標 的 出現確 率
の付与 方 法
が
注 意 配
分
に
及
ぼ
す
影 響
嘉
幡
貴
至
*・
** ・松 本 絵 理 子
*神戸 大 学*
,
日本 学 術 振 興 会* *
The
manipulation
of
probabilistic
cuing
influences
allocation
of
attention
Takashi
KABATA
* ** andEriko
MATsuMoTo
*Kobe University*
,
ノのα η S・ciet)’
ノ’
or・the・lb・
omotion 〔之ブScience
**If
the probabi上ity that a target item in a visual task is presented at a given location orWith
agiven feature is high
,
the reaction times forbiased
targets are shorter than those for low probability targets.
However ,
the relationshipbetween
manipulation of probabilisticinformation
and thisprobability
effect is unclear.
In this study,
we investigated the effccts of the spatial andnonspatial probabilities associated with the onset of targets on attentional
deployment.
Whentargets
appeared athigh
probabilitylocations
,
reaction timesfor
targetdiscrimination
werefaster
than those that appeared at less likely locations (Experiment l)
.
However,
such a probabilityadvantage did not appear when the targets
’
appearances were associated with the shapes of the placeholders,
regardless of theirlocations
(Experiment 2a},
The probability effect reoccurred whenparticipants were
informed
of the nonspatial probabilistic manipulation (Experiment
2b
),
Theseresults suggest that the spatial probability
is
effective as an attentional cue without awareness,
whereas the nonspatialprobability
is not.
Key
words :probability,
attention,
cues,
awareness目 的 視 覚 的 注 意は視 覚 情 報の選 択 機 能で あり
,
こ の 機 能に よっ
て ヒ トは眼 前に広が る膨 大な情 報の 中か ら必 要な情 報 を 選 択 し,
優 先 的に処 理 するこ と がで きる。 注 意 を 向 け る対 象の 決定に は,
呈示 刺 激の物理 的特 性や観 察 者の 構えだけで な く,
過 去に経 験 した知 覚の履 歴 も手が か り と して 用 い ら れ るこ と が 知 ら れて い る (Chun
&Jiang,
1998;Maljkovic &Nakayama,
1994,1996
)。 近 年,
実 験 課 題に含 まれる確 率 的な要 素が注 意 配 分 を 決 定 する要 因の1
っ で あ るこ と が多くの 研究で報 告されて い る (Beck
,
Angelone,
& Levin,
2004;Beck,
An−
gelone,
Levin,
Peterson,
& Varakin,
2008;Droll,
Ab−
bey,
&Eckstein,
2009 ;Droll,
Gigone,
& Hayhoe,
2007 ; * Graduate School of InterculturalStudies,
KobeUniversity/
Japan
Society
for the Promotion of
Science,1−2−1
Tsurukabuto ,
Nada ,
Kobe
657−
8501,Japan
Fecteau
,
Korjoukov,
& Roelfsema,
2009 ;Geng &Behrmann ,2002,2005
;Hoffmann
&Kunde ,1999
;嘉幡 。松 本
,
2009
;Miller,1988
;Wolfe,
Horowitz,
& Kenner,
2005 )。 例え ばGeng
& Behrmann (2002 )は,
視 覚 探 索 課 題におい て
,
出 現 確 率の 高い 位 置で の ター
ゲッ トへ の反応 が出 現確率の低い位 置と 比べ て有意に速 い ことを示 した。
こ の実 験で は,
興 味 深い こ と に,
観 察 者は ター
ゲ ッ トの 出現 確 率が位置に よっ て異 な ることに 気づ い てい な かっ
た。 こ の こ と か ら,
ター
ゲッ トの 出 現 位 置 確 率は潜 在 的に処 理 され,
注 意の手 が かりとな るこ と が示 唆さ れ た。 確 率 情 報が夕一
ゲッ ト の出 現 位 置 以 外の条 件で 付 与さ れ た場 合に も,
そ の情 報が注意配 分に影 響を及ぼすこと がい くっ かの研 究で報告さ れ ている (Droll
et aL,2007,
’
2009 ;Fecteau et a1・
,
2009 )ロ Droll et aL (2007 >は,
変 化 検 出課 題に おいて,
高 確 率で変 化 する オ ブ ジェ ク トに対 す る注視 時間や検出 成績は上 昇し,
逆に低 確率で し か変 化 しない オブ ジェ ク トへ の注 視 時 間や検 出 成 績は低 下 する こと を示 した。 こ の結 果は
,
オ ブ ジェ ク ト が有 する確 率 情 報が注 意 配 分を決 定 する際の重み付け と なる こ と を 示唆 する。 ま た,Fecteau
et al.
(2009
〕は,
視覚 探 索 課 題 におい て ター
ゲッ トが特 定の色で出 現する確 率を 上 げる と,
その特.
定 色の ター
ゲッ ト に対す る反 応が促 進さ れ る こ と か ら,
色特 徴に対す る 確率 操作 も 選択的 注意の配 分 を調 節 する こ と を示 唆 して いる。 こ の よ うにさ まざま な研 究に よっ て,
確 率 情 報の処 理 が注意配 分 に反 映 さ れ るこ と を 示 唆 す る 証 拠が蓄 積 さ れ て い る。 し か し, 実験で操 作さ れ た確率情報が どの よ う な 認 知 処理 を経て注 意 配 分に影 響 する か は明ら か で な い。
特に,
位 置,
形 態,
色な ど,
異な る条 件で付 与さ れ た確 率 情 報の処理 過程につ い ては不明 な点が多い。
例え ば Fecteau et al.
(2009 )は異 なる条 件で付 与さ れ た 確率 情 報が選 択 的 注 意に与え る影 響 を比 較 した数 少ない研 究 の 1っ で あ る。
彼 女らの 実 験で は,
特 定の位 直に高 確 率 で出 現す る ター
ゲ ッ トと,
特 定の 色で高 確 率で 出 現す る ター
ゲッ トが存 在 する視 覚 探 索 課 題におい て,
位 置と色 の 確 率 情 報は両 方と も 選択 的 注 意に影響を与え るが,
位 置 確 率の ほ う が より効 果 的な注 意の手が かりと な るこ と が示さ れ た。
し か し,
彼 女 らの実 験で は,
位 置 確 率を注 意の手が か り と す る場合, 観察 者は刺激呈示前か ら特定 の位 置に注 意を向け るこ と がで き る が,
色 確 率を注 意の 手が か りとする場 合,
観 察 者は 夕一
ゲ ン ト刺 激 呈 示 後に し か特 定の位 置に注 意を向け るこ と がで き ない とい う課 題 上の制 約が あ っ た。 その た め,
位 置と色の確 率 情 報を 利 用 する際の制 約の違い が,
課 題 成 續に反 映さ れ ていた 可 能 性が あ る。
異な る条 件で付 与さ れ た確率 情報の影響 を 比較す る ため には,
情 報の与え ら れ方にか か わ らず,
ター
ゲッ ト出 現 前 か ら確 率 情 報 を 手 が かり に注 意の構え が 形 成 可 能 な 実 験 事 態での 検 討が 必要で あ る。 明ら かになっ て いない も う1っ の問 題は,
観 察 者の確 率 情 報に対 する気づ き と注 意 配 分へ の 影 響の 大 きさ との 関 係であ る。 課題 に含ま れ る確 率 情 報に対する観 察 者の 気づ きは,
教 示の与え方や フ ィー
ドバ ッ クされる情 報の 質や量に影 響さ れ る。
課題に施さ れ た確 率 操作にっ い て,
教 示な ど を通 してあ ら か じ め観 察 者に知 らせてお く か ど うか は実 験に よ っ て 異 な る。
損 失 利得法を 用 いた実 験で は于が か り刺 激が ター
ゲッ トの出 現 位 置の予 測に有 効な確 率 情 報をもっ て い る こ と を観 察 者にあ らかじめ知 ら せ て お くこ と が多い (Brisson &Jolicoeur
,
2008
;Vos −
sel
,
Thiel,
&Fink,2006
)が,一
方で ター
ゲ ッ ト に関 す る空 間 的 情 報にっ い て 確 率 操 作が行わ れて い る 課題では
,
観察者は その確 率操作につ い て知ら さ れずに実 験に参加 する こと が多い (Geng & Behrmann
,
2002,
2005 }。
ま た
,
観 察 者の反応に対する フィー
ドバッ ク も
,
与え る実 験 (Droll et al
.
,
2007)と与え ない実 験 〔Geng & Behr−
mann
,
2002,2005
)が ある。 手 が かり刺 激の妥 当 性 を 操 作 し た視 覚 探 索課 題 を用い て,
観察 者へ の フ ィー
ドバ ッ クの 情 報 価が課 題 成 績に与え る影 響を検 討した実 験で は,
フ ィー
ドバ ッ クの もっ 情 報 価が高い ほど,
課 題の正 答 率や眼 球 運 動の正確さ が 上昇 するこ と が報 告さ れて い る 〔Droll
et aL,
2009 >。 し か し一
方で は,
夕一
ゲッ ト の 出 現 位 置 確 率は教 示や フ ィー
ドバ ッ ク が な くて も利用 可能 であ ること か ら (Geng
&Behrmann .
2002,2005
),
観察 者の気づ きの程度と確率 情報処理の効果との 関係にっ い て も一
貫 性のある知 見は得られて い な い。
本研究の 日 的は,
ター
ゲッ ト出 現 確 率の付 与 方 法に よっ て確率 情報の影 響 が 異 な る か 否 か を 検 討 す るこ とで ある。
ター
ゲッ トの 出 現 確 率は,
注 意を向 けるべ き空 間 に直 接 的に結 びつ く位 置 情 報 と して与え られる場 合 も あ れ ば,
注意 を向け るべ き 空間との結びっ き が間 接 的な 色 や 形 態 的 特 徴,
あ るいは周 辺 刺 激を介して与え ら れ る場 合も あ る。
こ の 空 間 的 注 意の 手が か りと し て の直 接 性 が,
確 率 情 報 処理 が注 意 配 分に与え る影 響を決定す る要 因で ある可 能 性が ある。 本研究で は 夕一
ゲ ッ ト弁 別課 題 を 用い た 3っ の実 験 を行っ た。
注 意が あ ら か じ め ター
ゲッ ト の出現 位 置に向 け ら れ て い る と き,
夕一
ゲッ ト の弁 別は注 意が他の位 置 に向け ら れて い る と き よ り速い (Mangun
&Hillyard,
1991;Posner
,
Snyder,
& Davidson,
1980)。 それゆ え,
実 験で操 作さ れ た出現 確 率の高 低に基づいて注 意 配 分が 決定さ れ る な ら ば
,
出 現 確 率の高い条 件 と低い条件で反 応時 間が異なる こと が予 測さ れ る。 しか し,
確 率 情 報が 注 意 配分に影響し なけれ ば,
出現 確 率に関 係な く,
反 応 時 間は.
一
定と なる こ と が予 測さ れ る。 実 験 1で は ター
ゲッ トが出 現 する空 間 位 置 実 験 2a と 実 験 2b で は ター
ゲッ トが 呈示さ れ る枠の形態が,
そ れ ぞ れ 課題を効 率 的に遂 行 する ための手が か りと なる確 率 情 報を有して い た。
課 題の どの 段 階で 確 率 情 報に基づ く注 意 配 分の変 化が 生 じ るの か を明ら かにす る ため に,
分 析は 課 題成 績 の経 時 的 な 反 応 時 間の変 化 を対 象とした,
,
さ らに,
確 率 情 報に対す る 課 題 遂 行 中の 気づ き が 注 意 配 分に及ぼす 影 響を調べ る ため に,
実 験 後に出 現 確 率の 違い に気づい た実 験 参 加 者 と気づかなかっ た実 験 参 加者 の課題成 績を 比較 し た。 これ らの 分 析を通して,
確 率 情 報の処 理 特 性の違い を 明 確にする こと がで きる。
実 験1
ター
ゲv トの 出 現 確 率 が空間位置 に よっ て異 な る場合に
,
その確 率 情 報が注 意 配 分に影 響 する か否か を検 討し た。
ター
ゲ ッ トの出現 位 置 確 率 に基づ いて注 意 配分が 変 化すること は先行 研究で報 告さ れて いる(Geng
&Behr−
mann,
2002,
2005 )。
しか し,
どの程 度課 題 を 進めた 段 階で確 率 情 報の影 響が 見 ら れ るの かにっ い て は明ら かで ない。 ま た空 間 位 置に よっ て ター
ゲッ ト出 現 確 率が異な る ことに気づいて い る観察 者と気づいて いない観察者に お け る違い にっ い て も言 及さ れて いない。 実 験 1で はこ れ らの点を明ら か にする た め に,
ター
ゲ ッ ト の呈 示位 置 ご との出現 確率を操作し た実験を行い, 反応時間の推 移 を調べ た。 さ らに,
確率操 作に対 する観 察 者の気づきの 有 無が反 応 時 間に及ぼす 影 響にっ い て も調べ た 。 方 法 実験参 加者 大 学生・
大学 院生 10 名 (男 性3名,
女 性 7名,
21 歳か ら32 歳,
平 均 年 齢23.
8歳 )が実験に参 加 し た。 すべての実験参加者は視 力もし く は矯正視 力が 正常であっ た。 刺激 背 景 画 面 (黒:0.
3cd
/m2 )の中 央に注 視 点 (赤: 6,
9cd /m2,
白:28,
2
cd/m2 )と,
その左下と右下に位置 する正 方 形の枠 (灰 色:1.
1 cd/m2 )に よ っ て構 成された (Figure
l)。
注 視 点と枠は,
試 行 中は常に 呈ホ さ れて い た。枠の 大き さは視 角に して 2°
×2°
で、
その 中心は注 視 点から下に1
°,
左 あるいは右に3.
5
° 離 れた位 置で あっ た。 ター
ゲ ッ ト刺 激は時 計 回り,
あ るいは反 時 計 回 りに90Q
回 転 した ア ル フ ァ ベ ッ トのT
(白:28.
2 cd/M2 )で あ り,
デ ィ ス ト ラク タ は時計回りに 0°,90D,180
°,
あ るい は270
°
回 転 したアル フ ァ ベ ッ ト のL
(白;28.
2cd /m2 ) で あっ た。
ター
ゲ ッ ト,
デ ィ ス トラ クタ共に,
大き さ は 1°
×1°
で あっ
た。 装 置 実 験はパー
ソ ナ ル・
コ ン ピュー
タ (DELL 社 製Dimension
llOO
)に内 蔵さ れ た刺激 呈 示 ソ フ トSuper−
Lab
Pro
2.
0 (Cedrus
社 製 )を用い て制 御 し た。 刺 激は
液 品デ ィ ス プ レ イ (
DELL
社 製El96FPb
) 上に呈 示 した。 観 察 距 離は57cm で あ
っ
た。手 続 き 各 試 行は実 験 参 加 者がス ペ
ー
ス キー
を押 すことに よ り 開始 し た
。
ス ペー
ス キー
が押さ れ る と,
注 視 点Star監a「ter key press
Figure
l.
Examples
ofdisplays
andtiming
of each trial(Experiment
l
).
の色が赤か ら白に変わ り
,
これ を試 行 開 始の 合 図と し た。 試 行 開 始か ら 700〜
850ms 後に,
左右の 枠 内に ター
ゲッ トあるいは ディ ス ト ラ ク タ が呈示さ れ た。 実験 参 加者の 課 題 は ター
ゲ ッ ト で ある T が 畢示さ れ た ら,
そ の T が時 計 回り か反 時 計 同りの どちら に 90° 回 転 して い た かを,
で き る だ け速 く正 確に判断 し,
キー
ボー
ドの 所 定のキー
を押して反 応 するこ とで あっ
た。 夕一
ゲッ ト が呈 示さ れ ない試 行で は‘
‘
ない”
反 応をで きる だけ速 く 正確に行うよ う 教 示 さ れ た。
ま た,
実験 参 加 者 は ター
ゲッ ト の出 現 確 率にっ い て の情 報を一
切 与え られ な か っ た。
試 行数は80
試 行 x5 ブロ ッ ク の 計400 試 行で あっ
た。
ブロ ッ ク内の試 行の 内 訳は ター
ゲッ ト存 在 試 行が 80%, ター
ゲ ッ ト不在試行が 20%で あっ た。1
ブ ロ ッ ク あ たり64
試行 (全 体の80
% )の ター
ゲ ッ ト存 在 試 行の うち,
48 試 行 ⊂全 体の 60%)で は ター
ゲ ッ ト は特 定の 空間 位置に あ る枠 内に現れ (高確率条 件),16
試行 (全 体の 20%)で は も う.
一
方の位 置にある枠 内に現れた (低 確 率 条 件 )。
高 確 率 条 件と低 確 率 条 件に対 応 する空 間 位 置 は実験 参 加者間で カ ウ ンター
バ ラ ン ス が と られ た 。 実 験 終 了 後,
確 率 情 報へ の気づ きの有 無と反 応 時 間の 関係を 調べ る た あ に , 高 確 率条 件と低確率 条件の ター
ゲッ ト出現確率が異な っ て いた か否か を実験 参加者に判 断させ た。 こ こで出 現 確 率が異なっ ていたと報 告 した実 験参 加者には,
っ つい てその比率を推定さ せ た。 実 験デ ザ イ ン 実 験は ター
ゲ ッ ト出 現 確 率 (2水 準: 高 確 率,
低 確 率 )と ブロ ッ ク (5
水 準:1〜5
ブロ ッ ク)の 実 験 参加者 内2要 因 計 画に て行わ れ た。 結 果 ター
ゲ ッ ト弁 別の平 均 誤 答 率は3.
5
%で あっ た。 ター
ゲッ トの 向き判断に正答 し た試行の反 応時間の み を分析 対 象と し た。 各 確 率 条 件の ブロ ッ ク間の反 応 時 間の推 移 を Figure 2 に示 す。
これ らの デー
タにっ い て,
ター
ゲッ ト出 現 確率 (高 確 率,
低 確率)と ブロ ッ ク (1〜5
ブロ ッ ク)を実 験 参 加 者 内 要 因と して 2要 因 分 散 分 析を行 っ た。
その結 果,
夕一
ゲッ ト出現 確 率の主 効 果と ブロ ッ ク の 主 効 果が そ れ ぞ れ有 意で あっ た(F
(1,9
>=15.
5,
p
<,
005
;F(4,
36)=8.
63,
p
〈.
001)。
夕一
ゲッ ト出 現 確 率× ブ ロ ッ ク の交互 作 用 は有意で は な かっ た(F
(4,36
)=L60 ,
n.
s.
〕。
Tukey
のHSD
法に よる下 位 検 定の結 果,
高 確 率 条 件で は,
低 確 率 条 件よ り反 応 時 間が有 意に短かっ
た (p
<.
005
)。
また,
第3,
第4,
第5
ブ ロ ッ クで は第1
ブ ロ ッ クよ り も反応時 間が有意 に短 かっ
た (そ れ ぞ れp
<,
005
;p
〈.
001
;p
<.
001
)o
900T3800
ε
0700葦
り =600
.
9
悶 500差
400
一
〇一
ト{igh−
●− Low
1
2
3
4
5
610ckFigure 2
.
Reaction times of the high proba−
bility and the low probab正lity condition in
Experiment
1.
Error
bars
indicate
their stan−
dard
errors.
=
0,
05,
n.
s.
;F
(1,8
);O.
14,
n.
s.
}1}。
つ ま り,
確率情 報に対 する気づ きの 有 無に か か わ らず,
ター
ゲッ ト出 現 確 率 は,
反 応 時 間に反 映された。
007 006 oo5 004(
冨窪
冨
蕋芒
2
り 結 差 口High ■Low一
一
一
一
一
」
Awa
『eNot
awarePerticiPants■
awareness
Figure
3.
The
relationshipbetween
reactiontimes and
participants
’
awareness aboutprobabilistic information in Experiment l
.
Error bars indicate
their
standard errors.
実験 後
,
実 験 参 加 者は左 右の枠における 夕一
ゲッ ト出 現 確 率が異な っ て い た か否か を判断し た。 そ の結果,
10 名 中6
名が高確率 条 件と低確 率 条 件の ター
ゲ ッ ト出現 確 率が異な っ て い た と判 断し た。
高 確 率 条 件と低 確 率 条 件の比 率 を 推 定させ た とこ ろ,
3
名は7
:3,
他の3
名は 3:2 と報告 し た。 残 り4名は,
高 確 率 条 件と低 確 率 条 件 の 夕一
ゲッ ト出 現 確 率は同 程 度で あっ た と報 告 し た。 こ の確 率情報に対 する気づ きの結 果と,
実 際の 課 題成績の 関 係 を 検討す る た めに,
確率の違い に気づいた実 験 参 加 者 (6名 )と気づ か な かっ
た実 験 参 加 者 (4名 )の反 応 時 間 を比 較 し た、
その結 果 をFigure
3
に示 す。 実 験 参 加者 の気づ き (有,
無 )を実 験 参 加 者 間 要 因,
ター
ゲッ ト出 現 確 率 (高 確 率,
低 確 率 ) を 実 験 参 加 者 内 要 因と して2
要 因 分 散分 析を 行 っ た ところ,
ター
ゲ ッ ト出現確率の 主 効 果は有 意で あっ た が (F(1,
8)=
12.
9,p
<.
01),
気づ きの 卞効果 や,
2
要 因の交互 作 用 は 有 意で は な か っ た (F
(1,
8
) 考 察 実 験 1で は,
夕一
ゲッ トの 出 現 確 率が 注 意 配 分に及 ぼ す影 響につ い て検討 し た。 本 実 験の 主要な結果 は,
高 確 率で呈 示され た位 置にお ける ター
ゲ ッ トの 処 理 が,
低確 率で呈示された位 置にお ける処 理よ りも速かっ たことで ある。 これ は夕一
ゲ ッ トの出現位置 確率が注 意の 手が か り として機 能する こ と を示 唆する。 ま た,
高確 率 条 件と 低 確 率 条 件の 反 応 時 間の違い は第 1ブロ ッ クか らす で に顕 著で あっ た (Figure 2)。
こ の こ と は,
少な くと も最 初の 80 試 行の間に, 高確率で ター
ゲッ トが出 現す る位 置に注 意が 向 けら れ た こ と を示 唆する。 本 実 験で は ブ ロ ッ ク が進むにつれて,
ター
ゲッ ト に対 する反 応が速 く なっ た こと か ら,
課題に対す る学習も進んで い た と考え ら れる。
し か し交互作 用が な かっ た こと か ら,
こ の学 習 効果が ター
ゲッ ト出現 確 率に依 存し た もので あ る可 能 性 は低い。 ま た,
確 率 情 報に対 する気づ きに は実 験 参 加 者 間で個 人 差が 見 ら れ たに もか かわ らず,
確 率の 違い に気づい た 実 験参加者と気づ か な かっ
た実 験参加 者の課 題成 績に有 意 差はな く,
両 群ともに類 似し た反 応パ ター
ンを示し た (Figure
3
)。
空間的な確 率 情 報が観 察 者の気づ き な しに 注 意の手が かりと な るこ と は 先行 研究で も報 告さ れてお り (Geng & Behrmann,
2002,
2005 ),
本 研 究の実 験 結 果 もこれ ら と一
致 する。 こ の 結果は, ター
ゲ ッ ト出現位置 に関す る確 率 情 報は,
教示な どで明 示 的に与え ら れ る 確 率 情 報と は行 動へ の反 映の され方が異な る可 能 性を示 唆 す る。 実 験2a
実 験1
の結 果か ら,
夕一
ゲッ トの 出 現 位 置にっ い て の 確率情報は, 実験参加 者の気づきに関 係な く,
注 意 配分 に影 響す る と考え ら れ る。 しか し,
実 験1
で 見 ら れ た処 理特 性が,
ター
ゲッ トの出 現 位 置以外の確 率 情 報に も当 て は ま るかど う か は明ら か で ない。
ター
ゲ ッ トの 出 現 確 率が空 間位置によっ て 異な る場 合,
その確率 情報は注 意 を向ける空 間 位 置に直 結してい るが,
先 行 手が か りや周 辺 刺 激な ど,
他の呈示項 目との連 合に よっ て ター
ゲッ ト 出現 確率が操 作さ れ た場 合,
その確率 情 報は連 合 項 目と IT 検 定 力 分 析 (Power Analysis )の結 果,
気づ きのキ 効 果, 出現確率の主効 果, 2 要因交互作用の検 定力 は,
そ れ ぞ れ 0.
86,
0.
99,0.
79 と高い値を示 し た。直結 し
,
注意を向ける空間 位 置との直 接 性は弱ま る。
そ こ で本 実 験で は,
夕一
ゲッ ト の出 現 確 率が枠の形態に よっ て異な る場合に,
実 験1
と同様に,
注意配分に影 響 す るのか検 討し た。 方 法 実 験 参 加 者 大 学 生・
大学院 生10
名 (男 性3
名,
女 性7
名,
22
歳か ら30
歳,
平 均 年 齢24.
5歳 )が実 験に参 加し た。 すべての 実 験 参 加 者は視 力 も し くは矯 正 視 力が 正 常で あっ た。 刺 激 実 験 1で は枠の形 態は左 右とも正 方 形で あっ た が,
実 験2
で は一
方の枠は正 方 形,
もう一
方の 枠は円 形に し た。 刺 激に関する そ れ 以外の点にっ いて は実 験 1 と同 様で あっ た。 手 続き 本 実 験で は,
ター
ゲッ ト出現 確率は 枠の形態 に よっ
て異なっ た。 1 ブロ ッ クあたり64
試 行 (全 体の80
% )の ター
ゲッ ト存 在 試 行の う ち,48
試 行 (全 体の60
%)で は ター
ゲッ ト は特 定の形 態の 枠 内に現れ (高 確 率 条 件 ),
16試 行 (全 体の 20% )で はも う一
一
方の形 態の 枠 内に現れた (低 確 率 条 件)。
それ ぞ れの枠は均 等な確 率 で所 定の空間 位 置に呈示さ れ た。 高 確 率 条 件と低 確 率 条 件に対 応 する枠の形 態は実 験 参 加 者 間で カ ウン ター
バ ラ ン ス が と ら れ た。 手 続きに関 する そ れ以 外の点っ い て は 実 験 1と同 様で あっ た。
実験デ ザ イ ン 実験1
同 様, 実験は 夕一
ゲッ ト出現 確 率 (2
水 準:高 確 率,
低 確 率 )と ブロ ッ ク (5
水 準:1〜
5
ブロ ッ ク)の実 験 参 加 者 内2
要 因 計画にて行わ れ た。
結 果 ター
ゲッ ト弁 別の平 均 誤 答 率は 4.
3%で あっ た。 ター
ゲ ッ トの 傾き判 断に正 答し た試 行の 反 応 時 間の みを分 析 対 象と し たa 各 確 率 条 件の プロ・
ソク問の反 応 時 間の推 移 をFigure
4 に 示す。
これ らの デー
タにつ い て,
ター
ゲッ ト出現 確 率 (高 確率,
低 確 率 )とブロ ッ ク (1〜5
ブロ ッ ク)を実 験 参 加 者 内 要 因と して2
要 因 分 散 分 析を行っ た。 その結果, ブロ ッ クの キ効 果の み が有意で あっ た (F(4,
36);
5.
29,
p
く.
005
)。 ター
ゲ ッ ト出 現 確率の主効果 や 夕一
ゲ ッ ト出 現 確 率× ブロ ッ ク の交 互 作 用は有 意で は な かっ た (F
(L9
);O.
96,
n.
s.
;F
(4,
36
);1.
22,
n.
s.
}。 Tukey の HSD 法に よ る下 位 検 定の結 果,
第 1ブロ ッ ク と第 4,
第 5 ブロ ッ クの 反 応 時 間の 差に有 意傾向が見 ら れた (それ ぞ れp =.
07
;p =.
07
)。
実 験 後,
実 験 参 加 者は それぞ れの枠における ター
ゲッ ト出現 確 率が異な っ て い た か否かを 判 断 し た。 そ の結 果,
10名 中 6名が高確率 条 件と 低 確率 条 件の ター
ゲッ ト出現 確 率が異なっ ていたと判断 した。
高 確 率 条 件 と低900T
$800
三
e700三
り =600
.
Ω ぢ 娜500
遷
400
1
2
3
4
5
Block
Figure 4
.
React正on times of the high proba−
bility
and thelow
probability conditionin
Experiment
2a.
Error
bars
indicate
theirstandard errors
.
700 宣 霧 ≡− 600
り至
霊
2500
田
配400
Awa
「eNot
awarePa「
tiCip8nts
’a瓢 コreneSSFigure 5
.
The relationship between reactiontLmes and participantsl awareness about
probabilistic
information
in
Experiment
2a.
Error bars indicate their standard errors
.
確 率 条 件の比 率 を推 定させ た と ころ
,
2名 は 2:1,
3名 は3
:2,1
名は2
:3
と報 告し た。 残り4
名は,
高確率 条 件と低 確 率 条 件の ター
ゲ ッ ト出 現 確 率は同 程 度で あっ た と報 告した。 こ の確率情報に対する気づきの結果と, 実 際の課題成績の関 係を検討す る た めに, 確率の違いに気 づい た実 験 参 加 者 (5名 )と気づ かなかっ た実 験 参 加 者 (4
名 )の 反 応時 間を比較し た。 な お,2
:3
と推定し た1
名の実 験 参加 者の デー
タ は報 告さ れ た推定結果が実際の 確 率の高 低と 逆であっ
た たあ,
あ ら か じめ この 分 析か ら は除 外 した。
その結 果 をFigure
5
に示 す。
実 験 参 加 者の 気づ き (有,
無 )を実 験参加者 間 要 因,
ター
ゲ ッ ト出現 確 率 (高 確 率,
低 確 率 )を実 験 参 加 者 内 要 因と して 2要 因分散分 析を行っ
た ところ,
すべ て の主 効果 お よ び交 互 作 用は有 意で はな かっ た (F(1,
7>=0.
05,
n.
s.
;F〔1,
7)=
0.
24,
n.
s.
;F
(1,
7
)=0.
05,
n.
s.
)2〕。 つ まり,
確率情 報に対 す る気づ きの有 無に か か わ らず,
枠の形 態と連 合した 夕一
ゲ ッ ト出現 確 率は,
反 応 時 間に影 響 を 与え な かっ た。
考 察 実 験2a
で は,
ター
ゲッ ト出 現 確率が高い枠と低い枠 における反 応 時 間に有 意 差は な かっ
た。 この結 果は,
枠 の形 態と夕一
ゲッ ト出 現 位 置との連 合とい う,
空 間と間 接 的な条 件 に よ っ て 付 与 さ れた 確 率 情 報は,
教示 や フィー
ドバ ッ ク な ど を通 して明 示 的に確率情報が与え ら れな い場 合に は注 意の手が か り と して機 能 しな い こ とを 示 唆 する。
実 験1
と同様に,
実験 後に実 験参加者に ター
ゲッ トの 出現確 率を 主観 的に推 定させ た結 果,
本 実 験で も確 率 情 報に対 する気づ きに は実 験 参 加 者 間で個 人 差 が 見 られた,,
しか し,
気づ きの有 無にか か わ ら ず,
確 率の違いに気づ い た実 験 参 加 者と気づ か な かっ
た実 験 参 加 者の 課 題 成 績に 有 意 差はな く,
確 率の違いを 報 告 した実 験 参 加 者であっ て も,
ター
ゲ ッ ト弁別の反 応時 間に出現 確率が 反 映 さ れ ることはな かっ
た (Figure 5)。 本 研 究で は実 験 1,
2a 共 に,
夕一
ゲ ッ ト弁 別 課 題の反 応 時 間で は実 験 参 加 者 間に一
貫 性のあ る 結果が得ら れた.
一
方で, 出現確率の 主観的 推定で は個 人 差が顕 著に見 ら れ た。 フ ィー
ドバ ッ クの情 報価の 高さ と手が か り刺 激の妥 当 性の学 習との関 係にっ い て検 討 し た研 究で は,
毎 試 行の反 応に対 して情 報 価の 高い フ ィー
ドバ ッ クが与え られる条件で は cue validity の効 果は大きく,
フ ィー
ドバ ッ クが与え られ ない条 件では
,
cue validity の効 果は小さかっ た (Droll
et aL,
2009
)eし か し興 味 深い ことに
,
実 験後 に cue validity を実 験 参 加 者に主 観 的に推 定 させた ところ,
フ ィー
ドバ ッ ク が な くcue validity の効果 が 小 さ かっ た 条件で も,
推 定結 果 はフ ィー
ドバ ッ クの あ る条 件と同 程 度の 正 確さ を保っ
て いた。
こ の知 見は,
行 動 と主 観 的 推 定の 結 果 が 必 ずしも一
致し ないとい う点で 本研究 の実 験 結 果 と一
致す る。 実 験2b
夕一
ゲ ッ ト出現 確率が枠の形態によっ て異な る場 合,
そ の確率情 報は注 意 配 分に影 響を与えなか っ た。
先 行研 究の 中に は オ ブ ジェ ク ト の種 類や色特 徴など,
空 間位置 以 外に関 する確 率情報が注 意 配分に及ぼ す効果を報告 し た研究 も存 在 する (Droll et al.
,
2007,
2009;Fecteau et al.
,
2009)。
これ ら の先 行 研 究は本研究の実 験2a
を比較す 2}検 定 力分析 〔Power
Analysis
)の 結 果,
気づ きの主 効 果,
出 現 確 率の主 効 果,
2要 因 交 互 作 用の検 定 力 は,
そ れ ぞれ0.
86,0.
73,0.
86
と高い値を示し た。 る と,
ター
ゲ ッ ト に対す る確 率 操作の直接性や明 示性が 高い。
例えば,
Fecteau et aL (2009)は,
ター
ゲ ッ ト自体 の色 を確 率 的に操 作 することで ター
ゲッ ト弁 別における 色 確率の効 果 を 見い だした。 ま た,Droll
et al.
(2009
〕は,
情 報 価の 高い フ ィー
ドバ ッ ク に よ っ て間 接 的な確率手が か りが利 用 可 能に なること を示 した。 それゆ え,
夕一
ゲッ トに対 して 間接 的に 付 与さ れ た 確率 情 報で も,
その明示 性を高め るこ とに よっ て注 意の 手が か りと して機能す る nJ能 性がある と考えられる。
この 可能 性を検 討 する た め に,
実験 2b で は,
あ らか じめ実 験参加 者に明示 的に確 率 情報を与え た う えで, 実験2a
と同様の課 題を行っ た。 方 法 実 験 参 加 者 大 学 生・
大 学 院生 10 名 (男.
陸3名,
女 性7
名,
20
歳 から44
歳,
平 均 年 齢26.
0
歳 )が実 験に参 加し た。 すべ ての 実 験 参 加 者は視力 も し く は矯rF
視 力が 正 常で あっ
た。 刺 激 実 験2a
と 同 様の刺 激 を用い た。
手 続き 実 験 2b で は 実 験 1,
2a と 異 な り,
実験前に 確 率 操 作に つ い て の情 報が明 示 的に実 験 参 加 者に与え ら れ た。
実 験 参 加 者はあら か じ め枠の 形 態が ター
ゲ ッ ト出 現 位 置を示す手が か りに な るこ と を知っ た う えで課 題を 行っ
た。
手 続きに 関 する そ れ 以外の点っ い て は実 験 2a と同 様であ っ た。 実 験デ ザ イ ン 実 験1,2a
同様,
実 験は ター
ゲ ッ トLh
現 確率 (2 水準:高 確率,
低確率)と ブロ ッ ク (5 水準:1〜
5 ブロ ッ ク)の実 験 参 加 者 内2
要 因 計 画に て行わ れ た。
結 果 夕一
ゲ ッ ト弁 別の 平均誤答 率は 2,
8%で あっ た。 ター
ゲッ ト の傾 き判 断に正 答 した試 行の反 応 時間の みを分析 対 象と し た。 各確率条 件の ブロ ッ ク間の反応時 間の推移 を Figure 6に示 す。
これ らの デー
タ につ い て,
ター
ゲ ッ ト出 現 確 率 〔高 確 率,
低 確 率 )とブロ ッ ク (1〜5
ブロ ッ ク) を 実 験 参 加者 内 要因 と して 2要 因 分 散 分 析を行っ た。 そ の結 果,
夕一
ゲッ ト出 現 確 率の主 効 果 とブロ ッ ク の主 効 果がそれ ぞ れ有 意であ っ た (F
〔1,
9
}=9.
34,
p
〈.
05
;F
(4,36
)=13.
6,
p
〈.
001>3)。 夕一
ゲッ ト出現 確 率× ブロ ッ ク の交 互 作 用は有 意で はな かっ た(F
(4,
36
〕=O.
51,
n.
s.
)。 Tukey の llSI)法によ る 下 位 検 定の結 果,
高 確率条件で は, 低 確 率 条 件より反 応 時 間が有 意に短か っ た φく.
05)。 31 第1
ブ ロ ッ ク か ら順に,
高確率 条件の 平 均 値は 700,636 ,
575,
534,538
ms,
標 準 誤 差は64,43,
33,
25,
23ms,
低 確率 条件の 平均 値は744,639 ,
598,559,552ms ,
標 準誤 差は64,
42,
44,
30,
23 ms であっ た。
gooT
$
800Ee700
∈ = 冩6002N500
差
400
一
〇−High
十LOW
1
2
3
4
5
Block
Figure 6
,
Reaction times of the h正gh proba−
bility and the
low
probability conditionin
Experiment
2b.
Error
bars
jndicate
theirstandard errors
.
ま た, 第2,
eg
3,
第 4,
第 5 ブロ ッ クで は第1
ブロ ッ ク より も反 応 時 間が有 意に短 く (それ ぞ れp
<.
05;p
く.
001
;p
く.
001
),
第4,
第5
ブロ ッ クで は第2
ブ ロ ッ ク よ りも反応時 間が有 意に短か っ た (そ れ ぞ れp
<.
05;p
<.
05)。
考 察 実 験 2b で は,
実 験 参 加 者に確 率 操 作につ い て の情 報 が 明 示的に与え ら れ た場 合に,
枠の 形態と連 合し た ター
ゲッ ト出 現 確 率が注 意 配 分に影 響を及ぼ す か否か を検 討 した。
その結 果,
実 験 2aで は見 られ な か っ た確 率 条 件 問の 反 応 時 間の有 意 差が本実 験で は見ら れ た。 つ まり, 枠の形 態と連 合 した ター
ゲッ ト出 現 確 率は,
明 示 的に確 率 情 報が 与 え ら れ れ ば注 意の 手が か り と して 機 能 するこ と が示された。 ただ し,
本 実 験で の 高 確 率 条 件と低 確 率 条 件の反 応 時 間 差は実 験1
に比べ る と小さ か っ た。 こ の こと か ら,
枠 の形 態と連 合し た ター
ゲッ ト出現 確 率は,
明 示 的に確 率 情報が 呈示さ れ れ ば注 意の手が か りと な る もの の,
空 間 位 置にお け る出現 確 率と 比べ る と , その効果 は小さい と 考え ら れ る。
総 合 考 察 本 研 究で は, ター
ゲ ッ ト出現確率が空間位置に よっ て 異な る場 合 と,
枠の形 態に よっ て異な る場 合にっ い て,
確 率 情 報が注 意 配 分に与え る影 響を検討し た。 本研究に お け る第一
の発 見は,
同 じ 出現 確 率で あっ て も,
そ れ を 操 作す る対 象に よっ て情 報 処理の特 性が大き く異な るこ と がわかっ た 点で ある。 実 験 1と実 験2a
で は,
ター
ゲ ッ ト出 現 確 率の付 与方 法 以 外の 実 験 操 作はすべ て 同 じ で あ っ た が,
2 つ の 実 験の結果は全 く 異 な っ て い た。
ター
ゲッ ト出現 確率は位置に よっ て操 作さ れ た と きに は 実験参 加者がそ の操作に気づ い て い な くて も反 応 時 間に 反 映された の に対し,
枠の形 態と の連 合に よ っ て操 作さ れ た と きに は 反応時間に反映さ れ ること は な かっ た。 こ の結 果の相 違は,
ター
ゲッ ト出現 確 率が注 意の手が か り と な る か否か は確率情 報の付 与の さ れ方に よっ て決ま る こ と を示 峻する。 ター
ゲ ッ ト の 出 現 確 率が 空 間 位 置に よ っ て異な る場 合に は,
その確 率 情 報は観察者が空間的 注 意 を 確率の高い 位置に定位さ せる こと と直接 的に結び つ く。 そ の た め確 率 操 作につ い て の明 示 的な情 報が少な い状 況 下でも,
注 意の定 位の履 歴が観 察 者の意 識 的 気づ きの有無にか か わ ら ず蓄 積さ れ,
注 意 配分に影 響を与え た と考え られる。 先 行 研 究の多 く も,
夕一
ゲッ ト出 現 位 置につ いての確 率 情 報が注 意の手が か り と な ることを 示 唆してお り (Fecteau
et aL,
2009;Gerlg
&Behrmann,
2002,
2005 ),
本 研 究の結 果 もこれ らの 知 見に一
致 する。 た だ し,
特 定の 位置 にお け る ター
ゲ’
ッ ト出 現 確率を高 める こと は,
同 時に,
その位 置に ター
ゲッ トが反 復して 出 現 する割 合 も高め るこ と に な るた め,
実 験 1で 見ら れ た確 率 効 果の背 景には,
出 現 確 率と反 復 頻 度の2
っ の要 因 が あると考 え ら れる。
本 実 験で は試 行の呈 示 順 序 がラ ンダムで あ り, ター
ゲッ トの位 置 反 復の 頻 度が実 験 参 加 者 間で異なる4〕こと か ら,
これらの要 因の効 果を分 離 す るこ と が 困難であ っ た。
位置確 率に基づ く注 意配分の形 成にお け る確 率 分 布と位 置 反 復の効 果を明 確にす ること は今 後の重 要な課 題の 1っ である。
一
方,
夕一
ゲッ トの 出現確率が枠の形 態によっ て 異な る場 合に は,
注 意が定 位 する空 間 位 置 自体と確 率 情 報の 結びっ きは間接的に な るc そ の た め,
こ の情 報を注 意の 手が かりと す る た め に は, 確率 操作にっ い ての明示 的な 教 示が必 要である可 能 性が示 唆される。
ター
ゲッ トへ の 反 応を要す る 課題で は,
ター
ゲッ トを定 義 する属 性に特 化 した構え が形 成さ れ る た め,
ター
ゲッ トと類似 性の高 い特 徴をもっ 周 辺 刺 激に は注 意が捕 捉される こと が報 告さ れて い る(
Folk
&Remington ,1998
;Folk,
Reming −
ton,
&Johnston,
1992)。 本 研 究で は,
実 験 課題 が ター
ゲッ トの回 転方 向の弁別であっ た た め,
それに特 化 した 注 意の構え が形 成された こと が,
枠の形 態 情 報を手が か りと して利 用で き な かっ た原 因で あ っ た可能性も あ る。 4♪連続す る2
試 行に お い て ター
ゲ ッ ト の出現位i
が 反 復 する頻 度は,
高 確 率 条 件で 55〜
61%,
低 確 率 条 件で 15〜
24%で あっ た。確率情 報を操作す るにあ た っ て, 夕
一
ゲ ッ ト と連合さ せ る周 辺 刺 激の属 性を変え る ことで,
確 率 情報の注 意に及 ぼ す 効 果 も変わ る可 能 性がある。
第二の発見は,
確率情 報にっ い ての 気づきの 有無は,
反応時 間に影 響 し な い こ と が わ か っ た点で ある。 実 験 1 と実 験2a
で は,
課 題 終了後に ター
ゲッ ト の出 現 確 率に つ い て実 験 参 加者に尋ね た ところ,
両 実 験 と も,
約 半数 の実 験 参 加 者は確 率の違いを 報 告 し た が,
残 り半 数の実 験 参 加 者は確 率は同 程 度であっ た と報 告 した。
しかし,
こ の よ う な個人 差 が あ っ たに も か か わ らず,
反応時間の デー
タ は実 験ご とに同じ傾 向を示して いた。 本研究で実 験 参 加 者が確 率 情 報にっ い て の主観 的 推 定を行っ たの は すべ て の課 題が終 了 した後であっ た た め,
課 題 中に実 験 参加 者が どの程度 確 率 情 報に気づい て い たの か は定かで はない。 また,
知覚処 理の 顕 在 性や潜 在 性の判 断にっ い て は妥 当 性の高い指 標 を 巡っ て議 論 が 続い て い ることか ら(Reingold,2QO4
),
確 率情 報が どの 意 識 レ ベ ル で処 理 さ れて い るの か につ い て は今 後 慎重に検 討を 進め るべ き で あ ろう。
いずれにせ よ,
本 研 究で示さ れ た実 験 結 果か ら,
ター
ゲ ッ ト に直 接 的な確 率手がか り は,
確 率情 報に 対す る観 察 者の 気づ きに関 係な く 注 意配分に影 響す る が,
間 接 的な確 率 手がか りは,
確 率 情 報が 明 示 的に示さ れ ない限り, 注 意 配分に影響し ない こ と が示 唆さ れ る。 本研 究で は,
80 試 行の ブロ ッ クご とに確 率 条件 問の 反応時 間の推 移を分 析 し た が,
実.
験 1で は第 1 ブロ ッ ク か ら確 率 条件 間の反 応 時 間に差が見ら れ た。 その ため,
過去の 試行 履歴 が どの 程 度,
反 応時 間に反映 さ れて い る のか は明 らかに で き な かっ た。 過 去の試 行 経 験 が 注 意に 影 響 するメ カニ ズムにっ い て は試 行 履 歴の統 計 的 学 習に 基づ くとい う立 場 (Droll
et al.
,2007,
2009 ;Geng
& Behrmann,
2002,
2005>と試 行 間プラ.
イ ミングに基づ く とい う立 場 (Hillstrom
,2000
;Maljkovic
&Naka −
yama
,1994,
1996;Walthew
&Gilchrist
,2006
>があ り,
議 論が続い て い る。
現 在の と ころ,
どちらを支 持す る 証拠 も存 在す るこ と か ら,
確率情報の 付 与方 法に よっ て優 先 的に機 能す る処理メ カニ ズムが決 定さ れる とい う 可能性も考え ら れる。 確率的な手が か り と して 利用さ れ る試行 履 歴の範 囲や,
付 与 方 法と処理 メカニ ズム の より 詳 細な対 応 関 係を明らか にする た め には,
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