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倒立振子モデルの形成をめざした下肢装具を用いた歩行トレーニングの実践により歩行能力が向上した片麻痺を呈した2 症例

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Academic year: 2021

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(1)理学療法学 第 38 46 巻第 1 号 38 ∼ 46 頁(2019 年) 理学療法学 第 46 巻第 1 号. 症例報告. 倒立振子モデルの形成をめざした下肢装具を用いた 歩行トレーニングの実践により歩行能力が 向上した片麻痺を呈した 2 症例* 門 脇   敬 1) 阿 部 浩 明 2)# 辻 本 直 秀 2)3). 要旨 【目的】片麻痺を呈した 2 症例に対し,下肢装具を用いて倒立振子モデルの形成をめざした歩行練習を施 行し,歩行能力と歩容の改善を認めたため報告する。 【対象と方法】麻痺側下肢の支持性が低下し歩行が 全介助であった重度片麻痺例に対し,足部に可動性を有す長下肢装具(以下,KAFO)を用いて前型歩行 練習を施行した。また,無装具で独歩可能だが歩容異常を呈した生活期片麻痺例に対し,あえて下肢装具 を用いて歩行練習を実施した。 【結果】重度片麻痺例は下肢の支持性が向上し,倒立振子を形成した歩容 での歩行を獲得した。生活期片麻痺例においても歩行能力と歩容が改善した。 【結論】重度片麻痺例に対 する KAFO を用いた前型歩行練習は,下肢の支持性を向上させ,より高い歩行能力を獲得することに貢 献できる可能性がある。また,無装具でも歩行可能な片麻痺例の歩行能力や歩容の改善においても下肢装 具を用いて倒立振子を再現する歩行練習を応用できる可能性があると思われた。 キーワード 片麻痺,倒立振子モデル,下肢装具. つま先(Forefoot Rocker,Toe Rocker)を軸に回転し. はじめに. 4) ながら,身体全体が前方へ移動する 。しかし,脳卒中.  歩行における力学的な特徴として倒立振子モデル (Inverted Pendulum:以下,IP)が知られており,立. 片麻痺者(以下,片麻痺者)は,運動障害が重度である ほど Rocker 機能の起点となる HR が機能せず. 5). ,麻痺. 脚初期に生じた運動エネルギーが中期には位置エネル. 側立脚期に膝関節が急激に伸展する Extension Thrust. ギーへと変換され,その後,後期にかけて再度運動エネ. Pattern(以下,ETP)や麻痺側立脚期に膝関節が過屈. ルギーへと置き変わる。この運動エネルギーと位置エネ. 曲する Buckling Knee Pattern(以下,BKP)といった. ルギーの変換が滞りなく行われることで効率的な歩行を. 特徴的な歩容異常を呈する場合が多く. 可能としている Perry. 3). 1)2). 。そして,IP を形成するためには,. が提唱した 4 つの Rocker 機能が重要となる。. 6)7). ,麻痺側下肢. が IP を形成できず非対称な歩行様式となり,このこと は歩行速度の低下. 6)7). を招く。. すなわち,立脚初期には踵(Heel Rocker:以下,HR) ,.  歩行の再建をめざした片麻痺者の歩行練習に際し,し. 中期には足関節(Ankle Rocker) ,後期には前足部から. ばしば短下肢装具(Ankle Foot Orthosis:以下,AFO). *. Improvement of Walking Ability by Practicing Gait Training using an Orthosis Intended to Reconstruct an Inverted Pendulum Model in Two Hemiplegic Patients 1)大崎市民病院鳴子温泉分院リハビリテーション室 Kei Kadowaki, PT: Department of Rehabilitation, Osaki Citizen Naruko Branch Hospital 2)一般財団法人広南会広南病院リハビリテーション科 (〒 982‒8523 宮城県仙台市太白区長町南 4‒20‒1) Hiroaki Abe, PT, PhD, Naohide Tsujimoto, PT: Department of Rehabilitation Medicine, Kohnan Hospital 3)西大和リハビリテーション病院リハビリテーション部 Naohide Tsujimoto, PT: Department of Rehabilitation Medicine, Nishiyamato Rehabilitation Hospital # E-mail: abehi0827@gmail.com (受付日 2018 年 2 月 27 日/受理日 2018 年 9 月 5 日) [J-STAGE での早期公開日 2018 年 11 月 15 日]. が利用され,AFO を用いた歩行練習はエビデンスのあ るリハビリテーション(以下,リハ)の一手段となって いる. 8‒13). 。本邦においては,AFO のタイプとして靴べ. ら式短下肢装具(以下,シューホーンブレース)が広く 処方されている. 14‒16). 。山本は,シューホーンブレース. のように固定を主たる目的とした AFO では,初期接地 (Initial Contact:以下,IC)後に急激な膝関節の屈曲を 招き,IP を形成し難いことを指摘した. 17). 。そして,多. くの片麻痺者に対して歩行分析を行った結果,AFO で もっとも重要な機能は立脚初期の HR における前脛骨筋.

(2) 倒立振子モデルの形成をめざした片麻痺例の歩行練習. 39. 図 1 症例 1 の CT 画像(28 病日). 24‒30). の遠心性収縮を補助する機能であることを見いだし,下. 練習に関する報告が散見されるようになった. 肢装具用油圧式足継手(川村義肢社製,以下,油圧式足. かし,これらの報告はほとんどが総説であり,前述した. 4) 継手)を開発した 。慢性期の片麻痺者に対し,油圧式. ETP や BKP といった歩容異常を呈する片麻痺者に対し. 足継手付 AFO を使用した歩行練習を 3 週間実施したと. て IP を再構築する過程について詳細に記述されたもの. ころ,歩行速度や非麻痺側ステップ長の改善が図れ,さ. は多くない。. らに麻痺側立脚期における重心の高さが上昇し,そのう.  これまで,油圧式足継手を備えた KAFO や,軟性膝. え,麻痺側立脚期最大背屈角度,最大底屈モーメントの. 装具と油圧式足継手付 AFO を利用して,IP の形成を意. 増加などの Ankle Rocker の改善を示す効果が得られた. 識した前型歩行練習を実践し歩行能力と歩容が改善した. 18). 。し. 。つまり,油圧式足継手付. 症例を複数例経験した。各症例の経過を詳細に記述する. AFO によって HR 機能を補助した状態で歩行練習を行. ことは,神経理学療法領域における臨床実践および新た. うことにより HR 以降のフェーズである Ankle Rocker. な研究の発展へ寄与する因子となり得ると思われるた. が副次的に機能するようになり,IP を形成した歩容へと. め,発症から 1 ヵ月が経過した時点で,麻痺側下肢の支. 改善できる可能性があることを示唆している。ところで,. 持性低下により歩行困難であった重度片麻痺の 1 例と,. 重度片麻痺者の場合,麻痺側下肢筋力は著しく低下し,. 重度片麻痺例とは異なるものの,IP を形成できず,歩. IP を形成した歩容に必要となる膝関節や股関節の伸展. 容異常を呈した稀有な疾患である進行性の血管奇形に. モーメントがきわめて不足する。麻痺側下肢の支持性が. 伴って片麻痺を呈した若年の生活期片麻痺の 1 例に対す. 低下した重度片麻痺者に対しては,早期の立位・歩行の. る理学療法経過について報告する。. ことが報告されている. 獲得を目的に長下肢装具(Knee Ankle Foot Orthosis: 以下,KAFO)が処方され,積極的な立位・歩行練習を. 症 例 1. 行うといった取り組みがなされてきたが,足部に関して. 1.理学療法初回評価(36 病日). はシューホーンブレースやダブルクレンザック継手といっ.  50 歳代女性。発症前の Activities of Daily Living(以. た固定性のあるものが採用される傾向があった. 19‒22). 。. 下,ADL)はすべて自立していた。入浴中に右半身の. しかし,足部が固定された KAFO では,HR における足. 脱力を認めたため近院へ救急搬送された。左被殻出血の. 関節底屈可動域と重心を前方へ推進させるうえで必要な. 診断で同日に内視鏡下血腫除去術が施行された。7 ∼ 33. 23). が制限されるため,Rocker 機能を. 病日まで急性期病院にてリハが実施されたが,尿路感染. 活用できず,IP を形成した歩容を学習するうえで最適な. 症による熱発や起立性低血圧の合併によって離床が進ま. 状態とは言い難い。IP を形成した歩容を学習するために. ず,歩行まで実施するには至らなかった。36 病日にリ. は,足部可動性を有する必要があり,その足部機構を活. ハの継続を目的に当院へ転院となった。当院転院後より. 用した前型歩行を反復して練習する必要があると思われ. 直ちに理学療法士,作業療法士,言語聴覚士による介入. る。近年,油圧式足継手付 KAFO を利用した前型歩行. が開始された。28 病日に撮像された CT 画像を図 1 に. 足関節背屈可動域.

(3) 40. 理学療法学 第 46 巻第 1 号. 表 1 理学療法プログラムの経時的変化 症例 1. 36 病日. 96 病日. 119 病日. 126 病日. 軟性膝装具 +GSD 歩行練習 本人用 KAFO 歩行練習 起立練習 ブリッジング 起居動作練習 平行棒内 AFO 歩行練習 四脚杖 +AFO 歩行練習 屋外歩行練習 階段昇降練習 症例 2. 1 日目. 21 日目. ブリッジング スクワット 軟性膝装具 +GSD 歩行練習 GSD 歩行練習 無装具歩行練習. 示す。低吸収域が側頭極から下側頭回・中側頭回・上側. 2.介入,経過. 頭回の皮質下深部白質に及び,被殻から内包前脚さらに.  片麻痺者の歩行能力は麻痺側下肢筋力との高い相関が. は後脚そして放線冠に広く存在しており,投射線維では. 報告されており. 皮質脊髄路や感覚路の損傷が推察され,運動麻痺および. 筋力を強化する視点が重要となる。近年,油圧式足継手. 感覚障害を呈していることが予測された。また,連合線. 付 KAFO を用いて,麻痺側下肢への荷重と股関節の屈曲. 維では鈎状束,下後頭前頭束,弓状束,上縦束の一部に. 伸展運動を反復する 2 動作前型歩行練習(以下,前型歩. 損傷が及び,左半球損傷であり,失語の出現も推察され. 行練習)は,随意的な筋力発揮が困難な重度片麻痺者に. た。コミュニケーションは,軽度の失語症を呈していた. おいても麻痺側下肢の歩行様筋活動を 3 動作揃え型歩行. が簡単な日常会話は可能であった。Brunnstrom Reco-. 練習より惹起させ得ることが報告されている. very Stage(以下,BRS)は右上肢Ⅰ∼Ⅱ,手指Ⅰ,下. したがって,理学療法プログラムは歩行能力の再獲得を. 肢Ⅱ∼Ⅲで,麻痺側下肢の Manual Muscle Test(以下,. 目標とし,休憩を含め 30 分の下肢装具を利用した歩行練. MMT)は股関節屈曲が 2,伸展が 1,内転・外転が 2,. 習を行うこととした。また,自重を用いた課題指向型ト. 膝関節伸展が 2,屈曲が 1,足関節背屈が 0,底屈が 1. レーニングは下肢筋力およびパフォーマンスの向上に貢. と著明な低下が認められた。非麻痺側下肢 MMT はすべ. 献することが報告されていることから. て 5 で,体幹機能は Trunk Control Test(以下,TCT). 練習として,平行棒内にて麻痺側の下. にて 36/100 点であった。右足関節背屈の ROM は 10° で,. を加えた状態での起立練習を 10 回 3 セットと,分離運動. 感覚は表在・深部ともに軽度鈍麻であった。麻痺側の下. が困難な状況でも,下肢伸展筋活動が触診により明確に. 三頭筋の Modified Ashworth Scale(以下,MAS)は. 把握できる条件であった両脚支持でのブリッジングを 30. 1+ であった。床上の起居動作は軽介助で可能であった. 回 3 セット行うこととした。歩行練習では,当院に備品. が,移乗の際には膝折れが生じるため中等度の介助を要. の油圧式足継手付 KAFO がなかったため,軟性膝装具. した。歩行は平行棒内にて装具を装着せず無装具で評価. と AFO の Gait Solution Design(川村義肢社製,以下,. したところ,IC 時に膝関節屈曲位のまま全足底接地し,. GSD)を併用し,KAFO に見立てた。さらに麻痺側下肢. 直後に膝折れがみられ全介助を要した。また,麻痺側下. への荷重量を増大させることを目的として杖を用いず無. 肢の遊脚はかろうじて可能であったが,IC の接地位置. 杖にて. が定まらないために接地位置を修正する介助を要し,. ることとした。その他に,起居動作を獲得する目的でベッ. Functional Ambulation Category( 以 下,FAC) は 0. ドサイドでの起居動作練習を 10 分実施することとした。. 点であった。Barthel Index(以下,BI)は 40/100 点で. これらのメニューを 1 日に 1 回,週に 5 日間実施するこ. あった。. とを立案した。. 31). ,片麻痺者の歩行再建には麻痺側下肢. 24)26)27). 。. 31). ,下肢筋力強化. を固定する介助. 23‒26). IP の形成を意識した前型歩行練習を実施す.  理学療法プログラムの経時的変化を表 1 に記した。下.

(4) 倒立振子モデルの形成をめざした片麻痺例の歩行練習. a. b. 41. c. 図 2 62 病日の Gait Solution Design(GSD)での歩容(Extension Thrust Pattern)と症例 1 に作製した 油圧式足継手付 Knee Ankle Foot Orthosis(KAFO) a:初期接地から荷重応答期にかけて下 が前傾せず,膝関節は過伸展している,b:Extension Thrust Pattern,c:油圧式足継手付 KAFO,*は介助のループ. 肢筋力強化練習と起居動作練習は滞りなく実施できた. 軟性膝装具にて,膝関節が可能な限り伸展位となるよう. が,歩行練習に関しては,軟性膝装具では支持性を補い. にして前型歩行練習を行った。96 病日に KAFO が完成. きれず,麻痺側下肢へ荷重を促した際に装具内で膝関節. し,完成後に再び筆者が担当することとなった。本人用. が過剰に屈曲し,麻痺側立脚期の短縮と非麻痺側ステッ. KAFO での歩容は,荷重を促した際にみられた膝関節. プ長の低下が目視にて認められ,IP を形成できなかっ. の過剰な屈曲はみられず,麻痺側立脚期および非麻痺側. た。そのため,本人用 KAFO の作製を検討したが,こ. ステップ長の延長が目視にて認められた。この状態で,. の時点で回復期病棟へ転棟となり,筆者から専従スタッ. 体幹が正中位となることに加え,IC から MS にかけて. フへ担当理学療法士が変更となった。担当者変更後,新. 麻痺側股関節が屈曲位から伸展位へ移行すると同時に,. 担当者の判断で本人用の KAFO は作製されず,備品の. 骨盤が前方へ推進することを強調するため,治療者が後. 下肢装具による前型歩行練習が継続された。その後,62. 方から体幹と骨盤部を密着させる介助を加えつつ,無杖. 病日に移乗時の膝折れが軽減したことから,麻痺側下肢. での前型歩行練習を継続した。また,KAFO での歩行. の支持性が向上したと専従スタッフが判断し,軟性膝装. 練習後には,平行棒内にてカットダウンした AFO の状. 具を装着せず,GSD のみでの歩容を平行棒内にて評価. 態で,膝関節伸展位で踵接地し,その後の LR にかけて. した。その際,専従スタッフより相談を受けたため,筆. 油圧式足継手の制動による足関節底屈とともに下. 者もともに評価した。GSD のみでの歩容は IC 時に膝関. 傾するよう意識してもらいつつ歩行する練習を 20 分. 節屈曲位で全足底接地し,荷重応答期(Loading Res-. 行った。なお,この時点で下肢筋力強化練習は平行棒内. ponse:以下,LR)から立脚中期(Mid Stance:以下,. での起立練習のみへと変更した。また,起居動作は自立. MS)にかけて大. したため,起居動作練習を終了した。その後,104 病日. および骨盤が前方へ推進せず,体幹. が前. は前傾し,膝関節は ETP を呈するようになった(図 2a) 。. に 1 回 20 分の四脚杖歩行練習を追加した。119 病日に. そのため,軟性膝装具を装着した状態での歩行練習の継. は四脚杖とカットダウンした油圧式足継手付 AFO を使. 続を検討したが,初回評価時と同様,荷重時に膝関節が. 用して監視で歩行可能となり,10 m 歩行速度(快適). 装具内で過剰に屈曲し,IP を形成できていなかった。. は 35.1 m/min,重複歩距離 80.0 cm となった。この際. IP を形成した状態での前型歩行練習を行うためには,. AFO の油圧設定は IC 直後の底屈運動が適切な速度で. 本人用 KAFO が必用と判断し,72 病日に本人用 KAFO. なされていることを目視で確認して 3 に設定し背屈は制. の採型を行った。KAFO の足継手は外側に油圧式足継. 限せず遊動とした。歩容は,IC 時に膝関節伸展位で踵. 手,内側にダブルクレンザック継手として,膝継手はリ. 接地が可能となり,ETP が軽減した。なお,ETP が軽. ングロックを採用した(図 2c) 。また,麻痺側下肢の IC. 減し,監視歩行が可能となった時点で病棟内での移動手. の位置を調節するために大. 段を車椅子から四脚杖と AFO を使用した歩行へと切り. カフ部に介助用のループを. 取り付けた(図 2c*)。KAFO が完成するまでの間は,. 替え,看護師および看護助手の監視の下で歩行を行い,.

(5) 42. 理学療法学 第 46 巻第 1 号. 表 2 初期・最終評価まとめ 症例 1. 評価項目. 初期評価. Brunnstrom Recovery Stage(BRS*). 下肢 Manual Muscle Test (MMT**). Trunk Control Test (TCT). 症例 2 最終評価. 初期評価. 最終評価. 上肢Ⅰ∼Ⅱ. 上肢Ⅱ. 上肢Ⅴ. 上肢Ⅴ. 手指Ⅰ. 手指Ⅱ. 手指Ⅴ. 手指Ⅴ. 下肢Ⅱ∼Ⅲ. 下肢Ⅲ∼Ⅳ. 下肢Ⅴ. 下肢Ⅴ. 股:屈曲 2 伸展 1. 股:屈曲 4 伸展 4. 股:屈曲 4 伸展 4. 股:屈曲 5 伸展 5.   内転・外転 2.   内転・外転 4.   内転・外転 4.   内転 4 外転 5. 膝:伸展 2 屈曲 1. 膝:伸展 4 屈曲 4. 膝:伸展 5 屈曲 4. 膝:伸展 5 屈曲 5. 足:背屈 0 底屈 1. 足:背屈 2 底屈 2+. 足:背屈 4 底屈 4. 足:背屈 4 底屈 4. 36/100. 87/100. 100/100. 100/100. −. 42.2 m/min. 79.9 m/min. 115.3 m/min. 87.0 cm. 111.1 cm. 153.8 cm. 1+. 1+. 1+. 1+. 0. 5. 5. 5. 40/100. 85/100. 100/100. 100/100. 10 m 歩行 *** 速度 重複歩距離 下. 三頭筋 Modified Ashworth Scale (MAS). Functional Ambulation Category (FAC) Barthel Index (BI). BRS*:症例 1・2 ともに右が麻痺側 下肢 MMT**:症例 1・2 ともに非麻痺側下肢 MMT はすべて 5 10 m 歩行 ***:症例 1 は最終評価時のみ. 図 3 184 病日の Ankle Foot Orthosis(AFO)での歩容. 歩行練習量の増加を図った。理学療法プログラムは,歩. 継手付 AFO(底屈:油圧 3 で制動,背屈:遊動)を使. 容と歩行能力のさらなる改善を目的に起立練習と 1 回. 用して屋内外ともに自立となった(FAC:5 点) 。歩容. 30 分の KAFO による前型歩行練習を継続し,126 病日. は IC 時に膝関節伸展位での踵接地が可能となり,ETP. に四脚杖と AFO 使用下で,病棟内歩行が自立となった。. も改善した(図 3) 。10 m 歩行速度(快適)は 42.2 m/. 歩行自立後は自宅退院を見据えて,屋外歩行練習と階段. min,重複歩距離 87.0 cm へ向上し,BI は 85/100 点と. 昇降練習を追加し,それぞれ 1 回 10 分ずつ行った。. なった。. 3.理学療法最終評価(184 病日). 4.考察.  初期評価と最終評価のまとめを表 2 に記した。BRS.  開始当初,歩行は全介助の状態であったが,下肢筋力. は 上 肢・ 手 指 Ⅱ, 下 肢 Ⅲ ∼ Ⅳ と な り, 麻 痺 側 下 肢 の. 強化練習と油圧式足継手付 KAFO を用いた前型歩行練. MMT は股関節屈曲・伸展・内転・外転が 4,膝関節屈. 習を積極的に実践し,麻痺側下肢筋力および支持性が改. 曲・伸展ともに 4,足関節底屈が 2+,背屈 2 となり,. 善し,屋内外ともに歩行は自立した。. TCT は 87/100 点に改善した。歩行は四脚杖と油圧式足.  経過中にみられた ETP の要因のひとつとして,IC か.

(6) 倒立振子モデルの形成をめざした片麻痺例の歩行練習. 43. 図 4 症例 2 の T1 強調画像(発症後 6 年経過時). ら LR にかけて,HR の作用によって前方に引き出され た膝関節を固定するための膝関節伸展筋力が不足してい る場合,膝関節を反張位に固定する戦略がとられること 3)32). 症 例 2 1.理学療法初回評価(介入 1 日目). ,IC 直後に必要な膝関節伸展.  10 歳 代 後 半 の 男 性。 過 去 に 進 行 性 の 脳 血 管 奇 形. 筋力の不足が関与していると推察した。このような代償. (Cerebral Proliferative Angiopathy)によって間接的血. が多いとされており. 的な歩容では歩行能力のさらなる改善は期待し難いと思. 行再建術を施行された。図 4 に T1 強調画像を示した。. われたため,膝関節伸展筋力を改善させ,IP を形成し. 左半球に広範な散在性の低信号域が確認される。本症例. た歩容へ是正することを目的に本人用 KAFO を作製し. は社会的な理由により術後のリハを実施することができ. た。本人用 KAFO を利用しての前型歩行練習を開始し. なかった。本人・家族が「もっと上手に歩けるようにな. てから約 3 ヵ月後には,麻痺側下肢筋力の全般的な向上. りたい(なってほしい) 」と希望され,当院にて外来に. が 認 め ら れ,ETP が 改 善 し た。 本 人 用 に 作 製 し た. よるリハを施行することとなった。介入時の ADL はす. KAFO と備品の KAFO では,本人用 KAFO のほうが. べて自立していた。軽度の失語症を呈していたが,コ. 立脚期における大. ミュニケーションは可能であった。BRS は右上肢・手. 直筋,半腱様筋,前脛骨筋,腓腹筋 27). 。し. 指・下肢ともにⅤで,右下肢の MMT は股関節屈曲・. たがって,筋電図による検証はできていないが IC から. 伸展・内転・外転が 4,膝関節伸展が 5,屈曲 4,足関. LR における膝関節伸展筋の筋活動をより効果的に引き. 節底・背屈がともに 4 であった。左下肢および体幹筋の. 出せた可能性が考えられる。また,IP を形成するため. MMT はすべて 5 であり,TCT は 100/100 点であった。. には膝関節周囲筋以外にも股関節や下. 感覚は表在・深部ともに軽度鈍麻で,ROM は制限がな. の筋活動が高く得られることが報告されている. 重要であることから. 周囲筋の筋力も. 3)33). ,IP の形成を意識した KAFO. かった。右下. 三頭筋の MAS は 1+ であった。歩行は. での前型歩行練習を長期間継続したことで,IP の形成. 屋内外ともに無装具で独歩可能であったが,IC 時に膝. に関連する下肢筋力の向上が得られた可能性がある。そ. 関節屈曲位での全足底接地が観察され(図 5a),立脚期. して,改善した下肢筋力を活用し,IP を形成した歩容. の全相で膝関節屈曲位のまま推移し,IP は形成されず,. を学習する目的で行った AFO での反復的な歩行練習に. 10 m 歩 行 速 度( 最 大 ) は 79.9 m/min, 重 複 歩 距 離. よって,歩容の是正が図れ,ETP の改善に寄与したと. 111.1 cm であった。. 推察した。  なお,退院から約 7 ヵ月後に当院外来を受診した際に. 2.介入,経過. 確認したところ,歩行補助具が T 字杖へ変更され,歩.  理学療法プログラムは,歩容の改善と歩行速度の向上. 容の悪化は認められなかった。また,快適歩行速度は. を目標とし,下肢筋力強化練習として,右脚支持でのブ. 39.2 m/min であり,退院時とほぼ同等の値であった。. リッジングとスクワットをそれぞれ 50 回 2 セットと,. ADL に関しても退院時の状態を維持できていた。. 休憩を含め 30 分間の歩行練習を 1 日に 1 回,週 5 日間 実施することとした。歩行練習では,IC 時における膝.

(7) 44. 理学療法学 第 46 巻第 1 号. a. b. c. d. 図 5 症例 2 の歩容の変化と歩行練習の実際 a:介入 1 日目の初期接地,b:口頭指示後の歩容(Extension Thrust Pattern) ,c:軟性膝装具と GSD を 併用した歩行練習,d:介入 25 日目の歩容,1:初期接地,2:荷重応答期,3:立脚中期,4:立脚終期. 4)17)34). 関節屈曲位での全足底接地を是正し,IP を形成した歩. 段として,HR を補助する. 容へと改善すべく,膝関節伸展位での踵接地を口頭指示. した歩行練習を行うこととした。なお,この際の油圧設. したところ,IC 直後に急速な足関節底屈と ETP が観察. 定は 3 とし,GSD の機能を有効に利用するため,膝関. され,歩行速度の顕著な低下が目視にて確認された(図. 節伸展位で踵から接地するよう指示した。GSD 装着後. 5b)。IC 直後に必要な前脛骨筋の遠心性収縮による足関. は,IC 直後の急速な足関節底屈は軽減したが,LR から. 節背屈モーメントが不足すると,HR が機能せず ETP. MS にかけて大 および骨盤の前方推進が不十分で,ETP. を呈する場合があるとされている. 3)32). 。本症例におい. とされる GSD を装着. は制御されなかった。そこで,IC 後に GSD による下. ても前脛骨筋の筋力は非麻痺側に比べ低下が認められ. を前傾させる作用を大. た。本症例に見られた歩容の異常を改善させるための手. に加えて軟性膝装具を装着した。そのうえで,IC から. へも波及させる目的で,GSD.

(8) 倒立振子モデルの形成をめざした片麻痺例の歩行練習. 45. MS にかけて股関節が屈曲位から伸展位へ移行すると同. ストリングスおよび大殿筋による股関節伸展モーメント. 時に,骨盤が前方へ推進することを強調するため,治療. が床反力に抗して発揮されれば,その後の LR から MS. 者が後方から徒手介助にて大. 部を誘導し,IP を形成. にかけて床反力が膝関節中心を通過するようなアライメ. した状態での前型歩行練習を実施した(図 5c) 。GSD と. ントでの歩行が可能となり,ETP は生じないと思われ. 軟性膝装具を併用した歩行練習後には,軟性膝装具装着. た。しかし,本症例においては前脛骨筋に加え,ハムス. 下で学習した IP を形成した歩容を再現するために必要. トリングスおよび大殿筋にも筋力低下が認められた。. な膝関節のコントロールを学習する目的で,GSD のみ. よって,GSD 装着後も ETP が改善されなかった要因の. での歩行練習を 1 回 20 分実施した。その後,21 日目に. ひとつとして,IC 直後に必要な股関節伸展モーメント. GSD のみでも ETP が観察されなくなり,無装具にて. の不足により,IC 後に GSD の補助によって前方に引き. IP の形成を意識した前型歩行練習を 1 回 30 分実施した。. 出された下. に対応して,大. および骨盤が追従できな. いために,床反力が膝関節の前方を通過するようなアラ 3.理学療法最終評価(介入 25 日目). イメントが惹起され,結果的に ETP を引き起こしてい.  初期評価と最終評価のまとめを表 2 に記した。右下肢. ると推察した。. の MMT は,股関節屈曲・伸展・外転が 5,膝関節屈曲.  本症例が膝関節屈曲位での全足底接地を呈していた経. が 5 へ改善した。歩行は無装具でも IC 時に膝関節伸展. 緯として,膝関節伸展位で踵から接地した場合,前述し. 位での踵接地が可能となり,ETP が改善した(図 5d)。. た問題によって ETP が生じるために重心を円滑に前方. 10 m 歩 行 速 度( 最 大 ) は 115.3 m/min, 重 複 歩 距 離. へ推進できず,歩行速度の低下や非麻痺側ステップ長の. 153.8 cm となり,連続歩行距離においても 500 m から. 短縮を招いていたため,代償的な歩容を選択した結果で. 1,500 m へと大幅に増大した。. あったと推察した。本症例の歩行能力を改善するために は,IP を形成した歩容へ導くことが前提になると考え,. 4.考察. GSD によって HR を補助し,低下した股関節伸展筋力.  Cerebral Proliferative Angiopthy とは稀有な疾患で. でも IC から MS にかけて容易に股関節伸展ができるよ. あり,動静脈奇形(Arteriovenous Malformations)と. う軟性膝装具を装着して下肢装具が作用する力の延長化. は異なる進行性の血管奇形である。本症による片麻痺例. を図り,前型歩行練習を実施した。. に対する理学療法経過を報告したものは我々が渉猟し得.  下肢筋力強化練習と歩行練習を開始してから約 1 ヵ月. る限りなく,初の報告となる。本症例は屋内外ともに無. 後には,股関節伸展筋力が向上し,歩容および歩行能力. 装具で独歩可能であったが,IC 時に膝関節屈曲位での. が改善した。GSD と軟性膝装具を装着したことで IP を. 全足底接地がみられた。歩行周期を通じて麻痺側膝関節. 再現しやすい状態での歩行練習が可能となり,この状態. が屈曲位となる歩容を呈す片麻痺者は,膝関節が屈曲位. で反復練習したことで,股関節伸展筋力の強化と,IC. とならない片麻痺者に比べて歩行速度が遅いことが報告. から MS にかけて大. されている. 6)7). 。実際に本症例の最大歩行速度は 77.9 m/. および骨盤を前方へ推進させるタ. イミングの学習が図れたものと思われた。その結果,IC. min であり,年齢を考慮するとさらなる歩行速度の向上. 後に大. を図ることが望ましいと思われ,さらなる歩行速度の向. 関節背屈筋力の改善が不十分ながらも,床反力が膝関節. 上のためには IP を形成した歩容へ是正する必要がある. 中心を通過するようなアライメントを形成できるように. と考えた。幸いにも運動麻痺は軽度で,比較的筋力も保. なったことで,歩容と歩行能力が改善したと推察した。. たれていたことから,膝関節伸展位での踵接地を口頭指.  なお,本症例は約 1 年後に歩容の悪化と歩きにくさを. 示すれば,HR が効果的に機能するようになり,IP を形. 主訴に再度外来を受診された。進行性疾患のために運動. 成した歩容へ導けるのではないかと思われた。しかし,. 麻痺は増悪し,右下肢の BRS がⅣとなった。歩容は. 口頭指示後に歩容は改善せず,ETP が観察されるよう. ETP が顕著にみられ,最大歩行速度は 63.2 m/min に低. になった。ETP の背景のひとつには,IC 直後に必要な. 下していたことから,再び GSD と軟性膝装具を用いて. 足関節背屈モーメントの不足によって HR が機能せず,. IP の形成を意識した歩行練習を施行した。2 ヵ月後には. IC から LR にかけて下. 歩容が改善し,歩行速度は 101.7 m/min へ向上したが,. が十分に前傾できずに,床反. および骨盤を前方へ推進できるようになり,足. 力が膝関節の前方を通過することが影響したと推察し. 無装具では ETP が残存した。そのため,本人用 GSD. た。そこで,GSD を装着したが,IC から MS にかけて. を購入してもらい歩行時には装着するよう指導した。ま. 大. および骨盤の前方推進が不十分で,ETP は制御さ. た,疾患特性上,今後も病状が進行する可能性が考えら. れなかった。歩行中の膝関節の制御は足関節と股関節の. れたため,身体機能の変化や GSD の不具合といった問. 相対的な位置関係によって規定され. 28). ,本来であれば. IC 直後に前脛骨筋による足関節背屈モーメントとハム. 題が生じた際には , 再度受診するよう促し外来リハを終 了した。.

(9) 46. 理学療法学 第 46 巻第 1 号. 結   論  歩行に全介助を要した重度片麻痺例,ならびに無装具 でも独歩可能であったが IP を形成できていなかった生活 期片麻痺例に,IP の再現をめざし下肢装具を用いた前型 歩行練習を行い,歩行能力が改善した。本症例報告は, 従来の足部固定式の下肢装具による介入や下肢装具を用 いない理学療法と比較した研究ではないため,本介入の みの効果であったかは不明である。しかし,片麻痺者特 有の歩容を回避し,IP を形成した歩行を獲得する上では 足部に滑らかな荷重応答を可能にする継手が必要であり, 足部可動性を有する装具を用いた積極的な前型歩行練習 の実践は,足部固定式の装具を用いた歩行練習の実践だ けでは獲得できない歩行能力の獲得ならびに歩容異常か らの脱却を成し遂げられる可能性があると思われた。 倫理的配慮  本症例報告の趣旨を十分に各症例に説明し,理学療法 評価および経過について記載することならびに写真の掲 載について同意を得た。 利益相反  本症例報告について開示すべき COI はない。 文  献 1)Saibene F, Minetti AE, et al.: Biomechanical and physiological aspects of legged locomotion in humans. Eur J Appl Physiol. 2003; 88: 297‒316. 2)Kuo AD: The six determinants of gait and the inverted pendulum analogy: A dynamic walking perspective. Hum Mov Sci. 2007; 26: 617‒656. 3)Perry J: Gait Analysis: Normal and Pathological Function. 2nd ed. Slack Inc, Thorofare. NJ, 2010, pp. 4‒47. 4)山本澄子:バイオメカニクスからみた片麻痺者の短下肢装 具と運動療法.理学療法学.2012; 39: 240‒244. 5)Wong AM, Cheng YS, et al.: Foot contact pattern analysis in hemiplegic stroke patients: an implication for neurologic status determination. Arch Phys Med Rehabil. 2004; 85: 1625‒1630. 6)De Quervain IA, Simon SR, et al.: Gait pattern in the early recovery period after stroke. J Bone Joint Surg Am. 1996; 78: 1506‒1514. 7)Mulroy S, Gronley J, et al.: Use of cluster analysis for gait pattern classification of patients in the early and late recovery phases following stroke. Gait Posture. 2003; 18: 114‒125. 8)Tyson SF, Kent RM: Orthotic devices after stroke and other non-progressive brain lesions. Cochrane Database Syst Rev. 2009; 3(CD003694). 9)Gök H,Kü ükdeveci A, et al.: Effects of ankle-foot orthoses on hemiparetic gait. Clin Rehabil. 2003; 17: 137‒ 139. 10)Chen CL, Yueng KT, et al.: Anterior ankle-foot orthosis effects on postural stability in hemiplegic patients. Arch Phys Med Rehabil. 1999; 80: 1587‒1592. 11)Tyson SF, Thoronton HA: The effect of a hinged ankle. foot orthosis on hemiplegic gait : Objective measures and users opinions. Clin Rehabil. 2001; 15: 53‒58. 12)Abe H, Michimata A, et al.: Improving gait stability in stroke hemiplegic patients with a plastic ankle-foot orthosis. Tohoku J Exp Med. 2009; 218: 193‒199. 13)日本脳卒中学会脳卒中ガイドライン委員会(編) :脳卒 中 治 療 ガ イ ド ラ イ ン 2015. 協 和 企 画, 東 京,2015,pp. 288‒291. 14)藤崎拡憲,山城 勉,他:脳卒中片麻痺に処方されている 短下肢装具の機能についての検討─全国アンケート調査よ り─.日本義肢装具学会誌.2013; 29: 51‒56. 15)石原正博:リハビリテーションにおける短下肢装具の処方 例.日本義肢装具学会誌.2001; 17: 22‒27. 16)隅谷 政,青山 孝,他:プラスチック短下肢装具の普及 状況調査.日本義肢装具学会誌.1993; 9: 427‒431. 17)山本澄子:動作分析にもとづく片麻痺者用短下肢装具の開 発.理学療法科学.2003; 18: 115‒121. 18)Yamamoto S, Fuchi M, et al.: Change of rocker function in the gait of stroke patients using an AFO with oil damper immediate changes and the short term effect. Prosthet Orthot Int. 2011; 35: 350‒359. 19)Kakurai S, Akai M: Clinical experiences with a convertible thermoplastic knee-ankle-foot orthosis for post-stroke hemiplegic patients. Prosthet Orthot Int. 1996; 20: 191‒194. 20)高橋紳一,石神重信:脳卒中の装具療法:私のスタンダー ド ─ 脳 卒 中 急 性 期 の 下 肢 装 具 の 選 択 ─.Jpn J Rehabil Med. 2002; 39: 681‒718. 21)鶴見隆正,川村博文,他:片麻痺に対する早期長下肢装具 療法.理学療法学.1992; 19: 219‒222. 22)大竹 朗:脳卒中片麻痺患者の下肢装具.理学療法学. 2012; 39: 427‒434. 23)吉尾雅春:装具療法,脳卒中理学療法の理論と技術.原 寛美,吉尾雅春(編) ,メジカルビュー社,東京,2013, pp. 348‒358. 24)阿部浩明,大鹿糠徹,他:急性期から行う脳卒中重度片麻 痺例に対する歩行トレーニング.理学療法の歩み.2016; 27: 17‒27. 25)阿部浩明,辻本直秀,他:急性期から行う脳卒中重度片麻 痺例に対する歩行トレーニング(第二部) .理学療法の歩 み.2017; 28: 11‒20. 26)大鹿糠徹,阿部浩明,他:脳卒中重度片麻痺例に対する長 下肢装具を使用した二動作背屈遊動前型無杖歩行練習と三 動作背屈制限揃え型杖歩行練習が下肢筋活動に及ぼす影 響.東北理学療法学.2017; 29: 20‒27. 27)大垣昌之:院内備品装具 VS 本人用装具─歩行時筋活動の 視点から.Jpn J Rehabil Med.2014; 51: S379. 28)増田知子:回復期脳卒中理学療法のクリニカルリーズニ ング─装具の活用と運動療法.PT ジャーナル.2012; 46: 502‒510. 29)大畑光司:歩行獲得を目的とした装具療法 長下肢装具の 使用とその離脱.PT ジャーナル.2017; 51: 291‒299. 30)門脇 敬,阿部浩明,他:脳卒中発症後 6 ヵ月経過し歩行 に全介助を要した状態から長下肢装具を用いた歩行練習を 実施し監視歩行を獲得した重度片麻痺を呈した症例.理学 療法学.2018; 45: 183‒189. 31)Bohannon RW: Muscle strength and muscle training after stroke. J Rehabil Med. 2007; 39: 14‒20. 32)大畑光司:片麻痺患者における歩行機能回復を目指した歩 行トレーニングの実際.理学療法学.2013; 40: 252‒255. 33)大畑光司:装具歩行のバイオメカニクス.PT ジャーナル. 2013; 47: 611‒620. 34)大 畑 光 司:Gait solution 付 短 下 肢 装 具 に よ る 脳 卒 中 片 麻 痺 の 運 動 療 法 と そ の 効 果.PT ジ ャ ー ナ ル.2011; 45: 217‒224..

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