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シリーズまたEUは地球温暖化対策で世界をリードしています 今後の気温上昇を抑え 地球温暖化の影響を最小限にするためには 温室効果ガスの大幅な排出削減が必要とされています EUは意欲的な温室効果ガス削減目標を掲げ 地球温暖化に関わる国際交渉をリードし 地球温暖化対策に積極的に取り組んでいます このエネ

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Academic year: 2021

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国の行き来ができます。EUは最終的には共 通な制度・外交政策を持つ一つの地域連合を 目指していますが、現時点では欧州各国のE Uへのかかわり方は様々で、ドイツ、フラン ス、イタリア等はEUに加盟してかつ共通通 貨ユーロを使用していますが、イギリス、ス ウェーデン、デンマークはEUには加盟して いるものの、ユーロは使用せず従来通り各国 ごとの通貨を使用しています。イギリスはシ ェンゲン協定にも署名していないので、たと は、 ん。また欧州にありながら、スイス、ノルウ ェー、アイスランドの3ヵ国はEUには加盟 せず独自の道を歩んでいます。このEUを一

❶欧州の概要

州( 西 し、 海、 脈、 南は地中海と黒海、西は大西洋に囲まれた地域を指します。欧州には多くの国々がありま すが、国の集合体として条約によって設立された欧州連合( European Union: EU )があ ることが他の地域にない特色です。現在EUには 28ヶ国が参加しており、そのうち 18カ国 使 す。 25ヶ するというシェンゲン協定に署名しており、これらの諸国間ではパスポート無しで相互の

5回

一般財団法人   日本エネルギー経済研究所 戦略研究ユニット   国際情勢分析第一グループ   研究主幹   藤崎  

エネ

環境政策

安全保障

両立

目指

欧州

資料① 欧州連合28ヶ国 (出所)駐日欧州連合代表部 スウェーデン スウェーデン フィンランドフィンランド エストニア エストニア ラトビア ラトビア リトアニア リトアニア デンマーク デンマーク ポーランド ポーランド スロヴァキア スロヴァキア オーストリア オーストリアハンガリーハンガリー スロヴェニア スロヴェニアクロアチアクロアチア イタリア イタリア ギリシャ ギリシャ キプロス キプロス マルタ マルタ フランス フランス スペイン スペイン ポルトガル ポルトガル チェコ チェコ ドイツ ドイツ オランダ オランダ 英国 英国 アイルランド アイルランド ベルギー ベルギー ルーマニア ルーマニア ブルガリア ブルガリア ルクセンブルク ルクセンブルク

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またEUは地球温暖化対策で世界をリードしています。今後の気温上昇を抑え、地球温 暖化の影響を最小限にするためには、温室効果ガスの大幅な排出削減が必要とされていま す。EUは意欲的な温室効果ガス削減目標を掲げ、地球温暖化に関わる国際交渉をリード し、地球温暖化対策に積極的に取り組んでいます。 このエネルギー安全保障と地球温暖化対策を両立するため、EUではエネルギーに関す す。 は「 です。エネルギーの自給率を高めることでエネルギーの対外依存度を下げ、安定したエネ ルギー供給体制を構築しようとするものです。第二に「新しいエネルギー・経済システム の構築」です。これまでのエネルギー大量輸入・大量消費の先進国モデルをやめて、新し す。 に「 調 す。 地球温暖化により降雨量の変化や異常気象の多発、海面水位の上昇等が予測されています が、これらの影響を緩和しつつ、同時に経済の成長を図っていこうというものです。 EUは加盟国が共通して守るべき法律を作りますが、加盟国独自の選択も尊重していま す。そのため同じ基本方針の下であっても加盟各国によって「選択」が異なっているのが 欧州の特徴です。基本方針の一つ、 「エネルギー自給率の向上と安定供給の確保」 のために、 つの地域圏と見ると、総人口は約5億人に上り、米国を上回る世界でも有力な経済圏を形 作っています。最近では中東欧諸国がEUへの加盟を目指しており、EUは東に拡大しつ つあります。

❷欧州のエネルギー政策

今回は欧州のエネルギー政策、特に中心となるEUのエネルギー政策について解説しま す。EUのエネルギー政策は、日本と共通する点が多くあります。その背景として、EU 内には域内のエネルギー需要を賄うだけのエネルギー資源が無く、その多くをEU域外か らの輸入に依存していることがあります。石油は中東、ロシア、ノルウェー等からの輸入 が多く、 石炭はドイツやポーランドでは国内で産出するものの、 それ以外の国々では米国、 南アフリカ、コロンビア等の海外から輸入しています。天然ガスもイギリスの北海で生産 されていますがその産出量は減少傾向で、ロシアやノルウェーからのパイプラインによる ガス輸入、カタールからの船による液化天然ガス(LNG)輸入が増えています。EUで は、この域外へのエネルギー依存をどのように低減していくかという点が大きな課題とな っています。

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断したものです。欧州として共通の基本方針を持ちつつも、具体的な行動では別の選択を するというのは面白いところです。 は、 う。 は、 ス市場の自由化」 「地球温暖化対策」 「エネルギー安全保障の強化」を取り上げます。 1987年にEU域内のエネルギー市場の統合に向けた構想が発表されて以来、着実に エネルギー市場の改革を進めてきました。では、自由化によってどのようなことがおこっ たのでしょうか。 先ず、電力とガスの市場は全面自由化され、一般家庭を含む全ての消費者が自由に電力 とガスの供給会社を選ぶことができるようになりました。電力とガスの事業の相互参入も 進み、ほとんどのエネルギー会社が電力とガスの両方を販売するようになりました。新し い会社も参入し電気とガスのセット割引や長期契約割引、給湯器の点検を組み合わせた契 約等、様々な料金メニューが提供されるようになりました。 発電分野も自由化され、電力会社以外の会社も発電事業に参入し電気を売ることが可能 となりました。発電会社は発電をしてもそれを売ることができなければ投資の回収ができ ません。そこで新たに電力ガス取引所が作られ、発電事業者はここで発電した電力を売る は「 す。 70% す。 で、 た。 に、 め、 た。 が、 資料② 欧州各国の発電電力量構成 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% その他 水力 原子力 天然ガス 石油 石炭

(出所)IEA, Energy Balance 2013

ノ ル ウ ェ ー ス ペ イ ン オ ラ ン ダ ス ウ ェ ーデ ン イ タ リ ア ド イ ツ フ ラ ン ス イ ギ リ ス EU 12 12 99 28 28 21 21 22 27 27 10 10 11 20 20 28 28 11 40 40 55 10 10 77 77 44 11 44 20 20 44 16 16 11 11 22 47 47 17 17 14 14 46 46 66 16 16 11 11 48 48 38 38 11 1111 14 14 44 54 54 11 27 27 23 23 77 21 21 25 25 55 19 19 11 97 97 22

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力、火力、原子力、再生可能エネルギー等どのエネルギーで発電したかの詳細、環境保護 の状況等)や電力ガスの消費データを提供することも義務付けました。また供給会社の契 約不履行によって消費者側に損害が生じた場合、損害賠償を請求することが可能となって います。 は、 ーの安定供給に資する」との考えがあります。従来の垂直統合型のエネルギー会社を、生 産、流通、小売りに分割し、それらを市場で互いに競争させれば、エネルギーを安価かつ 安定的に供給できるという考え方です。イギリスやスペインはこの考え方を徹底的に追求 した市場原理主義の考え方で国内のエネルギー市場の自由化を達成しました。一方フラン ス、ドイツ等では、万が一のエネルギーの供給中断は経済に大きなダメージを与える点を 考慮し、またエネルギー供給設備の建設には長い時間がかかる特性を考え、エネルギー供 給にはある程度国の関与を残すべきとの方針でエネルギー市場の自由化を徐々に進めてい ます。ここでも国による「選択」が異なっています。 次にEUの地球温暖化対策について見てみましょう。欧州は2020年までに温室効果 ガスを1990年と比べて 20%削減するという目標を掲げています。今年1月には203 ことができるようになりました。イギリスではエネルギー会社にこの取引所を通じた調達 を義務付けることで、市場取引が活発となりました。 電力を運ぶ送電線やガスを運ぶパイプラインといったエネルギーの輸送インフラは、こ れらを重複して作っても無駄になります。そこで輸送インフラに関しては従来の電力会社 やガス会社から分離し、一括管理して誰でも使えるようにしようというのがEUの方針で す。 網、 し、 国ごとに一つの輸送会社にまとめて行く方向となっています。将来的には欧州全体で一つ の送電網、ガス輸送パイプライン網を作ることを目標としています。 自由化された市場において公平な競争が行われているかどうかを監視するのは政府の重 要な役割です。自由化されたエネルギー市場を監視する機関が各国政府により作られまし たが、これをEU全体で統合し、欧州全体で統一した基準で運用しようという目的で、欧 州エネルギー規制機関が作られました。 消費者の保護や権利の強化も、エネルギーの自由化で忘れてはいけません。エネルギー 供給会社に対し、消費者から供給会社変更の申し込みがあった場合は3週間以内に契約を 変更するよう義務付けました。あわせて消費者に対して、供給する電力の詳細な情報(水

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す。 は、 市場で排出枠を購入する事が必要となります。一方、削減努力の結果排出枠が余った場合 には、排出権取引市場において他社に売却する事も出来ます。温室効果ガス削減をがんば った企業には排出枠売却による利益というアメを与え、削減努力の足らなかった企業には 排出権購入による費用支出というムチを与える政策です。欧州連合域内排出量取引制度は 2005年から運用を始めています。 もう一つのエネルギー政策の柱であるエネルギー安全保障の強化という観点から最近特 に注目されているのが、エネルギー供給源の多様化です。特に天然ガスについては現在ロ シアからのパイプラインによる供給に大きく依存している状況で、2005年にはロシア とウクライナのガス価格を巡る紛争によりウクライナを通る天然ガスパイプラインが全面 供給停止し、東欧諸国のガス供給が遮断される事態となりました。 このような事態の再発を避けるため、EUでは天然ガスの調達先の多様化に取り組んで す。 59参 を、 アルジェリアからも輸入するようになりました。また液化天然ガス(LNG)を船で運ぶ り、 東、 カ、 た。 40% れ、 80% す。 は、 く、 庭、 ル、 す。 て、 ています。 は、 し、 資料③ 排出権取引のしくみ 排出権取引市場 A社 余った 排水枠 排水枠 排出量 B社 不足する 排出枠 排出枠 の購入 排出枠 の売却 排水枠 排出量

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- T す。 ば、 入が可能となり、 ロシアへの天然ガス依存度 の低下も期待できます。

欧州のエネルギー政策における課題

うに 的で が故 。( 果、 し、 この風力発電により発電された電力が隣 LNGは既にイギリス、 フランス、 スペイン、 西 が、 ど、 す。 す。 て、 ド・ し、 ア、 ス・ す。 資料④ 欧州の天然ガスパイプライン網

(出所)IEA, Natural gas information 2011

パイプライン パイプライン ガス田 ガス田 ノルウェーノルウェー スウェーデンスウェーデン フィンランド フィンランド ロシア ロシア エストニア エストニア ラトビア ラトビア リトアニア リトアニア ベラルーシ ベラルーシ ウクライナ ウクライナ モルドバ モルドバ ルーマニア ルーマニア ブルガリア ブルガリア トルコ トルコ ギリシャ ギリシャ アルバニア アルバニアマケドニアマケドニア デンマーク デンマーク アイルランド アイルランド イギリス イギリス ドイツ ドイツ チェコ チェコ ポーランド ポーランド スロバキア スロバキア ハンガリー ハンガリー オーストリア オーストリア スイス スイス イタリア イタリア スペイン スペイン ポルトガル ポルトガル モロッコ モロッコ 00 100100 200200 kmkm N N アルジェリア アルジェリア チュニジア チュニジア フランス フランス スロベニア スロベニア クロアチア クロアチア ボスニアヘルツェゴビナ ボスニアヘルツェゴビナ セツビア モンテネグロ セツビア モンテネグロ ベルギー ベルギー 資料⑤ ドイツの発電電力量推移

(出所)AGEB Germany electricity generation data 1990-2013 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 199 0 199 1 199 2 199 3 199 4 199 5 199 6 199 7 199 8 199 9 200 0 200 1 200 2 200 3 200 4 200 5 200 6 200 7 200 8 200 9 201 0 201 1 201 2 201 3 TWh 一般炭 無煙炭 原子力 天然ガス 石油 再生可能エネルギー その他

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1年はさらに1・5倍の1300円に跳ね上がりました。この原因は太陽光発電パネル価 格の下落による急速な太陽光発電の普及拡大と、大規模風力発電所の運転開始と言われて います。2012年は買取価格を前年より 15%引き下げたことから負担金の上昇は一旦収 まり、2011年比横ばいの1300円となりました。しかし、2013年以降も再生可 能エネルギーの導入が加速し、 負担金の額は再び上昇に転じ、 2013年には2000円、 2014年に至っては2400円にまでなりました。一般家庭の月額電気料金が1万10 00円程度の中で、負担金が2400円にもなる状態は、いくら環境意識の高いドイツ国 民であっても我慢の限界を超えます。また工場向けの電力料金も同様に上昇していること から、国内企業の競争力の観点からドイツの産業連盟も固定価格買取制度の見直しを政府 に強く要請しています。これらの声を受けてドイツ政府は固定価格買取制度を見直すこと を最近発表しましたが、既に導入された再生可能エネルギーの負担金の分は変わらないた め、 今後の負担金の上昇スピードが緩やかになる程度の効果しかないとも言われています。 ドイツは今後、 この再生可能エネルギーの負担金の問題に頭を悩ますことになるでしょう。 (資料⑥P 63参照) 石炭利用の拡大による温室効果ガス排出増も頭の痛い問題です。米国シェール革命の影 生可能エネルギーにより発電した電力を 担金の急増が問題となっています。ドイツでは再生可能エネルギーの普及を促すため、再 またドイツでは再生可能エネルギーが急拡大した結果、消費者の再生可能エネルギー負 素や天然ガスを作りパイプラインで輸送する方法等が検討されています。 抜本的な解決策は送電線の増強ですが、それまでの間の対応策として風力発電の電気で水 電線建設予定地近くの住民の反対により送電線の建設がなかなか進みません。この問題の の容量が不足しているためです。もちろん電力会社も送電線の増強を図っていますが、送 力の大需要地が南部に多いのに対し、北部の風力発電による電力を北から南に運ぶ送電線 のオランダやポーランドなどに流れだすという問題が発生しています。これはドイツの電 10年間程度の固定期間、電力会社が高めの価格で 買い取ります。これに要した費用は最終的には一般消費者の電気料金に転嫁される仕組み となっています。この固定価格買取制度が導入された当初は、再生可能エネルギーの導入 量が少なく負担金の額も比較的少額にとどまり、2009年で家庭1軒当たり月額およそ 400円でした。再生可能エネルギーの普及のためにはある程度の負担も致し方ない、と た。 所、 太陽光発電所の建設が進んだ結果、負担金は2010年は前年の倍の800円に、201

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プのための火力発電所が必要となります。し かしこの調整用の火力発電所は、いつでも発 電できるように待機している事が必要となり ますが運転時間は年に数百時間に留まり、発 電した電力の売電収入だけでは設備投資の回 収ができません。電力ガスの自由化による競 争激化の結果、発電会社はこのような調整用 の火力発電所を維持する事が経営上不可能と なり、やむなく火力発電所を相次いで廃止し ています。このまま火力発電所の廃止が続く と、電力のピークに対応するための予備力が た。そこで発電会社に対し、保有する発電所 が運転しなくても、予備率の確保に貢献して いる場合にはその費用を支払うという考えが り、 た。 り、 し、 た。 20年 で、 た。 果ガス削減の目標達成が危ぶまれています。 う、 め、 資料⑦ ドイツの二酸化炭素排出量推移 1,042 892 862 873 849 851 786 829 810 822 834 1,200 1,000 800 600 400 200 0 1990 2000 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 予測 百万二酸化炭素トン

(出所)UBA Emissions situation (Date: 25.02.2014)

資料⑥ ドイツの再生可能エネルギー負担金推移 (出所)BMU、BDEW等の資料に基づき日本エネルギー経済研究所作成 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 円/月

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の排 の価 えす 決め の供 によ 。(

❹欧州の経験から得られる日本のエネルギー政策への示唆

これらの欧州の事例で見てきたように、エネルギー市場の自由化は、エネルギー供給事 業者にとってビジネス拡大の機会であり、消費者は選択肢の多様化と競争によるエネルギ ー価格の低下が期待できます。しかし自由化を通じ、本当に効率的なエネルギー市場を実 現するためには、エネルギー自給率や国内資源の状況といったその国の特性に合わせた制 す。 ら、 長期的な視点での取り組みも重要です。 地球温暖化対策についても温室効果ガス削減は急務ではありますが、再生可能エネルギ ー拡大一辺倒の政策では、いろいろな分野に様々な影響が出ます。再生可能エネルギー負 担金の急上昇で消費者の可処分所得が減少すれば、家計・個人消費の落ち込みを招き景気 た。 で、 イギリスで検討が進んでいます。 - E 二酸 30ユ ましたが の低 いま 転し 的に有 の排 資料⑧ 排出権価格推移(先物価格) (出所)Quandl 35 30 25 20 15 10 5 0 2008-04-04 2009-03-24 2010-03-12 2011-02-28 2012-03-13 2013-02-21 2014-01-24 ユーロ/二酸化炭素トン

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の悪化につながりかねません。このような中、欧州が再生可能エネルギー一辺倒から、再 びエネルギー需要そのものを削減する省エネに軸足を移しつつある方向は注目されます。 エネルギーの安全保障は、平時は意識されることは少ないですが、一旦供給遮断が起こ れば我々の生活に極めて深刻な影響を与えます。欧州でもロシアへの天然ガス依存度を低 下させるために、中央アジアの天然ガスを輸入するパイプラインの建設や、地下ガス貯蔵 施設の整備、LNG輸入基地の建設等を着実に進めています。平時においても気を緩める ことなく、エネルギーの供給先の多様化を推進し続ける事が必要でしょう。 このように、欧州は「自由な競争が効率的な市場を作る」という理想に向かって、地球 温暖化対策とエネルギー安全保障を両立するエネルギー市場の改革を進めています。様々 な先駆的な制度を導入し、必要とあれば適宜修正を加え、新たなエネルギー市場の実現に 積極的に取り組んでいる点は、世界の模範と言えます。我々は欧州のエネルギー市場にお ける先行者としての制度改革の経験を日本のエネルギー市場制度改革に生かし、我が国の 置かれた環境に合ったエネルギー政策を推進していくべきではないでしょうか。

講 師 略 歴

藤崎 亘  

 (ふじさき わたる) 一般財団法人 日本エネルギー経済研究所 戦略研究ユニット 国際情勢分析第1グループ 研究主幹 1992年3月 筑波大学大学院 修士課程 理工学研究科修了 東京ガス株式会社を経て、2013年4月に日本エネルギー経 済研究所入所(出向)。 ガス事業に関する知見が豊富で、特に欧州を中心とした天然ガス・ LNG情勢に精通。現在は、欧州地域の情勢や、天然ガス・LNG市場の 分析などに従事。

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