従業員とともに
トヨタの「安定した経営基盤」を支える従業員に対する考え方は、「人事労務トヨタウェイ」として体系的に整理されています。 「人事労務トヨタウェイ」は、人間性尊重経営の具現化、すなわち、従業員に対して仕事を通じた社会貢献や自己実現の場を提 供し、一人ひとりの考える力・創造力・実行力を発揮してもらうことを目的としています。 その目的を実現するためには、会社は従業員の雇用の安定を最大限に考慮し、かつ進んで労働条件の改善に努め、従業員は 会社の繁栄のために最大限の協力をするという、労使の「相互信頼・相互責任*」関係が原則となります。このような考え方は 全世界のトヨタの事業体に共有され、経営・諸施策に反映・展開されています。 トヨタは、このような取り組みが人間性尊重経営の具現化のみならず、お客様の満足と社会への貢献につながるものと考えて います。 基本的な考え方 2016年度の主な取り組み(実績) 2017年度の主な取り組み 安全健康 ◦相互啓発型安全文化の定着 [人][作業][場]3本柱活動の継続 ◦健康づくり活動(BMI・禁煙・いきいき健康プログラム定着)の推進 結果:BMI25.0以上率20.8%(昨年度比0.4%増) 喫煙率27.8%(昨年度比0.9%減) ◦メンタルの気付きの充実と予防活動の推進 結果:新規休務(前年度比±0%)、再発休務(前年度比0.06%減) ◦相互啓発型安全文化の定着 [人][作業][場]3本柱活動の継続 ◦健康づくり活動(健康チャレンジ8・いきいき健康プログラム定着)の推進 ◦メンタルの気付きの充実と予防活動の推進 人材育成 ◦「トヨタグループ新任役員研修」の企画・立ち上げ ◦幹部人材の早期育成の仕組み構築 ◦幹部人材の早期育成の仕組み構築継続◦「心構え・しつけ」の強化 ダイバーシティ推進 ◦女性の活躍促進策の早期実現に向けた取り組み強化 ◦定年後65歳まで技能を向上し、発揮し続けるための制度の展開 ◦多様な人材が活躍できる職場環境づくりの推進◦左記活動の継続実施 過年度実績および本年度の主な取り組み 会社を信頼して 働ける環境づくり 恒常的・自発的な 知恵・改善を促進する 仕組みづくり 徹底的な 人材育成 個々人の役割遂行と 全体最適を目指した チームワークの醸成人事労務トヨタウェイ
人間性尊重経営の具現化 目 的 原 則 労使相互信頼・相互責任関係の確立 従業員の働きやすい環境構築に資する「人事労務トヨタウェイ」の概念 *相互信頼・相互責任に基づく労使関係 トヨタは1950年代の経営危機により、労働争議と人員整理を経験しました。この辛い経験を教訓に、1962年に「労使宣言」を締結し、「従業員は生産性の 向上に積極的に協力し、会社は労働条件の維持・向上に努める」という理解を労使で共有し、また危機感も共有することにより、お互いが会社の繁栄に向け それぞれの役割や責任を遂行する、「労使相互信頼・相互責任」という関係を培ってきました。この考えは当社の労使関係の基盤であり、労使宣言締結から 50年を経た現在、労使の絆をより一層強固にしていくよう取り組んでいます。トヨタでは毎年、本社を含む世界中の主要な事業体の人事マ ネジャーが一堂に会し、いかに従業員が会社を信頼して働け る環境をつくるか、恒常的・自発的な改善を促進する仕組み づくりや人材育成、チームワークの醸成に取り組むのかを議 論しています。 その内容は、翌年の各事業体の方針策定に反映させて、着実 な「人事労務トヨタウェイ」の実現に取り組んでいます。 トヨタは従業員に対して仕事を通じた社会貢献や自己実現の 場を提供することで、一人ひとりの考える力・創造力・実行 力を発揮してもらうことを目指しています。隔年で実施して いる「従業員満足度調査」は、その達成状況を測る一つの指 標と考えており、その分析結果を従業員が安心して働けるた めの施策の企画、実行に役立てています。 2015年度に行った、技能職を対象とした調査結果では、 71.9%が満足していると答えました。その理由は2013年度 (前回調査)と同様、「給与水準」が最も多く、次いで「職場の 人間関係」「仕事の質・レベル」が挙げられました。 2016年度に行った、事務・技術職を対象とした従業員満足 度調査では、78.0%が満足していると答えました。その理由 としては、「仕事の質・レベル」が最も多く、次いで「給与水 準」「職場の人間関係」が挙げられました。 海外については、隔年で実施している同様の調査によると、 2016年度は、事務・技術職の肯定回答率が74%(前回比2% 減)、技能職は72%(前回±0%)でした。 推進体制・仕組み 従業員満足度調査結果 年度 2011 2012 2013 2014 2015 2016 (%) 事務・技術職 73.9 77.2 78.0 技能職 64.4 69.2 71.9 年度 2010 2012 2014 2016 (%) 事務・技術職 74.0 74.0 76.0 74.0 技能職 72.0 72.0 72.0 72.0 年度 2011 2013 2014 2015 2016 (%) 事務・技術職 76.5 77.2 78.4 77.6 技能職 72.6 75.8 77.6 会社生活の満足度について 最も多い理由 仕事の質・レベル 2番目に多い理由 給与水準(賃金・賞与) 3番目に多い理由 職場の人間関係 会社生活の満足度について 最も多い理由 給与水準(賃金・賞与) 2番目に多い理由 職場の人間関係 3番目に多い理由 仕事の質・レベル 従業員満足度調査結果(日本) 従業員満足度調査結果(海外) 成長を実感できた従業員の割合(日本) 2016年度 事務・技術職の肯定回答理由(日本) 2015年度 技能職の肯定回答理由(日本) 北米地域 統括人事 欧州地域統括人事 アジア地域統括人事 中国地域統括人事 各事業体 人事 各事業体人事 各事業体人事 各事業体人事 その他 地域人事 トヨタ本社人事(日本)
従業員の安全・健康の確保は、企業活動で最も大切なものの 一つで、時代に左右されない普遍的な取り組みです。1957 年、当時の専務取締役・豊田英二が会社代表安全管理者に就 任した際、安全衛生に関する基本的な考え方として、「安全な 作業は、作業の入口である。わたしたちは、まずしっかりと この入口を通りましょう」とのメッセージを示しました。こ の言葉は今日のトヨタにおける「安全の基本理念」として永 く受け継がれ、「従業員には、決して労働災害に遭ってほしく ない」との強い思いが込められています。安全については、 この基本理念を常に念頭におき、労使協調し、心身ともに健 全で活力ある職場環境づくりに継続的な取り組みを実施して います。 健康については、生産性向上に寄与できる結果KPIとして傷 病による休務日数低減を掲げながら、健診結果などを通じて 心身の健康施策を毎年振り返り、会社安全衛生総括管理者を 筆頭にした重点方針をPDCA*サイクルで改善推進を図って います。また、その結果を健康保険組合や労働組合と産業保 健スタッフ(人事・安全衛生)が年2回協議しながら、円滑な 職場運営のために生活習慣病対策、メンタルヘルス対策、長 時間勤務者の健康チェックや、熱中症予防、インフルエンザ 対策などを推進し、医療費低減や各種健康支援策につなげて います。 年度 2012 2013 2014 2015 2016 (率) 休業災害度数率 0.78 0.79 0.89 0.75 0.60 年度 2012 2013 2014 2015 2016 (率) 全産業 1.59 1.58 1.66 1.61 1.63 製造業 1.00 0.94 1.06 1.06 1.15 自動車製造業 0.10 0.18 0.23 0.20 0.18 トヨタ 0.07 0.06 0.06 0.03 0.07 グローバル会社方針のもとに「相互啓発型安全文化の定着」を 掲げ、安全を「風土・文化」へと高めるための活動を推進して います。職場の一人ひとりが自らのリスクに気付き、自立的に 未然防止の行動が実践できるよう、トップの率先垂範と全員 参加による基本ルールの遵守活動に取り組んでいます。 2016年度、グローバルの休業度数率は0.60(前年度比0.15 減)でした。 今後も、「いつかは全災害ゼロ、そしてゼロの継続」を各職場 の合言葉に活動を展開し、安全の3本柱「人づくり(教育・ OJTを通じた一人ひとりの危険予知能力向上、全員参加の活 動)」「リスク管理(安全マネジメントシステムの推進)」「環 境・設備の整備(安全な機械、快適な職場環境の提供)」の一 層の深化を図ります。 安全3本柱活動の推進
安全・健康
データ出典:全産業、製造業、自動車製造業 (厚生労働省 平成28年労働災害動向調査の結果) 労働災害発生頻度(休業度数率:グローバル) 労働災害発生頻度(休業度数率:TMC) * PDCA:Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・ Action(改善)を繰り返 すことによって、業務を継続的に改善するサイクル 安全衛生基本理念 安全な作業 確実な作業 熟練した作業 安全な作業は、 作業の入口である。 わたしたちは、まずしっかりと この入口を通りましょう。海外の各地域にある統括会社を中心に、安全衛生の取り組み を推進しています。現在、各地域と協力し、安全マネジメン トシステム(OSHMS*)のグローバル展開を進めており、地 域特有の要求事項とともに、グローバル共通の要求事項を織 り込んだマネジメントシステムの構築に取り組んでいます。 また、これに基づく現地現物確認を行うことで弱点を把握 し、安全管理レベルの向上を図っています。 さらに、毎年各地域の安全衛生担当マネジャーによるグロー バル安全会議を行い、共通課題への対応策の検討、各地域の こだわり活動や好事例の共有化を行うことで、安全衛生活動 のレベルアップを図っています。 トヨタの本社機能は、各地域の統括会社と協力し、安全マネ ジメントシステムに基づき、海外事業体の安全活動状況を現 地現物で確認しています。これにより課題を明確にすること で、安全活動の改善を推進しています。 例えば、他の事業体で発生した災害の対策事項が実施され、 未然防止が図られているか、それらが継続した取り組みにな る仕組みづくりができているかなどを確認しています。さら に、的確な対策や活動については、ほかの事業体へも好事例 として展開し、活用しています。 外部業者の方が構内で安全に作業できるよう、コミュニケー ションの場を設け、困りごとを吸い上げることで、作業環境 の改善を進めています。 例えば、設備の定期清掃や点検作業をする場合、作業場が暗 い、足場が滑りやすいなどの困りごとに対し、照明の追加や滑 り止めの設置などの作業環境改善を実施しています。 実際の作業者でないと分からない困りごとを吸い上げて改善 する活動を、グローバルでも定着できるよう、今後も引き続 き取り組んでいきます。 グローバルでの安全の取り組み 海外現地現物確認活動 構内仕入先(工事・請負・委託・納品など)の方々の安全な作業環境づくり(日本)
* OSHMS (Occupational Safety and Health Management System): 労働安全衛生マネジメントシステム グローバル安全会議(2016年ブラジルにて) 北米・車両災害防止活動の確認 中国・災害発生現場の確認 トヨタでは、地域統括会社・生産事業体と連携をとり、各種情報の共有を行う ことで、グローバルで安全健康に関する取り組みレベルの向上を図っています。 TMC TSAM(南アフリカ) TDV (ベネズエラ) TDB (ブラジル) TASA(アルゼンチン) TMNA(米国) TME(ベルギー) TTCC(中国) TDEM(タイ) 生産事業体 各地域内での情報の広がり 地域統括会社 グローバル情報共有・連携体制
年度 2013 2014 2015 2016 (%) 喫煙率 29.7 29.1 28.7 27.8 「心身ともに健康な人づくり・職場づくり」を全社方針に掲 げ、2017年度より「健康チャレンジ8(エイト)」を推進・展 開しています。「健康チャレンジ8」とは、①適正体重(BMI)、 ②朝食、③飲酒、④間食、⑤運動、⑥禁煙、⑦睡眠、⑧ストレ スの8つの健康習慣改善にチャレンジし、心身の健康を保持 増進する活動です。従業員一人ひとりが、現状よりも「一つ」 でも多く、あるいは今実践できている健康習慣の「もっとい い健康づくり」に向けた意識と実践により、心身共に健康な 人づくりを目指しています。 具体的な活動としては、個々の健康診断の結果に合わせて 「8つの健康習慣」の実践状況を記載した「個人結果」帳票を提 供し、「健康チャレンジ8実践シート」(健康行動目標の設定、 週1回の実践状況確認)を活用することで、各個人の健康づく りの意識・行動を継続するきっかけづくりを行っています。 また、職場に対しても「組織分析結果」をフィードバックす ることで、実践数の低い項目を見える化し、体操指導や健康 講話など、職場に出向いた支援を行いながら、職場主体の健 康づくり活動を通じた健康文化・風土づくりを推進していま す。加えて、会社食堂では低カロリーで栄養バランスがとれ たメニューの提供などによる食習慣の改善や、受動喫煙防止 に向けた環境整備にも取り組んでいます。 従業員個々の健康に関する自己管理・自助努力支援ツールと して、「トヨタ健康ハンドブック」を展開し、健診データの保 管や健康づくりの記録など、自己健康管理に役立ててもらう などの諸活動を展開しています。 積極的な心の健康増進を図るため、2016年度は「メンタル ヘルス不調の未然防止・再発予防」を目的とした、「セルフケ ア研修」「ラインケア研修」を行いました。 「セルフケア研修」では、新入社員・若年層を対象に、不調の サインへの気付き、ストレスへの対処法を習得するための教 育を実施。 「ラインケア研修」では、管理者を対象とした心理学的研修、 事例検討を中心とした「新任部長研修」を実施。加えて、直接 部下を見る監督者に向けた「リスナー研修」を行い、職場での 「面倒見」についてアドバイスするとともに、産業保健スタッ フとの連携を図れるようにしています。 産業保健スタッフが行う「不調者への健康相談」については 社内ガイドラインを定め、2012年より相談内容・対応の標 準化・システム化などにも取り組んでいます。 さらに、人事機能と連携して、休務・復職支援体制の見直し を行い、2017年1月には「職場復帰支援ガイドライン」を全 社展開し、円滑な職場復帰や復帰後の日常支援をするための 取り組みの充実化を図りました。 海外勤務者は、勤務地によって医療機関の差があるため、国 内の勤務者と比べて健康支援状況が異なります。 2016年度は、海外勤務者の健診受診と健康フォローメール での産業医・保健師からのアドバイスの提供を実施しました。 現地窓口担当者との定期的な情報交換の実施や産業医などに よる医療巡回により、現地の医療状況を把握するとともに、 現地勤務者に対してはインターネットを活用した医療情報な どを提供しています。 健康づくり活動(日本) メンタルヘルス活動(日本) 海外勤務者の健康管理 ◦適正体重(BMI25未満) ◦禁煙(禁煙している) ◦朝食(毎日食べる) ◦運動(1日30分以上の運動を週1日以上) ◦飲酒(飲まないか、1日1合まで) ◦睡眠(熟睡できている) ◦間食(夕食後、寝るまでの間食は週2日以下) ◦ストレス(多い方ではない) 年度 2013 2014 2015 2016 (%) BMI25.0以上の従業員比率 19.8 20.6 20.4 20.8 *目標値は28.0%以下 健康チャレンジ8 BMI25.0以上の従業員比率 喫煙率の推移 *目標値は20.0%以下
「モノづくりは人づくり」トヨタは常にこの理念を持って、 人材育成に取り組んでいます。持続的に成長するためには、 人を中心としたモノづくりを志向し、人の知恵によって日々 の改善を重ねていくことが重要です。 また、事業のグローバル化に対応し、さまざまな文化や慣習が 存在するなかで、「もっといいクルマづくり」と「お客様第一」の 実現に向けて、全従業員が価値観を共有する必要があります。 そこでトヨタは優れたモノづくりの発展と継承に欠かせない OJT*1を基本に「トヨタウェイ」の実践を基軸とした教育プ ログラムをグローバルに実施し、持続的成長に向けた人材育 成を進めています。 世界中で働くトヨタの従業員が、共通の価値観・考え方であ る「トヨタウェイ」を理解し実践できるように、仕事の型・ 手法として体系立てて整理したものを「グローバルコンテン ツ」と呼んでいます。 「グローバルコンテンツ」は国内外を問わず、研修や職場での OJTを通じてトヨタの従業員が実践しています。働き方の共 通言語があることが、トヨタの強みであり、一丸となって、 より効果的に仕事する土台となっています。 トヨタウェイの実践 トヨタ流マネジメント ●トヨタのマネジメントの役割全体像 ●効果的な職場マネジメントのための実施事項 事務・技術職 管 理 者 一 般 技能職 方針管理 ●全社規模の改善を実現するための活動 ●組織のアウトプット最大化のための仕組み 自工程完結 ●それぞれのプロセス(工程)において 品質を作り込むための3ステップからなる 方法論 問題解決 ●問題を特定し解決するための8ステップ からなる方法論(トヨタウェイを実践する) 仕事の仕方 製造技能 ●異常判断や作業の ポイントに関する知識 ●異常処置能力 基本技能 ライン作業に最低限必要な技能 トヨタウェイ ●トヨタの価値観 ●すべての仕事の基本 OJD*2 ●日常業務実践と指導を通じた人材育成 推進に向けた、4ステップからなる方法論 問題解決 ●仕事のあるべき姿を 実現するために、 現状を改善していくための手法 管理・監督のスキルと役割 ●管理・監督者として、 標準作業を徹底するための スキル ●異常管理を通じた組・ チームの運営の知識など チャレンジ
Challenge Kaizen改 善 Genchi Genbutsu現地現物 リスペクトRespect チームワークTeamwork
人材育成
グローバルコンテンツ一覧 トヨタウェイ5つの価値観
*1 OJT(On the Job Training):職場での教育
*2 OJD(On the Job Development)
企業理念 P6 トヨタの従業員の日常業務(テーマ・役割)は、基本理念から つながる年度方針から落とし込まれています。評価とフィー ドバックは、部下と上司との密接なコミュニケーションを基 本に、人材育成につながる仕組みとしています。 具体的には、年度初めにテーマ・役割を決定し、定期的に上 司との面談を持ちます。面談では各従業員の自己評価に対し 上司が評価をし、それをフィードバックします。このサイク ルを回して人材育成につなげています。なお、半期の成果は 賞与に、過去1年間の発揮能力は昇給に反映させています。 理念、方針と連動した各従業員への評価とフィードバック トヨタグローバルビジョン 中長期経営計画 年度方針:グローバル会社方針 日常業務 ト ヨ タ 行 動 指 針 ト ヨ タ ウ ェ イ 2 0 0 1 トヨタ基本理念 CSR方針「社会・地球の持続可能な発展への貢献」 理念・方針・日常業務の関係
グローバル幹部の人材育成 グローバル幹部人材育成のための「GLOBAL21」プログラム は、全世界の優秀な人材が、グローバルトヨタの幹部にふさ わしい能力・見識を獲得し、各担当職務で個人の強みを最大 限に発揮するための枠組みです。 次の3つを柱に、プログラムを構成しています。 1.経営哲学・幹部への期待の明示 トヨタウェイおよびグローバルビジョンを展開し、グロー バル人事評価制度や各種教育へ織り込んでいます。 2.人事管理 評価基準およびプロセスをグローバルで統一し、公平性・ 一貫性を担保しています。評価の大項目は「課題創造力」 「課題遂行力」「組織マネジメント力」「人材活用力」「人望」 の5点です。異動・配置では、国・地域をまたぎ、地域・機 能を問わないグローバル配置を実施しています。 3.育成配置・教育プログラムの展開 グローバルでの配置や幹部教育を展開しています。海外 事業体人材の育成は、地域の事業体ごとの教育を基本に、 トヨタらしい仕事の仕方の習得に向けたTMCでのOJT も実施しています。TMC人材の育成では、「GLOBAL21」 に対応するプログラムをTMC教育体系の中に整備して います。 グローバル本社が取り組む「グローバル幹部人材」育成、 トヨタ自動車(TMC)で取り組む「TMC人材」育成、各地 域・事業体で取り組む「海外事業体人材」育成で、グローバル でのトヨタウェイの価値観の共有を目指す教育を展開してい ます。 グローバルでの人材育成体制 グローバル人材
Global Toyota Executives
ローカル人材 TMC ローカル人材地域 管理職の人材育成(日本) 部長級、次長・室長級、課長級それぞれの昇格者全員に、資 格別の研修を1年間実施。過去のトヨタの振り返りから会社 方針を学ぶ「集合研修」や、少人数でディスカッションを行 う「ゼミ活動」を基本とし、講師は役員・部長級が務めること で、「教え/教えられる風土」の再強化を図っています。 経営人材候補の育成のために、管理職の中からの選抜者に対 する研修も実施しています。トップ役員の秘書業務、海外ビ ジネススクールへの短期派遣、経営課題への取り組み業務、 国内経営幹部向けリーダーシッププログラムへの派遣などを 通じ、経営トップによる直接の見極め機会を創出するととも に、役員候補者の心構えの醸成を図っています。
海外事業体の自立化推進を目的として、海外事業体の従業員が トヨタ本社に出向し、OJTにより人材育成を図る制度を実施し ています。半年から3年の任期で、スキル・ノウハウや「トヨタ ウェイ」の習得を目指します。また、幹部の従業員については これらに加え、主にトヨタ本社の部長・室長として、トヨタの 意思決定プロセスの習得や人脈の構築を図っています。 2017年6月時点で30カ国・55事業体から539人の出向者 が在籍しています。 海外事業体人材の育成 人材育成を進める上では「目標の明確化・育成計画の立案→ 育成・配置→評価・フィードバック」というサイクルを回し ていくことに重点をおき、上司・先輩による職場でのOJTを 行っています。資格ごとの階層別研修、管理監督者向け研修 などのOFF-JTや、OJT とOFF-JTを組み合わせて知識・技 術を体系的に修得する専門技能修得制度も実施しています。 現在、少子高齢化、就業人口の減少、職場メンバーの多様化 など取り巻く環境が変化するなか、トヨタの強みである生産 体制を維持していくためには、職場メンバーが一つにまとま り、組織としての成果を最大化していくことが必要です。 特に、60歳の定年以降も65歳まで再雇用制度で働く従業員 や、女性技能職の増加への対応に取り組んでいます。 また、新技術や生産体制の変化に柔軟に対応できる人材を育 成するため、技術評価については要素技術まで掘り下げた単 位で評価する仕組みを用意するとともに、異動者支援策の一 環として「スタートアップセミナー」を実施するなど、効率 的・効果的な職能要件の修得を支援しています。 アドバイザー・トレーナーについても、社内で先輩にあたる 人材が後進を育成するなど、「教え/教えられる風土」のなか で人材育成を進めています。 技能職の人材育成(日本) 2014年から国内若手社員の海外への派遣規模を拡大し、若 手社員の早期育成・さらなる能力向上を目的として、「修行派 遣プログラム」に取り組んでいます。 入社4年目以降の社員を、海外現地法人、海外大学院(MBA 含む)、国内関連会社などに1 〜 2年間研修派遣し、実務や 異文化の理解を深めることに加え、ビジネスの場で通用する 語学力の習得などを研修ミッションとして課します。 2017年度は、新たに347人を派遣しました。 若手社員対象の「修行派遣プログラム」(日本) 人材育成の根幹は「トヨタウェイ」の実践であり、現地現物 を重視したOJTを基本として、OFF-JT*においても上司や 先輩の指導を受けながら成長する機会を設けています。 例えば、問題解決の研修では、まず集合研修により問題解決 のステップを学び、その後、実際の業務において取り組むこ とを、全世界共通のプログラムとしています。 2015年の人材育成体系の見直しでは、新入社員、若手・中堅 社員に対する全社教育のOJT、OFF-JTの充実も図りました。 新入社員は、入社後 1 年間は、各分野の基礎知識を徹底的に 習得します。3 年目および 6 〜 8年目の若手・中堅社員には 特別研修や、グローバルビジョンに沿ったOJTの5本柱を もとに構成した、集団研修を実施しています。 事務職・技術職の人材育成(日本) 具体的な取り組み 仕事の仕方 問題解決、トヨタ生産方式など もっといいクルマづくり 新型車・競合車乗り比べなど いい町・いい社会づくり ボランティア活動への参加など お客様第一 コールセンターでお客様の生の声を知るなど 会社の歴史 創業の精神・失敗の歴史からの学び 若手・中堅従業員を対象としたOJTの5本柱
トヨタでの「働き方変革」は、生産性向上と育児・介護と仕 事の両立支援を図っていくものです。2016年10月から、 従来の在宅勤務制度をさらに拡充した「FTL(Free Time & Location)」制度を導入しました。柔軟な働き方への変革を 通じて、一人ひとりが能力を最大限に発揮し、成果の最大化 を目指します。従来の在宅勤務は、育児・介護従事者のみが 対象でしたが、FTLはそれ以外でも一定の適用条件を満たせ ば、本人発意、上司の承認のもとに利用可能です。 2016年度末時点で、有資格者約1万3,000人のうち、合計 2,300人が制度を適用しています。 今後2年間で、有資格者に対して、在宅で勤務可能な専用PC を配付する予定です。利用者からは、「時間を意識した効率的 な働き方になっている」「家族と一緒にいる時間が増えた」な ど、制度を支持する声が多く上がっています。 在宅勤務制度 トヨタでは、ダイバーシティ&インクルージョンの推進を重 要な経営戦略の一つとして位置付け、多様な才能や価値観を 持つ人材が活躍し、一人ひとりにとって魅力的な自己実現の 場となる環境づくりを推進しています。 また、多様な視点により生まれる「新たな発想」や「課題の発 見」をさらなる競争力につなげることで、「もっといいクルマ づくり」の実現につなげていきたいと考えています。
ダイバーシティ &インクルージョン
TMA-Japan 価格グループ 富田 久美子 通勤に時間がかかるため、終日在宅勤務にトライしました。在宅勤務実施前に具体的な スケジュールを立てることで、在宅勤務のイメージを描きました。主な業務は資料づく りで、必要に応じてウェブカメラを利用して会議にも参加しました。また、海外事業体 との会議は時差対応で朝早くに実施しますが、自宅から参加することで、渋滞を考慮し て朝早く出勤していたころより身体への負担が減りました。在宅勤務では上司と取り決 めた細かいスケジュールがあるため、「この時間にこれをやりきる」という時間を意識し た働き方ができ、結果、生産性向上につながったと思います。 MS製品企画部 森 真也 私のチームでは全員がFTL制度を活用しており、他部署で妻も利用しています。私の活用方 法は、早めに帰宅し、育児が一段落した後に在宅勤務を始めるというものです。FTLの 利点である「時間を有効に活用して生産性を高める」ためには、チームで成果を出すと いう考え方が大切です。そのためにも、いつ、誰が、どこで見ても進捗が分かるように、 チームで仕事の進め方を共有することが必要だと思いました。FTLのおかげで、仕事の アウトプットを維持しながら、家族と一緒に過ごす時間が増えたことが大きなプラスです。 働き方変革(FTL制度活用者の声)ダイバーシティ&インクルージョンの推進
“もっといいクルマづくり”を実現
性別 国籍 育児・介護者 高年齢者 障がい者 LGBT 在宅勤務制度(日本)トヨタでは、女性や高年齢者、介護従事者など、多様な人材が生き生きと活 躍できる職場環境づくりを推進するため、「イクボス」への取り組みを実施し ています。部下のキャリアと大切にしている人生感を理解・応援しつつ、柔 軟な意識・姿勢でマネジメントができる上司(=イクボス)を育成するため、 200人の管理職が在宅勤務を体験する「イクボストライアル」を実施しまし た。これにより、参加者の9割以上が在宅勤務を有意義だとし、生産性向上 を実感。在宅勤務制度を利用する風土醸成にもつながっています。 そのほか、イントラネット「そだててねっと」を活用し、管理職500人によ る「イクボス宣言」を掲載。各職場での取り組みや、部下へのメッセージを宣 言し順次掲載することで、多様なメンバーの活躍を応援し合う風土づくりを 進めています。 人材が多様化する時代に求められる「イクボス」の取り組み(日本) イントラネット「そだててねっと」イクボス宣言 多様な人材が生き生きと活躍できる職場環境を実現するた め、管理職によるダイバーシティマネジメントの取り組みを 行っています。トヨタでは「ダイバーシティマネジメントの できる上司=イクボス」と定義付け、部下の価値観やキャリ アを理解・応援しつつ、柔軟な意識・姿勢でマネジメントを 行うことで、組織の成果は出しつつ、自身や部下の私生活の 充実も考えられる上司の育成を行っています。 ダイバーシティマネジメントの取り組み(日本)
女性活躍推進の取り組み(日本) 女性活躍推進においては、「働きながら安心して子どもを産 み育てたくなる会社」の実現に向けて、キャリア形成支援や 早期復職支援をはじめとする柔軟な働き方の実現や、育児環 境整備などの両立支援に積極的に取り組んでいます。 また、トヨタグループ各社とも連携し、グループ社員相互の 女性社員交流会の開催や、各社託児所の相互利用などにも取 り組んでいます。 女性が活躍できる雇用環境の整備を行うため、次のように行動計画を策定。 1. 計画期間 平成28年4月1日 〜 平成30年3月31日 2. 当社の課題 課題①:社員に占める女性の人数が少なく、女性技術者においては、勤続年数が男性に比べて短い 課題②:管理職に占める女性の割合が低い 3. 目標 ①新卒採用時の女性比率 -事務系40%、技術系10%- ②女性管理職数 -登用目標を定めた2014年時点に対し、2020年に3倍、2030年に5倍- 4. 取り組み内容 取り組み1 新卒採用時の女性の一定比率採用(事務系40%、技術系10%) 【活動の継続】 ◦女性比率向上に向けた以下採用活動の継続[2015年4月〜] (女性管理職・若手等、多様なロールモデルと応募者との接点機会を拡大、全社横断的な女性社員チームによる広報活動) ◦「トヨタ女性技術者育成基金」への継続参画[2014年12月〜] 取り組み2 育児と仕事の両立支援と、育児休職からの早期復職支援に向けた、環境整備と風土の醸成 【活動の継続・拡充】 <両立支援> ◦子育てサポート施策の継続と拡充[2007年4月〜](在宅勤務制度の更なる利用拡大、託児施設等の提供) ◦女性活躍推進のための職場風土醸成[2016年4月〜](上司・男性社員向けパンフレットの作成・展開等) ◦男性社員の育児参画促進[2016年10月〜] <早期復職支援> ◦産休前セミナーを通じた本人・上司・配偶者の意識喚起[2015年7月〜] ◦終日在宅勤務制度や保育費用補助制度の利用促進[2016年4月〜] 取り組み3 女性管理職登用に向け、早期からのキャリア意識の形成と計画的な人材育成 【活動の継続・拡充】 <キャリア意識の形成> ◦本人の意識高揚とそれを後押しする支援策の推進[2015年6月〜] (女性向け座談会の開催、SNSを利用した女性事技職ネットワークの形成支援、ロールモデルの紹介) <計画的な人材育成> ◦一人ひとりのライフイベントを踏まえた個別育成計画書の作成[2009年4月〜] ◦管理職向け研修プログラムの拡充[2016年4月〜] 推 移 施 策 KPI フェーズ1 制度拡充 女性管理職 (7人) (20人) (76人) (155人) 女性主任職 (67人) (142人) (297人) (580人) 退職率 (5.8%) (4.2%) (2.4%) (1.3%) 2002年 女性の定着・活躍のための 制度整備 2002年 2007年 2012年 2016年 2007年 定着を進めるための 制度拡充 2012年 育児者保護から、意欲・やる気を 後押しできる環境整備 2014年 活躍の取り組みを 拡充 ▼時短導入・育休拡大 ▼託児所設立(70人受け入れ) 拡充(小4まで可) (140人受け入れ) 改定(残業可) ▼両立支援セミナー導入 ▼早期復職支援 ▼家族手当導入▼送迎保育導入 フェーズ2 定着に重点 フェーズ3 定着 + 活躍 ▼在宅勤務導入 ▼再雇用制度導入 ▼個別育成計画作成 ▼在宅勤務拡大 2016年 働き方 変革 女性活躍推進の取り組み全体像(事務・技術職)
トヨタ女性技術者育成基金(日本) 国内製造業界の女性活躍促進に貢献するため、2014年12 月、グループ会社9社と共に「一般財団法人 トヨタ女性技術 者育成基金」を設立しました。理系志望の女子学生数の拡大 と、モノづくりの世界で活躍できる女性技術者の育成を目指 しており、高校生に向けた理系キャリア紹介事業として、女 性技術者が愛知県内の高校で出前講座を実施、理工系の女子 大学生への奨学支援事業として、キャリア構築支援のための 育成プログラム、経済的支援を行う奨学給付プログラムを提 供しています。 育成プログラムの一つ「リケジョの未来CAMP」では、将来 女性エンジニアとしての活躍を目指す奨学生に、大学在学中 から主体的な能力向上を図ってもらうための気付きの場を提 供しています。1年生は、学生相互の交流やグループ討議に よって将来への漠然とした不安を払拭し、モノづくりの最先 端で活躍する女性エンジニアによるパネルディスカッション や座談会、施設・職場見学などを通じてモノづくりの仕事の 理解を深めてもらいます。2年生は実際の業務に近いグルー プワークを経験し、より具体的にエンジニアとしての将来の キャリアイメージを描き、大学生活で専門性を高めるため の目標を考えるきっかけづくりを行っています。2017年2 月に開催された「リケジョの未来CAMP」には、1年生105 人、2年生118人の奨学生がトヨタ自動車本社に集まりまし た。参加者からは、「技術者になる自分が少しだけイメージで きた」「2日間で、いつもとは違う広い視野から、将来を考え られるようになった」といった声が聞かれました。 ウェブサイトでは、こうした「リケジョの未来CAMP」の報 告をはじめ、「活動紹介パンフレット」やトヨタグループの女
性エンジニアを紹介した「Rikejo News Paper」、モノづく りの仕事を紹介した「お仕事MAP」などの資料がアップされ ており、理系の仕事に就く女性の活躍を知ることができます。 推 移 施 策 KPI フェーズ1 制度拡充 退職率 女性技能職 (うち職制) 2002年 女性の定着・活躍のための 制度整備 2011年 定着を進めるための 制度拡充 2013年 意欲・やる気を後押し、 活躍できる環境整備 フェーズ2 定着に重点 フェーズ3 定着 + 活躍 生産職場のみ 9.1% 900人 (EX級*22人) 2003年 2.8% 1,550人 (EX級106人、SX級*36人) 2016年 ▼時短・深夜労働免除導入 ▼育休拡大 ▼託児所設立 ▼常1直勤務制度導入*1 ▼両立支援面談開始 ▼常2直勤務制度導入 ▼新人の重点配置(組立ライン以外) 交替勤務対応(最大2:30まで預入可) 7.7% *1 常 1 直勤務制度:育児両立者向けに工場での交替勤務職場で常に昼勤務を可能とする制度 *2 EX(Expert) *3 SX(Senior Expert) 2011年 女性活躍推進の取り組み全体像(技能職)
社会の少子高齢化が進むなか、女性活躍の推進においても、 働き方や育児負担の軽減に向けて、男性を巻き込んだ両立支 援に取り組むなど、「子どもを産み育てたくなる会社」の実現 を目指しています。 2015 年度からは「産休前セミナー」を導入しています。 トヨタに夫婦で勤務する従業員に対しては、「家事・育児は夫 婦で分担」の観点から、出産を控えた女性従業員だけでなく、 夫と双方の上司が参加し、夫婦での効率的な育児休暇の取り 方、家事の分担方法、互いのスケジュールのオープン化など、 チームとしてどのように支援していくかを話し合います。 2017年度は、託児所の大幅な拡充に取り組み、通園バスを 本社・工場地区に巡らせる送迎保育を一部で開始しました。 送迎保育導入により、送迎の負担軽減に加え、幼児の集団保 育を実現しています。 また、グループ会社6社と連携して、各社の託児所が相互に 利用できる制度を導入しました。 さらに2018年には、本社近くのトヨタ記念病院敷地内に病 児保育も可能な300人規模の託児所を増設予定です。病児保 育は地域住民の皆様にも開放していく予定です。 両立支援への取り組み(日本) 送迎保育 園庭 トヨタ自動車は、愛知県が女性の活躍促進に向けて積極的に取り組む企業とし て認証する「あいち女性輝きカンパニー」の優良企業として選出されました。 「あいち女性輝きカンパニー」は、2015年から愛知県が手がけている認証制 度で、優良企業の選出は今回が初めてです。トヨタは「2002年からの女性 の活躍に向けた制度の創設や拡充をはじめ、近年でも常1直勤務制度*の導 入、産後休暇・育児休職からの早期復職支援、また在宅勤務制度の拡大を行 うなど、従業員個々人の価値観や状況に合わせた働き方の選択肢を多く備え ている」として評価され、表彰いただきました。 「あいち女性輝きカンパニー」優良企業表彰を受賞 「あいち女性輝きカンパニー」表彰式 * 常1直勤務制度:育児両立者向けに、工場での交替勤務職場で常に昼勤務を可能とする制度
60歳以降の就労制度(日本) 1991年の技能職定年退職者を対象とした社内再雇用制度の 導入に続き、2001年には社外就労希望者に関係会社などの 就労先の情報を提供する「選択式再就労システム」を導入し、 社内就労と社外就労の両面から60歳以降の働き方を支援す る仕組みをつくってきました。 2006年度および2013年度には改正高齢者雇用安定法施行 に合わせて、より多くの従業員が再雇用される制度へと見直 しを行いました。 また、技能職では、2016年度からは「実質65歳定年」を目 指し、65歳まで意欲高く活躍し続けることを後押しするた めに、現役のときと同じ職位・待遇を維持する「上級スキル ド・パートナー制度」を新設しました。 介護施策の主な取り組み(日本) 介護を取り巻く社会情勢が変化するなか、介護に対する従業 員の不安・負担を軽減し、安心して仕事に従事できる環境を 整備するため、2009年より介護に関する会社施策の拡充を 図り、現在まで継続して取り組みを進めています。 一例では、情報提供の充実の一環として、2009年から専門 知識を持った社会福祉士・介護福祉士などの社外講師による 介護講演会を毎年開催しています。 2016年度は、「介護を知る」「介護に備える」「仕事と介護の 両立」の3つのテーマを2回ずつ計6回開催し、従業員とそ の家族を含む約530人が参加しました。 年度 2012 2013 2014 2015 2016 (人) 男性 19 22 20 43 44 女性 467 424 469 577 602 年度 2012 2013 2014 2015 2016 (人) 男性 20 17 18 41 342 女性 817 977 1,140 1,322 1,515 ◦2015年度までの数値は、育児・介護事由による「時短勤務」「在宅勤務」利用者の合計数 2016年度の数値は育児・介護事由による「時短勤務」と、育児・介護事由によらず取得 可となった「在宅勤務」の合計数 育児介護休職制度利用状況(日本) 柔軟な勤務時間制度利用状況(日本) 主な介護施策の取り組み 両立支援 情報提供 介護サービス 経済的支援 ◦介護休職・勤務時間の 短縮措置 ◦勤務時間制度の柔軟性向上 ①勤務時間短縮などの 申請単位変更 ②在宅勤務時間設定の変更 ③各種両立支援制度の 適応期間拡大 ④介護休職制度の新設 ◦トヨタ健康保険組合に 介護相談窓口設置 ◦介護パンフレット発行 ◦介護講演会開催 ◦体験型介護セミナー開催 ◦「介護積立」導入 ◦大手介護事業者との提携 ◦介護事業者の拡大 ◦ホームヘルプの導入 ◦「介護保障」導入 ◦「両親介護保障」新設 ◦介護融資制度導入
障がいのある方の雇用(日本) 障がいのある方の社会的自立を考え、健常者と一緒に働くこ とを基本とし、障がいのある方もさまざまな職場で各種業務 に従事しています。 2017年4月時点の雇用者数は1,785人、雇用率は2.173% (特例子会社含む)で法定雇用率(2.0%)を上回っています。 定着支援として、社内で手話講習会を開催したり、あらゆる 面からサポートする相談員の配置、各職場の好事例を水平展 開するなど、働きやすい職場環境づくりに努めています。 トヨタループス株式会社は、2009年4月より28人の障が いのある方々と共に事業を開始し、同年10月にはトヨタ自 動車の特例子会社として厚生労働大臣の認可を受けました。 2017年6月1日時点で、障がいのある方215人が就労して います。 主な業務は、トヨタからの委託業務である、社内印刷やメー ルサービス、カタログ封入作業を中心に、社外者証・通門証 や資産ラベルの発行、シュレッダー業務の代行、使用しない パソコンのデータ消去、トヨタ記念病院の看護助手補助業務 などを行っています。 また、従業員が抱えている健康や就労についての不安を解 消・軽減するため、雇用の拡大とともに支援スタッフも増員 しています。さらに、相談窓口の開設、産業医面談、臨床心理 士や精神科医によるカウンセリングなどのサポート体制を強 化するとともに、行政、地域社会や福祉機関との積極的な情 報交換によって、従業員一人ひとりが安心して就労できる職 場環境づくりに努めています。 2015年12月に開催されたアビリンピック(障がいのある 方の技能競技大会)愛知県大会に、トヨタループスから10 人が参加。「製品パッキング」部門、「オフィスアシスタント」 部門、「パソコンデータ入力」部門、「ワード・プロセッサ」部 門で各1人ずつ、合計4人が金賞を受賞しました。さらに、 銀賞1人、銅賞2人と、過去最多となる7人が受賞しました。 年度 2013 2014 2015 2016 2017 (人) 精神 22 26 28 33 48 知的 40 51 54 61 86 身体 29 44 52 74 81 出向者ほか 36 42 42 46 45 障がいのある方の在籍推移 LGBTに関する取り組み(日本) LGBT(性的マイノリティ)の方々を適切に理解し、その存在 を認識・受容する事のできる職場の実現に向けた取り組みを 開始しています。 新卒採用活動におけるエントリーシートから性別記入欄を廃 止し、新卒入社者を対象に人権啓発研修を実施しています。 新任管理職向け研修では、ダイバーシティ &インクルージョ ン推進の一環でLGBTに対する理解活動を行っています。ま た、社内外にハラスメント相談窓口を開設し、本社・名古屋 オフィスの一部に専用トイレ設置など、施設面からも対応を 進めています。今後も取り組みを継続していきます。 期間従業員の雇用(日本) 期間従業員の雇用に当たっては、適切な採用・契約更新など を行っており、雇用の安定や就業能力の向上にも最大限努め ています。社員登用制度により、期間従業員として1年以上 勤務した方を対象に、本人が希望し職場推薦のある方に受験 機会を設け、意欲・活力向上につなげています。 また、3年目にもあらためてチャレンジの機会を設けていま す。今後も、持続的な成長に向け、強い技能系職場の堅持が 必要であり、期間従業員からの社員登用を積極的に実施して いきます。 年度 2015 2016 2017 (人) 社員雇用者数 387 377 400 社員登用者実績と計画(日本)
トヨタの成長を支える人材基盤をより強固にするため、従業 員が生き生きと安心して働ける環境づくりを整えています。 コミュニケーションと互いの切磋琢磨から育つチームワーク の土壌を築き上げ、会社、職場、仲間への「誇りと愛着」の醸 成を図ります。 トヨタ社内の一体感を醸成し、愛社精神を深めることを目的 に、2009年度より「WE LOVE TOYOTA活動」を実施して います。 その活動の一環として、2016年は4月と6月に「WE LOVE TOYOTAセミナー」を開催しました。役員を含めて約400 人が参加しましたが、初めて会うメンバー同士でチームを編 成し、「社内プリウスカップ」を通じてクルマの楽しさを語り 合い、参加者のチームワークと絆を深めました。 また、2016年12月に開催された第70回「社内駅伝大会」 は、海外事業体からの参加も含め、各部代表の約550チー ム・約4,400人の従業員が選手として走り、3万人を超える 来場者が熱い声援を送ることで、トヨタとしての一体感を高 めることにつながっています。 WE LOVE TOYOTA活動(日本) WE LOVE TOYOTAセミナー 第70回「社内駅伝大会」