS
の単 位 軌 跡
長 が22
.
1
%,
外 周 面 積
が41.
1
% であ
っ た。MPT
は
11.
0
%,FRT
は15
.
6
%
,
TUG
は10.
0
% であ
っ た。BS
にお
いて 比較
的 大 き な 変 動
が 認 め ら れ た。
そ
のた
め本
研究
で は,
被検 者
の機 能
変化
を厳 密 に検 討 す
るた
め に, 変動 係 数
の大 き か
った
BS
は検
討 項
目 か ら除外
し た。2
)
運動
が 姿勢
バ ラ ン ス機 能
に 及 ぼす 影 響
コ ン トロ
ー
ル群 と介 入 群
につ いて,
ベー
ス ライン期
の測 定 値 と介 入 後
の測定
値
を比 較
し た。
ま た,
運動 中
止後
の効 果
の持 続 を
調べ る た め,
ベー
ス ラ イ ン期
と追跡 調
査時
の測 定 値 を比 較
し た。
統
計 手 法
はWilcoxon
の符
号 付
き順位 検 定 を用
いた
。3)
運 動 種 類
の違
い に よ る姿 勢
バ ラ ン ス機 能
の反応 特 性
静 的
バ ランス練 習 群
,
動 的
バ ラン ス練
習群
の各
群 毎
に,
ベー
ス ライ
ン期
の 測定
値
と介 入 後
の測定 値
を 比 較 し た。
ま た,
運 動 中 止 後
の効果
の持 続 を調
べ る た め , ベー
スラ イン期 と追 跡 調 査
時の測 定 値 を 比 較
し た。統 計 手 法
はWilcoxon
の符 号 付 き順 位 検
定
を用
いた。統 計
解
析
には統 計 解 析
用ソ フ トSPSS
10
.
OJ
を
用い ,危 険率
5
%未 満
を有 意 水 準 と
し た。
結
果
1
.
練 習
の実 施状 況
34
名
の被 検 者
のう ち
2
名
が以
下の理由
で継 続
不能
であ
っ た。
1
名
はコ ン トロー
ル群
で急 性
の 呼 吸 器 疾患
に より
,
状 態
が著
しく低 下 し
たた
め対 象
か ら除
い た。も う
1
名
は動 的
バ ラン ス練
習 群の者
で,
自宅
に て転 倒
し,
その傷 害
のた め に再 検 査 を受
け るこ と が困 難
であ
っ た。
以 降 の分 析
は,
こ の2
名
を 除い た32
名
で行
っ た。
ま
た,
練
習
の実 施 状 況
は,体
調 不 良 な
ど に より若
干の欠席
があ
っ た が,
全 体
での実 施
率
は約
94
%であ
り,
高 率であっ た。2.
運動
が姿 勢
バ ラン ス機 能
に及
ぼす 影響
(
表
2
)
1
)
コ ン トロー
ル群
の機 能 変 化
ベ
ー
ス ライン期
と介
入後
の比 較で は有 意 差
は認
め ら れず
, ベー
ス ライ
ン期 と 追 跡 後
の比 較
では 追 跡 後
のPOMA
が 有 意
に低
下 し た。
2)
介
入群
の機 能 変
化ベ
ー
ス ライ
ン期
と介
入後
の比 較
で はOLS ,
FBS ,
TUG ,
SC
,
SD ,
GU
に おいて介 入 後
に機
能の 上昇
が有
意
に 認 め ら れ た。 ベー
ス ラ イン期 と 追跡 後
の比較
で は 追 跡後
にOLS ,
FBS
,
GU
の向
上 が認
め ら れ た。3.
運 動
の種
類の違
い に よ る姿 勢
バ ラ ンス機 能
の反 応 特
性 (
表
3
)1
) 静 的
バ ラン ス練 習群
の機 能 変 化
ベ
ー
ス ラ イン期
と介
入 後の 比較
で はOLS
,FRT ,
FBS
,GU
に おい て介 入 後
に有
意 に改 善
が示 さ
れ た。 ベー
ス ラ イン期
と追 跡 後
の比 較
では 追跡 後
にOLS ,
FBS ,
GU
の改 善 効 果
が持 続
して いた。
2
) 動
的バ ラン ス練 習 群
の機 能 変
化ベ
ー
ス ラ イン期 と介 入 後
の比 較
で は介
入後
にFBS
,
TUG ,
SD
にお
い て有 意
に改善
が示
さ れ た。
ベー
ス ライ ン期
と追 跡 後
の比 較 で は有 意 差
は認
め ら れ な かっ た。考
察高齢 者
は加 齢
に より神 経 系
および筋 組 織
や 前 庭器 官 な
どの退 行 変 性 を 起
こ し,様
々 な機 能低 下 を 有
して い る。
その中 でも姿 勢
バ ラン ス機 能
は高 齢 期
に最 も低
下 を き た す機
能の ひ とつ である 29}。
施
設 を利 用 す
る高 齢 者
はこ の よう
な 生 理 的 変化
に加 え
,
疾 病
に よ る 機 能低 下
が重 畳
42
理 学 療 法 学 第28巻 第2号 表2
コ ン トロー
,レ群と介 入 群の姿 勢バ ランス機 能の比 較 コ ン トロー
ル群 (n=
9) ベー
ス ライン介入 後
p値
追 跡 後
p
値
介人 群 (n=
23
) ベー
スラ イン介 入 後
p
値
追 跡後p値
OLS
(s)FRT
(cm )MPT
(点 )FBS
(点 )POMA
(点 ) TUG (s)SC
(s) SD (s)GU
(s )3
.
1
(3
,
2
)5
.
5
(6
,
0
)18
.
6
(6
.
4
)18
.
6
(6
.
8
>1
,
7 (0
.
5
)1
.
9
(0
.
3
) 50,
0
(5、
8
)50
.
3 (5
.
0) 26.
8
(2.
1) 26.
4 (2.
6) 19.
3 (9.
2) 17.
0 (4.
9) 7.
6 (5,
4) 5.
7 (2.
1) 8.
3 (5.
9) 6.
8 (3.
8) 6.
3(
L5
)lLO
(
5.
7) ns 3.
4 (2.
3) ns 18,
6 (8
,
5) nsl
.
9
(0
.
3
) ns 49.
6 (4.
5) ns 26.
0 (2.
8) ns l9.
5 (7.
5) ns6
.
3
(3.
5) ns8
.
3
〔52) ns1
8
(5,
4
) SSSS SSSS nnnn * nnnn 4.
2 (4.
9) 6,
7 (8.
0) 王7.
5 (6」) 且9ρ (6.
7)1
,
8
(0
.
5
) 1.
7 (0.
7) 47,
3 C7.
6) 49,
7 (7.
0) 24.
8 (4.
5) 25.
2 (4.
6) 28.
7 (25
.
5)23
,
2
q7,
6
) 79 (7
,
0
) 5.
7
(3
,
0
)8
.
3
〔6
.
5) 5.
8
(3
.
3
)10
,
8
(
5
.
9
)
8
.
3
(
3
.
2
) * nsns * * * ns *** * * *** 6.
7 (8、
7) 17.
7 (5.
6)1
.
7
〔o
.
7
) 49.
0 (6.
8
) 248 (4.
8)24
.
2
(17
.
3
)5
.
9
(3
.
7
>65
(3
,
8
)83
(3
.
8
) * nsns ** * nsnsnsns *** 平 均 値 (標 準 偏差)を表 示.
ns=
not significant.
*p
〈0,
05**
p
〈0.
Ol** *
p
〈0.
005.
OLS
:片 脚 立 ち保 持,
MPT
:Manual
Perturbation
Test
,
FRT
:Functional
Reach
Test,
TUG
:Timed
Up
andGo
Test
,
FBS
:Functional
Balance
Scale
,
POMA
IPerformance
−
Oriented
MobHity
Assessment
,
SC
:階段 昇 り時 間,
SD
:階 段 降 り時 間,
GU
:床からの立ち上が り時 間.
表3 静的バ ラン ス練 習群 と動的バ ラ ンス練 習群の姿勢バ ラ ン ス機 能の変 化静
的バ ラ ン ス練 習 群 (n=
12)
べ一
スラィン介入後
p値
追跡後
p値
動 的バ ラ ン ス練 習 群 (n
=
lD ベー
スライン介 入 後
p値
追跡 後
p
値
OLS
(s )FRT
(cm )MPT
(点 )FBS
(点 )POMA
(
点)
TUG
(s)SC
(s )SD
(s )GU
(s)4
.
0
(4
.
1
)18
,
7
〔5
.
7
)1
.
8
(0
.
5
)48
.
8
〔6
,
0
)25
,
5
(
3
,
9
) 248 (20
.
0) 7.
5 (6
.
7)7
ユ(
52
)9
,
3
(3
.
1)8
.
2
(9
.
9
)22
.
7
(4
,
4
)1
.
8
(0
.
6
)51
ユ (5
.
5
)25
.
4
(4
.
1
) 20.
4
(ll.
0
) 5.
3
(2.
4)5
.
3
(
2
,
6
) 7.
3
〔2
,
7) * * ns * * * nsSSS * nnn *7
.
3
〔82
)19
.
3
(5
.
2
)L8
〔0
,
6
)50
.
3
(5
.
0
)25
、
3
〔4
.
6
)20
.
7 (ll.
1) 5.
1 (2.
5)5
.
5
(2
.
5
)8
.
3
(3
.
7) * * * SS SSSS nn * nnnn *4
.
3
(5
.
7
)5
.
2
(5
.
2
)16
.
3
(6
,
4
)15
.
0
(6
.
5
)1
,
8
〔.
6
) 1.
6
(0
,
8
)45
、
8
(8
.
9
)48
,
3
(8
、
4
)24
.
0
(
5
.
1
)24
.
9
(
52
)
32.
6
(30.
4
)262
(23
、
0) 8.
3
(7.
6) 6.
2 (3.
7)9
.
4
(
7
,
7
)
6
,
4
(
4
.
0
) 12.
3
(7,
7)9
.
5 (3
.
4
) SSS * S S nnn * n * n * ns6
.
0
(9
.
6
) ns16
.
0
(5
.
7
) ns1
.
6
(0
.
8
> ns47
.
6
(8
.
4
) ns24
.
3
(
5
.
1
)
ns
28
ユ (22ユ) ns 6.
8 (4.
6) ns7
.
5
(4
.
8
) ns 8.
3
(4
.
1) ns 平 均値
(標準
偏 差 ) を表示.
ns=
not significant.
*p<0.
05* *p<0
、
Ol* * *pく0
.
005,
OLS
:片 脚 立 ち保持,
MPT
:Manual
Perturbation
Test
,
FRT
:Functional
Reach
Test
,
TUG
:Timed
Up
andGo
Test
,
FBS
:Functional
Balance
Scale
,
POMA
IPerformance
−
Oriented
Mobility
Assessment
,
SC
:階 段 昇 り時 間,
SD l階段 降 り時 間
,
GU :床から の立ち上 が り時 間,
す
る た め,効
果的
な治
療
を
必 要と
し てい る。
運
動
効 果 は 初期
機 能
の低
下 してい る者
ほ ど改善
が 期待
さ れ る た め,
本 研
究 で は,
群間
に お け る 初 期機 能
の比 較 を行
っ た。
その結果
,各
群 間
に お け る年
齢
,身体構
成
,姿勢
バ ラン ス機 能
に有
意差
は 認 め ら れ ず,
介
入効
果の是
非の 判定
が 可能
である と考 え
ら れた。
また,
測定値
の 変動
が大 き け
れば 値
の変 化
が運 動 効 果
に よ るも
のな
のか,
被 検 者 内
の変動
に よ るも
のなのか判 断
できな
い。今 回 用
いた検
査の多 く
は,
再現 性
が確 認
さ れており信 頼性
の高
い方 法
であ
る、しか し
,
高齢 者
に対 し
て検 査 を施 行 す
る場 合 に
,
理 解 不 足
や検 査
に対 す
る心 理 的 態 度
に よっ て,
比較 的 変 動
の大 き
い と考
え られた検
査につ い て反 復 測 定
を行
っ た。そ
の結 果
,
BS
につ い て高
い変 動
が認
め ら れ,
今
回の研
究ではBS
に関
して の正 しい結 論
が導
き 出 せ る か 不 明であっ た た め 検 討 か ら 除 外 し た。
1
.
姿 勢
バ ラ ン ス機 能
に対 す
る運 動 効 果
につ いて姿 勢
バ ラ ン ス の練 習
は高 齢 者
の転 倒 予 防
に最
も効 果
的 な手 段
であ
り3ω , そ の重 要
性
は非
常
に 大 きい。
運動
が姿 勢
バ ランス や歩行 機
能に及
ぼ す影 響
を調
べた 研究
で は,
バ ラン ス や 歩行 練 習
に よ りFBS
やPOMA
の値
が向
上 す る と し てい る3D32 )。
筋
力 増 強 練 習
で は歩 行
速度
,SC
やFBS
の改 善
が 認 め ら れ33〕34),
これ らの複 合 運 動 でTUG
の改善
が認
め ら れてい る351。
本 研 究
で は介
入群
に おいて12
週
間の運 動 介 入 後
に諸
検
査値
が有 意
に改 善
し た。今 回
の被 検 者
の ような維 持 期
リハ ビリ テー
ショ ン の対 象
であ
っ た後 期 高齢 者
におい ても
,
運 動
に よる機 能
の改 善 が可 能
であ
るこ とが 明
らか
とな
っ た。向
上し
た検 査 項 目
は静 的
バ ラン ス(
OLS
),
総
合 的
バ ラ ン ス(
FBS
)
,
歩 行 機 能
(
TUG
)
,
応 用 歩 行
(
SC
,
SD
)
,
起 居 動 作
(
GU
)であ り
,
これ らの機 能
は 日常
生活
で 必要
と さ れ る能 力
の大部 分
が含
ま れてい る も の と 考 え ら れ る。
し た がっ て,
今 回 用い た よ う な 簡 便 に 行 える運動
で も,
臨 床
的価 値
は十 分に有
しているも
の と考 え
られ た
。一
方
,
コ ン トロー
ル群
は,24
週 後
にPOMA
の低
下 が認
め られ,
機 能 障 害
を有 す
る高 齢 者
に4
3
.
5
3
誹25
2
0 コ ン トロー
ル群 苺 嘩 滞 ) 贐 ー 単 醗 疑 博 欝 芻 醤 旨 欝繭
貅 鱒礇
瞬欝
職
黍
旨蒔
癒
難
餠 隣 闘 項位
下 黙 回 o 諏 睇 ≒ 塞 殴 欝 ヌ 寸 絶、
嶺V
辮 濤 4 35 〈3
鯨 2、
5
2
o
静 的バラ ンス練 習 群 尊扈
隣欝
乂 畷 特 黛4v
霪 霞 回昂
賠 5 贄 卿 欝 嘩 醇 91 嘱i
浄 避 競 隆自
嬲 鬢 恩 霞贈
黜鯲
隣
疇
濤亊
講
旨 濤 殖熱
齪 断目
項
位
下
動 的バ ラン ス練 習 群 435
縋3
訃2
.
5
2
0
濡 選 旨 濤 × 申 く 跳4V
嬉 欝園
諏粛
窃 § 仰薄
磁 雛 い 鴫 ー 車 囲 羆 隣嘗
田 齧 博禽
麟
滞醂
譌
疇
欝 龜瞭
殴
欝 癒准
灘 博図2 Functional Balance Scaleの下位 項目における各群の平 均得点
各実
験期
に おけ
るFunctional
Balance
Scale
の下位
項 目の平 均
得 点
を示し た.
横 軸
は14
の下位
項目,
縦軸
は平 均得
点 (4
点満
点)
を示
し た,
下位 項
E
表4Functienal Balance Scaleの下 位 項 目における各 群の平 均 得 点
コ ントロ
ー
ル群 (n・
・
9
) 静 的バ ラン ス練 習 群 (n=
12
) 動 的バラン ス練 習 群 (n=
11
) ベー
ス ラ ィン期介 入期
追跡期
ベ
ー
ス ラィン期
介 入期追 跡 期
ベ
ー
ス ラィン期
介 入 期追 跡 期
起
立 立位 保 持 座 位 保持 着 座 移 乗 閉脚 立 位 閉 眼 立 位 リー
チ 物を拾 う 振 り向 き 回転 マ ン肢 位 ス テ ツプ 片 脚 立 位 39 (0.
3)4
.
0
(
0
.
0
)
4
,
0
(α0
)3
.
9
(0
.
3
)39
(0
.
3
)3
.
7
(1
.
0
)4
.
0
(0
.
0
)3
,
0
(
0
、
7
)
4
.
0
(0
,
0
)3
.
8
(0
.
7
) 3.
8
(0
,
7) 3.
2 (0
.
7) 3.
7 (1,
0) 1.
8 (1.
3
) 3,
9(0
,
3)4
.
0
(0
、
0
)4
.
0
(0
.
0
)3
,
9
(α3
)3
,
9
(0
.
3
)3
.
7
(1
.
0
)4
,
0
(O
.
e
)3
,
0
(
0
.
7
>
4
.
0
(0
.
0
)3
.
9
(O
.
3
) 2,
9
(1
ユ> 3,
2 (0
、
7) 3.
9 (0
,
3)2
.
1 (1.
4) 3,
9 (0.
3)4
.
0
(0
ρ)4
,
0
(O
.
O
)3
.
9
(0
.
3
)3
.
9
(0
.
3
)4
.
0
(0
,
0
)3
.
8
(07
)2
,
8
(1
,
0
)
4
.
0
(0
,
0
)3
.
8
(0
.
7
)2
,
8
(1
,
0
)3
.
2 (0
,
4)3
.
7 (1,
0
) 1.
9 (09) 3,
8 (0.
6)4
.
0
(0
,
0
)4
、
0
(0
.
0
)3
.
9
(0
.
3
)3
.
9
(
0
.
3
)
3
,
6
(1
.
2
)3
.
8
(
0
.
4
)
3
.
0
(
0
,
7
)3
、
9
(0
.
3
)3
,
7
(0
.
8
)3
.
2
(1,
3
) 2.
9
(0
.
9
) 3.
4 (1.
2) 1、
7 (1ユ) 39 (0.
3) 4.
0 (0
,
0
)4
,
0
(0
,
0
)39
(
0
.
3
)
3
.
9
(
0
.
3
)3
.
9
(0
,
3
)3
.
8
(
0
.
6)3
.
5(
0
.
5)3
.
9
(0
,
3
)3
.
8
(09
)32
(1
,
3
)33
(0
.
5
)3
.
7
(1.
2) 2.
3 (1.
2) 3.
8 (0.
4) 4.
0 (0
,
0
)4
,
0
(0
,
0
)3
.
8
(
0
.
4
)3
,
8
(
0
,
4
)4
,
0
(0
,
0
)3
,
8(
0
,
6
)
3
.
0 (0
,
4)4
.
0
(0
,
0
)3
.
8
(0
.
6
)3
.
1
(Ll
)3
.
3
(0
.
5
)3
,
5
(1,
0
) 2.
3 (1ユ)3
,
7
(0,
8
) 3.
9 (0.
3) 4.
0 (0
,
0) 3,
9(
0
.
3)
3
.
8
(0
,
4
)3
.
7 (0
.
9
) 3.
3(
1,
5) 2,
8
(0.
8
) 3.
6 (1.
2)3
.
3(1ユ
)
2
.
3
(1
.
3
)3
.
0
(0
.
7
)3
.
0
(1
.
6
) 1.
7 (1,
2)3
.
8
(O
.
6
)3
,
9
(0,
3
> 4.
0 (0.
0) 3.
9(
0,
3)
3
.
9 (0
.
3
)3
.
5 (1
.
2
) 3.
5 (1.
0)2
.
7
(0
.
6
) 39 (O.
3) 3.
7(
0,
6>2
.
9
(1
,
4
)3
.
e
(0
,
6
)3
、
3
(1
.
6
) 2,
2 (1.
3)3
.
8
(0
,
6
)39
(0
.
3
) 4.
0 (0,
0) 3.
9(
0.
3)3
.
9 (0
.
3
)3
.
6 (12) 3.
5(
1.
0)2
.
7
(O
.
6
) 3.
9 (0.
3) 3,
5(
1.
0)2
,
8
(
1
.
5
)3
ユ (08
)3
.
2
(1
.
5
) 1.
7 (1,
2) 平均 値 (標 準 偏 差 ) と して記 載.
44 理学療 法 学 第
28
巻 第2
号 とっ ては,24
週 という
比較 的 短 期 間
に おい て も 運動 機
能
が低 ドす
る こと
が 明 ら か と なっ た。運
動 中
止後
の効
果の持 続につ いて は,
ベー
スラ イン期
と追 跡 後
の比 較
でOLS
,FBS ,
GU
な
どの,
姿 勢
バ ラン スと起 居動 作 機 能
の維 持
は 認 め られたが,
歩
行,
応 用 歩 行につ い て は効
果 が 消 失 し た。
歩 行 は姿 勢
バ ラ ンス や 起 居動 作
の課 題
に比
べ,
凵常 的 に 多 川す
る動 作
であ り
,
機
能
の 持 続 が容 易
であ
る とも考 え
ら れ る。
しか し,
逆
の現象
が起
こっ たの は,
治 療 的
運動
といっ た,
円常では余 り
経 験
し ない特 異 的
な運 動
に直 結
した姿 勢
バ ラ ンス機 能
に おい て,
運 動効
果の持続
が得
ら れる.
叮能性
が 示 唆 さ れ た。
2
.
運 動
の種
類の違い に よ る特 異 的 反 応 性
につ い て静 的
バ ラン ス練
習 は, 先行 研 究
におい てバ ラ ン ス機
能向
L
に有 益
であ
ること が確
認 さ れている内容
を 考 慮 して 実 施 し た5〕36〕:17)。
静 的バ ラ ン ス練 習
に より改 善
が 認 め ら れ たOLS
,
FRT
は運動
プログラムの項
目に入
っ てお り,
運 動 に よ る効 果
が直接
現 れ た もの と考
えら れ た。
FBS
につ い て は,
その下位
項 目の得
点分 布
をみ る と,
閉
脚 立 位, リー
チ,
マ ン肢 位 保 持
,
片 脚 立 位 とい っ た,
静 的
なバラン ス項 冂の得 点
の上昇
が認
め ら れ,
静 的バラ ン ス にお け る 改 善 効 果 が 顕著
であ
っ た (図2
,表
4
)。
ま た,
GU
とい っ た 起居 動 作 能 力
に関
し ても静
的バ ランス練 習
に より改 善
を 示 し,
姿 勢
バ ラ ン ス機 能 と
関連
す る 指標
と して用い ること がで きる可能 性
が示唆
さ れ た。
ベー
ス ライン期
と追
跡 後の 比 較では,
介 人 後
に は向
.
L
し てい たFRT
の改 善 が な く
な り,
その他の項
目 は運 動 終 了 後
も 機 能 が保 持
さ れ てい た。
FRT
は 運 動 効 果に対 す
る感
度 が 高 く,
介 入の効 果 判 定
に有 益
な 指標
であ る38) 。そ
のた め,介
入後
に鋭 敏 な反 応 を
示 し た が,
運 動中
止 と とも
に 反作
用 的に効 果
の減 退
が起
こっ た もの と推察
さ れ た。
動
的バ ラン ス練 習
群では,
ベー
スラ イン期
と 介 入後
の比 較
で有 意
に 改 善 が認
め られ たTUG
,
SD
につ いて は,
練
習 課 題 に 歩 行 や 階 段 昇 降 が 入っ て おり
,
運 動 による効
果
が直 接
現 れ た もの と考
え ら れ た、
,FBS
につ い て は 下位 項
目の得 点 分 布 を
み る と,
床
E
の物 を拾 う
,
回転 動作
,
交
互ス テ ッ プ,
片脚
立位
で得 点の上 昇 が 認 め ら れ た (図
2
,
表
4
)
。
これ らの多 く
は移 動
を伴 う
動 的 な項
目であ り
,
動
的バ ラ ンス練 習
の効 果
の現
れ で あ る と 考 え ら れ た。
Roberts
は高
齢 者に対
する歩 行
運動
に よ りバ ラ ン ス機 能 の向
上 が 認め ら れ た と して い る39,。ま
た,
Buchner
ら は,
高齢 者
が自
転 車エ ル ゴ メー
ター
(
低 強 度 )
と歩 行
(中 等 度 )
と有 酸 素 運 動 (
高
強 度 ) を行
っ た とき
に,
歩 行 練 習 群の み に お い て持 久
力,
筋 力, 歩 行,
動 的
バ ラ ン ス機 能
,
健 康 状 態の 全て の要 素
で向
ヒが 認 め られ, 最 も有 益 な練
習法
で あ る と してい る40〕 。本 研 究
にお け る歩
行 を 卞 な介 入 手段
と した 動 的バ ラ ン ス練習
群で は,
静 的
バ ラン ス機 能
の改 善は認
め ら れず,
姿 勢バラ ンス機 能
.
F.
,
運 動 効
果の反 応特 異性
が認
めら
れ た。
ま た, ベー
ス ライ
ン期
と追跡 後
の比 較では有 意差
は認
め ら れ な かっ た。
こ れ は,
動 的
バ ラ ン スプログラ ム が ス キ ルの改 善 とい う よ り も身体 適 性
を向
.
.
ヒさ せ る よう
に計 画
さ れ た た め に,
運動 効 果
の保持
が得
に くかっ た もの と考 え
ら れ た。
し た が っ て,
動 的
バ ラン ス練
習 につ い て は 運動
を 習慣
化 し,
獲 得 さ れ た 機 能 を維 持 す
る必 要 性 が示 唆
さ れ た。練 習 内
容
と機 能 改 善
との対 応
関 係 につ い て,
Wolfson
ら は姿 勢
バ ラ ンス練 習
と筋 力 増 強
運動
群に健常 高齢 者
を分
類 し実 験 を 行っ た。
姿 勢
バ ラ ンス 練習
群で はSensory
Organization
Test
や,
随 意 的 重 心 移 動 能
力 とい っ た姿
勢
バ ラン スの向
ヒが認
め ら れ,
筋 力 増 強 群
では 下 肢筋 力
が向
上 した と報 告 してい る’
d1)。
また,
Gauchard
ら は,
ヨガを応
用 したバ ラン ス練 習
と,
水 泳
や サ イ ク リン グ と いっ た有 酸 素 運 動 を行 う
群 に 健常 高齢 者 を分 類
し,
運 動 介 入 を行
っ た結
果,
バ ラン ス練 習 群では動 的
バ ラ ンス機 能の改 善 が 認 め られ,
有 酸 素
運 動 群で は 下肢 筋 力
が向上
し た と して い る42}。さ
ら に本研 究
で は,
バ ラ ン ス練 習
の違
い に よっ て,
練 習 内 容
に対 応 し た 静 的 ま た は動 的 な
る
姿 勢
バ ラン ス機 能の改 善が示
さ れ,
介
入 運動
に よ る反 応
特 異 性
が 明確
に 認 め ら れ た。以
上の結
果 か ら,
施 設利 用
の維 持 期 高
齢 者 に 対 する運動 介
入は効
果 的 で あ り,
対.
象 者
の姿勢
バラ ンス機 能 を綿
密
に評 価
して,
低 下 している機 能
に対 応
し た 運動
処 方 を行 う
ことで,
効 率 的
な機 能
の改 善 が期 待
でき
るもの と 考 え ら れ た。
ま た,
静 的
バ ラン ス練 習 群 と 動 的バ ラ ン ス練
習 群の両 群において共通
し て改 善
の認 め ら れ たFBS
は,
運動
に よ る 介 入効 果
を反 映 す
る指 標 と
して有 益である可能 性
が 示唆
さ れ た。
文 献1)Fallsler
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,
Poff
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:Effects of mental practice on
balance
ill
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obic
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rnonth exer.
cise trial on balance