第28 号(2016 年)目次 論文 バングラデシュ村落社会におけるヒンドゥー・ムスリム間関係の変容 杉江 あい p.7-33 本文PDF[2084K] 抄録 本稿は、従来個別に扱われてきたバングラデシュのヒンドゥーとムスリムを同一の村落社 会空間を共有する主体として捉えなおし、20 世紀初頭以降、両者間の関係がいかに構築 されてきたのかを、両者が社会的な活動を共同する場であるショマージと青年組合に着目 して検討する。事例村では、政治的・社会的な変動に伴うヒンドゥー人口の流出とムスリ ムの居住空間の拡大により、両者間の物理的・社会的な距離が縮小していった一方で、ヒ ンドゥーはマイノリティとしての立場を強め、ムスリムがヒンドゥーのショマージの紛争 解決や宗教行事に介入することが増えていった。青年組合では、60 年以上ヒンドゥーと ムスリムが共同してレクリエーション等を実施してきたが、活動の主体や対象は実質的に ムスリムに限られるようになり、ヒンドゥーによる参加は形式的なものになっていた。し かし、青年組合はヒンドゥーが村のショマージの一部であることを示す役割を持っていた。 英系インド商会の貿易と商業ネットワーク 寺本 羽衣 p.34-65 本文 PDF[1913K] 抄録 本稿は、明治前期の商工録と貿易取引の分析から、居留地貿易中に横浜の英系インド商会 が「英国」商会のような一次産品の輸出・工業製品の輸入に携わらず、隙間貿易(薬種の 輸入・「Japanese Curios」の香港・ボンベイ輸出)から新軽工業品(絹織物、マッチ)の対 印貿易に先鞭をつけ、日印貿易にて強固な地位を確立する端緒を掴んだことを提示する。 これらの商会は中小規模のムスリム、パールシー、シンディー商会で、まず東インド会社 の関連会社として参入し、次第にボンベイやハイデラバードを商業拠点とするアジアの支 店網の一部として横浜に支店を開設していった。欧米商会、中国商会、日本商会と競合し ながら貿易に参入し得た背景には、アジア域内の主要貿易港間に広がる、英系インド商会 の緊密な自商会・代理店の商業ネットワークがあった。居留地貿易以後に急増する英系イ ンド商会の基本的な貿易構造を、この時期に移入したシンディー商会にみることができる。 書評論文 押川文子・宇佐美好文(編)『激動のインド 第 5 巻 暮らしの変化と社会変動』 中谷 純 江 p.66-73 本文 PDF[1461K] 長崎暢子・堀本武功・近藤則夫(編)『現代インド 3 深化するデモクラシー』 佐藤 宏 p.74-84 本文 PDF[1670K] 岡橋秀典・友澤和夫(編)『現代インド4 台頭する新経済空間』 小川 道大 p.85-91 本文 PDF[1589K] 書評 水島司・川島博之(編)『激動のインド 第2 巻 環境と開発』 大田 真彦 p.92-97 本文 PDF [1530K]
絵所秀紀・佐藤隆広(編)『激動のインド 第 3 巻 経済成長のダイナミズム』 福味 敦 p.98-102 本文 PDF[1420K] 柳澤悠・水島司(編)『激動のインド 第4 巻 農業と農村』 南埜 猛 p.103-109 本文 PDF [1517K] 田辺明生・杉原薫・脇村孝平(編)『現代インド1 多様性社会の挑戦』 松浦 正孝 p.110-119 本文PDF[1507K] 水島司・柳澤悠(編)『現代インド2 溶融する都市・農村』 友澤 和夫 p.120-126 本文 PDF [1455K] 粟屋利江・井坂理穂・井上貴子(編)『現代インド5 周縁からの声』 佐藤 斉華 p.127-134 本文PDF[1548K] 三尾稔・杉本良男(編)『現代インド6 環流する文化と宗教』名和 克郎 p.135-142 本文 PDF [1460K] 篠田隆『インド農村の家畜経済長期変動分析―グジャラート州調査村の家畜飼養と農業経 営―』 松浦 正孝 p.143-148 本文 PDF[1422K] 森本達雄(編訳)『原典でよむタゴール』 丹羽 京子 p.149-154 本文 PDF[1542K] 櫻井義秀・外川昌彦・矢野秀武(編著)『アジアの社会参加仏教―政教関係の視座から―』 澤田 彰宏 p.155-161 本文 PDF[1544K] 松川恭子『「私たちのことば」の行方―インド・ゴア社会における多言語状況の文化人類 学―』 相川 愛美 p.162-167 本文 PDF[1538K] 水島司・加藤博・久保亨・島田竜登(編)『 アジア経済史研究入門』 嘉藤 慎作 p.168-173 本文PDF[1538K] 鈴木真弥『現代インドのカーストと不可触民―都市下層民のエスノグラフィー―』 三宅 博之 p.174-179 本文 PDF[1473K] 押川文子・南出和余(編)『「学校化」に向かう南アジア―教育と社会変容―』 鈴木 康 郎 p.180-187 本文 PDF[1574K] 宇山智彦(編著)『ユーラシア近代帝国と現代世界』(ユーラシア地域大国論 4)、山根聡 ・長縄宣博(編著)『越境者たちのユーラシア』(ユーラシア地域大国論 5) 宮本 隆史 p.188-193 本文 PDF[1488K] 笠井亮平『インド独立の志士「朝子」』 岩城 聡 p.194-199 本文 PDF[1455K] 学会近況 日本南アジア学会 第28 回全国大会プログラム p.200-209 本文 PDF[564K] 英語テーマ別セッションI 現代インドにおける資源環境問題 藤田 幸一, 浅田 晴久, カマ ル・ ヴァッタ, 佐藤 孝宏, スレッシュ・ クマール p.210-215 本文 PDF[1570K] 日本語テーマ別セッションI シャーダラ 押川 文子 p.216-220 本文 PDF[1427K] 英語テーマ別セッションII 多様性の国からやってきた多様な人たち 田中 雅子 p.221-227 本文PDF[1547K] 日本語テーマ別セッションII ケーララ州におけるブラーマン社会の現在 藤井 正人, 手嶋 英貴, 梶原 三恵子 p.228-234 本文 PDF[1591K] 日本語テーマ別セッションIII 日本における南アジア諸言語研究の現在 萬宮 健策, 今村
泰也, 吉岡 乾, プラシャント パルデシ p.235-241 本文 PDF[1629K]
日 本語テー マ別セ ッション IV 現代インドの消費変動と社会システム 杉本 大三 p.242-247 本文 PDF[1434K]
英語テーマ別セッションIII Theorizing the New Middle Class in India 田口 陽子 p.248-253 本文PDF[1650K] 日本語テーマ別セッションV 南アジアの移住商人(マールワーリー)の研究 中谷 純江 p.254-259 本文 PDF[1444K] 日本語テーマ別セッションVI インド電力改革をめぐる政治と経済 広瀬 崇子, 福味 敦, 横尾 健, 溜 和敏, 山崎 裕美子, 北川 将之 p.260-265 本文 PDF[1536K] 編集後記 佐藤 隆広 p.266 本文 PDF[470K]