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二次林と常緑広葉樹林における常緑広葉樹の出現率-香川大学学術情報リポジトリ

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二次林と常緑広葉樹林における常緑広葉樹の出現率

末 広 喜代一

〒760高松市幸町1−1香川大学教育学部生物学教室

Frequencyofevergreenbroadleavedtrees

insecondaryfor・eStandevergreenbroadleavedforest

KiyokazuSuehiro,β£ogogicαZエαわorαとOrツ,ダbc乙↓Z≠γ0/g血cα£io7も, 晶堵α∽αこh£uer叫γ 樹林にわけ,そこでの常緑広葉樹の出現率を比 較した。 末広・亀山(1992)は,香川県自然環境保全 指標策定調査での群落調査資料から73ケ■所の二 次林(マツ林と落葉広葉樹二次林)と108ケ所の 常緑広■菓樹林での14種の常緑広葉樹の出現率を 計算している。その結果,ソヨゴ,ナナミノキ, ウバメカシの3種については,常緑広葉樹林で ほ出現率が減少することを見いだしている。け れども,出現率の計算にもらいた落葉広葉樹の 二次林ほ比較的よく発達した二次林に限られて いること,対象樹種が14種と限られていること から,今回,同じ資料をもちいて,同資料に掲 載されたすべての常緑広葉樹を対象に出現率の 再計算を行った。 方 法 常緑広葉樹の出現率の計算にもちいた群落は, 1979年から1985年にかけて行われた香川県自然 環境保全指標策定調査での群落調査資料である (和気・新居,1981;和気・新居,1982a;和気・

新居,1982b;和気ほか,1985;和気はか,19

86;久米ほか,1987)。同資料から,120ケ所の 二次林(マツ林と落葉広■菓樹二次林)と115カ 所の常緑広葉樹を優占種とする森林についての 資料から出現するすべての常緑広■英樹を選び出 した。マツ林と常緑広葉樹林はすべての群落を は じ め に −・般に西南日本の低地では,気候的極相ほ常 緑広葉樹林になるといわれている。しかしなが ら,常緑広葉樹でも樹種によっては極相林だけ でなく,遷移のより早い段階から出現する。そ れらの樹種のなかには耐陰性が弱く極相の常緑 広葉樹林では減少するものもあると考えられる。 マツ林や落葉広葉樹二次林のように比較的明る い林床で高い出現率をしめし常緑広葉樹林の暗 い林床で出現率の低くなる樹種ほ常緑広■菓樹で も陽樹的な性質が強く,逆に常緑広■菓樹林の亜 高木層以下で高い出現率をしめす樹種は陰樹的 な性質が強いものと考えられる。そのため,二 次林と常緑広葉樹林での出現率を比較すること によって,樹種による耐陰性の違いについての 一・般的な傾向を知ることができるものと考えら れる。 森林の遷移過程における常緑広葉樹の出現率 の変化を調べるためには,まず,群落の種組成 調査資料をもとに個々の森林の遷移過程での序 列づけを行ったのちに調べるべきものであると 考えられるが,多数の種組成調査資料の序列づ けには多大の労力を必要とし,必ずしも既存の 資料だけで序列づけに成功するとは限らない。 ここでは便宜的に対象群落の優占種によって二 次林(マツ林と落葉広■菓樹二次林)と常緑広葉

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表1… 二次林(120カ所)および常緑広葉樹林(115カ所)の対象群落番号一・覧表 二 次 林 常緑広葉樹林 土器川水系 1 2 23 24 中讃西部地域 1 2 21 22 36 37 48 49 73 74 西讃地域 1 2 13 15 4 1 3 1 2 1 1 1 8 7 6 7 1 5 6 1 9 1 8 1 5 1 9 4 3 6 2 5 6 1 1 5 7 4 5 9 1 5 6 2 2 7 1 5 6 1 7 6 1 4 6 9 4 5 4 6 7 0 0 2 6 6 9 8 2 1 5 8 4 8 7 8 1 5 7 7 5 6 2 3 1 3 4 7 8 6 7 5 8 1 1 2 4 6 8 0 6 3 4 9 1 2 4 6 7 8 5 2 3 7 2 4 6 7 5 4 9 9 6 2 3 5 7 3 3 8 1 5 2 3 5 7 7 9 2 5 3 3 2 5 22 亜 1 3 2 4 0 2 2 4 6 0 1 4 4 9 1 3 2 9 2 1 2 6 l 1 0 1 4 6 9 1 7 3 5 8 6 6 2 5 7 4 4 8 2 5 6 4 9 2 7 1 5 6 3 8 9 6 1 4 ︵へJ 44 46 49 63 64 66 中讃東部地域 2 3 5 15 109 205 1 9 12 103 104 105 106 107 108 110 111112 201202 203 204 206 207 211 212 213 7 9 10 12 13 14 17 29 13 1 1 0 1 8 6 8 1 2 7 1 2 4 2 0 1 2 東讃地域

1 2 5 6 8 15 16 27

30 31 41 54 55 57 58 32 34 36 37 38 45 46 47 48 56 59 小豆島地域 10 1112 21 34 39 40 47 58 64 1 2 3 4 6 7 17 20 22 23 24 25 26 30 36 41 50 51 52 57 59 60 にその種が優占する群落を計算から除くような ことはしなかった。出現率の計算とともに,優 占度の平均値を同じく階層別に.もとめた。植生 調査表には優占度とともに群度が記録されてい るが,その儀を優占度の小数点第1位の値とし てもちいた。すなわち,優占度・群度が,2・1 を2.1として優占度の平均値の計算にもちいた。 優占度の値十ほ0.1とした。優占度や群度はそれ らの平均値を計算し,利用するのには馴染まな い値であるが,畳の多少を知る目安として便宜 的にもちいた。二次林および常緑広葉樹林の出 現率を樹種別,階層別にもとめたのち,樹種ご 対象としたが,落葉広葉樹二次林からは,冷温 帯域に含まれるブナ優占林と大川山のイヌシデ 林,フサザクラが優占する渓谷林,低木層以下 の樹林しか見られない落葉樹林などは除いた。 二次林か常緑広葉樹林かの判断ほ資料につけら れた群落名にこだわらず,最上層をしめる樹種 の優占度によって判断し,最上層で最も優占度 の大きい樹種を優占種とした。計算の対象とし た群落ほ表1に.香川県自然環境保全指標策定調 査報告書の植生調査表番号でしめした。 出現率の計算はそれぞれの階層別および全層 での有無によった。末広・亀山(1992)のよう −30−

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表2..香川県内の二次林(マツ林および落葉広葉樹二次林)での出現率のほうが有意 に高かった常緑広■菓樹(ナワ・ンログミのみ)および二次林と常夜広葉樹林で出 現率に有意差がなかった常緑広一菓樹の出現率(上欄)と平均優占度(下欄). Tl:高木層,T2:亜高木層,S:低木層,H:草本層,ALL:全階層. 次 林 常緑広葉樹林 S H ALL TI T2 S H ALL

樹種名 TIT2

高木性樹種 ク ス ノ キ ナナ ミ ノ キ クロガネモチ 11.3 4..3 96 2..6 20..9 0り82 011 014 0.01 7..0 2..6 9,.6 2.6 17.4 0.60 0.07 0.06 0.02 4..3 09 35 0小9 87 0い86 012 0い04 001 7 7 8 ■ 6 5 3 3 1 3 0 7 0 7 0 3 ︵U イL O l n︶ 6 7 0 5 10 5 0 6 0 7 0 2 0

=⋮=M一一

8 3 1 5 45 5 33 3 0 7.〇 2 ∩︶ 92 亜高木性樹種 ソ ヨ ゴ 3日3 14..2 108 9.2 0.17 0…74 0…09 0.04 ア セ ビ 0小8 3..3 150 5.0 0.05 0..27 0.69 0い03 シャシャソボ ー 6‖7 150 2..5 − 019 038 0日01 シ P ダ モ ー 67 12.5 8..3 − 0,68 0.47 0.13 22小5 2小6 11…3 14り8 12日2 27“0 0.18 041 0‖09 0“12 17小5 − 13‖9 183 4.3 23..5 − 0,46 0.30 0,02 17..5 4,3 13‖9 78 7..0 24..3 0.35 0.42 0.03 0.03 14..2 − 35 12..2 8.7 15‖7 − 025 0‖20 006 ウバメ ガシ 3小3 10..8 10..0 58 14..2 13..9 157 10..4 7.8 22‖6 0,08 1.75 0−59 0.04 203 222 0い45 0.03 低木性樹種 ヒ サ カ キ ー 30小0 63,3 283 70..8 − 287 54.8 25.2 60..0 − 048 1。26 0。.24 − 0,′36 ナワシログミ ー 42 242 14.2 31‖7 17 − 004 0.27 0.07 − 0“01 イ ヌ ツ ゲ ー 3.3 83 7小5 14‖2 − 0日9 056 0‖04 13..9 7.8 19.1 007 0.04 2.6 6,1 7日0 004 0。09 104 7日0 15..7 0.07 0.04 8“7 3小5 10..4 0‖42 011 6.1 25.2 287 005 0.50 ー 0.01 − 0日9 − 0(16 − 0.9 − 001 − 26 − 001 ー 0。09 0,18 005 ヒ イ ラ ギ ー 2..5 6,7 1..7 8..3 − 0,13 0.19 0.02 マ サ キ ー 0.8 58 2,5 5。8 − 0.01 0.26 0.04 つる性樹種 キ ヅ タ 3日3 33 7..5 167 208

0‖02 002 008 0‖63

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表3.香川県内の常緑広葉樹林での出現率のはうが有意に.高かった常緑広一菓樹の出現 率(上欄)と平均優占度(下欄).Tl:高木層,T2:亜高木層,S:低木層,H: 草本層,ALL:全階層.

常緑広葉樹林

Tl T2 SSS H ALL ニ 次 林 TI T2 S H ALL 樹 種 名 高木性樹種 カ ゴ ノ キ ウラジロガシ シリブカガシ ックバネガシ モ チ ノ キ 11.3 7..8 10.4 5..2 20..9 0..64 0‖43 0‖10 0.07 17..4 13‖0 13..0 7..8 24h3 2.55 0い57 0.20 0‖03 7.8 7‖8 7‖0 5..2 10…4 2.76 0日88 0、61 0‖23 9..6 9..6 9..6 6日l 13..9 2.16 0い80 0.34 0.25 5..2 7..8 9..6 0..9 13.9 0.88 0.84 0.14 0.01 61 5.2 5..2 3..5 6..1 4“11 1.46 0…09 0…06 6.1 52 26 7‖0 12…2 1..32 0.41 0小10 0..06 8 7 0 6 1 3 0 3 0 2 2 3 0 4 ∩︶ l 1 0 8 0 00 0 7 1

α 0 0 0 t O

7 1 0 5 7 3 3 7 8 7 8 5 6 α 3 nW O l山 0 α 5 0 O 1 5 1 5 4 8 1 8 6

2〇2〇O L O L

7 7 1 一■■● t 一 0 0 0 0 0 7 1 7 1 8 1 8 1 00 1 . 一L nW 1nW O n︶ 0 ∩い 0 ∩い 一一一一 1..7

l 一一一一一一一

− 0..8 ア カ ガ シ 0..8 2120 ヒメこ1ズリハ ー ツ プラジイ ー 亜高木性樹種 ネズ ミ モチ ー ア ラ カ シ/ 67 0.26 ヤブツバキ 1日7 0。07 ヤプニッケイ 1日7 0,10 サ カ キ ー ト ベ ラ ー カ ク レ ミ ノ ー カ ナ メ モチ ー モ ッ コ ク ー − 0..8 − 0..8 32小2 261 26‖1 19.1 348 343 0小84 074 0.14 ー 33..0 55..7 27..8 67‖8 ._ 0.30 0小26 0.07 32..2 522 48.7 37..4 635 1.35 137 0小74 0…25 87 443 60..9 41..7 71..3 0。19 0.82 0.61 0一.07 8.7 26..1 36..5 23.5 50,4 0‖23 0.28 0.22 0,.05 7.0 28,7 34..8 15..7 452 0.32 102 0。.50 0..16 − 5..2 13.9 8..7 17‖4 _ 0.18 0,08 0..05 4..3 15.7 27…8 17.4 32‖2 0.18 0.35 0け24 0.14 2‖6 243 23.5 21‖7 38.3 0.03 0.51 0.16 0.08 43 17い4 26.1 13日0 330 0,12 0.46 0一28 0.04 158 44..2 108 475 0い29 0.48 0.04 22..5 250 17.5 31..7 105 0い88 0..11 208 183 10..8 258 1.12 0い55 0.07 100 9..2 83 192 0,40 0.14 0.09 1…7 6.7 3..3 9..2 002 0.35 0.04 25 83 25 8..3 0‖13 0い64 0.03 3.3 2..5 2.5 67 0.80 0い04 0。04 3.3 3日3 1.7 5..0 0.57 0.07 0‖03 2日5 2..5 33 0。08 0け08 −32−

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表3小 (つづき) 二 次 林 常緑広葉樹林 Tl T2 SSS H ALL Tl T2 SSS H ALL 樹 種 名 低木性樹種 ヤプ コ ウ ジ ク チ ナ シ′ マ ンリ ョ ウ ア オ キ − 58..3 58.3 − 044 17 14.8 87 18..3 − 0.06 0.39 0“10 ー 0日8 35..0 35..0 − 0.00 0.40 − 58 0.8 5…8 − 0‖41 0.01 − 4,2 42 − 2小6 183 19..1 ー 0.01 010 − 09 7.8 87 10..4 − 0.01 149 008 96 23..5 22日6 487 53‖0 009 0.10 0.08 089 − 6..1 78 13..9 23,5 − 0小03 0,07 010

− 0ハ9 52 70 113

− 0.01 005 006 2日6 2..6 70 15..7 19。.1 006 0.01 0.04 056 − 0.10 0.8 2.5 − 25 0‖03 0.77 − つる性樹種 テイカカズラ 5..0 58 125 183 233 0.02 0り07 0.13 0.86 サネカズラ 0..8 1‘7 2..5 2小5 6..7 0一01 0.15 0.04 0い04 ム へ − 1,7 0..8 2..5 − 0.07 0.03 イタビカズラ ー 08 08 1..7 2日5 − 0.03 0.03 007 出現率の値にたいして2項分布の正規分布曲 線近似を仮定すると出現率にたいする誤差率 (出現率の値にたいする最大誤差の百分率)を もとめることができる。標本数120の二次林と 標本数115の常緑広葉樹林の誤差率と出現率の 関係を表4にしめし年。ただし,有意水準を95 %として−計算した。表4より出現率5%でも80 %程度の最大誤差があることがわかる。 表2には二次林での出現率のはうが有意に高 かった種および出現率に有意差がなかった種の 出現率と平均優占度をしめした。表2でほ対象 樹種を高木性樹種,亜高木性樹種,低木性樹種, つる性樹種に4区分しているが,高木性,亜高 木,低木性の判断は常緑広葉樹林のどの層でも っとも平均優占度が大きいかで判断した。ただ し,草本層で出現率が高い場合は低木性とした。 各区分ごとに順序ほ二次林での出現率が高い順 にならべた。二次林での出現率が同じ場合には 常緑広葉樹林での出現率が低い順に.ならべた。 とに二次林と常緑広葉樹林での出現率の有意差 検定を行った。有意水準ほ95%とした。 結 果 出現率計算のための資料となった香川県内の 合計235カ所の群落で出現した常緑広■菓樹は71種 であった。そのうち,全体の出現率5%以下 (12カ所以下)の27種および二次林と常緑広葉 樹肉で出現率にある程度の差があるにもかかわ らず出現率が少ないため有意差なしとなったと 考えられる3種ほ結果から除いた。ただし,ア カガシ丹こついては末広・亀山(1992)によって 菓齢構成調査が行われていることもあって,出 現率5%以下(8カ所で出現)ではあるが,結 果にふくめた。また,トウジュPとワジエロは 単にシュロとして両種を区別していない場合も あるので,いずれも結果から除い■た。したがっ て71種のうち39種の結果を表2および衰3にし めした。

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率をしめした。また,亜高木性樹種でほネズミ モチ,低木性樹種ではヤプコウジをのぞくと, いずれも常緑広一美樹林で二次林の2倍以上の高 い出現率をしめした。常緑広葉樹林での出現率 が特に高い樹種は亜高木性樹種に多く,トベラ をのぞくといずれも30%以上の出現率であった。 考 察 末広・亀山(1992)でほ,ソヨゴ,ナナミノ キ,ウバメガシの3種で二次林の出現率のはう が高かったが,今回の計算でほいずれも常緑広 葉樹林での出現率のほうが高かった。しかしな がら,二次林での出現率とのあいだで有意差ほ なかった。常緑広葉樹林でわずかしか出現率が 高くならないとされたクスノキも二次林での出 現率とのあいだで有意差ほなかった。これらの 樹種の二次林での出現率は,末広・亀山(1992) の計算値より小さくなった。上層木として,ク ヌギ,コナラ,アベマキのよく発達した二次林 では,ソヨゴ,ナナミノキ,ウバメガシ等の常 緑広■英樹が林内に多くなっているが,今回の計 算のように,落葉広■菓樹二次林として,かなり 発達の悪い二次林まで含めて計算した場合には, まだそれほど常緑広葉樹が侵入していない二次 林まで含めることになるため出現率が低くなっ たと考えられる。同じことがそれ以外の樹種で もあてはまるものがあると思われる。 群落を構成する植物の出現頻度を知ることは 植物群落の組成研究においても関心をもたれて おり,日本の植生についての一顧向けの図鑑に も代表的な群落の構成種があげられている(宮

脇編,1967;菅沼,1975;中西ら,1983)。常

緑広一美樹の多くは常緑広葉樹林の構成種とされ ているが,中西ら(1983)はソヨゴ・クスノキ・ ヒサカキ・イヌツゲをアカマツ・コナラ林の構 成種としてあげている。またシイ・カシ林の構 成種であるアラカシは二次林に多く,シャシヤ ソボほマツ林に多いとしている。アラカシ以外 はいずれも表2にあげた樹種である。佐々木編 (1973)にはマツ林の総合常在度表があげられ ている。それによると日本のマツ林は冷温帯域 のアカマツーミズナう群団と暖温帯域のアカマ 表4.有意水準95%での出現率の値に・たし する最大誤差の割合(誤差率) 誤差率 出現率(%)

(%) ニ 次 林 常緑広葉樹林

0 5 0 3 8 5 4 0 0 2 7一 ﹁〇 7 7 1⊥ 00 6 ︻b 4 つU 7 4 2 1 1 2 5 2 7 4 2 1 8 8 1 6 ﹂﹁ 6 6 1 8 6 ..q 3 3 7 4 2 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 二次林での出現率が常緑広葉樹林での出現率 より高い樹種は,低木性樹種のナワシログミ, イヌツゲ,ヒサカキの3種であったが,二次林 での出現率のほうが有意に高かったのほナワシ ロクミのみであった。ヒサカキは常緑広葉樹林 で出現率が低くなるものの60%とかなり高い出 現率をしめすことが注月される。イヌツゲが常 緑広葉樹林での出現率が二次林の半分程度であ るのもかかわらず有意差がなかったのは出現率 が低いためと考えられる。また,ヒイラギとマ サキの常緑広葉樹林での出現率が二次林よりか なり高いにもかかわらず有意差がなかったのも 同様の原因と考えられる。高木性樹種のクロガ ネモチについても同じことがいえる。 表3にほ常緑広葉樹林での出現率のほうが有 意に高かった樹種の出現率と平均優占度をしめ した。樹種の区分と配列方法ほ表2と同じであ る。衰3のなかには,二次林での出現率がかな り低い樹種が多いが,アラカシ,ネズミモチ, ヤブツバキ,ヤプニッケイ,テイカカズラの5 種は二次林でもかなり出現率が高いことが,表 2のヒサカキとともに注目される。また,アラ カシは亜高木層で最も出現率が高いが,高木層 でもツブラジイとともに最も高い出現率をしめ した。表3の高木性樹種とつる性樹種ほいずれ も常緑広葉樹林で二次林の2倍以上の高い出現 −34−

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末広喜代一‥亀山一・恵.1992..常緑広葉樹の菓 齢構成.日本生態学会誌,42:137−147. 菅沼孝之.1975.生物の世界 植物.文研出版, 大阪 宮脇昭編一.1967.原色現代科学大事典 3植物. 学習研究社,東京. 和気俊郎・新居正敏..1981.土器川水系の植生. 香川県環境保健部自然保護課(編),香川県 自然環境保全指標策定調査研究報告書(土器 川水系):19・−67.香川県. 和気俊郎・新居正敏.1982a.綾川・大旗Jll水系 及び五色台の植生.香川県環境保健部自然保 護課(編),香川県自然環境保全指標策定調 査研究報告書(香川県中讃西部地域):23− 115.香川県. 和気俊郎・新居正敏.1982b.金倉川・弘田川 水系及び多度津の植生.香川県環境保健部自 然保護課(編),香川県自然環境保全指標策 定調査研究報告書(香川県中讃西部地域): 117−177.香川県. 和気俊郎・新居正敏.1984.財田川・椎田川・ 高瀬川水系及び荘内半島の植生.香川県環境 保健部環境自然保護課(編),香川県自然環 境保全指標策定調査研究報告書(香川県西讃 地域):7−129..香川県. 和気俊郎・藤原滝雄・久米 修・新居正敏・末 広喜代一・・高橋良平.1985.香ノ1L県中讃東部 地域の植生り 香川県環境保健部環境自然保護 課(編),香川県自然環境保全指標策定調査 研究報告書(香川県中讃東部地域):13−128. 香川県. 和気俊郎・久米 修・新居正敏・藤原穐雄・末 広喜代−・・高橋良平叶1986.香川県東讃地域 の植生.香ノ≠県環境保健部環境自然保護課 (編),香川県自然環境保全指標策定調査研 究報告書(香川県東讃地域):15−97.香川 県. ツーアラカシ群団に.大別され,アカマツーアラ カ・ン群団で常在度(ここでいう出現率にあたる もの)の高い樹種として,アセビ・ソヨゴ・ク スノキ・ナナミノキ・アラカシ・シャシヤソボ・ ネズミモチ・ヒサカキがあげられており,群団・ 亜群団・群集等の棟数種とされている。そのな かでアラカシとネズミモチ以外は表2にあげた 樹種である。 このように表2の樹種の多くほ二次林である マツ林での出現率の高い種として−・般に.認めら れている樹種であるが,例外はシ/ロダモとキブ タである。佐々木編(1973)でほ暖温帯の常緑 広葉樹林をスダジイ群団としているが,シロダ モとキブタを群団標徽種としている。同じよう に中西ら(1983)もこれらの樹種をシイ・カシ 林の代表的な樹種としてあげている。 このように,常緑広葉樹林で出現率が低下し た樹種がほとんどなかったことから,今回の結 果から耐陰性についての検討は不可■能であるが, その原因としてはすでに述べたように二次林と してかなり発達の悪いものまで含めて出現率を 計算したことによるものと考えられる。遷移の 過程での個々の樹種の位∵匿づけのためには,単 純な二次林と常緑広葉樹林の2分法でなく,や はり個々の森林の遷移過程での序列づけが必要 であると考えられる。 引 用 文 献 久米 修・和気俊郎・片本 毅・新居正敏・藤 原滝雄・末広喜代−‥高橋良平.1987.香川 県小二豆島地域(含豊島)の植生。香川県環境 保健部環境自然保護課(編),香川県自然環 境保全指標策定調査研究報告書(香川県小豆■ 島地域):11−86.香川県. 中西 常・大場達之・武田義明・服部 保.19 83.日本の植生図鑑〈Ⅰ〉森林.保育社,大阪. 佐々木好之編.1973.植物社会学.共立出版, 東京.

参照

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