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神経外胚葉のパターン形成においてJiraiyaはII型BMP受容体を阻害することによりBMPシグナル伝達を減弱させる

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Academic year: 2021

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(1)Title. Author(s). Citation. Issue Date. URL. Jiraiya Attenuates BMP Signaling by Interfering with Type-II BMP Receptors in Neuroectodermal Patterning( Abstract_要旨 ) Aramaki, Toshihiro. Kyoto University (京都大学). 2011-03-23. http://hdl.handle.net/2433/142060. Right. Type. Textversion. Thesis or Dissertation. none. Kyoto University.

(2) 京都大学. 博士( 医 学 ). 氏 名. 荒 巻 敏 寛. Jiraiya Attenuates BMP Signaling by Interfering with Type-II BMP Receptors in Neuroectodermal Patterning. 論文題目 (神経外胚葉のパターン形成においてJiraiya はII 型BMP 受容体を阻害することによりBMP シグナル伝達を減弱させる). (論文内容の要旨) 脊椎動物の発生過程において BMP(bone morphogenetic protein、骨形成タンパ ク質)は細胞の分化、増殖、細胞死の制御等、非常に多様な機能を果たす。特に神経 系の発生においては、BMP シグナルは外胚葉組織からの神経分化、その後の神経組織 のパターン形成に関して中心的な役割を担っていることがわかっている。BMP シグナ ル伝達には数多くの制御因子が報告されており、それらによる厳密な制御は正常な胚 発生に必須である。 Jiraiya は、アフリカツメガエル Xenopus leavis 胚において初期神経組織特異的に 発現する遺伝子として単離された。モルフォリノアンチセンス法を用いて Jiraiya の 機能阻害を行ったところ、神経板外縁部マーカー遺伝子である Msx1、Pax3 の発現領域 が拡大した。逆に、Jiraiya の過剰発現によりそれらの遺伝子マーカーの発現は抑制 された。これら神経板外縁部マーカーの発現は BMP シグナルにより正に制御されてい ることが報告されており、Jiraiya が BMP シグナルの負の制御因子である可能性が示 唆された。そのため、次に Xenopus 胚の外胚葉外植体を用いて細胞の BMP 応答に対す る Jiraiya の効果を解析した。その結果、Jiraiya の過剰発現は BMP シグナル伝達を. (論文審査の結果の要旨) 本研究では、アフリカツメガエル胚の神経板に発現する新規遺伝子 Jiraiya の機能解析 を行い、この分子による BMP シグナル伝達の新たな制御機構を明らかにした。Jiraiya は小胞体に局在する膜タンパク質であり、II 型 BMP 受容体(BMPRII)に結合し、その 細胞表面への輸送を阻害することで BMP シグナル伝達を制限する。また、Jiraiya の BMPRII への標的特異性にも着目し、BMPRII に特有のモチーフ(EVNNNG)がこれを 決定していることを発見した。 アフリカツメガエル初期胚におけるノックダウン解析の結果から、Jiraiya は BMP によ る神経組織の背側化に拮抗的に働き、神経組織の適切な背腹パターン形成に必要である ことがわかった。また、モルフォリノアンチセンスオリゴを用いて特定エクソンを欠失 させる方法を考案し、この手法を用いて内在性の BMPRII を Jiraiya 非感受性の C 末端欠 失型に変換したところ、Jiraiya ノックダウンと同様の表現型を示した。このことは、生 体内においても Jiraiya と BMPRII が機能的に関連していることを強く示唆するものであ る。 以上の研究は BMP シグナルの動的な制御メカニズムの解明に貢献し、脊椎動物の中 枢神経系発生過程の理解に寄与するところが多い。 したがって、本論文は博士( 医学 )の学位論文として価値あるものと認める。 なお、本学位授与申請者は、平成22年11月25日実施の論文内容とそれに関連 した試問を受け、合格と認められたものである。. 受容体レベルで抑制することが示された。一方で、BMP と同じく TGF-βスーパーファ ミリーに属する Activin/Nodal シグナルは Jiraiya による抑制を受けなかった。この ことから、Jiraiya は BMP シグナルに特異的な制御因子であることが示された。 アミノ酸配列からの予測によると、Jiraiya は3回膜貫通型の膜タンパク質をコー ドしている。Xenopus 胚に発現させた Jiraiya タンパク質の細胞内局在を免疫組織染 色により解析したところ、その相当量が小胞体に存在していた。次に、各種 BMP 受容 体を Jiraiya と共発現させたところ、II 型 BMP 受容体(BMPRII)のみが細胞内局在が 変化し、Jiraiya との共局在を示した。Jiraiya は II 型 BMP 受容体の細胞表面での発 現を特異的に阻害することで、細胞の BMP 応答を抑制していると考えられた。 BMP 受容体群の中で、II 型 BMP 受容体のみが細胞内領域に特徴的な構造(Tail domain)を持っている。この Tail domain を欠失させた II 型 BMP 受容体では Jiraiya に対する感受性が消失した。また逆に、本来 Tail domain を持たず Jiraiya による抑 制を受けない II 型 Activin 受容体(ActRIIA)に Tail domain を付加すると、Jiraiya への感受性を示すようになった。このことより、Jiraiya の標的特異性はこの Tail domain を介していることが明らかになった。更に詳細な欠失変異体を用いた解析によ り、Jiraiya の標的特異性は Tail domain 内にある脊椎動物種間で高度に保存された モチーフ(EVNNNG)によるものであることをつきとめた。このことは、Jiraiya によ る II 型 BMP 受容体の制御メカニズムが脊椎動物において広く用いられている可能性を 示唆している。 このように、本研究は膜タンパク質 Jiraiya による受容体レベルでの新たな BMP シ グナル制御機構を明らかにした。Jiraiya の哺乳類ホモログは BMP シグナルが重要な 働きをする肺や腎臓の発生過程においても発現するため、Jiraiya による動的なシグ ナル制御の役割にも興味が持たれた。. 要旨公開可能日:. 年. 月. 日 以降.

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