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( 図 1 アンケート用紙を送付しなかった理由 (n=248)) その他 4 % 住所又は両親の名前不明 1 7 % 他科にてフォロー中 3 % 音信あり 1 6% 他院にてフォロー中 28 % 3. 方法まず患者の保護者に対して郵送によるアンケート形式で病院より今後コンタクトをとることについての可

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Academic year: 2021

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分担研究報告書

小児がん経験者の長期予後に関する実態調査

分担研究者 国立病院機構名古屋医療センター 前田 尚子

はじめに

現在小児がんは約 80%が治癒するが、治療後の晩期障害は、心肺を始めとする各種臓器 障害、知能や運動能力への影響、二次がんなどその問題は多岐にわたる。小児は成長発達 の過程にあり、抗がん剤、放射線照射による影響は、成人のそれとは異なり、小児特有の 晩期障害が生じる。近年こうした問題に関する関心が高まっているが、本邦においては小 児がん経験者の長期フォローアップデータが少なく、晩期障害に対する支援も欧米諸国に 比べて立ち遅れているのが現状である。我々は、小児がん経験者の現状把握を行い、患者 の長期フォローアップ及び支援に役立てるため、平成 18 年度は当院および近隣の小児血液 専門施設における小児造血器腫瘍、固形腫瘍経験者のフォローアップ状況の把握、現在の 健康状態、社会生活についての実態調査を行った。小児がん経験者をフォロー中の医師か ら情報収集を行った結果、1975 年から 2001 年の 27 年間に名古屋大学、名古屋第一赤十字 病院、国立病院機構名古屋医療センターの3施設に於いて治療された 1170 例の小児がん患 者のうち、診断から 5 年以内に死亡が確認された症例は 336 例であった。残る 834 例のう ち 5 年以上の経過で死亡したものは 59 例あり、これを除外した 775 例中、現在も通院して いる症例は 233 例(30.1%)であった。フォロー中止の理由としては、主治医よりフォロ ー終了と告げられたり、主治医の異動に伴うもの、他施設への転院等があったが、晩期障 害は治療終了後、長期間を経て発症するものも多く、フォローアップ率の低さは大きな課 題であると考えられた。この結果を踏まえて、平成 19 年度は以下の調査を計画した。 1. 研究計画 名古屋大学、名古屋第一赤十字病院、国立病院機構名古屋医療センターの3施設に於い て 1975 年から 2001 年の 27 年間に治療された小児造血器腫瘍、固形腫瘍経験者のうち受診 が途絶えた症例について、受診が途絶えた理由、健康状態、社会生活についての実態調査 を行う。これにより小児がん経験者の長期予後、QOL の現状を把握し、問題点を明らかにす るとともに、長期フォローアップシステムの構築に役立てる。 2. 対象 前述の 3 施設において 1975 年から 2001 年までに治療された小児がん患者のうち2年以 上受診が途絶えている症例は 542 例であった。このうち、住所もしくは保護者の氏名が不 明である 42 例、受診はないが年賀状等で音信のある 39 例、紹介元の病院に転院した 88 例、 外科等他診療科でフォローされていると考えられる 69 例、その他の理由で 10 例を除外し、 残る 294 例を調査対象とした。

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0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 75-80 81-85 86-90 91-95 96-アンケート送付数 返信数 住所又は両親の 名 前 不 明 1 7 % 音 信あり 1 6% 他 院にてフォ ロ ー中 28 % 他 科にてフォ ロ ー中 35 % そ の他 4 % (図 1 アンケート用紙を送付しなかった理由(n=248)) 3. 方法 まず患者の保護者に対して郵送によるアンケート形式で病院より今後コンタクトをとる ことについての可否を尋ねた。次に同意が得られた保護者には小児がん経験者の現在の健 康状態、病名告知状況、今後の詳細な健康、社会生活調査への協力の可否について再度郵 送によるアンケートを行った。調査実施にあたっては、施設倫理審査委員会の承認を得た。 4. 結果 1) 1 回目アンケート調査:今後の病院からのコンタクトへの可否について 294 名中、転居により宛先不明となったものは 67 名(22.8%)、返信のなかったもの は 66 名(22.4%)であった。残る 161 名中今後のコンタクトについて同意されたのは 150 名であった。保護者宛の調査にもかかわらず、6 名は患者本人から同意の返信があ った。この 6 名は 22 歳から 33 歳のいずれも女性であった。8 名は今後の調査を拒否、 3 名は直接受診した。調査を拒否した 8 名の診断時期は 1975-80 年 4 名、89 年 2 名、 92 年 2 名であり、現在の 年齢は 20-35 歳であった。 返信のあった 161 名の診 断 年 代 別 内 訳 は 、 1975-80 年 24 名中 10 名 (41.7%)、81-85 年 55 名中 22 名(40%)、86-90 年 87 名中 49 名(56.3%)、 91-95 年 89 名中 53 名 (59.6%)、96 年以降 39 名中 27 名(69.2%)と

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16歳未 満 11% 16-19歳 14% 20-24歳 33% 25-29歳 20% 30歳以上 22% 0 5 10 15 20 25 30 35 40 16歳未満 16-19歳 20-24歳 25-29歳 30-39歳 総数 未告知 現在の年齢別内訳は 30-39 歳 (最年長 37 歳)36 名(22.4%)、 25-29 歳 32 名(19.9%)、20-24 歳 53 名(32.9%)、16-19 歳 22 名(13.7%)、16 歳未満 18 名 (11.2%)であり、20 歳以上の 患者が 4 分の 3 を占め(図 3.1 回 目 返 信 患 者 年 齢 別 内 訳 (n=161))、性別では男性 79 名、 女性 82 名、疾患別では、白血病、 リンパ腫などの造血器腫瘍が 124 名(77.0%)、神経芽腫、腎芽腫などの固形腫瘍が 37 名(23.0%)、うち造血幹細胞移植症例は 45 名(28.0%)であった。 2) 2 回目アンケート調査 1 回目調査で同意が得られた 150 名中、患者本人から同意のあった 6 名を除く 144 名 に、現在の健康状態、病名告知状況、今後のより詳細な調査への協力の可否について、 再度尋ねた。 a)回答数 144 例中 111 例(77.1%)より返信があった。 b)現在の健康状態について(自由記載) 現在の健康状態については、111 例中 91 例(82.0%)が健康であり、日常生活に 特に支障はないと回答した。7 例に C 型肝炎があり、1 例はインターフェロン+リバ ビリン治療無効、2 例で C 型肝炎のため体調不良のため就職できず、このうち 1 例 は、経済的に困窮しており C 型肝炎の治療を全く受けていない。 c)病名告知について 返信のあった 111 例に 1 回 目に患者本人より返信のあっ た 6 名、直接受診の 3 名を加 えた 120 名について解析した。 病名告知がなされていない症 例は 25 名(20.8%)であった。 現在の患者年齢別の未告知症 例は、30-39 歳(最年長 36 歳) 26 人中 5 人(19.2%)、25-29 歳 23 人中 6 人(26.1%)、20-24 歳 37 人中 5 人(13.5%)、16-19 歳 17 人中 4 人(23.5%)、 16 歳未満 17 人中 5 人(29.4%)であった。(図 4.患者年齢別未告知者)

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0 10 20 30 40 50 60 70 0〜6歳 7〜12歳 13〜15歳 総数 未告知 0 5 10 15 20 25 30 35 40 76-80 81-85 86-90 91-95 96-総数 未告知 診断時年齢別では 6 歳以下 65 人中 12 人(18.5%)、7-12 歳 43 人中 12 人(27.9%)、13-15 歳 12 人人 中 1 人(8.3%)(図 5.診断時年 齢別未告知者)、診断年代別では、 1976-80 年 4 名中 0 名、81-85 年 19 人中 3 人(15.8%)、86-90 年 38 人中 8 人(21.1%)、91-95 年 38 人中 7 人(18.4%)、96 年以 降 21 人中 7 人(33.3%)であった。 (図 6.診断年代別未告知者) 96 年以降の症例で告知率が低い のは、現在の患者年齢が低いことと 関係すると考えられる。この他「両 親からは説明していないが、自分で 調べて知っている」、「医療関係の仕 事をしているので知っていると思 う」、「今回のアンケートをきっかけ に告知した」などの回答があった。 d)今後の調査協力の可否について 111 例中、病名未告知を理由に 7 例、海外転居のため 1 例が調査に同意しなかっ た。また、2 例が定期受診中であることが判明した。残る 101 例中、現在患者が 16 歳未満の症例は 15 例、16 歳以上で患者本人に対する調査を同意するものが 65 人、 患者は 16 歳以上だが、両親のみ調査協力可能とする回答が 21 人であった。患者に 対するアンケート調査に同意できない理由としては、病名未告知であるため患者の 心を乱したくない、患者自身は原病を理解しているが、配偶者に対して小児がんの 既往の説明をしていない、患者が治療当時のことを嫌な思い出と考えているから、 などがあった。 5. 考案、今後の計画について 今回の調査の結果、受診が途絶えた症例のうち、健康上の問題について記載があったの は 111 例中 20 例(18.0%)であった。これは、両親の回答による晩期障害の有病率であり、 実際の晩期障害有病率はさらに高いものと考えられるが、昨年度のわれわれの調査で、定 期通院中の患者 220 例のうち 136 例(61.8%)が何らかの晩期障害を抱えているという実 態が明らかになっており、受診が途絶えた症例では、低身長、脱毛、歯牙異常などの問題

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える理由のひとつとして、患者、家族が特に健康上の問題がないため、受診の必要性はな いと判断している可能性もあると考えられる。これまで小児がん治療医自身の晩期障害に 対する認識の低さや患者教育の不徹底から系統だったフォローが行われず多くの晩期障害 が見逃されている可能性とともに、成人病、二次がんなど治療後長期間を経て発症する晩 期障害が知られるようになっており、たとえ無症状でも定期的受診が必要であることを小 児がん治療に携わる医師、患者家族双方へ啓蒙する必要性がある。 近年は診断直後、もしくは治療開始から間もない時期に、患児の年齢や理解度に応じた 病名告知、病態説明を行うことが一般的になってきたが、以前の症例では患児に対して説 明がなされないまま治療が行われることが多かった。受診が途絶えた理由は、昨年度の調 査結果より、担当医からフォロー終了を告げられたケースがあることが判明しているが、 理由が明らかでない症例も多い。健康上の問題がないこと、長期間原病の再発がなく、治 癒と考えられると主治医より告げられた患者家族が、過去のつらい治療を忘れたいという 気持ちになることも尤もであろう。こうした背景がある中、受診が途絶えた患者に直接ア プローチすることは極めて困難であり、患者、家族に対するアプローチの仕方によっては 種々の問題を引き起こすことも懸念される。このため今回の調査にあたり、まず患者の保 護者に対して郵送によるアンケート形式で病院より今後コンタクトをとることについての 可否を尋ねた。調査協力できない場合は、返信をしない自由を担保した結果、今回のアプ ローチ方法に対する患者家族からの批判はみられなかった。 次年度の計画として、詳細な調査への協力が得られた 107 名の患者、家族に対して、健 康状態、社会生活調査を行うとともに、再度定期受診を勧め、小児がん治療後の長期フォ ローアップの必要性につき、説明し理解を得たいと考えている。しかし反面、転居等で連 絡がとれなかった症例、病院からのコンタクトを拒否した症例に対しては、長期フォロー アップの必要性について理解を得る機会を失ったと考えられ、こうした症例が多数存在す る結果となったことは、今後の課題である。 学会発表 1)小児がん治療後の長期フォローアップに関する実態調査 前田尚子 加藤剛二 小島勢二 堀部敬三 第 241 回日本小児科学会東海地方会 2007.10. 岐阜

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