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コモンベッチVicia sativa L. 2n=12とホソバヤハズエンドウV. angustifolia L. var. minor 2n=12との雑種について-香川大学学術情報リポジトリ

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第19巻第1号(1967)

コモンベッチ 析cねぶα狛〃.L.2n=12とホソバヤハズ

エンドウ Kα乃g〟∫g拘JねL.var.∽加r2n=12

との雑種について一

山 本 音 良 Ⅰ 緒 筆者は貰科飼料作物として重要な位置を占めるベッチ類(nどょα属)の遠縁交雑を行ない,雑種に関する育 種の基礎的研究を行なっている.すなわちコモンベッチF.JαめαL2n=12,仇α7坤兢α坤αL…2n=10および Fα花g〟−坤繭L2n=12の3つの近縁種のうち,F・∼αめαと坑の坤兢α坤α,打・甲西加卵と仇α花g〟呵何物 との雑種についてはすでに筆者が報告した通りであるが(ト10),y・∼αめαと仇α乃g呵/bJgαとの雑種につい ては未だ報告していない.この理由は本組合せについて長年月にわたって多数の交雑を行なったにもかかわ らず,Flが得られないか,あるいはFlが得られて−も生育不良で,かつ稔性がきわめて低く,子孫を得るこ とが出来なかったためである.しかしながら幸いにも,コモンベッチと F♂喝〟呵声翫の−・変種であるホソ バヤハズエンドウとの間のFlを得ることに成功し,さらにFlにコモンベッチを戻し交雑した結果,次代が 得られ,雑種後代における両親染色体の分配の状況が明らかになったので報告する. コモンベッチとヤハズエンドウとの雑種についてはすでにSvESCHNIKOVA(5・6),平吉,松村(1),渡辺,山 田(11・12),閑塚ら(4)およびMoRIYA(8)の報告があるが,いずれも筆者の用いたホソバヤハズエンドウとは異 なった変種を用いた雑種について論じたものである.しかるに筆者の報告(10)のごとく,F・叫弾東和ねに属 する3変種はいずれも核型は異ならないが,変種間雑種では稔性低下が認められるとともに形質の異常分離 が起ることから,Var・;βgβ′αgま‡とほ異なった変種であるvar・m玩〝と 町!〃めαとの種間雑種についての諸 事項を明らかにすることば意義があるものと思われる. Ⅱ 実験材料および方法 交雑親であるコモンベッチは既報(10)のごとく,1950年に四国農業試験場より導入した系統No2であり, またホソパヤハズエンドウは同年秋本学附近の自生種を採種し,以後ともに本学付属農場で栽培してきたも のである… 1963年春,上記の材料を用いて正逆交雑を行なったが,コモンベッチを母とした組合せでのみ交雑種子が 得られた一.同年秋これらの種子を播種し,生育した3個体のうち1個体は途中で枯死したので結局2個体が 成熟したい しかしながらFlの稔性は菖わめて低く,自家の花粉では次代を得ることが困難な場合を考慮し て,コモンベッチの花粉を開花したすべての花に授扮した.その結果19粒の庚し交雑次代(BIFl)種子が得 られたので1964年秋全粒を播種して11個体のBIFlを育成した.さらにBIFlのうち自家授粉で採種できた6 個体を1965年秋に育成調査した..それらの育成経過は第1図のごとくである.なお雑種後代のうち,BIF2の 一部の個体を除き,他はすぺて1尺鉢で養成した. 核型の観察に際しては,根端を00Cで8時間前処理を行ない,直ちに酢酸アルコール混合液で固定し, 酢酸オルセイン染色おしつぶし法を用いた.. Ⅲ 実験結果および考察 A.交雑成硫 F∫αJ加と㌣α喝〟∼古び♭J盲αとの交雑については1953年以来,正逆交雑を併せて18組合せ,交雑花数2,860 花行なったにもかかわらず,いずれの組合せにおいてもFl種子は全く得られなかった小 しかるに1963年春, コモンベッチを母,ホソバヤハズエンドウを父とした組合せから一・爽3粒の種子が得られた.さらに交雑種

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鼠ト︼S・S れdA︻︶dS巴じき 芸︻屯tdコd 邑ト︶S・S ︵dA占dの巴じき の︶喜−dl︻d 一∽+ざ?⊥壱 ・一の十ざd−已づS 乱と○を還 乱ト︸∽・S .dAぷd明巴じき S︶Udld〓再 O uきOh如 め︶白月d −O JUq已nN ON O こ¶ ∴ ON N □ゝ′OS のPUUの ーO JUq∈nZ ON O︻ ON N ON §登.−誓選良竃旨ごこ三敦賀。岩己○占Up透dぷ︰仁く 芝篭?ゝJO︶U∽U∈崇020占Op叫〇五月⋮S U︶OZ .︵巴=u巴§登.J空遥鳥篭和音ゝp雲︵巴=扇ご薫登三遷ゝ志望志q軍票如OJdpこqトH・﹁如忘 とコでリー ユニ・ごJ Utてh点 上〓・−上 ルー叫︶Lど じ評︶Ⅷ 餌uコ○ト u傭PU−勺 し批内︸∽ 餌⊂nOト ≡P︺ニ︶ U如月︼∽ 餌unOA 已叫PU⋮p Uコ︶hど UコJUlの む一てh選 払d︶Ⅷ 如unOしハ 已t pU叫p S.S ︶S七s+ざd−uづS S.S S.S S.S ︻∽十ざd−∈く ・一∽十ざd−ロづS ︶∽+一s+S慧−G﹂でS 景七s+ざd−ロづS ︼∽十︷s十ギ岩−口琴S UV.S 一s+ざd−已写S 鼠ト︶○ごd出 q∽へ↓sニsニs N− ざモーuミ。s︵lsニ∽ 巴 ¶sヘザs︿H∽ニ∽ 巴 ¶s謹︵一∽︿−s N− ¶∽へ”sニ∽︿t∽ N︻ 別口再へNu再ニud ニ誓︵寸∽ェ∽ニ∽ニs ∞t ざモー喜︿”sエ∽ニs ∽− ざdニ喜︿寸sニ∽︵︷s 巴 ざdニ莞︵吋∽ニsニs 巴 SGミざdニ焉︿おニs N一 ざd︵ざミ蒜︵tの<.∽ ヨ 山一ヒOSO喜一Oh月じ り−qdぷ︼dせ‘ SのOLU ・ぷじ再斡 UローOSO声−Oh占U U−qぷトd計 h牒モp已d ∽l□d五−h JO JUq∈nu 一dnpち−p已− 吟ud︿Nud ニ已d;s︵−s 刊一‖uN =し虹d︼叫 餌unO一 己l p莞七 の−∞ 折∈d品已再 三已d;の︵一s Nt‖已刊 S︶u巴dd

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第19巻第1号(1967) 子を播種して生育した2個体のFlにコモンベッチを戻し交雑したり これらの交雑成親は第1表に示すどと くである..表のごとく F紘如αを母とした組合せでは29花交雑を行なってわずか1爽着爽しただけで正確 なことは言い得ないが,すでに報貸されているy・∼α血αとyα乃g呵/bJ言αとの交雑成績のうち平晋,松村(1) の場合は若菜率が低く,この点筆者の結果と似た傾向を示している. Tablel.ResultofcrossingbetweenViciasaiiuaand Vangu−1ぴbliavarmiT10rand backcrosslngFIWith V∼atiDa No.of flowers crOSSed No.,Ofseeds %ofseeds germinated germinated Noofseeds obtained %ofpods obtained No・Ofpods obtained Cross combination y.!αJ壱ひα Strain No‖2 × 29 1 3 45 Fα花g打叫声加 Var.mZ花∂7 3 3 100,00 F, X y…1α抽α 152 21 13 82 strain No2 19 11 う7.89 戻し交雑の結果は152花交雑して21爽着爽し,着爽率は比較的高い1.しかしながら得られた戻し交雑次代 (BIFl)種子の発芽率は約58%でかなり低い..この原因は恐らくいろいろの遺伝的ならびに染色体構成を有す るBIFl種子が生じ,発芽に対して悪影響を有する種子が含まれていたためではないかと考えられる. B.両親およびFlの諸特性ならびに細胞学的確察 既述の第1図に示すことく,3枇の交雑種子から得られた3個体のFlのうち1個体(8−3)は幼植物時代 に枯死し,のこりの2個体が成熟期まで生育した.Fl植物の諸特性を両親と比較して表わしたのが第2表 であり,植物体の写真は第2図に示すごとくである,.表のごとくflの語形質は両顆のほぼ中間的であり, ほかのn蕗㌢属の種間雑種の場合と同様の傾向を示している。(1,2,4r7,10・】1)すなわち小葉の形,茎の色,爽の 形などは中間的である..しかるに花梗の長さ,巻ひげの長さおよび爽の色はホソバヤハズエンドウの形質に 近く,開花始は両親のいずれよりも遅れる傾向を示している.また生育状況はflの2個体の間で差異を示 Table2CharactersofparentsandFIPlants Shape and colorOf■ pod Beginnlng date of 貝ower1ng

浩Of £ndand隷慧1≡f

PaIentS or F, 負atand bollow between the loculus and yellowbrowェ1 emarginated reddish in shapeand lowernode

wide and thick

y‥iαJ査ひα strain No。2 short and diverge reddish to uppe−nOde alittle wide andinter− linear shape mediate

alittle負atno hollow and black

long and diverge with long befween the lump

parents in

thickness

andlong

linear shape CYlinder shape and

black

reddishto longand uppernode divergewith long

and thin lump

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し,l個体はほぼ両親と同様の草丈,分枝数を示すが,他の個体はかなり劣っており,SvESCHNIKOVA(5)と 同様の現象がみられる. Flの健全花粉率はきわめて低く4∼8%であり,−・爽中の平均種子数もFlにコモンベッチを戻し交雑し た場合においてさえわずかに0い9粒である. コモンベッチF.!αめαの系統No‖2ならびにホソバヤハズエンドウ 析・d喝αIg≠♪g之αVaT・酢飯〝の核型につ いてはすでに筆者が報告したが(10),Flにおいて識別可能な染色体と不可能な染色体を明示するため,両親 の核塑の模式図ならびにFlの根端細胞における染色体囲を第3図に示した.図のように両親の核塑を比較 すると,仇1αめαの付随体染色体slば付随体の大きさが『α喝〟∼g≠♪g査αVar・・椚玩〝のan5より大きく,S4染 色体は亜中部に狭窄を有し,これと同様の染色体は F・明野伊南vaI・痴血γにはみられない小 さらにF 明野御伽vaIいmi如rのanlは長大でかつ短腕の大きさも大きく,an2はanlよりも全染色体長および短腕 の長さともanlよりやや小さいが,ほかのSubteIminalな染色体よりも大きいので,いずれも他の染色体と 識別が可能である. Flの核型は第3図に示すことく2n=12であって,両親の核型の棚察の結果から識別可能なSl,S4,anl,an2 およびan5といずれの親から釆たかは不明な7個のSubterminal染色体が観察される..またPMCにおける 染色体接合型とその出現率は第3表に,第1分裂の顕微儲写真は第4図に示すごとくである.表のごとく観 察されたPMC56細胞のうちには種々の接合型が認められ,きわめて複雑である.すなわち6ⅠⅠが最も多く ● 約21%を占めるが,3(一6価ま での多価接合型は併せて約70% も出現し,1価染色体もきわめ て多い.、このような複雑な接合 塑を示す一例は渡辺,L山田(12), 山本(8,10)などほとんどのn‘まα IαJ≠ひαとその近縁種の雑種に認 められ,恐らくは両親染色体間 にきわめて復雑な転座その他構 造上の差異があるものと考えら れ,相同部分を持つ両親染色体 が順次接合して多価接合を作る ものと推察される.しかしなが らほとんどの細胞で後期には6 佃宛両極に分離するが,なかに は遅滞染色体も出現し,4分子 率は約73%である. C.戻し交雑次代(BIFl)植物 の諸特性ならびに細胞学 的観察 第1図に示したごとく,flに コモンペソチを庚し交雑して得 Table3.ChromosomeconfigurationatMIofPMCs inFlplant(8−1) 。d 蝕centage Type of COn丘guration 1 4 12 1 9 .5 5 1 2 9 4 0J 9 7 2 2 9 7 6 2 7 9 9 6 9 7 ,1 4 7 0 9 9 7 5 3 9 う 7 7 3 7

L エ L L 6

2 1 4ⅠⅠ+4Ⅰ 5ⅠⅠ+2Ⅰ 6ⅠI lIII+3ⅠⅠ+3I lIII+4ⅠⅠ+1Ⅰ 2ⅠⅠⅠ+2ⅠⅠ+2Ⅰ 2ⅠⅠⅠ+3ⅠI lIV+3ⅠⅠ+2I lIV+4ⅠⅠ 1ⅠⅤ+1ⅠⅠⅠ+1ⅠⅠ+3Ⅰ 3 1ⅠⅤ+1ⅠⅠⅠ+2ⅠⅠ+1Ⅰ 5 1ⅠⅤ+2ⅠⅠⅠ+1ⅠI lv+2ⅠⅠ+3I lv+1ⅠⅤ+1Ⅰ工+1I lv王+31I lvI+1ⅠⅤ+1ⅠⅠ られたBIFl種子19粒を播種し, 11個休の幼植物を養成した.これらの個体について諸特性の調査と細胞学的観察を行なった結果,下記のよ うな各種型が出現した..第5図は幼植物時代の植物体を,第6図は各型の根端細胞における染色体を示した ものである..以下各型について述べる. 1sativa,S・S(2n=12)塑 個体No,13,15,17および21の4個体がこの塑に屈し,全体の約36%を占めている..根端細胞の染色体

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第19巻第1号(196」7) の観察結果から,識別可能なslおよびS。をそれぞれ2個宛有しており,染色体構成から5ativa型と考えら れる㊥、形質は4個体ともにコモンベッチによく似ており,小葉の巾が広く,長さは短かい.また茎は太く生 育は良好で,草丈,分枝数ほコモンベッチより若干大で,英の形も扁平で子室の間が凹み,色は黄褐色でコ モンベッチの爽と変らない.しかしながら個体No▲13だけは幼植物時代の節間長は短かく,茎は濃赤褐色 で生育は他の個体より劣る. PMCでの接合塑は6ⅠⅠが最も多く現われ,約85∼90%に及ぶが,ほかに1価ならびに多価染色体を有す る細胞も瑚察され,個体間での差異は認められない.しかるに健全粉率は個体によって異なり約50′叫・′100% と変異を示し,一僕平均種子数も約21・4∼4・8粒で両親の5・9粒および8∩9粒に比してかなり低い.しかしなが ら本型においては形質と稔性との関係ば見出されない.. 2 f’1,S・An(2n=12)型 No2がこの型に属し,全体に対する出現率は低い.根端細胞の染色体はsl,S4とanl,an2ならびにan5 がそれぞれ1個宛観察され,Flと同様の核塑を示す.しかしながら形質は前年のFl植物と異なり,小葉は 巾は広く短かく,濃緑色である.幼植物時代の生育はきわめて悪く,肥厚した状態で伸長が停止しているが, 翌年5月になって新らしい分枝が生じ,成熟期にはコモンベッチよりもやや優れた生育を示した.生育後期 の小委はコモンベッチによく似ているが,花梗の長さがやや長く,Fl植物に近似している. PMCでの染色体接合型は第4表のごとくである..表のごとく6ⅠⅠ,1ⅠⅠⅠ+4ⅠⅠ+1Ⅰが多いが6価までの多価 接合型および1価染色体も出現し,Fl植物での接合塑とよく似ている叫 健全花粉率は・5い56%できわめて低 く,わずかに2爽が着爽し種子 は2粒得られただけである.ま た,爽の色ならびに形はFlと 同様である. 3 S・An−an5+sl(2n=12) 型 この型に属する個体No・1は 前述のFl塑と同様に初期の生 育はきわめて悪く,小葉は肥厚 し,両親の中間的な形を呈して いる.この茎は冬期に枯死し,翌 春断らしく生じた枝ほ約10cm に伸長した.開花始は6月15日 できわめて遅く,種子は全く得 られない. 根端細胞の染色体はslが2個 のほかS4,anl,an2がそれぞれ 1個宛観察され,核型構成はコ ・モンベッチの半数染色体S(n= 6)1組とホソバヤハズエンドウ の半数染色体An(n=6)から付 随体染色体an5が失なわれ,そ の代りにコモンベッチのSlが加

Table4.ChromosomeconfigurationatMIofPMCs

inS・An(2n=12)typeplant(BIFl−2) ti。n 。d Percentage 1 6 9 1 9 4 6 ●1 4 ︻hJ 3 1 1 1 1 1 1 4ⅠⅠ+4Ⅰ 5ⅠⅠ+2Ⅰ 6ⅠI lIII+3ⅠⅠ+3I lIII+4ⅠⅠ+1Ⅰ 2ⅠⅠⅠ+2ⅠⅠ十2Ⅰ 2ⅠⅠⅠ+3ⅠI lIV+2ⅠⅠ+4I llV+3工Ⅰ+2王 11V+4ⅠI lIV+1ⅠⅠⅠ+2ⅠⅠ+1I lIV+2ⅠⅠⅠ+1ⅠI lv+2ⅠⅠ+3I lv+3ⅠⅠ+1I lv+1ⅠⅤ+1ⅠⅠ+1王 1vI十2ⅠⅠ+2I lvI+1v+1Ⅰ わったAn−an5+sl(n=6)塑の 配偶子との受精によって生じたものと考えられる. 4 S・An−ans+sl+st(2n=13)型 この型にはNo3,4,5および20の4個体が属し,いずれの個体も/ト黄ば細長く肥厚し,濃緑色を呈して

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いる.生育はきわめて恐く,春期に到っても新らしい枝が伸長せず,すべての個体が生育途中で枯死した. 根端細胞の染色体はslが2個のほかsゎanlおよびan2がそれぞれ1個宛存在するがan5はみられゼ㍉2n= 13であるところから恐らくはコモンベッチの半数染色体とホソバヤハズエンドウの半数染色体からan5が失 なわれ,代りにSlが入り,さらに識別不可能なsubteTnminalな染色体が1個加わった型とが受精して生じ たものと思われる.上述のような両親の染色体数よりも多い個体の出現については渡辺,山田(12)ならびに 山本(10)の報普している近縁なべッチ類の雑種においてすでに認められている付 しかしながらこれらの個体 はいずれも次代を残すに到っていない. 5 S・Anqan5+sl・An−an5+sl(2n=18)塾 個体Nol9がこの塑に属し,幼植物時代の小葉は細長く,茎に長い毛茸があり淡緑色を屋する小 生育は後 期に旺盛になり,草丈はコモンベツチと同程度,分枝数はやや少い程度になり,開花始は5月中旬で両親よ りも遅れ,花は大型である.健全花粉率は315%でS・S(2n=12)型を除けば最も高いが,着爽は少なくわず かに1爽2粒の種子が得られただけである.根端細胞の染色体は識別可瀧なslが3胤s。が1個,anlお よびan2がそれぞれ2個宛存在し,2n=18でコモンベツチの半数染色体S(n=6)とホソバヤハズエンドウ の半数染色体An(n=6)からan5が失なわれ,その代りにSlが入ったAn−an5+s12絶とが受精して生じ た3倍性個体と推察される.PMCの染色体接合型は第・5表に示すごとくである.表のごとく接合型は種々 あるが,3価接合を示す塑が多く出現し,3倍性個体であることを表わしている..これらのほかに4∼ユ0価 までの多価接合が現われ,きわめて複雑な接合型を示し,山本(10)の報望したF叩錘血中とア.∼α′iひαと のFlにF・矧如αを戻し交雑したBIFlに現われたAAS(2n=16)の3倍性個体と類似している. 以上述べたごとく BIFlに出 現する各型の細胞学的観察結果 から,受精に関与したFl配偶 子(胚珠)の核型ほ第1図のごと く(1)sativa,S(n=6),(2)angus− tifblia,An(n=6),(3)An−an5 +sl(n:=6),(1)An−an5+sl+st (n=7)ならびに(5)An−an5+ Sl・An−an5+sl(n=12)の各塑 であると推定出来る..これらの うちAn∼an5+sl(n==6)塑は angustifblia,An(n=6)の核型 から付随体染色体an5が除か れ,その代りにSativaの付随 体染色体slが入った塑であり, AnMans+sl+st(n=7)塑はAn (n=6)型のan5が失なわれ,Sl が入った型にさらに識別不可儲 なsubterminalな染色体(恐ら くほ鎗tivaの染色体と推定され る)が加わったものである.付 随染色体の入れ換えられること から考えると,両親のもつ付随 体染色体は識別可能な程度に形 態的な差はあるが,相同性がか なり高く,SvESCHNIKOvA(5)の

Table5・Chromosomecon負gurationatMIofPMCs

inS・An−an5+sl・An−an5+sl(2n=18)type plant(Blfl−9) Numbe‡Of ceilsobsIeVed rype of COnfiguration Percentage 7ⅠⅠ+4Ⅰ 2ⅠⅠⅠ+5ⅠⅠ+2Ⅰ 31ⅠⅠ+3ⅠⅠ+3Ⅰ 4III+6Ⅰ 4IlI十111+4Ⅰ 4ⅠⅠⅠ+2ⅠⅠ+2Ⅰ 51ⅠⅠ+111+1I llV十31ⅠⅠ+11Ⅰ十31 1ⅠⅤ十31ⅠⅠ+2Il+1I lIV十41ⅠⅠ+2工 11V十4ⅠⅠⅠ+1ⅠⅠ 2ⅠⅤ十11ⅠⅠ+2ⅠⅠ+3Ⅰ 21V+1111+3Il+1Ⅰ 21V十2工1Ⅰ+11Ⅰ+2工 3ⅠⅤ十11Il+1ⅠⅠ+1I lv+1ⅠⅠⅠ+3ⅠⅠ+4I lv+2ⅠⅠⅠ+2ⅠⅠ+3工 1v+4ⅠIl+1I lv工十1v㌧+1IlI+1Il÷21 1Ⅹ+王IV+1ェ1Ⅰ+1Ⅰ LTotal

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第19巷第1号(1967) 述べている付随体染色体の種間差異を支持する根拠になるものと推察される.しかしながら付随体染色体の 入れ替えはAn(n=6)塑配偶子ではかなり高い率で生じているが,S(n=6)塑においては未だみられない. これはAn(n=6)型配偶子では付随体の小さいan5が失なわれても,Slが入ることによって生存が可能であ るが,S(n=6)型から付随体の大きいSlが失なわれ,代りにan5が入っても生存出来ないためではないか と思われる. D.BIF2の諸特性ならびに細胞学的観察 第1図のごとく,BIFlll個体のうち次代種子の得られたのはBIFlでS・・S(2n=12)型のNo13,15,17,21 の4個体,S・An(2n=12)塑のNo.2およびS・An−−an5+sl・An−an5+sl(2n〒18)型のNo”9併せて6個体 であり,他はいずれも完全不稔であった‖ これら種子を粒数の多い個体からは20粒,少ない個体では全粒播 種したが,No“2およびNo15からの梯子はすべて不発芽であった小 またNo・9から出た1個体の幼植物 はS・An−an5+sl・An−−an5+sl(2n=18)型であるが,生育は卓わめて悉く幼植物時代に枯死し,結局Nol13, 1」7および21から出た3系統だけが生育したい 3系統の諸特性は若干の系統間ならびに個体間差異があるが,概してコモンペソチにきわめてよく似てい る.また,生育力はコモンペソチよりもやや優れ,とくに草丈,分枝数が優れている個体が多く出現し,将 来育種素材として注目される。S・S(2n=12)型Blfl個体から出現したBIF2の染色体数はいずれの系統にお いても2n=12でS・S型を示してはいるが,減数分裂では6工Ⅰのほか若干の5王Ⅰ+2iなど接合の乱れが観察さ れる“健全花粉率は減数分裂の乱れを生じた個体では50%程度に低下するが,その他の個体においてはきわ めて高く,コモンベッチと差異はない..また,−・爽平均称号数はいずれの個体においてもコモンベッチの−・ 爽平均種子数よりも僅か少い程度で,健全花粉率の高低による差異は認められない. 以上の結果からF!α如αと 打〃喝α‡ゆgiαVarm玩〝との鱒種後代ではBIFlで種々の核型を有する個体 が出現するが,次代はSativa,S・S(2n=12)型に整理されることを示している.したがって㌢‡別伝Ⅶのゲノ ムS(n=6)とVangufl≠/bliavarminorのゲ/ムAn(n=6)とは類縁性はあるが,互いに異なっているもの と考えられる.しかしながら雑種後代において同一・核塑を有する個体間にも形質に若干の相違が認められる ことから推察すると識別不可儲な染色体は組換え.が可能であると思われる一. Ⅳ 摘 要 (1)コモンペソチとホソバヤハズエンドウとのFlにコモンペソチを戻の交雑した雑種後代の諸特性なら びに細胞学的観察を行なったい (2)Flは正逆交雑のうちコモンペソチを母とした場合だけから得られた“Flの諸形質はばぼ両親の中間 型であるが,爽の色はホソバヤハズエンドウに似て黒色であり,稔性はきわめて低いい (3)Flほ識別可能なコ・モンペソチのSl,S4染色体およびホソバヤハズエンドウのanl,an2ならびにan5染 色体をそれぞれ1個宛有し,減数分裂では6Itが最も多いが,3∼6価の多価接合型も現われる. (4)BIFlll個体のうちにはS・S(2n=12)型4個体,S・An(2n=12)型l個体,S・An−an5+sl(2n=12)型1 個体,S・An−一an5+sl+sf(2n=13)型4個体およびS・An−an5+sl・An−an5+sl(2n=18)型1個体が含まれ る..S・S(2n=12)型はコモンペソチに似ているが,やや稔性の低い個体も現われ,染色体接合の乱れが観察 される”このほかFl,S・An(2n=12)型以外の2n=12およぴ2n=13塑はいずれも生育が劣り,2n=13型 はすべて枯死した. (5)BIFlでS・S(2n=12)型から生じたBIF2系統はすべてS・S(2n=12)型で固定し,コモンベッチによく 似ており,稔性も高いが,その他の型から得られたBIF2系統はすべて不発芽かあるいは幼植物時代に枯死 したしたがって本雑種の後代はsativa,S・S(2n=12)型に還元される.しかしながら識別不可能な両親染 色体に関しては組換えが可能であると思われる.. 引 用 文 献 (1)平吉功,松樹正串‥育禅学雑誌,1,219(19う2)(2)MET‖N,D・‥ Z滋‘廟r,32(3),146(1962)

(8)

(8)+:同上,13,15(1961). (9)+:同上,1ヰ,6(1962) 仕ゆ +:香川大農紀要,21,(1966) 00 渡辺亀彦,山田豊∵・:農業技術研究所報告,G (畜産),12,1(19う6) (3)MoRIYA,A∴ Cr呼ぶ‘吉β花√β,1,229(1961)一・ (4)閑塚清蔵,菅山武敏,森谷窓,赤羽勝:関東東 山農業試験場報告,用,291(1960)・ (5)SvESCHNIXOVA,Ⅰ…N小:J肋rgd‖,31,349(1940)1・ (6)SvESCHNIKOVA,Ⅰ..N.,BLEKHOVA,J。A。: :同上,15,109(19・58)・・ 頻J.βクJ、Gβ花.PJα花Jβrββd」,Ser’・ⅠⅠ,9,63(1935)・ 8功 (7)LLl本音良:香川大農学報,11,28(1959)

OnthespecieshybridbetweenViciaJaiiuaL・2n=12and

杭α乃gαr∫郷)g才αL・Var・m∠花Or2n=12・

KiyoshiYAMAMOTO

S11mmary

(1)Characteristicandcytologicalstudiesweremadeonthehybridprogeniesbetween mcia

5α才壱ⅤαL.2n=12and nα乃g〟ぶ材bJ去−αL.var・.m方形Or2n=12.

(2)FIPlantswerIeObtainedonlythecross combinationwhichV・Saiivawasu$edas fbmale

parent・Thechar・aCterSOfFIWeregenerallyintermediatebetweenbothparent$,butthe

colorofpodwassimilartothatofVlangustifblia・Thefbrtilitywasextremelylowand

theseedswereobtainedinthecaseofbackcrosswith V.sativa.

(3)In Fl,Sl,S4,anl,an2,and an5Chromosomesofbothparents weremarkable andin

the chromosome con点guration at MIof PMCs,mOSt flequently61Iand many other

multivalentswere observed.

(4)工nthenextgenerationofFIPlantswhichbackcrossedwithVIsativa,(BIFl)fburplants

ofsativa,S・S(2n=12)type,OneOfFl,S・An(2n=12),OneOfS・An−an5+sl(2n=

12),fbur ofS・An−an5+sl+st(2n=13)and oneof S・An−an5+sl・An−an5+sl

(2n=18)werederived・ThecharactersofS・Stypeplantswerealmostsimilar’tOthose

ofVl.saiiva,but someirr・egularlty Ofchromosome configurationwere obserVed・The

other2n=12and2n=13typeplantsexceptFltyPeWerefbeblegrowth,andcomplete

steIile.

(5)Thenextgeneration(BIF2)der・ivedfiOmS・S(2n=12)typeinBIFIWereallsametype

andtheirfbrtilityweregenerallyhigh,andthecharacterswer−ealmostsameas V・Sativa・

The plants derived fromthe Fl,S・An(2n=12)and S・An−an5+sl・An−an5+sl

(2n=18)typeswerefもebleanddiedinyoungstage・Fromther’eSultabove mentioned,

itis丘nallyreducedtosativa,S・S(2n=12)typeinthishybr・idprogenies・Butitis

presumedthatthe unmarkable parentalchromosomesare recombinedin this hybrid・

(9)

9

第19巻第1号(1967)

Fig2FIPlant(8pl)

Fig3“KaryotypeOfthepaIentSandsomatic

(10)

.Udトこ∞T□N︶−s+#岩−弓で一羊ざd−ロづS⋮如藍き︵巴=已N︶

景+一昔S已d−ロづS⋮J J邑合︵Nt=貞︶“羊ざd−uづS︰U藍トニNt=GN︶已写S㌔︰p

れUd含︵ヨ=已N︶s・Sれ空美男︰Uれ・喜牒・岳A還鳥篭叫岩=ゝ︰qれN・〇Z已竃︶∽長官ぢ‖ゝ︰d

(11)

第19巻第1号(1967) 。∽十ざd−仁づS︰U︵N・〇Zへ乱入二N︻ .の.〇Znaトニの一=已N︶lの十ギ?基づ−s+ S5−已づS︰U︻寸.〇Zぴdトニ巴=貞︶︸㌘十︷Ⅵ十ざd−已写S︰Pニ・〇Zへaき︵巴=貞︶ 已已已づS︰qゴ∵OZ♂d合︵Nl=uN︶s・S‖d .s苫jdThl閂u:U∈OS020JqUU−︶d∈OS・?如忘

Fig3 KaryotypeOfthepaIentSandsomatic   chromosomeinFlplant(8−1)  

参照

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