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訪日外国人旅客数の決定要因

一橋大学経済学部 学士論文

2016年1月25日

学籍番号:2112179s

氏名:永井佑弥

ゼミナール指導教員:川口大司

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○要旨  本稿では、近年増加を続けている訪日外国人旅客(インバウンド)の増加 の決定要因を、各国の実質GDPや円建て為替レートなどのデータを用いて統 計的に分析した。調査対象国を一つ一つ個別に分析した結果、分析の有意、 係数の大きさに国ごとの特徴が見られるものの、実質GDPに関して、各国の 実質GDPが上昇すると、訪日外国人渡航者数が増加することが明らかになっ た。その中でも特にアジア諸国は、自国の実質GDPの上昇率以上に訪日渡航 者数が上昇することが明らかになった。一方で、円建て為替レートについて は有意な結果を得られた国が少なかったとともに、円建て為替レートの上昇 率以上に訪日渡航者数が増えるは少なかった。また、調査対象国をプールし て分析を行った。この結果、実質GDPの上昇が見られると、訪日外国人旅客 が増加することを、統計的に示すことができた。一方で、円建て為替レート の上昇(円の減価が起こると訪日外国人旅客が減少することも有意の結果が 出てしまったため、検証方法の再考の必要性がある。 ⃝謝辞  本稿の作成に当たり、ご指導やご助言をいただいた川口大司先生、原ひろ み先生、川口ゼミの同僚に心より御礼申し上げます。

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目次 要旨………1 目次………2 第一章 はじめに………3  研究の背景………3  研究動機………4  先行研究………4  本稿の研究手法と結果の概観………6 第二章 使用データと分析方法………7  使用データ………7  分析方法………8 第三章 変数設定と仮説………10 第四章 訪日外国人旅客の現状………13 第五章 分析結果………15 第六章 追加の実証分析………20 第七章 まとめ………23 付表………25 参考文献………35

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第一章 はじめに

研究の背景  訪日外国人旅客数の増加が続いている。観光庁によると、2003年(平成15 年)のビジットジャパン事業の開始以降、訪日外国人旅客数は増加傾向にあ り、2013年(平成25年)には、初めて訪日外国人旅客数が1000万人を超え、 2014年(平成26年)には1341万人に達した。なお、2015(平成27)年は、 2015年1月∼8月の時点で訪日外国人旅客数が1287万人となっており、年間で は1900万人に届く勢いである。2020年の訪日外国人旅客数の政府目標は2000 万人であり、状況次第では2015年度で政府目標を達成してしまう可能性もあ ると言えるだろう。  訪日外国人旅客数の増加に伴って、訪日外国人による日本の旅行中の消費 (以下、インバウンド消費)も急速に拡大している。観光庁によると、2014 年(平成26年)には2兆円を超えた。そのため、インバウンド消費は、日本 経済に対して一定の影響力を持つ存在になりつつあるといえる。  一方で、このまま訪日外国人旅客が増加を続けると、日本国内の宿泊施設 の受け入れ態勢に問題が発生する可能性がある。観光庁によると、2011年(平 成23年)以降の客室稼働率は、全国については上昇傾向にあり、2011年は 51.8%であったが、2014年(平成26年)は58.4%となっている。また、宿泊施 設のタイプ別に客室稼働率を見てみると、旅館の客室稼働率は横ばい傾向に あるものの、シティーホテル、ビジネスホテル、リゾートホテルは上昇傾向 にある。特に、シティーホテル、ビジネスホテルは2011年から2014年の間だ けで10%以上上昇し、それぞれ78.0%、73.8%になっている。さらに、都道府 県別の客室稼働率を見ると、東京都は81.5%、大阪府は81.4%となっている。 外国人宿泊者はシティーホテルに宿泊する傾向が高く、このままでは宿泊施

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設の供給不足が懸念される。民泊の規制緩和を政府が進めようとしているこ とも頷ける。 研究動機  研究の背景で論じたように、訪日外国人旅客数の増加が続いている。一方 で、2020年の政府目標であった訪日外国人旅客数2000万人を2015年度でほぼ 達成してしまうなど、訪日外国人旅客数の予測の推定方法に不備があるよう に感じる。宿泊施設や航空会社、バス会社などをはじめとした多くの企業や、 外国人受け入れのインフラ整備を進める政府にとって、訪日外国人旅客数の 正確な予測というものが重要視されるのは明らかである。そこで、本稿では、 国内外問わない従来の研究を参考にしながら、実質GDPや円建ての為替レー トなどのデータを用いて、訪日外国人客数の人数を予測することが可能か否 かについての検証を行っていきたい。 先行研究  日本国内では、観光需要にについての計量分析を行った研究は少ない。し かし、諸外国では多くの研究が進められている。この章では、外国における 先行研究として、 Var T., G. Mohammad and O. Icoz(1990)、日本での先行 研究として麻生(2001)、櫻井・細江(2005)の先行研究を紹介する。

1、Var T., G. Mohammad and O. Icoz(1990)の研究

 Var T., G. Mohammad and O. Icozは二重対数線形モデルを利用し、トルコ への観光需要へ影響を及ぼす要因についての分析を行った。調査対象国は20

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調査対象国とトルコとの距離である。この結果、一世帯あたりの所得は10カ 国、為替相場は11カ国で有意であるという結果を得た。また、一世帯あたり の所得が上昇すると、トルコへの訪問人数が減少する国があり、所得が上昇 するとトルコではなく、その他の国へ訪問先を変更する可能性があることを 示唆した。 2、麻生(2001)の研究

 麻生はWitt and Moutinho(1994)の提唱した一般型需要モデルを利用し、 実証分析を行っている。推定期間は1992年第1四半期から1998年第4四半期ま でで、分析対象国は、韓国、台湾、香港。フィリピン、シンガポール、マレー シア、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、アメリカ、カナダの12カ国で ある。説明変数は各国ごとの訪日外国人旅客数で、被説明変数は、各国の実 質GDP、円建て為替相場、消費者物価指数、相対価格である。なお、相対価 格は日本の消費者物価指数を調査対象国個々の消費者物価指数で除したもの である。 この計量分析の結果、実質GDP(所得効果)については、アジア 諸国は統計的に有意でないか、符号条件を満たしていなかった。逆に欧米諸 国は、ドイツ、イタリアを除き、1%水準で統計的に有意であった。また、有 意な国々は推定値が1を上回り、訪日旅行需要は実質GDP(所得)に関して 弾力的であるという結果が得られた。  次に円建て為替レートについては、アジア諸国はフィリピンを除き全て統 計的に有意で、符号条件を満たしていた。特に、香港、シンガポールは推定 値が1を上回り、為替に対して弾力的であった。一方欧米でもフランスを除 き各国とも統計的に有意であり、符号条件をみたしているが、推定値は 0.2 0.3で、為替に対して非弾力的であった。  相対価格について、は統計的に有意で符号が負である国はアメリカのみで あった。

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3、櫻井・細江(2005)の研究  櫻井・細江は北海道庁が掲げた、平成19年度までに外国人来道者数を54万 人まで増加させるという目標を統計的手法を用いて予測することで、この目 標の妥当性を検証した。  推定を行う対象国、地域は韓国、台湾、香港である。被説明変数を外国人 来道宿泊者数、説明変数を実質GDP、為替レートとする対数線形モデルを最 小二乗推定を行った。結果、実質GDPについて、全ての国・地域で係数が1 より大きく、実質GDPの成長率を上回る伸び率で来道宿泊者数が増加してい ることがわかった。また、この回帰式をもとに、実質GDPの世界銀行の予測 を用いて来道者数の推定をしたところ、北海道が掲げる54万人という目標が そう無理のないものであったことがわかった。 本稿の研究手法と結果の概観  本稿では、麻生(2001)の先行研究を参考に調査対象国の実質GDPや為替 レート、消費者物価指数などの基礎的な経済データを用いた多重回帰分析を 行い、訪日外国人渡航客の決定要因を分析した。先行研究では1990年代のデー タが使用されているが、本稿では1990年代から2015年までのデータを利用し たことで、より現在の訪日渡航者数の現状に近い実証分析を行った。この分 析の結果、実質GDPに関して、各国の実質GDPが上昇すると、訪日外国人 渡航者数が増加することが明らかになった。その中でも特にアジア諸国は、 自国の実質GDPの上昇率以上に訪日渡航者数が上昇することが明らかになっ た。一方で、円建て為替レートについては有意な結果を得られた国が少なかっ たとともに、円建て為替レートの上昇率以上に訪日渡航者数が増えるは少な かった。また、調査対象国をプールして分析を行った。この結果、実質GDP

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の上昇が見られると、訪日外国人旅客が増加することを、統計的に示すこと ができた。

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第四章 使用データと分析方法

使用データ  本稿の分析のために、複数の公的機関のデータを使用した。まず、訪日旅 行客数は日本政府観光局(JNTO)の国籍/月別 訪日外客数(2003 2015)を 利用した。ここでの訪日外客数の定義は、国籍に基づく法務省集計による外 国人正規入国者から、日本を主たる居住国とする永住者などの外国人を除き、 これに外国人一時上陸客などを加えた入国外国人旅行者のことである。駐在 員やその家族、留学生などの入国者・再入国者は訪日外客数に含まれるが、 航空会社の乗務員は含まれない。各国の実質GDP、消費者物価指数、円建て 為替レートのデータは、IMFのホームページから入手した。記述統計量は付 表に掲載した。なお、本稿第六章では、調査対象国全てを混合し、一つのデー タとして扱った実証分析を行ったが、各国の消費者物価指数を統一するため、 2003年度を基準年として消費者物価指数を再計算した。また、各国の通貨建 てで示されている実質GDPでは、一つにまとめて実証分析を行うことは不可 能であるため、円建ての実質GDPに変換するために、当該年の実質GDPを 当該年の円建て為替レートで割り、円建て実質GDPとして使用した。記述統 計量は巻末の付表に掲載している。

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分析手法  次に、本稿の分析で用いるモデルを紹介する。下記の式は、Witt and Moutinho(1994)の一般型旅客需要モデルと呼ばれるものである。 この式のYは、国際旅行需要、Xはある国の実質GDPや消費者物価指数など、 国際旅行需要にに影響を与えると予想される変数である。bはパラメーター で、uは誤差項を表している。  この式で回帰分析を行うため、両辺に自然対数を取ると、以下のような式 になる。 Yを について微分すると、 また、 に対するYの弾力性は以下のように定義することができる。 この結果を用いると、 という結果になる。

Y

= aX

1b1

X

2b2

...X

kbk

e

u

InY

= Ina + b

1

InX

1

+ b

2

InX

2

+ ...+ b

k

InX

k

+ u

∂Y

∂X

1

= ab

1

X

1 b1−1

X

2b2

...X

k bk

e

u

= b

1

(aX

1b1

X

2b2

...X

kbk

e

u

) / X

1

= b

1

Y / X

1

q

YX 1

= ∂

Y

∂X

1

X

1

Y

q

YX

1

= b

1

X

1

X

1

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 他の変数も同様の作業をすることが可能である。つまり、各変数に対する 係数であるbは、その変数に対するYの弾力性を表していると言える。

また、上の式にダミー変数を導入すると下のような式が得られる。

 しかし、ダミー変数にかかる係数は弾力性を示していないことに注意する 必要がある。

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第四章 変数設定と仮説

変数設定 

 本稿ではWitt and Moutinho(1994)の一般型旅客需要モデルを参考にし、 被説明変数を訪日外国人旅客数とし、説明変数を各国の実質GDP、各国の消 費者物価指数、円建て為替レート、相対価格とした。相対価格は、日本の消 費者物価指数を対象国の消費者物価指数で除したものである。弾力性の推定 を行いたかったため、両辺に対数を取ることにした。全て年次のデータを利 用し、分析期間は2003年から2014年とした。入手したデータのなかの大きな 特徴として、2011年度の訪日外国人旅客数の減少が著しかったことが挙げら れる。この原因は2011年3月11日に発生した東日本大震災での原子力発電所 問題などが原因であると考えられる。一方で、2012年度には再び訪日外国人 旅客は増加している。そのため2011年に1、それ以外の年に0をとるダミー変 数(地震ダミー)を設定した。東日本大震災は2011年3月に発生したので、 本来であれば2011年3月からのダミー変数を設定するべきだと考えたが、デー タの制約があったため、年にダミー変数を置いた。具体的なモデルは以下の 通りである。 調査対象国は、データを入手することのできた中国、韓国、香港、シンガポー ル、インド、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツの9カ国である。第五章 では各国ごとに上記の計量分析を行った。 仮説  各国の実質GDPについては次のように想定される。実質GDPが上昇する と、各国の国民の可処分所得が増加すると想定することができる。国民の可

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処分所得が増えた際、訪日渡航の消費に対する行動は、以下の二つのタイプ を挙げることができる。一つ目のタイプは、今まで経済的な理由から日本へ 行くことのできなかった国民が、日本へ渡航するだけの経済的余裕が生まれ、 実際に日本に渡航するタイプである。例えば、中国人が今までは比較的旅行 費用の安いベトナムに旅行をしていたが、可処分所得が増え経済的な余裕が 生まれたために、旅行先を日本にするようにしたというパターンである。こ のパターンが成り立つ時、実質GDPの係数は正であると予想できる。二つ目 は、今までは日本に旅行していたが、可処分所得が増加して経済的な余裕が できたため、より高価な財(日本よりも費用のかかる地域への旅行、旅行以 外の財)を消費しようとするようになるパターンである。このパターンが成 り立つ時、実質GDPの係数は負であると予想できる。  各国の消費者物価指数については以下のように想定される。自国の消費者 物価指数の上昇した時に、訪日旅行客数が増えた時、訪日旅行は自国での他 の消費(例えば日常生活財)に対して代替的であるとみなすことができる。 逆に訪日旅客数が減少してしまう時、訪日旅行は自国の観光材サービス以外 の財サービスに対して補完的であるか、または自国価格が観光財サービスの 代理変数となっていて、それ自身の価格の上昇によって訪日旅行需要が減少 したと予想することができる。  各国の円建て為替レートについては以下のように想定される。為替レート の上昇(円の減価)は日本での旅行の費用を低廉化させ、今までより安い料 金で訪日旅行をすることができることになることから、訪日旅行需要を増加 させると考えることができるの。そのため、符号条件は正であると予想でき る。  相対価格については以下のように想定される。相対価格の上昇は日本国内 の旅行費用が増加するとともに、日本での消費額の増加をもたらすことにな

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るので、結果として訪日旅行需要は減少すると考えられる。そのため、符号 条件は負であると予想できる。

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第五章 訪日外国人旅客の現状

 本章では、分析対象国を中心に、訪日目的など個々の国の特徴についてま とめ、実証分析の結果の考察に対しての準備を行っていく。  まず、国・地域別の訪日動機についてまとめていく。観光庁の「訪日外国 人消費動向調査」によると、「ショッピング」を訪日動機としてあげた国は、 タイ(74.1%)、香港(69.6%)、中国(68.0%)、台湾(66.9%)、シンガ ポール(59.1%)などとなっており、アジアの国、地域が高い割合を示して いる。これに対し、「日本の歴史、伝統文化体験」を挙げた割合については、 フランス(46.3%)、アメリカ(43.7%)、イギリス(37.8%)など、欧米の 国、地域が高い割合を示している。台湾、中国、香港、韓国に至っては2割程 度かそれ以下である。訪日目的によって国別の結果が異なってくることが想 定される。  次に、訪日外国人の訪日目的についてまとめる。観光庁の「訪日外国人消 費動向調査」では、訪日目的について「観光、レジャー」、「業務」、「そ の他」と分類している。2014年度の調査対象国9カ国の訪日目的の割合は以 下の通りである。

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表1:外国人の訪日目的  ※全て%表記  この表によると、調査対象国では、インドを除くアジアの国・地域の訪日 旅客の半数以上が訪日目的として「観光・レジャー」を挙げている。一方で、 欧米の国々はアジアと比べると訪日目的として「観光・レジャー」を挙げる 人々が少ないという特徴がある。アジア各国と日本との距離よりも欧米各国 と日本との距離の方が長いため、観光需要を減らしているといえるだろう。 この現状はVar T., G. Mohammad and O. Icoz(1990)の研究と一致していると 言える。  最後に、訪日外国人旅客の年度別の訪日目的の推移を、日本政府観光局 (JNTO)の資料をもとにまとめていく。なお、国別の調査ではないため、全 ての国でまとめたものである。 観光・レジャー 業務 その他 中国 55.1 29.0 15.9 韓国 62.3 25.7 12.0 香港 88.5 7.5 4.0 シンガポール 58.9 33.4 7.7 インド 7.6 77.7 14.7 アメリカ 31.9 40.3 27.8 イギリス 36.5 43.5 20.0 フランス 49.4 27.8 22.8 ドイツ 26.2 56.9 16.9

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表2:年度毎の外国人の訪日目的 ※訪日旅客数。()内は構成比(%)  この表からわかるように、観光客数の増加率と比べると、商用客・その他 の客の増加率は穏やかである。また、東日本大震災が起こった2011年につい ては、120万人以上の訪日旅客数の減少をもたらしているが、商用客・その 他の客は約8000人の減少と、東日本大震災の影響を大きく受けていないこと がわかった。 合計 観光客 商用客・その他の客 2007 8346969 5954180(71.3) 2392789(28.7) 2008 8350835 6048681(72.4) 2302154(27.6) 2009 6789658 4759833(70.1) 2029825(29.9) 2010 8611175 6361974(73.9) 2249201(26.1) 2011 6218752 4057235(65.2) 2161517(34.8) 2012 8358105 6041645(72.3) 2316460(27.7) 2013 10363905 7962517(76.8) 2401387(23.2) 2014 13413467 10880604(81.1) 2532863(18.9)

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第五章 分析結果

 この章では、分析した国ごとの結果をまとめ、それに対しての考察を行っ ていく。分析結果を要約すると、以下の表のようになる。この表を参照しな がら国別のインバウンドの特徴について考察を進めていく。 表3:分析結果(国毎に分けた多重回帰分析、アジア) アメリカ イギリス フランス ドイツ In 実質GDP 3.911 0.925 0.744 0.271 (4.09)✴✴ (0.71) (0.24) (0.18) In 為替相場 0.067 0.255 0.570 0.468 (0.33) (0.72) (1.11) (1.60) In 相対価格 1.705 2.304 0.762 0.649 (1.01) (0.78) (0.15) (0.19) In 消費者物価指数 -0.254 1.694 3.806 1.805 (0.16) (0.61) (0.92) (0.55) 地震ダミー -0.232 -0.258 -0.363 -0.341 (5.27)✴✴ (3.63)✴ (3.26)✴ (3.77)✴✴ 定数 -21.662 -3.614 -14.376 -1.137 (2.29) (0.24) (0.46) (0.07) 決定係数 0.95 0.89 0.92 0.87 観測数 12 12 12 12

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表4:分析結果(国ごとに分けた多重回帰分析、アジア) ①中国  統計的に有意な結果を得ることはできなかったものの、実質GDP、消費者 物価指数、相対価格、円建て為替相場と多くの係数に関して符号条件は満た していた。特に、円建て為替相場の係数が1より大きいので、円建て為替相 場が上昇するとそれ上昇率以上に訪日中国人客数が増加することがわかった。 つまり、円建て為替レートが上昇し、日本での購買力が高まると訪日中国人 が増えるということである。これは、中国人の多くが日本に来る目的として 「ショッピング」と述べていることと一致している。 中国 韓国 香港 シンガポール インド In 実質GDP 0.952 11.069 1.582 2.470 0.511 (1.10) (-4.25)✴✴ (3.24)✴ (4.48)✴✴ (2.36) In 為替相場 1.026 -0.140 0.237 -0.121 0.574 (1.60) (0.53) (0.063) (0.24) (3.38)✴ In 相対価格 -0.870 1.021 9.261 10.941 1.727 (0.13) (0.39) (2.09) (2.30) (0.94) In 消費者物価 指数 0.558 -12.00 10.689 8.649 2.078 (0.09) (-2.92)✴✴ (2.50)✴ (1.88) (1.16) 地震ダミー -0.273 -0.274 -0.335 -0.399 -0.108 (1.68) (1.68) (2.77)✴ (3.25) (1.99) 定数 -0.273 -85.950 -48.744 -41.874 -4.796 (0.01) (3.42)✴ (2.58)✴ (2.05) (0.58) 決定係数 0.97 0.95 0.96 0.95 0.96 観測数 12 12 12 12 12       ✴p<0.05; ✴✴p<0.01

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②韓国  実質GDP、消費者物価指数、地震ダミーについて統計的に有意な結果を得 ることができた。また、消費者物価指数の係数は負であった。  実質GDPの係数が11と非常に大きく、自国の経済状況が訪日旅行者数に大 きな影響を与えていることがわかった。つまり、日本と韓国が距離的に近い ために旅行先の対象にしやすい国であるということの結果を得ることができ た。しかし、韓国の訪日渡航者の訪日目的について、8割を超える人が 「ショッピング」を掲げるのにもかかわらず、日本での購買力の上昇を意味 する、円建て為替レートの係数が統計的に有意ではないものの負になってし まっている点が疑問に残った。消費者物価指数については、係数が負であっ た。つまり、訪日旅行は自国の観光材サービス以外の財サービスに対して補 完的であるか、または自国価格が観光財サービスの代理変数となっていて、 それ自身の価格の上昇によって訪日旅行需要が減少したと予想することがで きる。 ③香港  実質GDP、消費者物価指数、地震ダミーについて有意な結果が得られた。 実質GDPの係数は1.582であり、訪日香港人旅客数は、実質GDPに対して弾 力的であることがわかった。つまり、可処分所得が上昇すると訪日旅客数が 増えるということを意味し、この結果は、香港に住む人々が訪日目的の多く に「ショッピング」を挙げていることと整合的である。また、消費者物価指 数の係数が10と非常に大きく、日本渡航は、自国内の財サービスに対して代 替的であることがわかった。また、地震ダミーに関する係数が、調査対象国 の中で最も多かった。これは、訪日旅客の訪日目的として、「観光」を挙げ る人の割合が調査対象国の中で最も大きいことから、観光目的の旅客を大き

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く減らしたことが、地震ダミーの係数を最も大きくした原因であると言うこ とができるだろう。 ④シンガポール  実質GDPのみについて、有意な結果を得ることができた。また、係数は 2.470であり、訪日シンガポール人旅客数は、実質GDPに対して弾力的であ ることがわかった。 ⑤インド  円建て為替相場のみ有意な結果を得ることができた。円建て為替レートの 上昇(インド通貨の増価)が起こると訪日旅客数が増えることがわかった。 また係数は1より小さく、円建て為替レートの上昇よりも訪日インド人の上 昇の割合のが小さいことがわかった。 ⑥アメリカ  実質GDP、地震ダミーについて有意な結果を得ることができた。また、実 質GDPの係数は3.911と、実質GDPに対して弾力的な効果を示すことがわ かった。また、円建て為替相場の係数が小さく、訪日需要に円建て為替相場 がほとんど影響を与えていないことや、国内の消費者物価指数が上昇すると、 日本への旅行が、アメリカの他の財サービスに対して補完的になっているこ とがわかった。 ⑦イギリス、ドイツ、フランス  地震ダミーのみ有意な結果が得られた。また、実質GDPの係数と円建て為 替相場は正ではあるものの1より小さく、訪日渡航は実質GDPや円建て為替

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は、係数が1より大きく、日本渡航は、自国内の他の財サービスに対して代 替的になっていることがわかった。  これらの国はフランスを除き、訪日目的に「業務」、観光客の訪日動機に 「日本の歴史・伝統文化体験」を挙げる人々が多い。そのため、自国の経済 状況(実質GDP)が上昇して可処分所得が増えたり、円建て為替レートの増 加(園の減価、自国通貨の増価)が起こって日本での購買力が高まったとし ても、アジアの国々とは異なり、それ自体が訪日旅客数に大きな影響を与え る訳ではない可能性があることがわかった。 まとめ  この章では、国別の訪日旅客需要についての実証分析を行ったが、結果は 国によって差があり、統一感のある結果を得ることは難しかった。一方で、 アジア、欧米と地域ごとに見ると、アジアの国や地域は訪日旅客者数が自国 の経済状況(実質GDP)に対して弾力的である傾向が見られる一方、欧州の 国々は訪日旅客数が自国の経済状況(実質GDP)に対して非弾力的である傾 向が見られた。この結果は麻生(2001)の先行研究と同じである。しかし、 訪日旅客数が円建て為替レートに関して弾力的になるという結果を得ること はできなかった。これは、訪日旅客需要に関して、実質GDPが一番重要な決 定要因であることを示唆していると考えられる。しかし、円建て為替レート も年次のデータを使用しており、1年間の為替相場の変動をうまく扱えていな いための結果の可能性もある。    

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第六章 追加の実証分析

 前章までは、調査対象国を国別に分類して実証研究を行ってきたが、国ご とに共通する結果を得ることができなかった。そのため、この章では調査対 象国すべてのデータをプールして計量分析を行うことにする。分析モデルは 第五章と同様に、Witt and Moutinho(1994)の一般型需要モデルを利用す る。被説明変数は訪日旅行客数で、説明変数は各国の円建て実質GDP、円建 て為替相場(例:1ドル=120円)、各国の消費者物価指数、相対価格(日本 の消費者物価指数÷各国の消費者物価指数)である。2011年に1を取り、そ の他の年度に0を取る2011年ダミー(東日本大震災ダミー)も前章までの分 析と同様に置いた。この分析の結果、以下のような結果を得ることができた。 表5:対象国のデータをプールした実証分析 * p<0.05; ** p<0.01 N 108 R2 0.32 (0.81) _cons -43.006 (0.01) 地 震 ダ ミ ー -0.002 (0.92) 消 費 者 物 価 指 数 10.527 (1.05) 相 対 価 格 12.115 (6.67)** 為 替 相 場 -0.291 (3.23)** 実 質 GDP 0.253 訪 日 渡 航 者 数

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この分析の結果、実質GDPと為替相場に関して、統計的に有意な結果を得 ることができた。実質GDPについては係数は1より小さい正を取るため、訪 日渡航者数は、実質GDPに関して非弾力的な反応を示すことがわかった。ま た、為替相場に関しては、統計的には有意な結果を得られたものの、符号条 件を満たすことができなかった。また、この分析は従来の実証研究と比較す ると決定係数が低く、調査対象国ごとに固有の特徴が大きいことが予想され る。  そのため次の分析では、国ごとに特有の特徴を取り除くために各国に国別 ダミーを置いた。ベンチマークグループはアメリカである。それ以外の国に ついて国別ダミーを置いた。たとえば中国ならば、中国ダミーを設定し、中 国のデータについては係数1を取り、その他の国のデータについては0を取る ダミー変数である。これをアメリカ以外の国に設定した。国別ダミーに関し て想定される仮説を以下でまとめる。Var T., G. Mohammad and O. Icoz (1990)によると、渡航先の決定要因として、出発国と渡航国との距離があ る。そのため、アメリカをベンチマークとすると、アメリカより近い国に置 いたダミー変数は正の値をとると予想することができ、また、アメリカより 遠い国に置いたダミー変数は負の値をとると予想することができる。結果の 要約は以下の表の通りである。

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表6:ダミー変数を置いた全ての調査国のデータをプールした分析 more N 108 R2 0.99 (5.83)** _cons -53.543 (4.83)** 中 国 ダ ミ ー 1.301 (10.85)** 香 港 ダ ミ ー 3.411 (2.76)** 韓 国 ダ ミ ー -3.792 (4.38)** フ ラ ン ス ダ ミ ー 1.304 (3.02)** ド イ ツ ダ ミ ー 0.791 (8.73)** シ ン ガ ポ ー ル ダ ミ ー 4.650 (5.76)** イ ン ド ダ ミ ー -3.696 (6.32)** イ ギ リ ス ダ ミ ー 2.106 (5.47)** 地 震 ダ ミ ー -0.272 (2.31)* 相 対 価 格 4.226 (2.17)* 消 費 者 物 価 指 数 3.812 (5.34)** 為 替 相 場 -1.278 (11.31)** 実 質 GDP 1.588 訪 日 渡 航 者 数

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すべての係数において統計的に有意な結果を得ることができた。以下で係数 についての考察を進めていく。  円建て実質GDPの係数は1.588で統計的に有意な水準になった。また、係 数は1より大きく、訪日外国人の増加は、円建て実質GDPに対して弾力的で あることがわかった。つまり、円建て実質GDPの上昇率より、実質GDPの 上昇率が大きいということである。この結果、訪日旅行は調査対象国にとっ て贅沢材であるということが明らかになった。  為替相場に関しても統計的に有意な結果を得ることができた。しかし、係 数の値が-1.278で負の値を取っている。つまり、これは円建て為替レートが 上昇して自国通貨(日本に来る国の人の通貨)高が進み、日本での消費の負 担の実質普段が減るのにもかかわらず、円建て為替レートの上昇率以上の割 合で訪日旅客数が減少するということである。この結果は第四章で記した、 為替相場に関して係数は正であるという符号条件を満たしていなかった。個々 の国ごとの回帰分析では正の値を取ることが多かったので、各国をプールし た際に係数が負になってしまったのは疑問である。考えられる原因としては、 国ごとに置いたダミー変数の中に、円建て為替レートの特徴が吸収されてし まっている可能性が挙げられる。  消費者物価指数については、統計的に有意な結果を得ることができた。つ まり、訪日旅行は自国の他の財の消費に対して代替的であることが明らかに なった。また、係数の大きさは3.812と1より大きな値を取り、消費者物価指 数の上昇率以上の割合で訪日旅客数が増加することが明らかになった。   相対価格についても統計的に有意な結果を得ることができた。しかし、係 数は正の値を取っている。相対価格とは、日本の消費者物価指数を自国の消 費者物価指数で除したものであるので、相対価格の上昇は、日本での消費額 の増加を意味しているので、符号条件は負であるはずである。しかし、今回 の分析の相対価格に関する係数は4.226であり、相対価格の上昇の割合以上に

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訪日旅行需要が増加することが明らかになった。相対価格についての考察を さらに重ねていく必要がある。  国ダミー、東日本大震災ダミーもともに全て統計的に有意な結果を得るこ とができた。しかし、アメリカをベンチマークとしてダミー変数を設置して もダミー変数の値は日本と調査対象国との距離とはあまり相関がないことが 明らかになった。例えば、日本とアメリカとの距離は日本と韓国との距離よ り長い。そのため、アメリカをベンチマークとした韓国ダミー変数は正の値 をとることが予想できるが実際の係数は負であった。そのため、国別のダミー 変数は距離だけでなく、調査対象国で使用されている言語や、日本との友好 関係など、日本と調査対象国との距離だけでは説明できない要因があるので あろう。

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第八章 まとめ

 本稿では、各国の実質GDPや円建て為替レートなどのデータを用いて、日 本への訪日旅客数の決定要因の分析を行った。これらの結果、実質GDPに関 してはアジア諸国の多くの国で統計的に有意な結果を得ることができたとと もに、調査対象国をプールした研究でも統計的に有意な結果を得ることがで きた。また、実質GDPの上昇率以上に訪日旅客数が上昇することがわかった。 そのため、今後もアジア各国で経済成長が進んでいけば、日本への渡航者数 もさらに増加していくことが予想できる。  しかし、調査対象国ごとの重回帰分析を行った際、円建て為替レートにつ いては、統計的に有意な結果を得ることができた国が少なかった。さらに、 調査対象国をプールした研究では国ダミーを入れた重回帰分析、国ダミーを 入れなかった重回帰分析の両方で統計的に有意な結果を得ることができたも のの、符号が負になってしまい、想定していた符号条件を満たすことができ なかった。この原因として想定されることは、入手したデータが年次のデー タであることが挙げられる。円建て為替レートは日々変動を続けているため、 この変動の大きさををデータの中に取り込み切ることができなかったことが うまく為替レートで訪日旅行者数を取り込むことができなかった理由であろ う。今後の研究の課題として、入手するデータについて、年次データから四 半期データにするなどデータの精度を上げる必要があるだろう。  また、消費者物価指数や相対価格についても統計的に有意な結果を得るこ とができる国は少なかった。  この研究を通じて感じたことは、現状、訪日渡航ををする人の多くはアジ アの国の人々であるが、これらの人々の中で訪日目的に「日本の文化の体験」 を挙げることが非常に少ないということである。本研究では実質GDPが上昇 すると訪日旅客数が増えるという結果を得ることができたので、これからも

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経済成長の著しいアジア諸国からの訪日旅客が増えることが想定できる。し かし、第5章の「訪日外国人の現状」で述べたように、これらアジアの国の 人々の目的は「ショッピング」である。一方で欧米の国々の人々で訪日目的 として、「日本文化の体験」を掲げる人はアジアの国々の人々よりも多い。 そのため、日本の観光政策はどこの国の人々を増加させたいのかを明白にし てからそれに対する施策を講じる必要がある。例えば、アジアの国々の人々 の訪問数を増やしたいのであれば、アジアの国の人々の多くが訪日目的とし て掲げている「ショッピング」に対する施策を講じることが有効であろう。 例えば、免税店の拡大や訪日ビザの緩和政策などが挙げられる。このような 施策は日本での買い物がしやすくなるため、全ての国に対して有効な施策で あると考えられるが、よりアジアの人々に有効に働くと予想ができる。しか し、これらの施策では、訪日外国人の訪問地域は東京や大阪など、ショッピ ングを行うのに便利な地域に集中してしまう可能性がある。  欧米の人々の訪問数を増やしたいのであれば、欧米の国の人々の多くが訪 日目的として掲げている、「日本文化の体験」に対する施策を講じることが 有効であろう。例えば、日本の文化を感じることができる地域に通訳などの 設置をすることや、そのような場所へのアクセス方法の拡充を行うこと、現 地国での日本文化の紹介などが言えるであろう。このような施策は、日本中 どの地域でも行うことができるため、これらの施策の結果、地方の活性化に もつながる可能性があると言える。そのため、地方創生も踏まえた観光政策 を行うのであれば、欧米の人々の訪日を増やすことを目指した政策をとるこ とが有効であろう。

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付表 記述統計量(対数変換前)、分析結果 ◎中国 記述統計量(対数変換前) 分析結果 . _cons -.2728607 28.55692 -0.01 0.993 -70.14912 69.6034 地 震 ダ ミ ー -.2784234 .1653722 -1.68 0.143 -.6830747 .1262279 円 建 て 中 ~場 1.026013 .6426238 1.60 0.161 -.5464308 2.598457 相 対 価 格 -.8698961 6.51889 -0.13 0.898 -16.82105 15.08125 消 費 者 物 ~国 .557806 6.530264 0.09 0.935 -15.42117 16.53679 実 質 GDP .9520197 .8679716 1.10 0.315 -1.17183 3.07587 訪 日 中 国 ~数 Coef. Std. Err. t P>|t| [95% Conf. Interval] Total 3.03362734 11 .275784303 Root MSE = .12996 Adj R-squared = 0.9388 Residual .10134125 6 .016890208 R-squared = 0.9666 Model 2.93228609 5 .586457217 Prob > F = 0.0002 F(5, 6) = 34.72 Source SS df MS Number of obs = 12

地 震 ダ ミ ー 12 .0833333 .2886751 0 1 訪 日 中 国 ~数 12 1200007 693999.2 448782 2829821 円 建 て 中 ~場 12 14.17743 1.459845 12.3489 17.2461 相 対 価 格 12 1.048314 .1153625 .9010177 1.23075 消 費 者 物 ~国 12 97.11917 10.69143 81.82 113.24 実 質 GDP 12 12548.12 4191.977 6781.19 19261.54 Variable Obs Mean Std. Dev. Min Max

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◎韓国 記述統計量 分析結果 _cons -85.95013 25.14751 -3.42 0.014 -147.4839 -24.41639 地 震 ダ ミ ー -.2738573 .0789499 -3.47 0.013 -.4670408 -.0806738 消 費 者 物 価 指 数 韓 国 -12.00036 4.113821 -2.92 0.027 -22.06652 -1.934199 相 対 価 格 1.021368 2.619198 0.39 0.710 -5.387579 7.430315 円 建 て 韓 国 為 替 相 場 -.1395512 .264593 -0.53 0.617 -.786987 .5078846 実 質 GDP韓 国 11.06859 2.60297 4.25 0.005 4.699354 17.43783 訪 日 韓 国 人 渡 航 者 数 Coef. Std. Err. t P>|t| [95% Conf. Interval] Total .545389645 11 .049580877 Root MSE = .06624

Adj R-squared = 0.9115 Residual .02632726 6 .004387877 R-squared = 0.9517 Model .519062385 5 .103812477 Prob > F = 0.0007 F(5, 6) = 23.66 Source SS df MS Number of obs = 12

地 震 ダ ミ ー 12 .0833333 .2886751 0 1 訪 日 韓 国 ~数 12 2069526 452261.2 1459333 2755313 円 建 て 韓 ~場 12 .0938583 .0187373 .0709 .1267 相 対 価 格 12 1.062976 .1109702 .9291612 1.244377 消 費 者 物 ~国 12 95.65808 9.82532 80.924 109.039 実 質 GDP韓 国 12 1192336 156265.9 948796.1 1426540 Variable Obs Mean Std. Dev. Min Max

(32)

◎香港 記述統計量 分析結果 . _cons -48.74367 18.91867 -2.58 0.042 -95.03599 -2.451348 地 震 ダ ミ ー -.3354623 .1210107 -2.77 0.032 -.6315649 -.0393597 円 建 て 香 港 為 替 相 場 .2374337 .3796709 0.63 0.555 -.6915876 1.166455 相 対 価 格 9.26098 4.424324 2.09 0.081 -1.564951 20.08691 消 費 者 物 価 指 数 香 港 10.68854 4.280096 2.50 0.047 .2155228 21.16156 実 質 GDP香 港 1.581736 .4875137 3.24 0.018 .3888332 2.774639 訪 日 香 港 人 渡 航 者 数 Coef. Std. Err. t P>|t| [95% Conf. Interval] Total 1.56833382 11 .142575802 Root MSE = .09749

Adj R-squared = 0.9333 Residual .057025405 6 .009504234 R-squared = 0.9636 Model 1.51130842 5 .302261683 Prob > F = 0.0003 F(5, 6) = 31.80 Source SS df MS Number of obs = 12

地 震 ダ ミ ー 12 .0833333 .2886751 0 1 訪 日 香 港 ~数 12 472534.3 195614.6 260214 925975 円 建 て 香 ~場 12 13.03707 1.740989 10.2528 15.0933 相 対 価 格 12 1.013559 .0999327 .8552527 1.127232 消 費 者 物 ~港 12 100.2791 10.46497 89.325 120.175 実 質 GDP香 港 12 1842.612 256.6185 1375.87 2192.153 Variable Obs Mean Std. Dev. Min Max

(33)

◎シンガポール 記述統計量 分析結果 . _cons -41.87367 20.43713 -2.05 0.086 -91.88152 8.134187 地 震 ダ ミ ー -.3986708 .1226847 -3.25 0.017 -.6988695 -.098472 相 対 価 格 10.94066 4.755317 2.30 0.061 -.6951857 22.5765 消 費 者 物 価 指 数 シ ン ガ ~ル 8.648822 4.597937 1.88 0.109 -2.601925 19.89957 円 建 て 為 替 相 場 -.1211447 .4955749 -0.24 0.815 -1.333773 1.091483 実 質 GDPシ ン ガ ポ ー ル 2.470463 .5520333 4.48 0.004 1.119686 3.82124 訪 日 人 渡 航 者 数 Coef. Std. Err. t P>|t| [95% Conf. Interval] Total 1.21506596 11 .110460542 Root MSE = .10147

Adj R-squared = 0.9068 Residual .061780112 6 .010296685 R-squared = 0.9492 Model 1.15328585 5 .23065717 Prob > F = 0.0008 F(5, 6) = 22.40 Source SS df MS Number of obs = 12

地 震 ダ ミ ー 12 .0833333 .2886751 0 1 訪 日 人 渡 ~数 12 141138.6 45492.2 76896 227962 円 建 て 為 ~場 12 69.90867 7.011412 63.48 83.5731 相 対 価 格 12 1.180277 .1204942 1.010811 1.331306 消 費 者 物 ~ル 12 86.14833 9.020058 75.64 99.98 実 質 GDPシ ~ル 12 292.2683 61.27351 197.68 380.59 Variable Obs Mean Std. Dev. Min Max

(34)

◎インド 記述統計量 分析結果 . _cons -4.796103 8.258142 -0.58 0.583 -25.00305 15.41084 地 震 ダ ミ ー -.1083386 .0544046 -1.99 0.094 -.2414618 .0247846 相 対 価 格 1.726726 1.827292 0.94 0.381 -2.744497 6.197949 消 費 者 物 価 指 数 イ ン ド 2.077791 1.784834 1.16 0.289 -2.28954 6.445121 円 建 て 為 替 相 場 .573736 .1698535 3.38 0.015 .1581193 .9893526 実 質 GDPイ ン ド .511339 .2163248 2.36 0.056 -.0179887 1.040667 訪 日 人 渡 航 者 数 Coef. Std. Err. t P>|t| [95% Conf. Interval] Total .28447589 11 .025861445 Root MSE = .04384

Adj R-squared = 0.9257 Residual .011533403 6 .001922234 R-squared = 0.9595 Model .272942487 5 .054588497 Prob > F = 0.0004 F(5, 6) = 28.40 Source SS df MS Number of obs = 12

. 地 震 ダ ミ ー 12 .0833333 .2886751 0 1 訪 日 人 渡 ~数 12 64464.17 10542.58 47520 87967 円 建 て 為 ~場 12 2.1384 .4405458 1.4957 2.8511 相 対 価 格 12 .7025078 .1986204 .4163831 .967804 消 費 者 物 ~ド 12 156.0025 50.21777 104.05 246.84 実 質 GDPイ ~ド 12 74569.52 19479.78 47134.73 106439.8 Variable Obs Mean Std. Dev. Min Max

(35)

◎アメリカ 記述統計量 分析結果 _cons -21.66171 9.468939 -2.29 0.062 -44.83137 1.507953 地 震 ダ ミ ー -.231829 .0440164 -5.27 0.002 -.3395333 -.1241247 相 対 価 格 1.705449 1.690008 1.01 0.352 -2.429851 5.84075 消 費 者 物 価 指 数 ア メ リ カ -.2543234 1.549699 -0.16 0.875 -4.046301 3.537654 円 建 て ド ル 為 替 相 場 .0668429 .1997426 0.33 0.749 -.4219096 .5555954 実 質 GDPア メ リ カ 3.910873 .9553255 4.09 0.006 1.573275 6.24847 訪 日 ア メ リ カ 人 渡 航 者 数 Coef. Std. Err. t P>|t| [95% Conf. Interval] Total .162579028 11 .014779912 Root MSE = .03503

Adj R-squared = 0.9170 Residual .007361804 6 .001226967 R-squared = 0.9547 Model .155217223 5 .031043445 Prob > F = 0.0006 F(5, 6) = 25.30 Source SS df MS Number of obs = 12 . 地 震 ダ ミ ー 12 .0833333 .2886751 0 1 訪 日 ア メ ~数 12 753271.5 87222.4 565887 891668 円 建 て ド ~場 12 101.3537 13.62996 79.7905 117.7535 相 対 価 格 12 .4771685 .0403296 .4294299 .55 消 費 者 物 ~カ 12 212.4317 17.33756 184 236.71 実 質 GDPア ~カ 12 14726.63 747.8879 13271.1 15961.65 Variable Obs Mean Std. Dev. Min Max

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◎イギリス 記述統計量 分析結果 _cons -3.613573 15.07608 -0.24 0.819 -40.50342 33.27627 地 震 ダ ミ ー -.2578325 .0710286 -3.63 0.011 -.4316332 -.0840317 相 対 価 格 2.304465 2.963691 0.78 0.466 -4.947425 9.556355 消 費 者 物 価 指 数 イ ギ リ ス 1.694246 2.778525 0.61 0.564 -5.104559 8.493051 円 建 て 為 替 相 場 .2552105 .3546954 0.72 0.499 -.612698 1.123119 実 質 GDPイ ギ リ ス .9247671 1.302589 0.71 0.504 -2.262554 4.112088 訪 日 人 渡 航 者 数 Coef. Std. Err. t P>|t| [95% Conf. Interval] Total .203459498 11 .018496318 Root MSE = .06007

Adj R-squared = 0.8049 Residual .02164792 6 .003607987 R-squared = 0.8936 Model .181811578 5 .036362316 Prob > F = 0.0070 F(5, 6) = 10.08 Source SS df MS Number of obs = 12

地 震 ダ ミ ー 12 .0833333 .2886751 0 1 訪 日 人 渡 ~数 12 197851.9 24833.69 140099 221945 円 建 て 為 ~場 12 132.7079 16.84337 102.5996 161.2446 相 対 価 格 12 .9152987 .0909023 .7931499 1.04158 消 費 者 物 ~ス 12 111.0133 11.1343 96.68 127.97 実 質 GDPイ ~ス 12 1596.12 65.22482 1471.09 1705 Variable Obs Mean Std. Dev. Min Max

(37)

◎ドイツ 記述統計量 分析結果 _cons -1.136692 16.04153 -0.07 0.946 -40.38891 38.11553 地 震 ダ ミ ー -.3409733 .0904819 -3.77 0.009 -.5623746 -.119572 相 対 価 格 .6494937 3.383721 0.19 0.854 -7.630174 8.929161 消 費 者 物 価 指 数 ド イ ツ 1.805234 3.307273 0.55 0.605 -6.287372 9.89784 円 建 て 為 替 相 場 .4678765 .2931934 1.60 0.162 -.2495419 1.185295 実 質 GDPド イ ツ .2712726 1.466398 0.18 0.859 -3.316874 3.859419 訪 日 人 渡 航 者 数 Coef. Std. Err. t P>|t| [95% Conf. Interval] Total .240607987 11 .021873453 Root MSE = .07232

Adj R-squared = 0.7609 Residual .031385246 6 .005230874 R-squared = 0.8696 Model .209222741 5 .041844548 Prob > F = 0.0125 F(5, 6) = 8.00 Source SS df MS Number of obs = 12

地 震 ダ ミ ー 12 .0833333 .2886751 0 1 訪 日 人 渡 ~数 12 114315.5 15866.85 80772 140254 円 建 て 為 ~場 12 132.7106 16.84393 102.5996 161.2446 相 対 価 格 12 .9480849 .0599128 .8675744 1.044931 消 費 者 物 ~ツ 12 106.585 6.67807 96.37 116.22 実 質 GDPド ~ツ 12 2560.827 123.464 2379.69 2734.26 Variable Obs Mean Std. Dev. Min Max

(38)

◎フランス 記述統計量 分析結果 . _cons -14.37631 31.05691 -0.46 0.660 -90.36984 61.61722 地 震 ダ ミ ー -.3629644 .1113469 -3.26 0.017 -.6354204 -.0905085 相 対 価 格 .7621682 5.000029 0.15 0.884 -11.47246 12.9968 消 費 者 物 価 指 数 フ ラ ン ス 3.806313 4.125029 0.92 0.392 -6.287269 13.89989 円 建 て 為 替 相 場 .5704454 .513168 1.11 0.309 -.6852315 1.826122 実 質 GDPフ ラ ン ス .7435898 3.161159 0.24 0.822 -6.991488 8.478667 訪 日 人 渡 航 者 数 Coef. Std. Err. t P>|t| [95% Conf. Interval] Total .571965873 11 .051996898 Root MSE = .08769

Adj R-squared = 0.8521 Residual .04613811 6 .007689685 R-squared = 0.9193 Model .525827763 5 .105165553 Prob > F = 0.0031 F(5, 6) = 13.68 Source SS df MS Number of obs = 12

地 震 ダ ミ ー 12 .0833333 .2886751 0 1 訪 日 人 渡 ~数 12 128969.3 28303.5 85179 178580 円 建 て 為 ~場 12 132.7106 16.84393 102.5996 161.2446 相 対 価 格 12 .9492066 .0603017 .8708217 1.050162 消 費 者 物 ~ス 12 106.4608 6.662374 95.89 115.58 実 質 GDPフ ~ス 12 1985.127 69.75619 1841.5 2060.87 Variable Obs Mean Std. Dev. Min Max

(39)

◎分析結果(全ての国を混合した分析) ・国ダミーを置かなかった場合の分析 _cons -43.00583 52.78905 -0.81 0.417 -147.7127 61.70101 地 震 ダ ミ ー -.0021178 .3655688 -0.01 0.995 -.7272219 .7229862 消 費 者 物 価 指 数 10.52657 11.48438 0.92 0.362 -12.25265 33.30578 相 対 価 格 12.11545 11.52387 1.05 0.296 -10.7421 34.973 為 替 相 場 -.2906625 .0435581 -6.67 0.000 -.3770598 -.2042652 実 質 GDP .2526574 .0781313 3.23 0.002 .0976844 .4076304 訪 日 渡 航 者 数 Coef. Std. Err. t P>|t| [95% Conf. Interval] Total 141.344874 107 1.32098013 Root MSE = .97199 Adj R-squared = 0.2848 Residual 96.3656086 102 .944760868 R-squared = 0.3182 Model 44.9792649 5 8.99585299 Prob > F = 0.0000 F(5, 102) = 9.52 Source SS df MS Number of obs = 108

(40)

・国ダミーを置いた場合の分析 _cons -53.54337 9.17923 -5.83 0.000 -71.76895 -35.3178 中 国 ダ ミ ー 1.300932 .2692331 4.83 0.000 .7663637 1.835501 香 港 ダ ミ ー 3.411129 .3145276 10.85 0.000 2.786627 4.035631 韓 国 ダ ミ ー -3.791913 1.375454 -2.76 0.007 -6.52291 -1.060917 フ ラ ン ス ダ ミ ー 1.303704 .297563 4.38 0.000 .712886 1.894523 ド イ ツ ダ ミ ー .7913953 .2620214 3.02 0.003 .2711457 1.311645 シ ン ガ ポ ー ル ダ ミ ー 4.650314 .5327059 8.73 0.000 3.592613 5.708014 イ ン ド ダ ミ ー -3.696242 .6414299 -5.76 0.000 -4.969816 -2.422668 イ ギ リ ス ダ ミ ー 2.106373 .3334624 6.32 0.000 1.444275 2.76847 地 震 ダ ミ ー -.2720524 .0497263 -5.47 0.000 -.370785 -.1733197 相 対 価 格 4.226496 1.830402 2.31 0.023 .5921888 7.860802 消 費 者 物 価 指 数 3.812334 1.757284 2.17 0.033 .323206 7.301462 為 替 相 場 -1.278109 .2393313 -5.34 0.000 -1.753307 -.8029115 実 質 GDP 1.588445 .1404547 11.31 0.000 1.309569 1.867321 訪 日 渡 航 者 数 Coef. Std. Err. t P>|t| [95% Conf. Interval] Total 141.344874 107 1.32098013 Root MSE = .12714

Adj R-squared = 0.9878 Residual 1.51937698 94 .016163585 R-squared = 0.9893 Model 139.825497 13 10.7558074 Prob > F = 0.0000 F(13, 94) = 665.43 Source SS df MS Number of obs = 108

(41)

参考文献 麻生憲一(2001)、「日本にインバウンドに関する実証分析ー訪日外国人渡 航者の動向と経済的要因ー」、関東学院大学『経済系』第207集 櫻井賢一郎、細江宣之(2005)、「北海道観光振興計画はアド・バルーン か?ー公共事業以外も視野に入れてー」、『運輸政策研究』8(1):2−10 奥本勝彦(2002)、「観光のマーケティングにおける観光客数の予測ー伝達 関数モデルを中心としてー」、『商学論纂(中央大学)』第44巻第1号 『観光白書』 各年版、総理府

Var T., G. Mohammad and O. Icoz (1990), Factors Affecting International Tourism Demand for Turkey, Annals of Tourism Research,17

Witt,S.F., and L.Moutinho(1994), Tourism Management and Marketing Handbook, 2nd edn , Prentice Hall.

参照

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