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処理水の適正散水量-香川大学学術情報リポジトリ

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処理水の適正散水量

弥永孝一・,横瀬虞司

OPTIMUM SPRAY INTENSITY

IN LANDTREATMENTOFSEWAGEEFFLUENT

KoichiIYANAGAandHirojiYoKOSE

Inpointoflandtr・eatment,thepremiseisthatsewagewatersprayedshouldpercolateintothesoil」It

dependsonmanyconditionswhethersewagewaterSprayedpercolatesintothesoilorrunsoffthesurface

Ther・efore,analysisshouldbemadeineachcase

Theproceduretoiudgethedegreesofsewagepercolationthroughthesoilaccordingtosprayintensityis

showninthispaperAndsomeanalyticexamplesar・epreSentedtoshowthechangesofsoilmoisturecontent

withtimesprayed,andestimationwasconductedastotheoptimumsprayintensity

InthepTaCticalspray,itwillbemadepossibletoreducethesurfacerunoffbythefollowingarrangements

① Toestimatebeforehandthesprayintensitywhichdoesnotcausesurfacerunoffinvariousdegreesofthe initialsoilwater content ② Tomaketheinitialsoilwatercontentcleariustbeforesprayingontheappointeddistricttobespray6d 土壌浄化法においては,散布された処理水が地中に浸透することが,前提条件である。処理水が浸透するか,表面 流出するか,それは,多くの条件によって異なり,個々の場合について,解析する必要がある。 本論文でほ,処理水の散布強度がどの程度であれば,処理水が地下に浸透するかを判定する手法を論じた。また, 一部,その解析例を示し,処理水の散水による土壌水分の経時変化を解析し,適正な散布強度の決定を試みた。 具体的な散布にあたっては,次のような手順によって,表面流出をおさえることが可能である。 ① あらかじめ,種々の初期水分量に対して,表面流出を起こさない散布強度を求める。 ② 散布を予定している地域の初期水分量が,散布直前にわかるようにしておく。 1. ま えがき 処理水を林地に散布する際,その散布強度が大き過ぎると,処理水が表面流出する可能性がある。土壌浄化法にお いては,土壌中を浸透することによって,はじめて,汚水が浄化される。それゆえ,表面流出が起こることは,汚水 が浄化されないまま,谷等を通って流出することを意味し,河川等が汚染され,富栄養化の原田となり,このことが, 新たな問題を生ずる可能性がある。 したがって,可儲な限り表面流出を起こさないような散布方法を考えるべきである。−方,著しく散布強度が小さ い場合には,表面流出は生じにくいが,散布に時間がかかりすぎ,非能率的である。 そこで,著者らは,適正な散布強度が存在すると考え,散布強度と表面流出の関係について考察を行った。すなわ ち,散布による散布地域の土壊水分の動態に関するシュミレーショこ/の手法を述べ,適正散布量の決定を試みた。 2.処理水の土中への浸透についての理論的解析 散布された処理水が土壌中に浸透するか,あるいは,表面流出するかは,土の表面の含水率による。すなわち,土 壌の表面の含水率が100%(体積含水率)であれは,散布された処理水は,全部表面洗出し,それ未満のときは,その

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102 香川大学農学部学術報告 第39巻 第1号(1987) 含水率に応じて,全部浸透するか,一・部浸透して残りが表面流出する。 このように,土壌の表面の水分状態が,表面流出に大きく影響する。したがって,処理水が,表面流出するか香か の判定にほ,処理水の散布による土壌水分の経時変化を解析する必要が生じてくる。そこで,まず,処理水の散布に よる土壌水分の経時変化を知るための基礎理論について述べる。 2.1土壌水分動態解析の基礎方程式 土壌水の鉛直方向の非定常流れは,次のように.表される(2)。 ∂(¢研一g) ここで・昔=意(∬(β) し1■\ 飴 β ;土壌の容積含水率 ′ ;時間 Z ;鉛直下向きの深さ ∬(の;不飽和水理伝導度であり,βの関数である。 ¢桝 ;マトリックポテンシャル (1)式は,初期条件,境界条件が与えられたら解けるが,次にこれらの解説を行っている。 2..2 処理水の流出に関する諸条件 処理水の流出には,どのような条件が関与するかについて述べる。 (1)初期水分量 処理水を散布する日において,降雨後,どの程度の日数が経過しているか,すなわち,処理水を散布する直前にお ける,散布地域の土壌の鉛直方向の水分分布が,処理水の浸透に大きく影響を及ぼす。 (2)土層の構成 散布地域における土壌の鉛直方向の地質的条件である。 (3)不飽和水理伝導度 処理水が,土壌中に浸透する場合は,その浸透の様式は,いわゆる不飽和浸透流である。そのような流れの難易の 度合を示すのが,不飽和水理伝導度である。不飽和浸透流は,土壌水分の張力の勾配に基づいている。すなわち,不 飽和透水係数は,土壌の水分量の関数であり,土壌水分張力は,水分量の関数である。これらが,土壌によって異な るので,散布地域の土壌について,これらの特性を知る必要がある。なお,不飽和透水係数g,水分量β,およびマ トリックポテンシャル¢桝の関係を求める簡便な方法として,次の二つの場合がある。 (a)Irmayの方法(3) Å′とβの間には,次の式が成り立つ。 〝=∬S(若告)3 ここで, 〝s;飽和透水係数 ♂s:飽和時の容横含水率 β0;死水間げき内の水分量である。 この式は,表面非活性な土壌で,砂の臭うに比較的間隙が大きい場合に成り立つ。 (b)Bruce法による方法(1) 土壌中における水平方向の不飽和浸透流は 昔=意[〝(の晋] さらに, β(♂)=〟(の晋 (3)式は, 昔=意[β(β)雷] また

∂(鋸=−去(普).上■アズーギdβ

(2) (3) (4) (5) ・(6)

(3)

(4)式と(6)式から,不飽和水理伝導度が計算される。このように,−L般的には,BruCe法によって,現場の土壌につ いて,実験を試みることである。 3.解 析 3..1解析の前提 第2章における表面流出に関与する諸条件から明らかのように,表面流出は,多くの要因によって変化する。 そこで,条件む仮定して,処理水の散布による土壌水分の変化に関するシ/ユミレー・ショソを行う。 不飽和水理伝導度については,ここでは,Irmayの式を用いる。また,飽和時における透水係数は10,5cm/SeCとした。 (著者らが研究地に選定Lた牟礼の現場では,透水係数は,1×10 ̄Scm/sec程度で奉った。) 3.2 解析のモデル Hillel(2)によって示されているいわゆるコソ/く1−トメソトモデルを用いる。そのモデルの概要をFig.1に示す。 Fig1における各士層の厚さほ,必ずしも等しくほない。N個のコ:/パートメソトに分かれている。それらのコンバー ト間の水の移動についてほ,Darcyの法則に従うとする。

SOIL SURFACE BOUNDARY(1)

BOUNDARヽ(2) BOUNDARY(ト1) BOUNDARヽ(Ⅰ)

Fig1 コソ/ミートメソト・モデル(Hillelの論文(2)から引用)

コンバートメソトにおけるマトリックポチソシヤルと水理伝導度((1)式におけるそれぞれ¢桝と∬(のを示す)は, 水分合着率によって変化する。また,処理水の散布による表面流出の判定においては,植物からの蒸発は無視し,こ れにかわって,土壌の表面のみから水が蒸発すると仮定する。 3.3 解析結果および考察 散布開始時における,散布領域の水分量(初期水分量),透水係数,散布強度が異なる場合における処理水の,散布 による土壌水分量の経時変化の解析例をFig.2∼Fig.9に示す。カソ水が8mm/hour程度では,いずれの条件の場合 も,表面流出ほ起こらない。Fig4,Fig.5また,Fig6から,重力水が浸透した後において,10mm/hour程度のカソ 水を,3時間続けた場合においても,表面流出は起こらない。さらに,Fig7から,重力水が浸透した後の水分量と飽 和水分の中間程度の水分量でほ,10mm/houT∵程度のカソ水を,3時間続けると,表面流出が起こる。 また,著者らが実験地に選定している場所では,透水係数は,10−5cm/secであったが,K=10J4cm/SeCの場合に っいて,水分量の経時変化を解析すると,Fig,9のようである。この例では,表面流出は起こっていない。透水係数が 大きい場合は.,それが小さい場合に比べ,浸透速度が大きいので,地下水を汚染する可能性が大きい。このように・ 透水係数が大きい場合は,地下の浸透が速いため,表面流出は起こらないが,逆に,浄化される時間が短いことを意 味するので,地下水の汚染に留意すべきである。

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104 香川大学農学部学術報告 第39巻 第1号(1987) 水分合着率(体横合水率) 0.30 0.32 0.34 0.36 0.38 水分含有率(体積含水率) 0.40 0.42 0.44 0.46 0.48 0.50 0.40

誼膵W徽彗

7 ・ ミい∴、十−ニ.二 Fig2 散水にともなう土壌水分の経時変化 (5mm/hour■,3時間カソ水,飽和透水 係数1×10T5cm/SeC,飽和含水率0473) 水分含有率(体積含水率) 030 0、32 0.34 036 0.38 0.40 0.42 0.44 Fig3 散水にともなう土壌水分の経時変化 (5mm/hour,3時間カン水,飽和透水 係数1×10 ̄5cm/SeC,飽和含水率0473) 水分合着率(体積含水率) 040 0.42 0.44 0.46 0.48 0.50 ′/′

隼ルγけ=い克

ト・・

/ / / / ︵∈︶ 聖撃Gせ名僧補習 ︵∈︶ れ璧G虻′東垣堀留 12 Fig4 散水にともなう土壌水分の経時変化 (8mm/hour,3時間カソ水,飽和透水 係数1×10−5cm/SeC,飽和含水率0473) Fig5 散水にともなう土壌水分の経時変化 (8mm/houT,3時間カソ水,飽和透水 係数1×10 ̄5cm/SeC,飽和含水率0473)

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水分含有率(体積含水率) 40 0.42 0.44 0.46 0.48 0.50 水分含有率(体積含水率) 0.34 0.36 0.38 0.40 0.42 0.44 / // //// ノ / / 仁\ / l。㌍・・==蟄 1.:.1..・

′・・・′ 。/′−=

、 1 11 ...1 ︵∈︶ 仙璧e虻′央垣礪翼 ′−−111−\ 1点1、 −−− 、、 \1、

11111、

\ Fig7 散水にともなう土壌水分の経時変化 (10mm/hour,3時間カソ水,飽和透水 係数1×10 ̄5cm/sec,飽和含水率0473) 水分含有率(体積合7k率) 0.32 0.34 0.36 0.38 0.40 0.42 0.44 Fig..6 散水にともなう土壌水分の経時変化 (10mm/houI,3時間カソ水,飽和透水 係数1×10−5cm/sec,飽和含水率0.473) 水分含有率(体積含水率) 34 0.36 0.38 0.40 0・42 0・44 0・46 0・48 00 ⋮ 、− m −−−−−−1−一l︼■l■1−−−−1−−111111 ミ N 1\ 、、や −−11−−−−1−111−−・1︰−−−−11111111 \ 1 、 湖企玄芸R聖準皆− \1 \、

11愚息勘

\ 、 /′∫11111 1、 / / “く. ′−−・・−−−−111−\− / 1t −・・・一・一−−−−・・1−\1︰ \1 1、∴ヽい、 111−1 l11−111、1

\\

\1、 l−1111、 ==いい\ = 、 \ 1 1、 Fig9 散水にともなう土壌水分の経時変化 (20mm/hour■,3時間カソ水,飽和透水 係数1×10−4cm/sec,飽和含水率0473) Fig“8 散水にともなう土壌水分の経時変化 (20mm/houT,3時間カソ水,飽和透水 係数1×10 ̄5cm/sec,飽和含水率0473)

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香川大学農学部学術報告 第39巻 第1号(1987) 106 4. ま と め 土壌浄化法においては,散布された処理水が,地中に浸透することが,前提条件である。処理水が浸透するか,表 面流出するか,それほ,多くの条件によって異なり,個々の場合について,解析する必要がある。そこで,処理水の 散布強度がどの程度であれば,処理水が地下に浸透するかを判定する手法を論じた。また,一・部,その解析例な示し た。 具体的な散布にあたっては,たとえば次のような手順で散布すれば,表面流出をおさえることが可能である。 ①あらかじめ,種々の初期水分量に対して,表面流出を起こさない散布強度を求める。この段階で,本論文におい て述べた手法が適用可能である。なお,散布強度の決定にあたっては,若干の安全率を見込む必要がある。(スプリン クラー散布においてほ,若〒の散布ムラが生じる。) ②散布を予定している地域の初期水分量が,散布直前にわかるようにしておく。(このためには,現地に,たとえば テンシオ・メータ等の水分討の設置は有効であると考えられる。) なお,ここでは,表面流出するか否かを判定するために,処理水の散布にともなう土嚢水分の動態の解析を行った が,この手法を用いて,散布量に関する他の判定にも適用可能であることは言うまでもない。 たとえば,林地における処理水の散布に際し,処理水が肥効成分に富むことに着目し,植物の根群域にのみ処理水 を散布したい場合,その散布方法の決定についても,本論文の手法が適用可儲である。その場合,植物の板群域の調 査が必要である。 参 考 文 献

Unsaturated Soils,TransAmerGeophys

Union,35(3),pp463∼・467(1954) (4)農業土木学会畑地潅漑研究部会:汚水の麒地への 還元利用一その理論と実例−,畑地農業振興会, (1983). (1987年5月30日受理)

(1)Bruce,RRand AKlute:The Measurement Of SoilMoisture Diffusivity,Soil,Sci,Soc AfnerProc−20,pp.458∼462(1956)

(2)Hi11el,D:ComputerSimulationofSoilwater Dynamics,IDRC,Ottawa,Canada(1977) (3)Irmay,S:On the Hydraulic Conductivity of

参照

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