1 はじめに・・・
日本は、世界でも類を見ない超高齢社会に突入しています。65 歳以上の人口が総人口
に占める割合は 25.1%。これは、国民の 4 人に 1 人が高齢者であり、なんと世界一の水
準です。
このことから、地域の方の孤立を防ぐために町田市は2つの取り組みを始めています。
1つは、「見守り支援ネットワーク」、もう1つは「見守りネットワークまちだ」という
取り組みです。この冊子では、「見守り支援ネットワーク」でどのような活動を行うのか
を紹介しています。
2 見守り支援ネットワークとは
見守り支援ネットワークは、簡単に言うと、
町内会・自治会を主体とした見守り活動
のことを指します。
この見守り活動は、単に安否確認につながる見守り活動にとどまらず、地域に住むすべ
ての住民に関わるものになります。
若い方から高齢の方まで幅広い世代で地域のつながりをもち、それを高齢者支援センタ
ー・あんしん相談室等が支えることによって、誰もが安心して住み慣れた地域に長く暮ら
し続けられる地域づくりを進めていきます。
つまり、見守り活動を行うと以下のような良い点があります。
・見守りが必要な方の変化に早めに気づき、必要に応じて支えたり、
助けることができる
・地域とつながることで安心して生活ができ、孤立や閉じこもりを防ぐことができる
・支え合いが進むことによって、地域としてのつながりが深まる など
3 見守り支援ネットワークの活動内容
この取り組みは、2009 年度から開始し、2015年9月時点で 16箇所の地区で実施
しています。
団地から戸建てまで様々な地区が、それぞれ地域の特徴を生かしながら見守り活動を行
っています。
見守り支援ネットワークを実施している地区は、以下の16箇所です。
①境川団地 ②藤の台団地 ③鶴川平和台 ④小田急金森泉
⑤小山馬場 ⑥相原丸山 ⑦南大谷 ⑧金井
⑨高瀬住宅(高ヶ坂) ⑩新常盤 ⑪原(小川) ⑫森野4丁目アパート
⑬都営金森第5アパート⑭境(相原町) ⑮玉川学園・東玉川学園
⑯御嶽堂
これまでに調査を行った地区の高齢者数は約 14,400 人にものぼり、町内会・自治会
が主体となって地域全体で定期的に見守り活動を行っています。
4 見守り活動の種類
見守り支援ネットワークを行っている地域では、見守りを必要とする方の、自宅の様子
の確認や本人への声かけ等の見守りを実施し、異変があった場合には、高齢者支援センタ
ーやあんしん相談室、町田市等への連絡を行うことにしています。
町田市では、このような見守り活動を以下の2つに区別し活用しています。
(1) さりげない見守り
さりげない見守りは、高齢者と
直接会わずに行う見守り
です。そのため、
本人が見守りを拒否している場合であっても、地域で気になる方がいれば、見守ること
ができます。
(2) 積極的な見守り
積極的な見守りは、
高齢者と直接会うまたは電話等で話をして、安否確認を行う見守り
です。さりげない見守りと異なり、直接会うことで、認知症の進行具合や、虐待・
消費者被害にあっていないかなど、幅広い見守りをすることができます。
このようなポイントを意識し、
異変を感じたら、速やかに連絡しましょう!
5 見守り支援ネットワークを行うためには
町内会・自治会で見守り支援ネットワークを行うには、以下の 3 つのことが重要です。
①町内会・自治会が主体となっている
②見守りを希望している方に、適切な見守りを継続して行うことができる
③各関係機関と連絡をとりあうことができる
そのため、見守り支援ネットワークを行うためには、まず町内会・自治会の承認を
得る必要があります。承認を得たあとは、見守りを必要とする方を把握するため、町
内会・自治会区域内に住む高齢者へ調査を実施しています。この調査結果を元に、見
守りを希望する方及び見守りの必要な方を決定し、見守り活動を行います。
なお、調査を行う範囲は、町内会・自治会区域内に住む高齢者全員とし、町内会・
自治会への加入・未加入は考慮せず、地域全体での見守り活動に取り組んでいます。
6 見守り支援ネットワークの立ち上がるまでの流れ
準備期間 6ヶ月~1年(地域の進捗により変更有)
※ 調査対象者の名簿を作成するため、町内会・自治会から対象地域の住所一覧の提出を
お願いしています。
※ 定例会は、見守り開始直後は、月に1回程度実施し、ネットワーク参加団体で行うよ
うお願いしています。
7 見守り支援ネットワークの参加団体
見守り支援ネットワークは、町内会・自治会等の地域団体を主体とし、老人会、防
災・防犯組織、地域の自主活動組織・グループ、ボランティア団体等、様々な団体が
参加しています。見守り支援ネットワークの参加団体は、定期的に情報交換等を行う
ため、定例会を実施しています。
8 見守り支援ネットワークの体系図
9 見守り支援ネットワークを立ち上げたいと思ったら・・・
町田市では、2015年8月現在、8箇所のあんしん相談室を設置し、見守り支援ネッ
トワーク立ち上げのお手伝いをしています。ご興味やご相談等がありましたら、担当地域
のあんしん相談室へ気軽にお問い合わせください。なお、あんしん相談室は市内に全 12
箇所設置する予定です。まだ設置されていない地域は、担当地域の高齢者支援センターに
ご相談ください。
10 見守り支援ネットワークを行う上での注意事項
① 守秘義務と情報の目的外利用の禁止
見守り支援ネットワークでは個人情報を取り扱うため、守秘義務に留意して活動す
る必要があります。活動を通じて知りえた情報は、見守り支援ネットワークの活動以
外では使用禁止です。また、見守り活動を中止した後も同様です。
② 政治・宗教及び営業活動の禁止
見守り支援ネットワークの活動を通じて特定の政党の候補者への投票依頼、宗教入
信の勧誘、売買等を目的とした営業活動を行うことは禁止しています。
※ 上記①・②のことが守られないと、ご近所であるが故に色々な噂がすぐに広まり、
お互いの生活に影響が出る恐れがあります。
11 見守り活動に関するQ&A
A1
住民ひとりひとりにとっては・・・
① 地域とつながる安心感が得られ、孤立や閉じこもりを防ぐこと
ができる
② 問題が複雑になったり、深刻になるのを防ぐことができる
③ 自分や家族および地域問題への関心が高くなる
④ 福祉制度・福祉サービスへの理解がすすむ
地域全体にとっては・・・
① 支え合いが進むことによって地域のつながりが深くなる
② 住民や地域の問題が解決しやすくなる
③ より安心・安全な地域を目指すことができる
Q1 地域で見守り活動を行うとどのような効果がありますか?
Q2 訪問する際に注意することは?
A2
①訪問の際に確認するべきことは?
日常で体調などに何か変化があるかどうかが大切です。
「体調にお変わりありませんか」
「何か変わったことはありませんか」など、
さりげなく聞いてみましょう。
②同一世帯でない方が生活をされている場合は?
無理に聞き出そうとはせず話題になれば聞いてみましょう。
③不在だった場合の対応は?
郵便物のたまり具合や電気がつきっぱなしでないかなど、
玄関先で把握できることの確認をお願いします。
④対象者が拒否をした場合、どうしたらいいの?
「人の世話になりたくない・干渉してほしくない」と言う人も
いますので、無理に進めようとはせず、日常の挨拶などから
時間をかけて声かけをしていきましょう。
⑤対象者とどのように関係を築けばいいの?
積極的な見守りは本人の希望によって行うので、強い拒否を
示すことはないと思います。まずはお互いに自己紹介をし、
お互いのことを知っていくことから始めましょう。
困ったことや気になることがありましたら、
高齢者支援センターやあんしん相談室に
ご連絡ください
Q3 具体的な相談を受けた時などの対応は
?
A3
①依頼や相談された場合の基本的な対応方法は?
日常的な内容は自治会などにまず声をかけてみましょう。
地域で解決できないような事や制度的な事は高齢者支援センター
やあんしん相談室に連絡してください。
②「どうしたらよいか分からない」「もう死んでしまいたい」
などと悩みを打ち明けられた場合は?
まずは「それは辛かったでしょうね」と受け止め、
「これから一緒に考えていきましょう。
高齢者支援センターやあんしん相談室も一緒に考えますからね」
と伝えて下さい。その後、高齢者支援センターやあんしん相談室
に相談の内容や様子を連絡してください。
③相談内容を「誰にも言わないで」と要望された場合は?
「誰にも言わないで」と言われた内容も、支援するうえで重要な
情報であることも考えられます。まずは、高齢者支援センターや
あんしん相談室にご連絡ください。
Q4 トラブルや異変に気づいた時などの対応は?
A4
①高齢者支援センター・あんしん相談室へ連絡すべき状態の変化とは?
【身体的変化】
例)痛み・痺れ・震えなどで歩行、着替え、食事、入浴などが出来な
くなった。
【精神的変化】
例)落ち込んでいる。見えない物が見えているという。
②「もう訪問しなくてもいい」と言われた場合や、些細な事で口論にな
ってしまい、次回以降の訪問が心苦しいような場合は?
高齢者支援センターやあんしん相談室に相談しましょう。
その後、見守り支援ネットワークの定例会で話し合い、対応方法を
一緒に考えましょう。
Q5 緊急事態に遭遇した場合は?
A5
①急変に遭遇した場合は?
明らかに緊急性が高いと確認できる場合は、110番、
119番通報をしてください。
②安否確認ができない状況に遭遇した場合は?
月曜日から土曜日の8時30分から17時の間に事態が
発覚した場合は、担当エリアの高齢者支援センターや
あんしん相談室にご連絡ください。
それ以外の時間であれば、110番、119番通報をしましょう。
12 連絡先一覧
○あんしん相談室一覧
名称 所在地 電話番号 所管地域
相原あんしん相談室 相原町 1158-26 042-700-7121 相原町
小山あんしん相談室 小山町 2619 042-794-8751 小山町、小山ヶ丘、上小山田町
木曽山崎あんしん相談室 山崎町 2200 042-792-7927
山崎町、山崎、木曽町、木曽西、木
曽東(都営木曽森野アパートを除
く)、本町田の一部(公社住宅町田
木曽)
野津田あんしん相談室 野津田町 831-1 042-708-8964
小野路町、野津田町、金井、金井町
(藤の台団地を除く)、大蔵町、薬
師台
能ヶ谷あんしん相談室 能ヶ谷 3-2-1
鶴川コミュニティ1階 042-718-1223
能ヶ谷、三輪町、三輪緑山、広袴、
広袴町、真光寺、真光寺町、鶴川
本町田あんしん相談室 本町田 3486
藤の台団地 1-50-109 042-812-3396
本町田(公社住宅町田木曽を除く)、
金井町の一部(藤の台団地)、南大
谷の一部(公社住宅本町田)
南大谷あんしん相談室 南大谷 205-1 042-851-8421 玉川学園、南大谷(公社住宅本町田
を除く)、東玉川学園
金森あんしん相談室 金森東 4-2-25
2・3 号室 042-795-9100
金森、金森東、南成瀬、成瀬が丘、
原町田の一部(都営金森 1 丁目アパ
ート)
成瀬あんしん相談室 西成瀬 2-48-23 042-732-3239 成瀬、西成瀬、高ヶ坂、成瀬台
○
○
名称 所在地 電話番号 所管地域
忠生第 1
高齢者支援センター
下小山田町 3580 番地
ふれあい桜館 1 階 042-797-8032
図師町、下小山田町、忠生、矢部町、
小山田桜台、常盤町、根岸町、根岸
町田第 1
高齢者支援センター
森野 4 丁目 8 番 39 号
(特別養護老人ホーム
コモンズ内)
042-728-9215
原町田(都営金森 1 丁目アパートを
除く)、中町、森野、旭町、木曽東
の一部(都営木曽森野アパート)
南第 1
高齢者支援センター
鶴間 661 番地 8(特別
養護老人ホーム芙蓉園
内)
042-796-2789 鶴間、小川、つくし野、南つくし野
○高齢者支援センター一覧(あんしん相談室が設置されていない地域)