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モンシロチョウにおける結紮実験-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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モン;シロ争ヨ馴こお狩る結儀贋腰

/ト 早 川 酵 =

(香川県小豆郡四海中学校)

隣麺類の変態機構は,蚕(及)沼妙ズー調0γZ)に於ける詣由(1937⊥1944)のいろいろな実験以来・諸家

が研究し,7ラク体(CoWoraallata)や脳,前陶操(prothoracicgland)が重要な役割を果し

ていることが明らかになった.筆者ほ、モンシロチョウ(Pf♂クーねク′α如g払ニケニg)を材料として,桶化

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も 8 羽化の機構を結数檻よって一迫来し,又解剖により前胸昧の位置及び形態を観察した.この研究は1952 年5・月より周年12月にかけて行ったもので,其の間指琴していただいた矢崎発生に・感謝の意を琴す

る・飴甲蚕業研究朗の福田宗 ̄兜竺にほ,農重な文献及び写眞を御意与に・あづかり厚く讐諭する・

材 料 と 方 琴1

−r 腑化実験に使用したモンシ這≠ヨウの幼虫ほ,1952年5月下旬轟から採集し,・以来実験室内(童混 150∼180C)で大型シャーレ中でキャベツを与えて飼育した.その中カラら最終令のもので餌をたべな くなって掛こ吐糸(亭pinning)して静止せんしつつあるもの105個体を選び,対周と.=つの笑顔群K 分け観察した.オオ化実験をま5月中旬実験室内(壷温130−160C)で飼育中訂然に嫡化した15個体を材 料卑して実験した.前胸腺の探熟吏,生体又はブーアン氏済で固定し70%のアルコール中に保存した も、のを用いて,双眼解剖顔微鏡(15×2)の下で解剖してその位置を知り,別出してトータルプレパ テTトをつくった. 衆 意 実験1:桶化についての笑験ほ,材料を次の3群に分け,5月26日から6月7日まで毎日観察した. 即ち対周年ま5個体で,正常な変態過程を観察する為に,÷実験群と同一十条件で飼育㌧た・ A群(実験)は50個体で,頭部と前胸部の問を5月26日に木綿糸で堅く結勢した.

B群(実験)は50個体で,前胸部と.中胸部の閤,もしくほそれより後方で,A群と.同日問方放で結

■,r 致した. 対周の5個体の実験卦こ澱ける正常蠣化過程をみると,5月27日にほ金個体が体を吐出した糸で固 定し窄金町撃止状態になり,翌28馴こは全個体と・も桶化し,6月6日に・1個体が郷ヒし,更に翌7日

( は痍りの4個体も羽イヒした.即ち婦化から綱イヒまで室温に於て1.0乃至11日かかった.一幼虫は凝絡令の

癖化1日如こなると,表皮の性質には着い、変化ほ見られないが,一一囁にやや透明になり,鮮緑色に

なる.体長軋於て偲,最終令で最大の将にほ平均して約2.5cinであるが,吐糸を終へて静止状態にあ

富ものは平均して約2.3cmに縮まり,太さは増してずんぐりした勅こなる.脱皮ほ頭部から腹部へと 表皮がはなれ腹部では左右に体を勤して2∼3分で終了する.脱皮すると桶が現れる.その体長は平 均して約2.1cmで,表皮は無毛で亭や褐色を呈しなゃらかなキチン質である.その褐色の洩度ほ個体 l に.よって差異が認められるが,羽化が近づくにつれてその濃度を増した十倍,表皮は初めは桑く如哉

に反応して疎の後部を動かしたが,郷ヒが近づくに.つれて固くなり被刺戟性を失う.

結激突験の結果は第1衣の通りである. 第1衰:結数による前後部の蛸化 (但し+は桶化,−は時化しないことを示す)即ち A群では13個体が後方だけ桶化している.B群では

合計 殆んど蠣化したものはない.結染の雷に,棉化を起

す場合も,対照に比して喝化の_日のおくれを示し た.これを第2表に示す. 第2表:結数の雷の桶化のおくれ (但し数字ほその日に個化した個体数を声す)A群 に於て径部位のみ嫡化しだ13個体(第1表(b))は 脱皮するとき,頭部が幼虫皮と共に.結勢部からはな れて頭のない蛸になった.然しこれら無頭嫡は数日 にして死んだ. 4

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9 i 実験 者:羽化瞑・ついての琴囁ほ・, 対風ま.10個体で実験と紆叫条件で飼育して,5月10日に蛸化したものの正常新化を観察した.笑顔 は5個体で5月10日に脱皮して,蛸が頸れた時から10分乃至5時間以内のものを,頭部と前胸由を 含む前方と.申後胸部と.腹部後方とに・,ノ木綿糸にて結激し分けた. 5月10日時化じたもの10個体の対照について,実験窒に於ける■正常羽化の過程をみると,15日に・1個 体が死に,20日に6個体が羽化し,翌21日に2個体が羽化したが,1個体は25日笹なっても訝イヒしな かった.即ち蛸化〔二てから羽イヒするまでに10自乃至11日かかつ’たJ蛸化した時のキチン質の表皮は, 緑で体の柔いものや,少し褐色をおびて体の固い、ものなど,個体によって差異があった・然し訝イヒが 浄づくにつれて爽卿こ褐色化し,羽化の直前にほ東塊をおびてくるが,頭胸部の方が濃い. 実験群の結果ほ,第4表の通りである. 第4襲:結集による前後部の羽化 (但し+ほ羽化,−は羽化しなかったのを示す)途中で死

だ3個体は,1.5日,16日,17日と大夫1個体づつ,衆皮が

感化し,体液が外に.溢出して死んだ.前部位のみオオ化した 2個体は,5月21日翌22日と夫々前部位が脱皮して成虫体 が探れた.が,後部位■は.蛸の状態に止まり,2個体は25日ま で生きていた.侍対照と実験群の羽化に察した日数ほよく似ていた. t一色◆ くa) (b) (c) 第1図 をンシロチョウの前胸腺 P.g・.・・・■前胸腺,tra,‥・気管,fat.…用旨肪,m.…筋肉, 第1図(a)は前脚第1気門との関係位置を示す.(b)及び(C)はその部位だけ射出したものである. これを蚕と比較すると.,蚕では嘩眉体の形が大きく3−・4mm(5命)あり探索しやすかったが,モ ン′シ′ロチョウでほ形が少さく1mm(最終令)位で,体長1㌻.5cm位の幼虫では脂肪組織が少ないに.も かかわらず見出せなかったが,体長2.5cm位の最終令のものは脂肪組織が多いにもかかわらず,正常 位置に盛見されるか,又は発見困難な場合にほその附近の組織を創出し,おしつぶし療本に.よって特有 の腺組織を見つけること.が出来た.前胸の気門の内側につく主部と,ここから頭部に続いている副部 が認められた.(b,C)でほ.不整型の大型の腺細胞に多数掛粒が認められた. 考 察 も 怒 嫡イヒについての笑顔で得た結果から,前胸部に嫡化中枢があって,そこから分泌されるものが体の 各部に影響をあたえているものと思われる.ノ.先づ幼虫の結染実験の結果から考え.ると,吐糸と同時に A,B群共に結熟したのであるから,その結果の違いは夫々の結熟部位の逢いに・よると思われる.A 群とB群の結果を比較すると,B群に於ては前後部位共に殆んど蝉化しない,薫るにA群に・於ては死 んだ9個体を疲いて41個体のうち13個体は後部位が蛸化している.従って吐糸の時期に於ては,′A.群に 於七みる如く,膳,アラク体を含む頚部位はその部の蛸化が不熊であるにも拘らず,前胸腺を含む後 部位は滴化が可能である.虫群に.於てみる如く,アラク体,月乳前胸腺を共に食む前部位は,何等り 腺も含まぬ後部と共に蛸化不能である.モンシロチョウに.於て,吐糸を変態過程の一席期と見て,吐 r

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t O 糸開始より間もない過掛こ於ては,前脚膵が嫡化の中枢となり,前胸腺とアラク体,階を共有する場 合は,前者の蛸化の働きが,後者によって妨げられたと考えねばならない,戯し,正常の嫡化過程に於 ㊥ ては,両者共に含まれているわけであるから,この考え方に矛盾を来たす,B群に於ける実験は更隼 追試する必嬰があると思われる.モンシロチョウに於ては,結染の前後部位に於ける体色の褐色化ほ 著しいもがあり,これが嫡化過程と何等かの関係があるか,又は単なる生理的の障零であるか,決定 する事は出来なかった(第3表). 羽北についての実験では,前胸より後方で結集した蛸が,前部位だけ羽化した.この場合アラク体 膳,前胸腺が作用し,後部位には何れも作用しない.これは頭部と前胸部の境界が挿の形の上から不 明瞭で,その間で結集出来なかった雷,前約腺のホルモンのみが作尉したとはいえないが,何れ忙し ても,頭部と前胸を含む前部位に羽化中枢があるといえる。前胸腺ほ室賀(1940)が36経め隣項類で 翠めたか,筆者も亦モンシロチョウの前胸腺の存在を確実に認め,その位置,形態を観察した. 摘 要

1)モンシュノロチヲウの幼虫で最終令に達し,吐糸し終り静止せんとしつつあるものを材料として,結

集によって蛸化中枢のある部位を探索した.正常なものは2日で蛸化したが,頭部と胸部の問で結染 した結果は,前胸腺を含む後部位だけ嫡化したものは26%であり,前胸より後方の結集部位は,殆ん ど嫡化不能であった。 2)モンシロチョウゐ嫡化直後のものを材料にして,結染して訝イヒ中枢のある部位を探索した.正常 なものは10日∼11日後に羽化したが,前胸腺を含む前胸部より後方で結染したものは,前部位だけ羽 化した. 3)解剖により,前胸の第丁気門の内側に前胸腺を認め,その形態を観察し図示した. 文 献 福田 京劇(1952) 没磨 忠雄(1950) 市川 衛(1950) 梅谷輿七郎(1951) ク (1940−・41) :昆虫の変態ホルモン,科学,Vol.‡。22. :頸代の生物2− :最近の生物学1. :形質と環境. :無背椎動物のホルモン論,ン植動8∼9.

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