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洋種カボチャの果実の発育に及ぼす葉面績の影響-香川大学学術情報リポジトリ

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香川大学農学部学術報告 第83巻 第2号103∼108,1982

洋種カボチャの果実の発育に及ぼす菓面積の影響

倉田 久男,水野 正美

EFFECT OF LEAF AREA ON FRUIT GROWTH OF CUCUEl且rm

朋AX〃ばA DUCH.

Hisao KuRATA and MasamiMIZUNO

Relation betweenleafarea and fruit g・rOWth wasstudiedin early maturing・Culture of single stem

trainingCueurbila maxima Duch.cv.Ebisuby controllingartificially.1eaf area and fruits.There Were pOSitivecorrelationsbetweenleaf number and fruit weight(r=+0.867)and betweenleaf area

andfruitweight(r=+0.986):1inearregression(y=1小195x−0.818)..On plantsleavesweretakenoff, fruitgrowth wa$WOrSe atlOor14days after anthesis..Correlation betweenpositionofleafandfruit Weightwasnotrecognized.ThefruitweightperlOOcm21eafareadecreasedastheleaf numberin− creased..Itwasshown thattheproductionoflh5kgfruit required aboutlm21eaf area.Provided thattheleafareaandleafnumberarel‖2m2and25per fruit,reSPeCtively,fruitgrOWthispromot− edby thepinchingOfthe tipofvine.Inthisexperimentthe relationamongfruit weight,thickness Ofpericarp,dry matter content andsugar content by BriⅩ$Cale became clear.

洋種カボチャ,品種えびす南瓜を用い,1本仕立,1∼2果結実,英数を5∼25枚に制限して,露地早熟栽培に おける菓面積と果実の発育との関係を調査した 英数と果盈との相関は.r=十0867で,乗数の少ない区では開花10又は14日後から果実発育の低下がみられた 葉面帯と果重でほr==+0.986と極めて高い相関を示し,直線回帰y=1.195Ⅹ−0い818が計算された‖ この場合菓 両群が同じであれば着菓位層の影響は認められなかった.また英数が多くなる程,葉面帯100cm2当り果重は減 少した この栽培において15kgの果実を得るた糾こ.ほ菓面帯1m2が必要で,1果当り英数25,菜面療12m2あれば, つる先を摘心した方が果実の発育ほ良かっナこ 果実重恩と果肉の厚さ,果肉乾物率,糖度(Brix)の関係は明らかであった 緒 暖地で雨の多い時期に.栽培する洋種カポチ・ヤの早熟栽培でほ,果契収盈の割合に茎葉の繁茂が大きく,つるの処 理や単位廟領収盈増について反省させられることが多い∴果実の発育のために必要な菓が基盤に・なることは当然で, デリシャスを用い乗数7,13,18では18菓区が(1〉,中村早生を用い英数10,15,20では15菓区が(8)適当といわれる が,他のウリ摂に比べ栄養生長が強く乗が大きい洋種カボチャについて,適切な菓の盈とそのあらわし方などにつ いて明白になっているとは思われない即ち,果実発育初期は葉盈増加と併行しており,この間に確実な着果と効 率的な果実肥大,−・方栄養生長,菓盈増加とのバランスが大切と考える このような考え方を前授に,菓数,葉の位置,菓面積と果実の肥大,品質について調査したものである 実験材料および方法 品種長岡交配えびす南瓜を用い,1977年3月10日種まき,温室内で9cmポリポ・ソトで育苗,4月21日ポリトン ネル被否,黒ポリマルチした本圃に定植した†ソネルは日中換気して5月10日除去したが,当時乾燥強風のため 生育が一・時停滞した.あとは−・般栽培に準じた 5月7日開花の雌花から人工交配とNAA20PPM処理を併用して着果させ,開花3日後着果が確実となったも

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香川大学農学部学術報告 第33巻 第2号(1982) 104 のについて必要な乗数に制限した

凡て新づる1本仕立とし,琴数は果実を1果として着果節を中心に・5,10・15,狐25菓および無摘心放任区

(子づるは除く)∴着果節の下10菓と上10菓区∴更に15,20,25菓区で2果結実(節位・で3∼4節,開花日で平均

2巾4日の間隔であった)の合計11区を設けた

菓面積は大小36菓について主脈長と菓面研との関係は,密接な正の相関があり,y=−371+0・47Ⅹの関係が計

算された(第1図)ので,全英の主脈長から菓面積を算出した開花後30日の果実を収穫し瀾査した

主 脈 長 第1図 親づる菓の主脈長と菓面積の関係 結 果 1..節位別菓面積の変化

第2図のように,トンネル除去頃の6∼10節の菓が小さく,その上は飢節まで増加した別節菓に・比べ6∼10節

簾は約30%であった (C㌔1 800 000葉 4∞面 緋 積 節 位 第2図 親づる実における主脈長,葉面横の推移 2..薫数制限と果実の発育(1果結実の場合) 第1表のように乗数が多い程菓画質は広く,果実は大きく扁平化する懐向があるが,無摘心区は・25菓区に比べ菓

面麓は虐めて大きいにかかわらず果実生産は劣っている“また菓両横100cm2当り生産盈では生態塞,乾物盈と

もに葉面税の大きい程低下する

各区の果実肥大経過を横径であらわすと(第3図)5棄区は開花後10日,10菓区と無摘心区ほ14日頃から差があ

らわれている

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倉田久男,水野正莫:洋種カボチャの果実り発育に及ぼす菓面置の影響 第1表 菓数制限が果実生産に及ぼす影響(1果結実の場合) 105 菓面積100cm2当り 果 実 調 査 盤︶639.6.4.1 果は42.汲17.15138 弼㈹膵0・48㍑ほ用 英 数 梼径 縦〔径 果形指数 果 重 ▲ 乾物藍 」1し∴ 3.79 2。59 2り00 2.21 1.81 1.22 A B

守(mm)

5 140a* 96 10 148b lO2 15 161ed lO5 20 178de lO3 25 178e lO8 NS 178e lO7 (A/B) (kg) 1.46 0巾98a l.45 1.07b l.58 1.81c l.68 1”51d lゆ65 1.65d lり53 1,53d *5%レベルでの有意差検定 NS,無摘菓区 0 4 8 12 I6 20 24 28 開 花 後 日 数 第3図 案数制限が果実横径発育に及ばす影響 3一.葉数10としたとき葉の位置と果実の発育(第2表) 第2図のような菓面積の推移があったため同じ乗数でも菓面積は上位者菓区凝大きい,この場合も果実の発育は 薬面帯と正の,菓面積100em2当り生産盈は負の関係が明らかである.果実発育曲線では(第4図)着果節下着菓 第2表 菓数10の場合,菓の位置と果実収畳 菓面瘡100em2当り 果 実 調 査 重︶930 果短19.22.25. ご■∵ 縦B径 果形指数 果盈 (mm)≠(短) (kg) 101 1.50 1.33a lO2 1.45 1.07b 97 1.44 0..95b 薬の位置 横 径 A (nlI11) 果実より上 151a* 果実を中心 148a 果実より下 140b 乾物重

2.49 2.59 2.81 *5%レベルでの有意差検定

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香川大学農学部学術報告 第33巻 第2号(1982) 106 0 4 8 12 16 20 24 28 30 開 花 後 日 数 第4図 乗数10の場合,菓の位贋と果実横径肥大 との関係 区は開花後10日頃から低下し,着果節上着菓区は14日頃から良くなっていて,菓の面横確保,活動の推移との関係 が推測される 4.葉数制限と果実の発育(2鼻緒実の場合) 第3表のように菜面積と果実の発育との関係は前2項と全く同じ傾向であったが,同じ英数でも1果実の場合に 比べて1果平均重は劣るが1株当り果実重は37∼61%増和し(菓数の多い方が増加率は高い)従って菓面硫100 Cm2当り果実生産盈ほ.28∼48%増加した 第3表 着果数が果実生産に・及ぼす影響(2果結実) 果 実 調 査 薬面箭100em2当り 乗 数 着果数

禦慧肌撤闇撒皿

十⋮

り︰∵︰1・︰∵﹂︰− 7. 果短12615201317 ∵∵︰。丁二﹂∵︰ 果形指数果 重 比 (A/B)(kg) 比 乾物重 比 ル (100) 2.00 (100) (148) 2=62 (181) (100) 2.21 (100) (1鮒) 2.朗 (1然) (1㈹)1小81 (100) (1公) 2=班 (143) 105 1..53 1.31a (100) 98 1.41 1.80b (137) 103 1.68 1.51a (100) 103 1.47 2.31b (153) 108 1.65 1.65a (100) 1 2 1 2 1 2 5 0 1 2 1.52 2.66b (161) *5%レベルでの有意差検定 5‖ 葉面積と果重との関係 以上2,3,4の場合について,果重と某両群,英数の関係をまとめると第5,6図のようで,無摘心区を除い た計算では何れも正の相関が計;臥されたが,乗数より菓面瘡がより密な関係を示した.これから15kg・の果実を 目標としたとき,菓面積は約1m2が必要となるい また1株菓面積と菓面償100em2当り果実生産盈,乾物生産盈 は第7国のように片対数グラフによって直線的な負の関係を示し,1果結実に比べ2果結実は同じ菓面積の場合生 態重で36∼59%増であった 6.葉数と果実品質との関係 乗数制限し1果結実の果実について調査した(第8図)果肉厚,乾物率,BIixともに英数と正の相関があった. そのうち,果肉の厚さと乾物率は20菓区までは乗数と比例したが,それ以上では増加傾向はなく,Brixは無摘心 区を加えて菜数の多い区が高い傾向を示した.

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倉田久男,水野正美:洋種カボチャの果実の発育に及ぼす菓面箭の影響 107 0 放任 γ=+0い867絃猿 ●15 ×25 ■ X ● 10 20 上10 下10 ● 10 0.91−01.11、21い31…41い51.61“7 果実平均垂(kg) 第6図 集数と果実平均重との関係 註記は第5図と同じ 果実平均重(kg) 第5図 案面筋と果実平均重の関係 (1)図中数字は英数を,上・下は着葉位置を ×印は2果結実の場合を示す (2)相関,回帰の計算には放任区を除く 乾 物 重 ︵g︶ 2 0−.2 0.3 0い5 07 1い0 2.0 菓 面 積(m2) 第7図 1株菓面瘡と菓面帯100em2当りの 果実,乾物生産盈の関係 5 10 15 20 25 NS 真 数 第8図 案数制限と果実品質との関係 考 察 果実の肥大充実のためある菓の盈が必要であることは当然であるが,葉の盈とは菓の働き,主として光合成能力 を重視するものであり,一・万葉の大きさは着菓位置濫よって変化するものであれば,葉の盈は乗数より菓面着であ

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香川大学農学部学術報告 第33巻 第2号(1982) ユ08 らわす方が適切であろうい本実験においてこ同じ乗数で乗面積の異なる場合の果実重の変化をみるとこのことが実証 される‖萩原(1)は主脈長総和と果重との関係を計算しているが,結果として同じ考えにたつものであろう 必要な葉面積について,1.5kgの果実を目標とした場合,この栽培に・おいて約1m2であったしかし薬の働 きは菓面積と光合成環境が関与するもので,5∼6月1m2必要としても,より多日照,適温下では必要葉面帯の 数値ほ動くものと考える‖昼田(8)は長野県の8∼9月に,中村早生で15菓区が良かったとするのほ,兼面横は判ら ないが品租の差だけでなく,光合成環境による差にも基因していると考える。果実当り必要菓面贋とはそのような 観点にたって,それぞれの栽培で設定されねばならないものである 果実の発育は実の活動と共に効率的な光合成産物の配分が必要である栄養生長が掛、作物で,とくに雨期にわ たる暖地早熟栽培では,栄養生長とのバランスは考慮されねばならない,必要な菓面瘡があればつる先は摘険した 方が果実の発育がよかったのは,このことによるものと考え.る昼田(8)が強繋他のカボチャでは茎葉生長の適度の 制限は果実の発育,品質を良くするために必要である,という考え方ほ同調できる 菓面街100cm2当り果実生産畳は,菓面慣が少ない程,また同じ菓両級では1果結実より2果結実が能率的で あったが,その増加率は菓面贋減少の割合に・は造かに及ばなかった,やはり正常な果実に発育するに必要な菓面積 確保が基本になるまた葉蘭帯が少ないとき横径増加が劣ってくる時期,あるいは裏面積が多いとき横径増加が向 上する時期は,開花後10,14日で,横径増加最盛期間の中∼後期にあらわれ,更にその時期は実の盈とその活動推 移との関係が微妙にあらわれた=この頃からの果実発育の良否が果実の大きさ,収畳,品質に大きく影響すると推 察される. 果実の大きさと果実品質(果肉の厚さ,乾物率,糖含量など)が関係深いことは既報(2〉と同じであった 引 用 文 献 :仝上15,135−142(1944). (1981年10月81日受理) (1)萩原 十:国学雑17,182−187(1946). (2)笠田 栄,千石正乃夫:国学雑 14,241−250(1943)

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