報 告
理
学療 法 教 育
への シ
ミ
ュ レー
シ
ョ ンの
導入
模擬 患者
を用
い た イン テー
ク面 接
の実習
につ い て *一
沖 田
一
彦
* *宮 本 省
三
板 場 英 行 阿 部 敏 彦
要旨 理学療 法の初期評価で は,
全 人 間 的 な 患者像を把 握 する た めにインテー
ク面接によ る情報 収集を行う。 しか し, 面接と は患者との コ ミュ
ニ ケー
シ ョ ン能力が要求さ れ る包括 的な技 能であ り, そ れ を学 内で効 果的に教授することは容 易で は ない。 そこ で我々 は,
従 来の面接 授業に模擬患者を用い たシ ミュ レー
ショ ンを導入することで これに対処 した。 シ ミュ レー
シ ョ ン の 優秀性は知識・
技術・
態度の統 合や学生 の モチベー
シ ョ ンの向上が容易に行え ること に あ る。 この こ と は, 今回の シ ミュ
レー
シ ョ ンで も, 学生 の学習態度が非常に積極 的であっ たことや, 臨床実習での面 接技術・
態度の評価お よびア ン ケー
トに よ る学生の反 応が良 好であっ たことで確 認で きた。
しか し,
シ ミュ レー
シ ョ ン の 方法に課題 を残 したこ と も事実で あ り, 今後は理学 療法教育全般に取り入 れたうえで の実践を通 した検討が必要とな ろう。 キー
ワー
ド 理学 療 法教育,
シ ミュ レー
シ ョ ン,
イン テー
ク面 接一
は じ め に 理学療 法 評 価の初 期 段 階において は,
問 診 を 中 心 と し た インテー
ク面 接 (以 下,
面 接 と略 す )に よ る情 報 収 集 が不 可 欠 とな る1) 。 しか し,
全 人 間 的な患 者 像 を と らえ る ため に は問診項 目の 目的を 理解した うえ で,
効果的な 面接技法にて情報を収集 しなければ な らない。 さ ら に,
これ に は医療者と し ての好ましい態度が備わる必要が あ ることを 考え る と,
学内で これらを統 合 して教 授 するの は容易で は ない。 そこ で我々は,
これ に対処 すべ く , シ ミュ レー
シ ョ ン (simulation ) を導入 す るこ とで面 接 授 業の系統化を試み たので報告す る。 授 業 展 開 授 業は平成元 年度の 2 年生 (42 名)を対 象に,「評価学」“
Simulationin Physical Therapy Educatien
−−
lntake−
Interview using Simulated Patient
−
”
*
高知医療学院
Kazuhiko Okita
,
RPT,
Shozo Miyamoto,
RPT,
HideyukiItaba
,
RPT,
Toshihiko Abe,
RPT ;Kochi School ofAllied Health and Medica !Professions
(受付日 1990年10月15日/受 理日1991年2月26日) の
一
環と して 4回 (120
分/回) 実施し た。 その内訳は 講義2
回,
シ ミュ
レー
シ ョ ン1
回,
臨 床 実 習1
回で あ る。 ま た臨床実 習 終了直後に チェ ッ ク リス ト に よ る面 接技 術・
態 度の評 価を行な う と と もに,
ア ンケー
トを実 施し て シ ミュ レー
シ ョ ン に対する学生の反応を調査し た。 以 下,
授 業の具 体 的 方 法にっ い て紹 介 する。 1) 講 義内容 講 義で は,
まず 面 接の主な目的が問 診に よ る情 報 収 集 お よび患 者との人 間 関 係の形 成にある1)ことを説 明 した。
具体的な問 診 項 目とそ の考え方にっ い て は,
特に生活歴 や職 業 歴が患 者の社 会 復 帰の可 能 性 を 左 右 する重 大な因 子である こと,
既 往 歴,
障 害 歴が理 学 療 法 実 践に直接 関 係 する情 報になり うるこ と2)を 重 視 し た。
また患 者の =一
ドとそ の表 現,
現 病 歴 と しての ADL 能 力にっ いて も具 体 例を交え な がら講 義 し,
理 学 療 法 士に よ る問診が 医 師が行なう診 断のた めの もの と は異な る点を強 調 した。 次い で,
問診技術には自由に話を聞き出すopen−
end−
ed question と答えの枠を限定するclosed question と が あ るS)O
理学療法教 育へ の シ ミュ レ
ー
シ ョ ンの導入19
表1
講 義 内容の要約1 .
インテー
ク面 接と は インテー
ク面接の意 味 = 「初 回面 接」 インテー
ク面 接の 目的 =患 者との人 間 関 係の形 成,
患者のニー
ドの把 握,
理学療法実 践に 必要な情報の 収集, 理学 療 法に関する オ リエ ンテー
シ ョ ン の実施9 .
問 診 項 目と その考え方 基 本 的プP フ ィー
ル (姓 名,
年令,
診 断など)→
カル テ記載 内容の チェ ッ ク と確認 生活歴 (家族 構成 と役割,
家屋構造,
経済 状況な ど〉→ 家 庭 復帰を 左 右 する重要な 情 報 職 業 歴 (仕 事 内容,
地 位,
職 場 環 境など)→
職 業 復帰を 左 右 する重 要な情 報 主 訴とニー
ド→
欲 求の階 層 性とニー
ドとして の表 現 現 病 歴 (一
般 項 目とADL
項 目)・
→ 特にADL
に 関 する詳 細な問 診の必要 性 既往歴 と障害歴→ ドー
ゼ決 定 , リス ク管理, ゴー
ル設 定へ の影 響 皿.
問 診 技 術open
−
ended question (自由問 診 法 )→
患者の価 値選択を伴なっ た広い情報収 集が可能 c工osed question (
一
問一
答 法 )→2
項 選 択 / 多 項選択に よ る 具体 的な情 報収集が 可能 * 収 集し たい情 報に よ っ て適 切な組み合わせ/ 使い 分けが必要IV。
面 接 態 度 挨拶と オ リエ ンテー
シ ョ ン→
「面接」と 「問 診 」 の違い,infor
皿 ed concent の説明 好 ま しい態度→ 傾 聴の精 神 :受 容 と共 感の必要性 , 誘導的・
暗 示 的 な 質 問の禁 止 必 要 最 少 限の介 入 :患者の プ ラ イバ シー
の保 護 適 切な言 葉の使用 :敬 語 使 用の原 則,
専 門 用 語 使 用の 回 避 気楽なムー
ド :話 題 を 交 えた会 話の 進 行V 、
記 録 情報の記 録 と整理方法→ 会話 中の ポ イ ン トを押え た記 録,
問 診チ ャー
ト の利 用 医 学 用 語の用い方 と 文 章 表 現→ 患 者 表 現の直 接 記 載/専門 的 表 現へ の置 換の区 別 っ い て解 説 した。
また最 も難 しいと思わ れ る態度にっ い て は, 「傾聴の精 神」の重要 性 5>に つ いて説 明し たうえで,
プライバ シー
へ の不必要な介入,
馴々 しい言 葉 使いな ど,
好ま しくな い例を提示 し た。 最 後に,
記 録に関 して は情 報整 理の必 要 性を あ げ,
問 診チ ャー
トを配布し た (表1
)。
2)シ ミュ レー
シ ョ ン シ ミュ レー
シ ョ ンで は教員の一
人が模擬患 者 (simu−
1ated patient,
以下SP
と略す)を担当し た。SP
は脳 挫傷に よ る左片麻痺患 者で受傷後 約2
ケ月が経過 してお り,
訓練室での 本格 的な理 学 療 法に入っ てい るもの の運 動麻痺が強く,
いまだ車 椅 子レ ベ ル にある患 者 と設 定し た。 な おSP
の年 齢,
家 族 構 成 な どのプロ フィー
ルは教 員の もの をその ま ま 用いた (図 1 )。 実 習の形 式 と して は,
まず 全員で オー
バー
ヘ ッ ド・
プ ロ ジ ェ ク ター
の模擬カル テを読み取っ た後,
教 室にベ ッ トや車椅子を入 れて病室に見 立て,
SP と付き添い家 族 役の学生を入 室さ せ た。 次に代 表の学 生二 人一一
組 が 実 際 に面接を行なっ た。
面 接は入 室 時の挨 拶と自己紹 介か ら,
オ リェ ンテー
シ ョ ンと患 者の適 切 な 肢 位の決定,
具 体的 な問 診 から退 騫時の挨拶ま でを,一
貫して リアル に行う よ う指 示 した。
こ の 間 指導教員は注 意・
指 示を適時加え,
残りの学生に は そ れ を チェ
ッ ク さ せ るシス テム を とっ た (図2
)。 シ ミ; レー
シ ョ ン中の代 表 学 生の戸 惑い は極め て大 き く,
会 話の 中 断が長かっ た り,
講義内容の知識が全 く生 か さ れて いない場 面 も数 多 く見 られ たた め,
教員 自身が デ モ ン ス トレー
シ ョ ンを加え た り, 代表以外の学生に意 見 を 求め た りしなが ら進行さ せてい っ た。 た だ実習 中の 学生の態度は極め て熱心で あり, 積極的な意 見 交 換や質 疑 応答 が な さ れ たことに は驚か さ れ た。3
) 臨 床 実 習 臨 床 実 習 は,
当 学 院の母 体である愛 宕 病院の入院患者 と理 学 療 法 科ス タッ フ に協力 を依頼し, 学生二人一
組で 基 本 的にベ ッ ト サ イ ドにて実 施し た。 臨床実
習に おける面 接 技 術・
態 度の評 価 チ ェ ッ ク リス トに は,
植村に よ る面接態度の客観評価 法6 )を改 変し た20 項目を あ げ, 臨床 実習終了 直後に, 組 になっ た学 生 間で相 互 評 価さ せ たQ この結果,
ほ と ん ど の項R
で高い実 践度が得られて い たが, 「適 切な話題を且 23 「
T
下
4 56.
7891 〔〕一
可.
一
一
.
31L 12 麻 耳 整鴈 小 耳蕪軅
胃i 精 種 別 血 液 型 病 室 番 号 レ ントゲン整理 番号 脳 波 整 理 番 号 体 温 計’
入齣 し籾 瀦.
癬
孫 伽
β
ω 2606No,
Np.
係 呂 係 弱,
彦
三麦
宮
孝
病 名 開司
終 了 氏 名 疎蕈骨
ウ所y
年 { 年 月z〈)朗 月 日 年 令 攤 3許・’ ク・タ ・ 叢 轟 石
i
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十 連 結 先 T E L 争1
−
〆髪∫−
o 年・
年 〃 月1 ’ 日1 月 日一 一
訓一
牢 月 冒 1 月 日 初 診 B 晒 軻メ己年3
月z 日
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ヌ分 年 年 月 日 月 日 年 1 年 月 料 月 日 入 院 退 院 呀和’〆 年 〃 月 〃 日 昭 和 年 月 日
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医 年 年i 月 引一
月 B 転 帰 月 革 羊 日 月 日 甲 甲 月 日旨 月 日 支払 方 法 単 旨 年 月 日 月 8 現 時の主 訴 ♂Mh ,8 〜4 既 往 症メ
62 8
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幽 久千。・
凧 マ塾
認
萌急
。 ε
〉 吻 コ 図豆 模擬カ ル テ の
一
部 交 えて気 楽なムー
ドで話 を進め る」,
「ノー
ト の確 認 や記 録に よ る会 話の長い中 断 を避け る」,
「患 者の気 分や疲 労 を 途 中で確 認 す る」 とい っ た項 目の不 実 行が目立っ た。 しか し,
これ らに はある程 度の慣れ が要 求さ れ ること を 考 え る と,
全 体 的に はほぼ満 足できる結 果であっ た (図 3)。 シ ミュ レー
ショ ンに対
する学
生の反 応 ア ンケー
トで は4段 階 評 価 と 自 由記 載に てシ ミュ レー
ショ ンに対 する意 見 を求 め た。
まず 臨 床 実 習へ の反 映 度 を 問 う段 階 評価で は,
「非 常に役に立 っ た」,
「あ る程度 役に立 っ た 」 とい う意見 が大部分を占め,
「あ まり役に 立 たなかっ た」,
「全 く役に立たなかっ た」と答え た者は,
それぞれわず か 1 名のみで あっ た (表2− 1
)。 ま た自由 記 載の内 容 と して は,
良 かっ た点として 「面接全体の流 れ を把 握で きた」, 「具体 的なコ ミュ
ニ ケー
シ ョ ン の 取 り 方 が分 かっ た」こと を あ げた者が多かっ た。 逆に良くな かっ た点 として は 「自分 自身が代表と して模擬面 接を担 当し た かっ た」,
「わ ず か1
回で は少な す ぎ る」な ど,
シ ミュ レー
シ ョ ンの方法に対す る意 見が多く見ら れ た (表理学療法教 育へ の シ ミ
ュ
レー
シ ョ ンの導入21
図2シ ミュ レ
ー
シ ョ ン の実 際 a.
模 擬カ ルテの読み取りb .
患者の肢 位の決 定 c.
問 診の実 施d .
教 員に よ る指示。
注意 表 2− 1
シ ミュ レー
シ ョ ンに対 する学 生の反 応 (4段 階 評 価 ) 段 階 評 価 人数 (%) 表2− 2
シ ミュ レー
シ ョ ンに対 する学 生の反 応 (E
由 記 載 内 容の 要 約 )1234
非 常に役に立っ た ある程 度 役に立っ た あ ま り役に立た な かっ た 全 く役に立 た な か っ た19
(43,
2
) 23 (52.
2)1
(2,
3
)1
(2,
3
)2− 2
)。考
察
理 学 療 法 評 価で は,
様々 な検 査・
測 定の実 施に先 立っ て問 診 を 中 心とす る面 接 を 行ない患 者の全 体 像 を 把 握 し なけれ ば な ら ない。 し か し,
面 接とは患 者との コ ミ= ニ ケー
シ ョ ン能 力 が 要 求される高 度な技 能であ り,
その習 得は決して容易で はない。 そ のた め,
やや もすれ ば学生 は,
通 り一
辺 倒な診 断 学 的 問 診で済 ませて しま うこと も 少なくない。
以 前 我々が実 施し た脳 卒 中患 者に関 する学 生の評 価 能 力の分 析でも,
身 体 面に関する情 報収集 状況 に比べ て社会・
心 理面の それは か な り乏しい傾 向に あっ たため,
学 生の面 接 能 力の未 熟さ が問 題と なっ た% そ こ で我々 は,
理学療法に必要と な る問診 内容を整理0
50
100(%) 1 )身だ しなみ は適切で あっ たか 2 )患 者に自 己 紹 介 をし た か3
)面接の オ リエ ンテー
ショ ンを 行 なっ たか 4 )患 者に安 楽 な 肢 位 を取らせ た か5
)それ が最も安 楽 な もの かど うか確 認し た か6
)面接者の 姿 勢 は 適 切であっ たか7
) 患 者との eye contact の維 持を努め たか 8 )言 葉 使い は丁 寧で 優 し かっ たか 9) 専 門 用語を避 け 分 か り易い言 葉の み を用いた か 10 )自 由 問 診 法と一
問一
答 法 を 効果的に組み合 わせ た か 11 )複数 事項 を 同 時に質 問 し なかっ た か12
) 質問が誘 導 尋 聞にな ら なか っ た か13
)質 問 内 容に よっ て は周 囲の 環 境に気 を配 っ た か 14)不 必要な 話の介入 を 行 な わ なか っ た か 15)会 話の 流れの なか で適 切 な相槌 を入 れ共 感 を 示したか16
)適 切 な話 題 な ど を 交 えて気 楽 なムー
ドで話 を 進め た か17
)ノー
トの確 認 や 記録で会 話の 長い 中断が なかっ た か 18 )病状や身体機能の ある程 度の 確認をし た か19
)思 者の気分 や 疲 労 を 途 中で確 認 した か20
)最 後に挨 拶 をした か ■ (6
名 ) 圏(2
名〉 ■騾 (5名)1
(1名) ■ (8
名) ■ (6
名 ) ■ (3名) 圏 (3
名) ■ (2名)1
(1
名) ■ ■■ (9
名 ) 一 (13
名) ■ (6名) ■ ■ ■ (12名 ) * 團=
「NO
」 * *平均 面接 時 間一
34分 図3
臨床 実習で の面接 技 術・
態 度の評価 衰 3 教 育 領 域 別の教 育 媒 体の効 果1の 認 知 領 域 精 神運動 領 域 情意領域 知 識 理 解 視覚的に認 聴覚的に 認 問 題 解 決 力 技 能の方 熟 練した技 態 度 習慣 の学 習 識 する学 習 識 する学 習 の学 習 法の 学 習 能の学 習 の発 展 印 刷 物 黒 板 ス ライド。OHP
オー
デ ィ オテー
プ テー
プス ライ ド 映 画。
テ レ ビ (VTR ) 実 物 模 型 シ ミュ
レー
ター
CAI
模 擬 患 者 患 者 + ÷ + + + + + + + θ θ + + ÷ + 十 + 十 + + + + θ θ 十 θ θ θ 十 十 十 きわめて効 果 的 + 効 果 的一
あ ま り効 果 的でない理学療法教育へ の シ ミュ レ
ー
シ ョ ンの導 入 23 して講義する と と も に,
面 接 技 術・
態 度につい て は,
最 近医学教育の分野で も注目され始 め たシ ミュ
レー
シ ョ ン を導 入して授 業の系統化を図っ た。 シ ミュ
レー
シ ョ ンと は 「模擬」を意味す る言 葉で あり, 文字ど お り実 際の状 況を想 定して各 種の 訓練を行う方式で あ る。 これ は従来 よ り様々な分 野におい て応用さ れて き た がE),
医学 教育 で はシ ミュ レー
ター
(simulator )や摸 擬 患 者を開 発 す ることで実施されて い るS)9 )。 その最 大の利 点は,
認 知・
精 神 運 勤・
情 意の各 領 域にお ける学 習の統 合が患者に負 担をか けること な く何度で も行な える ことにある。
特に 模擬患者の利用は,
実 体 と場 面との シ ミュ レー
シ ョ ンが 同時に行な え るe )こ と か ら , 他の教育媒 体と比べて も非 常に優れ た方 法とい え る (表3
)1の 。 ま た講 義中心の従 来の授 業にくらべて,
学生のモ チベー
ショ ンを引き出し やすいとい う点も特 筆すべ きで あ ろ う11) 。 今 回の面接 シ ミュ レー
シ ョ ンで も,
臨 床実習に おける技 術・
態度の 評価で基 本 的 な項目が 順 守できて いたこと,
ア ンケー
ト に よ る学 生の反 応が良 好で あっ たこと,
シ ミュ レー
ショ ン中の学習 態度が極 めて熱 心であっ たことなどで,
そ れ ら を実 感 すること がで き た。
以.
.
ヒの よ う に,
シ ミュ レー
シ ョ ンが学内にお ける統 合 教 育に効 果をあ げること は間違い な い と思わ れ るが, 今 回の ア ンケー
ト結 果に も見ら れ た よ うに,
方法論を めぐ る課 題を抱 えて い ることも否 定で きない。 具体 的に は ロー
ル・
プ レイ の進 行方法と役 割分担,
グルー
プの構成 人数,
模 擬 患 者の演 出 度な どの妥 当性が問わ れ ることに な るB)。 しか し, こうい っ た シ ミュ レー
シ ョ ン・
モデル は授 業 目的に応 じて適 切に変 更 して いくほかはないた め,
今後は 理学療法 教育全般に積 極 的に シ ミュ レー
ショ ンを 取り入れ た う えで,
実 践 を通 し た検 討 を重 ねて い く必 要 が あ る と考え る。 お わ りに シ ミュ
レー
シ ョ ンを導入 し た インテー
ク 面接の授 業展 開 を紹 介し,
シ ミュ レー
シ a ンの 目的と意 義にっい て考 察 した。
面 接の よ う な包 括 的な能 力 を従来の授 業 方 法で統 合し て 教 授 するこ とは極めて困 難で ある。
それは今 回の シ ミュ
レー
シ ョ ンで の学生の戸 惑いを見る にっけ痛感さ れ た。“
教え た はずの ことが臨床で は実践で きて いない”
と いう事 態を避ける た め に も, 今 國の試み を従来の学 内 教育と臨床 教育と を結びっ け る手 段と して と ら えて頂き,
諸兄 姉の御意見を仰 げれ ば幸いであ る。 最 後に,
臨 床 実 習に協 力して頂 き まし た愛 宕 病 院の患 者の皆様と理 学 療 法 科の諸 先 生方に深謝いたします。
こ の論文の要 旨は第25
回日本理学療法 士学会に て発 表し た。 参 考 文 献 1) 福 屋 靖 子 :理 学 療 法における イ ン テー
ク面 接.
理、
・
作・
療 法,
15 :777−
78Q,
1981,
2) 大 川 嗣雄:リハ ビリ テー
ショ ン診 断学,
総合リハ,
4 :69.
・
73,
1976.
3)日本 医 学 教 育 学 会 (監):「医 学 教 育マ ニュ
ア ル 5,
シ ミュ
レー
ショ ン の応用.
1
篠原 出 版,
東 京,
1984.
4)French S :History taking in the physiotherapy assess
・
ment.
Physiotherapy,
74;158−
160,
1988.
5) 堀 川 直 義 :「問 診 と面 接の技 術,
医 師と看 護 婦のために 」医 学 書 院 東 京,
1977,
6)日本 医 学 教 育 学 会 (監 ):「医学 教 育マ ニュ
ア ル 4,
評価と試 験 」 篠 原 出版,
東 京,
1982,
7) 宮 本 省三・
他 :理学 療 法 学 科 学生の患 者評価 能 力にっ いて.
理.
作。
療法,
21 :107−
ll4,
ユ987.
8) 赤 塚 孝 雄 : シ ミュ
レー
ショ
ン と は何か.
看 護 教 育,
23 :14−
19,
83・
・
89,
1982.
9)高橋美 智・
他:医学・
看 護 領域へ の シ ミュ
レー
シ ョ ンの導 入 (座談会).
看護教育,
23:20−
33,
1982,
⊥0)日本 医 学 教 育 学 会 (監 );「医学 教 育マ ニュ
ァ ル 1,
医学教 育 の原理 と進め方 」 篠 原 出版,
東 京,
1978、
11) 庄 司 進一・
:問 題 解 決 型 学 習・
態 度 教 育 を目指 したシ ミュ
レー
シ ョ ンを加え たロー
ル プレイ型 臨 床 授 業の試み.
医 学 教 育,
20:174−
178,
1989.
<
Abstract
>
Simulation
inPhysical Therapy Education-Intake-Interview
usingSimulated
Patient-Kazuhiko
OKITA,
RPT,
Shozo
MIYAMOTO,
RPT,
Hideyuki
ITABA,
RPT,
Toshihiko
ABE,
RPT
Kbchi
School
of
Algieel
Hbatth
andMedical
ibeqfessions
Ininitialphysical therapy assessment, toevaluate patientsas totalpersons,relevant infor-mation should be obtained by interview. However, thisrequires special skills not always
pos-se$sed
by
students of physicaltherapy, Thus, to conduct interviews,the simulation of clinical situationis
introduced.
Sessions
fer
thispurpose
consist of lecturesand simulative and clinical practice. Simulat-ed patientis
considered ahemiplegic
patientdue
to
brain
traurna,
and acted outby
a teacher.Interviews are condiucted
by
two students, using the suggestions of another teacher.Inter-view quality
is
assessedby
other students.The
results are madeinto
a checklist
andques-tionnairesare answered.
Satisfactoryresults were obtained in most cases, and thus the present approach was
con-cluded toimpart adequately therequired skills forconducting interviews. However, the