第 2 回 ロービジョン学会
口一ビジョン患者の Quality
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Okada ,丁目suoHidaandTakaakiFujiwara
KyorinEyeCenter
目的:インテーク時に,口ービジョン患者が読み書きや移動の困難を訴えることは多いが,それ以外のニーズを 挙げることは少ない。患者の潜在的ニーズを明らかにできる包括的なインテークの方法を検討する。 方法:ロービジョン患者のニーズを二つのインテーク方法で比較した。一つは患者の自由口述による方法と,も う一つは包括的な qualityo
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(Qo L)評価表を用いた方法である。顕著な差がみられたニーズに関しては,そ れが患者のプロファイルのうち何に関連しているかを探った。 結果:挙げられたニーズの総量は,自由口述による方法より,包括的な QOL 評価表を用いた方法において多かっ た。とくに余暇活動のニーズに関しては顕著な増加がみられ,これは患者のプロファイルのなかで,職業の有無に 関連していた。 結論:口一ビジョンケアのインテーク方法として,包括的な QOL 評価表を用る方法は,患者の自由口述のみに 基づいて行う方法より,多くの情報を提供でき,望ましいことが示唆された。(眼紀 53 ・ 527-531 , 2002) キーワード:O
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別刷請求先: 181-8611 三鷹市新川 6-20-2 杏林アイセンター 西脇友紀
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C巴 nter528 緒言 視機能の低下は,それまで視覚を用いて支障なく行って いた動作の継続を困難にし,ロービジョン患者の生活の質
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life 以下 QO L)の低下を余儀なくしている。ロー ビジョン(以下 LV) ケアの目的は,患者の低下した QOL の向上であり,ケア開始時に患者のニーズを的確に把握す ることが重要である。 しかし LV 患者は, I読み書き J I歩行(移動 )J といった いわゆる LV の二大困難以外を「ニーズ j として挙げるこ とは多くない。顕在化しない LV 患者の「潜在的ニーズ」 を含めて把握するには,どのようなインテー夕方法が望ま しいかを検討することは大きな意義があると思われる。本 研究では更に,そこから得た結果より潜在的ニーズが LV 患者のプロファイルのなかで何に関連しているか,その要 因を探ることとした。 対象ならびに方法 1.二つの異なるインテーク方法による LV 患者のニー ズ聴取 杏林アイセンター(以下当センター) LV 外来を 1999年 4 日本眼科紀要 2002 年第 53 巻第 7 号 月一 2000年 3 月に受診した 80症例(男性43例,女性37例, 以下 A 群)と, 2000年 4 --9 月に受診した 30症例(男性 16 名,女性 14名,以下 B 群)を対象に,二つの異なるインテー ク方法によってニーズ聴取を行った。 A 群には,1)視機能低下が原因で日常生活において困難 を感じていること, 2) 改善を望んでいること,の二点に ついて患者が自由口述したものを担当者が記録する方法を 用いた。 B 群には, 51項目からなる包括的な QOL 評価表を 使用する方法で行った。この B 群に用いた QOL 評価表は, A 群に行ったニーズ調査 およびそのニーズに対して当セ ンターで実施したケア内容の分類,そして特定の疾患に限 らず LV患者全体を対象として作成された NationalEye
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(以下 VFQ) 1 , 2) を参 考に,我が国の LV ケアに適した QOL 評価表として当セン ターで試作したものである 3) 。試作にあたっては,まずニー ズ調査,実施したケア内容と VFQ で一致していた,日常生 活のなかで視覚を使用する行動に関し詳細な項目を設定し, 次に VFQ にはないが,ニーズ調査で頻度が高く重要と考え られた日常動作の具体的な各課題を追加した。 VFQ のなか の心理面を問う項目や視力予後に関する項目に関しては, 当センタ一眼科外来では心理専門家によるカウンセリング システムの準備がないため 1 項目に限定し,代わりに患者 が全般的な QOL を自己評価する項目や患者が最も重要と考 表 1 QOL 評価表の質問項目および回答選択肢・提供情報リスト例 質問項目 <移動> ・自宅など良〈知っている渇所での移動 .初めての場所での移動 -混殺した場所での移動 .夜間の移動 ・信号の判別 .段差の検出 ・差明 ・交通機関等の利用 <読み書き> ・新聞、雑誌、書籍 ・書類{通帳、請求書、役所の通知など) ・値札、薬袋などの文字、メニューなど .テレビ ・パスの行き先表示‘道路標議‘店の看板など .メモ ・手級 ・署名 <家事・日常生活動作> ・整裳、化粧、髭そり、爪切り .衣類の選択 ・衣重量の管理(ボタン付けなど) .入浴 ・料理(栄養管理を含む) .食事動作 ・配膳位置の把握 ・お茶入れ、調味料の取扱い ・薬の弁月Ij、管理(インシュリン管理含む) .熱海.の取り扱い -テレビ、エアコン等(リモコンの操作) .掃除 ・物の整理・整頓・区別 〈社会行動> ・貨幣{硬貨、紙幣)の弁別管理 ・時間の把握 ・外出 ・鍵の管理 ・買い物 -電話 ・金融機関の利用 .外出時の手洗い <コミュニケーション・社会参加> ・対話相手の表情の認諾 -自分と他者との人間関係 -社会参加(地主義でのレクリエーションなど) くその他> -噌好品 ・学習 ・就労 .育児 ・介護 ・スポーツ -その他の余庖,舌動 <全体評価項目> ・今までの項目以外に、困難を感じていること .最も重要と考える項目 <全体的自己評価項目> ・視覚障害による今後の生活の不安 ・ QOL (生活の質)の自己評価 各項目の具体的な記入様式の一例 例)手紙 QOL 評価:次の中からーつを選択しロにマークする。 ()内は評価点 口支障なく書け、満足している。 (+2) 口やや難しいが、解決でき満足している。(+1) 口する必要がない。 (0) 口何とか解決できるが、満足していない。 あるいは解決方法を知らない。(ー1) 口非常に難し〈、できない.満足していない。 (-2) 鑓供情報リスト・提供した情報全ての口にマークする. ロタイポスコープ 口太罫線使筆 ロ触知罫線便筆 口太サインベン ロ鉱大読書器 (CCTY) 口音声ワープロ 口電子メール 口宛名薦人{パソコンソフト) 注1)鑓供情報リストの内容は定期的に更新 j主2) 各項目ごとに評価の文章、提供情報は異なる。 j主3) QOL評価も、提供情報リストも LVケア担当者が記 入する。529 B 群の対象症例の疾患内訳は 加齢黄斑変性症( 9 症例: 30 症例中の 30.0% ,以下同様に糖尿病網膜症 (5: 16.7% に 網膜色素変性症 (4
:
13.3% に網脈絡膜萎縮 (2:6.7%)
,
視神経萎縮 (2: 6.7%) ,先天疾患 (2: 6.7%) ,緑内障(1:
3.3% に同名半盲 (1:
3.3% にその他 (4:13.3%) であった(図 1 b) 。 それぞれの視覚障害の程度は, LV 患者が主に使用してい る方の眼の視力と視野で分類した。視力障害の程度は, logMAR スケールで 4 段階にほぼ等間隔になるように分け, 小数視力に換算し分類した。その表記は,盲(光覚なし~ 0.01未満) ,重度 (0.01 ~0.05 未満) ,中等度 (0.05~0.3 未 満) ,軽度 (0.3~ 1.2) とし, A 群では順に (10症例: 80症例 中の 12.5% ,以下同様に (9:
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,
(35:43.8%)
,
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32.5% に B 群では, (0 症例: 30症例中の 0% ,以下 同様に (2:6.7%)
,
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,
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40.0%) であった。 視野障害の程度は, Goldmann 視野計の V/4 視標を用い て測定した。中心暗点以外の視野障害については,歩行パ 宮脇苦正紀 T巴 えている内容を項目として設け,患者の QOL を反映するよ う配慮、した。また,我が固には適さない LV の自動車運転 の項目を削除した結果,最終的な項目数は,対応時間の限 られている外来で実施可能な 51 となった。回答選択肢につ いては VFQ の段階評価方式を取り入れ,各課題について達 成度・満足度から 5 段階評価で点数 (+2 --2) を配分し た。そのほか,各項目ごとに提供する情報リスト(内容は 定期的に更新)を併記し,提供可能なケアをスタップが提 供したかどうかをチェックできるようにした。このことに より,単に患者の QOL 評価を問うのみならず,評価後, LV ケアでいかに対処すべきかが明らかとなるような評価表 を目標として試作したものである。 QOL 評価表の質問項目 と回答選択肢例を表 l に示す。 A 群の対象症例の疾患内訳は 割合の多い順に糖尿病網 膜症(1 9 症例: 80 症例中の 23.8% ,以下同様に緑内障(
1
4:
17.5%) ,網膜色素変性症(1 0:12.5%)
,網膜剥離(
1
0:12.5%)
,加齢黄斑変性症 (7: 8.8%) ,先天疾患(
5:
6.3% に黄斑円孔 (4: 5.0% に眼内炎症 (4: 5.0% に 角膜疾患 (3: 3.8% にその他 (3:3.8%) であった(図 1 a) 。 40 民 υ ハ U F O A υ F U 0 3 3 2 2 1 1 L V 外 来 週 院 中 の 患 者 の 割 合 軽度 (0.3-1.2) 盲 重度 中等度 (光党無 -0.01 未満) (0.01-0.05 未満) (0.05-0.3 未満)a
視力障害の程度 〆 レ トー ド/ トー ド/1止凡凡
トマ 片町 円相官子 トー (% 25 初 日 目 L V外 来 通 院 中 の 患 者 の 割 合 そ の 他 角 膜 疾 患 眼 内 炎 症 黄 斑 円 孔 先 天 疾 患 加 齢 黄 斑 変 性 症 網 膜 剥 離 網 膜 色 素 変 性 症 緑 内 障 糖 尿 病 網 膜 症 重度 (0.01-0.05 未満) (0.05-0.3中等度 未満) (0.軽度3-1.2) L 50 V 外 喜 40 院 中 30 の 患 者 20 の 型 10a
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トャ [ ヌ1 片「 一一→!
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(% 30 25 L V 2 2 0 通管 15
0コ書 10
の 割j A H 視力障害の程度 a: 対象症例 (A 群)の視力障害・視野障害の程度 b: 対象症例 (B 群)の視力障害・視野障害の程度 口・重度視野狭窄(残存視野3D"以内) 口-軽度視野狭窄~正常 圏:中心暗点 (300 以内の傍中心時点含む) 口:測定不能 注)対象眼:ロービジョン (LV) 患者が日常主に使 用している方の眼b
図 2 その他 同名半盲 緑内障 a ・対象症例 (A 群)の疾患分類 b: 対象症例 (B 群)の疾患分類 先天疾患 視神経萎縮 網脈絡膜萎縮 網膜色素変性症 糖尿病網膜症 図 l 加齢黄斑変性症b
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'-- 一 」ー一 トー '-ーー向 読み書き 移動(義明含む) 日常生活困難 社会保障 就職就学 見えにくさの理解 余暇活動 '==;任 '====;司長長
i柄 。 -19 20-39 40-59 60-79 年齢 80- (歳) 50 LV 外来通院中の患者の割合 100(%) 図 3 対象症例の年齢分布 口 :A 群,口 :B 群 フォーマンスが低下し始めるとされる残存視野 300 以内り を重度視野狭窄,それ以外の視野障害を軽度視野狭窄とし て分類した。 A 群では重度視野狭窄,軽度視野狭窄一正常, 中心暗点,測定不能,の順に (38 症例: 80 症例中の 47.5% , 以下同様),(
1
9
:
23.8% に(1 4:17.5%)
,
(9:1
1.3%),
B
群では(1 0 症例: 30 症例中の 33.3% ,以下同様に(7:23.3%)
,
(
13:43.3%)
,
(0:0
%)であった。図 2 に対象症 例の視力・視野障害の程度分布を示す。平均年齢は A 群 52.8±2 1.3歳, B 群54.3±18.16歳であった。年齢分布は図 3 に示す。 A 群で挙げられたニーズと, B 群で挙げられたニーズを それぞれ分類し,比較検討した。ニーズの分類は,先行研 究 3) で、行ったニーズ分類と同様に,読み書き,移動(差明 を含む,以下同様) ,日常生活動作,就職・就学,社会保障, 見えにくさの理解,余暇活動に関するものとした。 2. ニーズと LV 患者のプロファイルとの関連性 前項1.の結果, A 群と B 群とで明らかな差が生じたニー ズに関して, B 群の LV 患者のプロファイル「年齢J I疾患J 「視力 J I視野 J I職業の有無 J I 同居人の有無j の各要素を 統計的に検討し,関連性を探った。 結果1
.
A 群におけるし V 患者のニーズ内容 A 群における LV 患者のニーズは,多い順に,読み書き (63 症例: 80 症例中の 78.8% ,以下同様に移動 (53:66.3%)
,
日常生活動作(17:2 1.3%) 社会保障 (7: 8.8%) ,就職・ 就学(1 2:15.0%)
,見えにくさの理解 (3: 3.8%) ,余暇 活動 (2: 2.5%) であった。2
.
B 群における LV 患者のニーズ内容 B 群における LV 患者のニーズは,多い順に,読み書き (26 症例: 30 症例中の 86.7% ,以下同様) ,移動 (20:66.7%)
,
日常生活動作(1 0:33.3%)
,余暇活動 (10:
33.3%) 社会 図 4 ロービジョン (LV) 患者(A, B 群)のニーズの割合 口:自由口述 (A 群) 口:Q
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(QO L)評価表使用 (B 群) 保障 (5: 16.7%) ,就職・就学 (5: 16.7%) ,見えにくさの 理解 (3:
10.0%) であった。3.
A.B 両群のニーズにおけるこ大困難「読み書き」 「移動」の割合 LV 患者のニーズは, A 群(自由口述), B 群 (QOL 評価 表使用)両群において, I読み書き J I移動」という,いわ ゆる二大困難を挙げる患者は他のカテゴリに比べ圧倒的に 多かった。 A 群では,読み書き (63 症例: 80 症例中の 78.8% , 以下同様に移動 (53:66.3%)
,
B 群では読み書き (26:
30症例中の86.7% ,以下同様) ,移動 (20:
66.7%) と,全体 に占める割合はほぼ同じであった。両群の LV 患者のニー ズ分類を図 4 に示す。 4. 聴取されたニーズの総量の遣い QOL 評価表を使用した B 群は,患者の自由口述によるイ ンテークを行った A 群に比較して,多くの項目に関する ニーズが挙げられた。 B 群で挙げられたニーズは 1 人当た り A 群の1.34倍であり,前述の「読み書き J I移動」の項目 を除くと, 2.15倍であった。 5. 聴取されたニーズにおける順位の変化 B 群すなわち包括的 QOL 評価表を用いたインテークで は,自由口述によるインテークを行った A 群に比較して, ニーズとして挙げた患者の割合や,挙げられたニーズの順 位にも変化がみられた。例えば「日常生活動作」に関して A 群では, 17症例 (2 1.3%)であったが, B 群では 10症例 (33.3%) と, B 群においてニーズとして挙げた患者は大き な割合を示した。「余暇活動」に関しては, A 群ではわずか 2 症例 (2.5%) , B 群では 10症例 (33.3%) と 10倍以上の顕 著な増加傾向を示し, B 群においては「読み書き J I移動」 の二大困難に次いで, 3 位の「日常生活動作J と同率であっ た。 6. ニーズと LV患者プロファイルとの関連性 前項1.で顕著な増加傾向を示した「余暇活動j のニー首脇昌三車己t
ズについては,患者のプロファイル「年齢J I疾患J I視力J
「視野J I職業の有無 J I同居人の有無J のうち, I職業の有
無j のみが関連性を示し,職に就いていない患者は,就い ている患者に比べて,余暇活動のニーズが高かった (X2=
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,df=
1
, p<O.05) 。 考按 LV ケアのインテー夕方法として,自由口述に比べ,包括 的な QaL 評価表を使用する方法では, LV 患者はニーズを 挙げる割合が高かった。とくに, I 日常生活動作 J I余暇活 動J に関するニーズは顕著な増加を示し,これらは異なる インテーク方法によって顕在化した「潜在的ニーズ」とい える。自由口述というインテーク方法の場合,患者が自分 の問題のすべてを認識し ニーズとして挙げるとは限らず, 解決できる事柄を看過する恐れがある。またニーズの性質 として,病院で患者が挙げやすいニーズ(例:読み書き) と挙げにくいニーズ(例:余暇活動)があることも考えら れる。今回は A 群と B 群で質的,量的な差があるため,厳 密な比較はなし得ないものの,包括的な QaL 評価表を用い た場合,把握すべきニーズの漏れを少なくする可能性が高 く,潜在的ニーズを引き出しやすいことが示唆された。し かし,今回用いた QaL 評価表によって潜在的ニーズの把握 が網羅されているとはいえず いまだ重要なニーズが潜在 している可能性は否定できない。今後も質問項目の検討は 必要である。 また,今回用いた QaL 評価表によって顕在化した「余暇 活動J のニーズに関しては,患者のプロファイルのうち, 職業の有無のみと関連性を示した。この余暇活動に関する ニーズは,例えば,移動や日常生活動作に関するニーズの ように,いわば緊急に解決を要する事柄ではないが,真に QaL の高い生活を送るためには,極めて重要な要素である といえる。現代の高齢化社会においても深刻化している問 題であるが, LV 患者の場合.視覚障害を原因に,患者自身 531 が享受し得る余暇活動を狭めて捉えがちである。リハビリ テーションを終えた視覚障害者が 1 日の多くの時聞を,単 にラジオを聴くという行為に費やしているという報告もあ る引が,最近では,このように自宅に閉じこもりがちな視 覚障害者を対象として,レクリエーション活動の場を提供 している自治体もあり 6 )余暇活動の重要性を考慮、した取 り組みがなされている。しかし,ごうした地域での視覚障 害者を対象としたレクリエーションに関する情報や,晴眼 者とともに参加可能なレクリエーションについての情報が LV 患者に行き渡っているとは言い難い。 今後の課題は,潜在しているニーズの把握,そして LV ケア提供側が患者のニーズに対応可能な多様性を備えるこ とである。移動や読み書きに関する困難の解消などの伝統 的リハビリテーションについての情報のみならず,例えば 利用可能な余暇活動についても情報を入手し, LV 患者に提 供する必要があるといえる。 文献1) MangioneCM,BenySetal ・ Identifying thecontentareaforthe51ュ itemNationalEyeInstituteVisualFunctionQuestionnaire-Result fromfocusgroupwithvisuallyimpairedpersons.ArchOphthalmol 116 ・ 227-233 , 1998. 2) MangioneCM,LeePPetal:PsychometricpropertiesoftheNational EyeInstituteVisualFunctionQuestionnaire(NEI-VFQ).Arch Ophthalmol116:1496-1504, 1998. 3)西脇友紀,田中恵津子,小田浩一,岡田アナベルあやめ,樋田哲夫, 藤原隆明.ロービジヲンケアに適した QOL 評価表の試作.臨眼 55:1295-1300.2001.
4)Iρvi e-Ki tchin
J
,MainstoneJ
etal:Whatareasofthevisualfieldare叩po 仕組 tformobilityinlowvisionpatients?ClinicalVisionSciences 5:249-263.1990. 5)西川みどり,清水美知子:視覚障害と腎症をもった糖尿病患者の 生活.日本糖尿病眼学会誌 5:9ら97, 2000. 6) 土信田敦子,尾形真樹,伊藤真由美,箭田祐子,小田浩一.武蔵 野市における視覚障害者のレクリエーション活動.第 9 回視覚障 害リハビリテーシヲン研究発表大会論文集 93-96 , 2000. (2001 年 9 月 6 日受付)