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6月6日 発表範囲 P227~P232 発表者 救仁郷
シンチレーションとは?
シンチレーション・・・蛍光物質に放射線などの荷電粒子が当たると発光する現象
材料 ・・・有機の溶液・プラスチック、
無機 ヨウ化ナトリウム
硫化亜鉛 など
例えば以下のように用いる。
電離性放射線→シンチレータ→蛍光→光電子増倍管→電子アンプなど・・・
シンチレーションの光によって電離性放射線を検出することは非常に古くから行われてきた放射線測定法で
あり、かつ今日でも検出とスペクトル検出に用いられる。
理想的なシンチレーション材料
1、 荷電粒子の運動エネルギーを高いシンチレーション効率で検出可能な光に変換すること。
2、 変換が直線的に行われること。できるだけ広い範囲にわたり光の収量が付不エネルギーに比例すること
3、 良好な集光特製を得るためにその材料は発行した光の波長に対して透明であること。
4、 有機したルミネンスの減衰時間が短く、高速のパルス信号を発生すること
5、 新ちれーた材料は光学的性質が良好で、実際の検出器として使用するのに十分な大きさのものが制作出来ること
6、 シンチレーション光を光電子増倍管へ効率良く導くために、新ちれーたの光の屈折率がガラスの値に近いこと
実際にはいくつかの条件と他の因子とを妥協させて最適なシンチレータを選ぶ。
無機材料 ○ 光出力・直線性(2) × 応答時間が長い Z・密度 大 γ線スペクトル向け
有機材料 ○ 応答が速い × 光の収率が尐ない ベータ線スペクトル・中性子測定向け
蛍光過程とその他の過程
蛍光過程・・・何らかの方法を用いて励起した物質からの可視光の即発的放射をいう。
*他の可視光を放射する過程とは区別される。
種類
燐光・・・蛍光より波長の長い光の放出。
一般に特性時間が非常に遅い。
遅発蛍光・・・即発蛍光と同じ発光スペクトルをもつ。
励起後の発行時間がはるかに長い。
良いシンチレータ
燐光・遅発蛍光の寄不が小さい。
入射した放射線エネルギーを高い割合で即発蛍光に変換できる。
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8.1 有機シンチレータ
8.1.1 有機物質中のシンチレーション機構
有機物質の蛍光過程・・・単一分子のエネルギー準位の励起によって生じる。
↓
分子の種類にのみよる。(物理的状態には関係ない。気体でも固体でも、溶液の一部でも同様の蛍光が観測できる。
*無機物質では規則的な格子結晶が過程の元になっているので、対照的である。
実用的な有機シンチレータの大半はパイ電子構造という対称的な性質をもつ有機分子に基本がある。
多数ある励起状態のどれか一つに電子配置を励起してエネルギーを吸収する。
スピン 0 のシングレット状態・・・𝑆0𝑆1𝑆2
スピン 1 のトリプレット状態・・・𝑇1𝑇2𝑇3
𝑆0と𝑆1間のエネルギー間隔は 3 ないし、4eV であるが、より高いエネルギーとの間の間隔はこれより小さい。
振動状態に合わせて、第2の添え字をつける。(これらの順位間は 0.15eV(>0.0025eV 平均熱エネルギー)であり、𝑆00が最低振動状態。)
室温ではほとんど全ての分子は𝑆00状態にある。
上向きの矢印は分子によるエネルギーの吸収を表す。つまり、荷電粒子からの運動エネルギーの吸収を表す。
励起された高いシングレット状態は熱を伴わず、内部転換により ps 程度の高速で𝑆1電子状態へ遷移する。
*𝑆11などの状態は過剰な振動エネルギーを持っているため、近傍の電子と熱平衡状態にないため、再び振動エネルギーを短時間に失う。
よって、これらの状態は無視できないほど短時間に𝑆10を生成する。
即発蛍光
𝑆10状態から𝑆0系列の振動状態への遷移により発せられる。
即発蛍光の強度は次式で不えられる。
I = 𝐼0𝑒−
𝑡
𝜏 (τ:蛍光の減衰時間。≅ 2~3ns)
シンチレーションの即発成分はかなり速い。
3~4eV
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燐光
シングレット状態𝑆1は系間遷移により、トリプレット状態𝑇1へ変換される。
寿命は𝑇1:1ms≫ 𝑆1
↓
𝑇1から𝑆0への遷移で放出される放射線は燐光と呼ばれる遅れた発光になる。
また、𝑇1は𝑆1よりもエネルギーが低いので、燐光スペクトルの波長は蛍光スペクトルの波長よりも長い。
遅発蛍光
𝑆0→ 𝑆1→ 𝑇1→ 𝑆1→ 𝑆0という流れで通常の蛍光として遷移することがある。この過程が遅発蛍光の源である。
有機シンチレータが自身の出した蛍光に対し透明である理由
上向きの矢印は物質中で強く吸収されるエネルギーを意味している。下向きの矢印、つまり放出されるエネルギーはこれよりも小さいので、励起に
必要な最小エネルギーよりも小さいため、吸収と発光のスペクトルの重なりはほとんどない。したがって、蛍光を自分で吸収することはほとんどなく、
自身の出した蛍光に対して、有機シンチレータは透明である。
消光について
シンチレーション効率=可視光に変換されたエネルギー
入射粒子のエネルギー
効率を上げるためには、発光を伴わず、主に熱によりエネルギーを失う遷移モード、消光による反応を減らすことが大切である。
たとえば、液体シンチレータ中の溶存酸素のような丌純物は、除去することが重要である。
分子間での遷移エネルギーの移行
励起エネルギーは遷移が起こる前に分子から分子に遷移エネルギーが移行する。
故に、2種類以上の分子を含む有機シンチレータに対しては移行過程を考える必要がある。
大量の溶媒の中に効率の高いシンチレータを尐量添加した場合、溶媒に吸収されたエネルギーは移行し効率の高いシンチレータから発光する。
これらの2元有機シンチレータは液体・固溶体として広く用いられる。
波長シフタ
波長シフタ・・・第1次シンチレータによって出された光を吸収して、より高い波長の光を再放出する。
こうすることで、発光スペクトルを光電子増倍管のスペクトル感度に合致させることが出来る。また、大きなシンチレータの自己吸収を小さくするの
に役立つ。
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8.1.2 有機シンチレータの種類
① 純粋有機結晶
種類
純粋な有機結晶シンチレータは次の 2 種類。
1. アントラセン
最も古くからシンチレーションの目的に用いられてきた。
有機シンチレータの中で最高のシンチレーション効率をもつ。(単位エネルギーに対して最大の光出力をもつ)
2. スチルベン
シンチレーション効率は低い。
パルス波形弁別法を用いて、荷電粒子と電子によって誘起されるシンチレーションを区別するのに使用される。
欠点
脆く、大きな検出器を作ることができない。
シンチレーション効率が結晶軸に対する荷電粒子の方向に依存する。方向による変化は 20~30%程度ある。
入射放射線が結晶内でいろいろな飛跡を描く場合にはエネルギー分解能を劣化させることになる。
② 有機液体シンチレータ
製法
有機シンチレータを適当な溶媒中に溶解することで得られる。方向による変化は 20~30%程度ある。
種類
溶媒+有機シンチレーション物質
溶媒+有機シンチレーション物質+波長シフター成分(発光スペクトルを通常の光電子増倍管のスペクトル応答に合致させるよう移行させる)
市販されている液体シンチレータ
ガラス容器内に密封されている。
*溶残酸素は強い消光剤として作用し、蛍光効率が下がるため、容器内に密封し、酸素を追い出す必要がある。
有用性
数 m にも及ぶ大体積の検出器を作ることができる。(他に選択の余地がない)
シンチレータ溶液に溶解出来る放射性物質を計数する場合に広く用いられる。
こうすることで、線源から放射された全ての放射線が直ちにシンチレータ中へ入るため、計数効率をほぼ 100%に出来る。
例・・・低エネルギーベータ線源 炭素 14、トリチウム
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③ プラスチックシンチレータ
製法
有機シンチレータを溶媒に溶かす
↓
高分子化
↓
固溶体
例(一般的)
スチレンのモノマーからなる溶媒に適当な有機シンチレータを溶解する。それを高分子化して、固体プラスチックにする。
利点
製作・成形加工が容易であり、有機シンチレータとして有用。また、安価である。
欠点
光の自己吸収が無視できないため、シンチレータ中の光の減衰特性に注意を払わないといけない。光の強度が 1/2 になるのは数 m 程度(種類に
よっては短い)
入手可能なプラスチックシンチレータ
棒状・円筒状・薄い板状・・・など
大体積の固体シンチレータ (安価であるために大体積の固体シンチレータは基本的にプラスチックシンチレータである。)