人口減少時代の環境デザインを考える
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(2) デザイン学研究特集号 Vol.28-2 No.104. 者に返すことによって他の部会員の原稿を読んでもらい、それへのコメン ト、質問などを再度集めることとしました。そして集められたコメントに執 筆者が答える形の座談会の場を設けました。この座談会は日本デザイン学会 春季大会時に行う予定でしたが、コロナ騒動の為、オンラインにて7月11日 に行われました。この試みは座談会後の原稿の修正、加筆も可能ということ で、特集号執筆に査読を設けたようなものでもあり、また座談会自体は論考 に対するコメント、質問に答えるような内容ですから、大会の口頭発表の質 疑応答部分をまとめて行うようなかたちでもありました。その過程を経たも のが今回の特集号になっています。目次を見て頂ければお分かりかと思いま すが、そこには様々な現場での2020年の状況が示されています。 編集に当たっては、論考募集においては先に記しましたように大きく3つ に分けておりましたので、本誌では特に区切りは設けていませんが、それぞ れのまとまり毎に分けて構成しています。 第一部となる現状調査報告は、個別の地域からの報告では自由が丘という 商業地で起こっている商店街経営者の少子高齢化のことが清水から、過去の 人口減少期にスウェーデンがとった公園政策については鈴木によって紹介さ れています。施設の将来として、動物園に今後求められることについての考 察が上綱からあり、パブリックアートが隆盛を極めた90年代に設置された作 品のその後のメンテナンスの状況報告が森山からありました。歴史都市・金 沢での歴史的建造物の保存に見られる行政の対応姿勢の変化の現状について は豊島から、観光の視点からは石川県白山市でのサウンドスケープ利用の可 能性の報告が池田からありました。現代らしい視点としては、まちづくりに 参加しにくい若年層の意見を取り込むための SNS 利用の可能性といった川. 合らの研究もあります。現代のミュージアムでの情報伝達の事例の報告が伏 見から、また今後増えるであろう様々な場での人型ロボットの形状検証の実 際も橋田によって紹介されました。 第二部の活動報告では、コミュニケーションを誘発するプランターについ. ての報告が清水らからあり、高齢化社会の中での植物を使ったコミュニティ 実現の可能性が示されています。また空き家利用の観点からの「もうひとつ の住まい方」の可能性の活動報告が佐々木からあり、地域からの事例として は、秋田の「空き家や高齢者に優しい都市」に向けた取り組みなどが山内に よって、藤本からは小さな私設ミュージアムなどの地元住民たちによる大阪 の活動の報告と、そのような住民のシビック・プライドの重要性が指摘され ています。金沢の土田からは町家のリノベーションと共に「音風景」発信の 活動報告が、伊藤からは三重県桑名市における自治体によるプレイス・ブラ ンディングの活動が、原田からは八代市の紙漉きの街・宮地での地域文化を 次世代へつなげようとする活動が報告されています。 第三部の提案では、杉下からは国産木材の活用を歴史的経緯を参考に、改 めて「必需品」という観点からの商品開発の提案で、山本からは人口減時代 の交通手段について、目的地へのラストワンマイルでのシェアードスペース の提案でした。 このように本特集号を通読してみると論考それぞれが今の時代に考えなく てはならないことの指摘となっていることが分かります。そしてこれらがこ れからの環境デザインの方向性であることも示されています。この特集号が これからの日本の課題を考える一端になりましたら幸いです。. 3.
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