社会科概念探求学習の発展
(4)
一教授書試案「外交戦略」を中心に一
小山
直樹
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1.は
じめ に 本稿は、社会科概念探求学習論の立場か ら構成 し、実践 した中学校社会科地理的分野の授業「ア メリカのイラク攻撃」(鳥取県人頭郡河原町立河原中学校大石隆弘教諭指導、1998年9月)を 踏 まえ て実験授業後に作成 した第一次教授書試案「外交戦略」の報告と、世界情勢の今 日的状況 を踏 まえ て改善 し、作成 した第二次教授書試案の報告である。2.第
一次 教授書 試案 にお ける教 材解釈 すでに報告 したように大石実践における教材解釈は、アジア経済研究所の酒井啓子氏の論文「イ ラクはいま」(歴史教育者協議会「歴史地理教育』No.580、 1998年7月号所収)や
、酒井啓子氏編 『イラク・フセイン体制の現状―経済制裁部分解除開始から一年一』アジア経済研究所、1998年1月 29日発行)に
依拠 したものであった。要約すれば、イラク政府は1995年3月以降、イラク油田開発 に際 してはプロダクシ ョン・シェアリング契約(PSC)方
式 を採用 し、政治的に石油輸出国の選別 を行おうとし始め、経済成長著 しい中国は近い将来においてイラク原油を安定的に確保 したいがた めに「アメリカのイラク攻撃」に強 く反対 した、というものであった。健1) 実際の授業では、別稿で指摘 したように多面的見方の育成が中心になり、「外交戦略」や「国益」 に関する一般的な知識理解、フランスやロシアの外交戦略についての個別的な知識理解、さらには アメリカの外交戦略や石油戦略についての個別的な知識理解、日本の外交戦略や石油戦略について の個別的な知識理解等々に関しては不十分であった。健2)その反省を踏まえて作成 したものが第一 次教授書試案である。 「外交戦略」に関する知識の構造は小山が作成 し、教授学習過程は大石氏が作成 した。まずは、 知識の構造図に基づいて第一次教授書試案における教材解釈を説明 しよう。は3) ・ 教育地域科学部教科教育講座「外交戦略 (外交政策)」 の構造図 (第一次教授書試案) 構 成 概 念 一 般 化 事 実 的 知 識
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メ 開 し、アメ効果の同調・ 支持 を、ムチ効 果 の翻意 を期待す る。 L3世界 の大国は、他国の外交、軍事行 動 に対 して、 自国の世界安全保障戦 略 を対置 して対応す る。 とりわけ、 国連安保理での採決 において顕著 に 見 られ る。 挙 努 解 を 的 的 果 交 事 効 外 軍 は ヽ , で き 絶 交 と 断 外 た 交 な し 外 的 断 ぐ 鞠 削 Ⅸ る。 ヽい 棄 み は な 放 試 国 得 を を 各 げ 力 決 y ・ 1997年 10月のアメリカによるイラク攻撃提案震労τ把
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を確録す る必要があ り、1996年 10月 、 イラタとの間に油 田開発契約 を結 んだ。油 田開発 に早 くと りかか るためにも、イラク ヘの経済制裁が早 く解除 され るよ う国連 で働 きかけるな どイラクに とつて有利 な態 。名島 鋲 需 脇 純 ょるイラタ攻撃提案 は、武器輸 出代金 を回収す る うえで好ま ・ セ1畜も蛍訴母指塾を電格I海多鶴 しくないのでフラみ は反姑 した。・
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随 して対イラク制裁解除に否定的な態度 を とつてい るとみ な したイキリスや 日本 には 圧力 をかけてい る。 ・ 1997年 10月のアメ,力によるイラク攻撃提案 に対 して、国連安保理でイキリスが決議案 を提 出 し、安保理の存在意義 を示 そ う とした。 ・ イラクはクウェートが 自国の領上である と主張 し .秀扇騨崩易をヽと
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小山直樹 :社会科概念探求学習の発展 (4) 19974F 知識の構造図は、「構成概念」「一般化」「事実的知識」の三項 目から成 る。 「構成概念」は「外交戦略 (外交政策)」 であり、軍事的解決 も含んでいる。通常、政治学概念 と しては「外交政策」が多用 されているが、「世界戦略」「地域戦略」との整合性から「外交戦略」と した。また、外交 とはあくまでも平和的解決を求める場合 を指すが、しばしば軍事的解決 (武力行鳥取大学裁育地域科学部紀要 教育・人文科学 第
4巻
第2号
(2∞3) 213
使)が
図 られるのが現実である。催4)軍事的解決は国連憲章第42条 、51条 が定める通 り、極めて限 定 された条件下でのみ認められている。この条件 を無視ない し違 えて行使する場合はもはや外交と は言 えない。それは「外交断絶」の次の段階に相当するものである。構造図ではそれを「外交断絶 下の一方的でむき出 しの世界戦略、地域戦略」と捉 えている。例 えば、湾岸戦争におけるイラクに よるクウェー ト侵攻はイラクの一方的でむき出 しの地域戦略例であり、他方、多国籍軍(国連軍)の 軍事行動は国連憲章第 42条 、第 51条 に基づ く国連安保理決議によるものであり「外交断絶下の一 方的でむき出 しの世界戦略、地域戦略」には該当 しない。は5) 「一般化」はLl∼Mを
用意 した。LlとMは
いわゆる大国の世界 (安全保障)戦
略 としての外交 戦略、地域戦略、および中小国の地域 (安全保障)戦
略 としての外交戦略に関する概念的知識であ る。L2は 中小国の対大国外交戦略、対大国地域戦略に関する概念的知識である。出 は大国間での外 交戦略に関する概念的知識である。 「事実的知識」は個別的記述的知識であり、数多く存在する社会的事象・出来事から代表的、典 型的なものを選んである。第一次教授書試案の場合は主に 1997年 か ら1998年 までの主要な事例 を 取 り上げてある。3.第
一次教授書 試案 <第一次教授書試案>
単元名外交戦略 単元の 目標
外交戦略の実態 にせ まる
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イ ラクの石油戦略 とロシアの対イ ラク武器輸 出か ら考 える 概念的知識
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交戦略 はその国の国益 を守 るための ものである。 説明的スケ ンチ:①
中国は石油輸入 の確保 を 目的 としたので、アメ リカのイ ラク攻撃 に反対 した。 ②イ ラクは国連 に よる制裁 が完全 に解除 され るよ うに働 きかけて もらうた めに、 中国 と優先的に油 口開発契約 を結 んだ。 ③ ロシアは対イ ラク武器輸 出の代金回収 のため、アメ リカのイ ラク攻撃 に反対 単元の構成した° 一 一 一 一 一 一 1、 これ は何 の写真。 そ うですね。長野オ リンピックでは、 原 日選手のジャンプな ど、は らは らどき どき しなが ら見ま したね。 この時期、競 誓患?島集峯黎軽鼻窪凝 雪織 キ蛮 と宅ヂ さて、何 で しょう。 ・ 開会式での、サラマンチ国際オ リン ピンク委員会会長の記者会見 と出来
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生徒か ら引き出 したい知識214 小山直樹 :社会科概念探求学習の発展 (4)
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鳥取大学教育地域科学部紀要 教育 。人文科学 第
4巻
第2号
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4巻
第2号
(2∞3) 実験授業の学習指導案 と第一次教授書試案 との違いは、到達 目標の表現で「概念的知識」と「説 明的スケ ッチ」を区別 し明示 した点 と、終結部は源社会科学研究科型学習指導案 を意識 して酒井啓 子氏の研究紹介で締 め くくった点 に有 る。多面的見方の育成 をめ ざした「視点の転換」は展開3に 活か した。(注6)4.第
一次教授書試 案の 検討 と課題 先述 したように第一次教授書試案は実験授業の実施直後に作成 したものである。当然ながら1998 年以降のイラク問題に関す る事象・出来事には触れていない。端的に言えば第一次教授書試案は未 だ「アメ リカのイラク攻撃提案と中国の反対理由」の探求を主要な内容 としている。「外交戦略」の 探求を主要な内容 とする試案への途次に位置する試案である。「中国の反対」に軸足 を置 きながら、 多少、「外交戦略」へと踏み込んだ試案であった。その意味で、単発的に中国・イラク間の外交戦略 を探求する試案に留 まるのではなく、各国の「外交戦略」をより総合的かつ多面的に探求する試案 の作成 こそが求められよう。第二次教授書試案の作成が求められる所以である。5.新
た な教 材 解 釈 第一次教授書試案は中学校社会科地理的分野用の試案であったが、第二次教授書試案は公民的分 野での実施 を予定 している。地理的分野では第一次教授書試案中心の学習を行い、公民的分野では4時
間扱いの「外交戦略」学習を行 うとい う二段階の学冒を構想 していることを最初に述べておこ う。 さて、実験授業および第一次教授書試案で採用 した中国の対イラク外交戦略に関する教材解釈の 基本的な部分は、2002年9月現在で も変更は無いが、フランス・ロシア・アメ リカの対イラク外交 戦略や、ロシア・アメリカ間の外交戦略に関 しては新たな展開が認められる。は7) 周知の通 リブッシュ政権はイラク・イラン・朝鮮民主主義人民共和国の三 ヶ国を「悪の枢軸」国 と名指 しで批判 し、イラクヘの武力攻撃を再び唱え始めている。一見すると1997年 ∼ 1998年 の状 況と変わ らないようにも見える。しか し、前回と決定的に異なるのはアメリカの世界戦略に、具体 的にはイラク攻撃の意図や石油戦略、中東戦略に大きな変化の兆 しが見え始めている点である。詳 細は後述するが、ロシアの油田を巡 リアメリカはロシアに急接近 し始めている。サウジアラビアか らの原油輸入を トップにして中東諸国からの石油輸入比率が高いアメ リカは、ロシアからの石油輸 入比率 を高めることで中東依存から抜け出そうとしている。アメリカはパ レスチナ問題で中東アラ ブ諸国の同意 を取 り付けて、早急にイラク攻撃を実行 したいようである。しかしながら、フランス やロシアの思惑はアメリカにとって必ず しも都合の良いものではない。この点についてはNHK「
対 決への道―対イラク包囲戦略の行方―」(EIV2002、 02年7月 30日放映)が
克明に報 じている。そ こで、上記の番組ナレーシ ョンや登場人物の発言 を引用、再構成 し、さらにはマスコミ報道等 も加 味 して新たな教材解釈 として詳 しく紹介 しよう。 まずアメ リカ・ロシア・イラクの三 ヶ国関係から見ていこう。 世界最大のエネルギー消費国であるアメ リカは世界最大の産油国であるサウジアラビアを中心と した中東産油国からの石油輸入に依存 してきた。このことはアメリカの中東戦略のアキレス腱 をも218 小山直樹 :社会科概念探求学習の発展 (4) 意味す る。サ ウジアラビアのアブ ドラ皇太子 はアメ リカがパ レスチナ問題で相変わ らず イス ラエル 寄 りの姿勢 を続 けるな らば原油 の安定供給の保証は出来 ない と、`oit weapon'発 言 を してい る。さ らに、2002年8月 7日にはアメ リカが次の イラク攻撃 に際 してサ ウジアラビア国内の基地 を使用す ることを断 った。アメ リカはカ タール に代替基地 を求め、早 くもウデイ ド空軍基地の拡張工事や軍 需品、通信設備の移送 を開始 した。さらには、アメ リカは8月 12日か らヨル ダン軍 との合同軍事演 習に入 った。イラク攻撃 とは関係 ない とは言 うものの、米 メデ ィアは ヨル ダンを攻撃基地 にす ると の見方 を伝 えている。このような動 きの背景 には次のようなアメ リカとロシアの急接近があった。遡 ること3ケ月、2002年5月 20日 、 コン ドリーザ・ライスアメ リカ大統領補佐官 (国家安全保障担当) は記者会見 において、アメ リカの利害 は石油の中東支配に挑 むロシアの利害 と一致す るはずである し、さらに一歩進んでエネルギー協調 をテコにイラクとの対決 に もロシアの協力 を引 き出 したい旨 の ライス戦略 を述べた。同 じ日、ライス氏の意 を受 けたアー ミテージ国務副長官はカス ピ海沿岸の アゼルバ イジャンの ビジネス・ リーダーたちの会合 に出席 した。 石油の宝庫 カスピ海では今、ロシアをは じめ とす る沿岸国が巨大油田開発 を競 ってい る。アゼル バ イジャンはカスピ海 と西側市場 を結ぶエネルギー回廊 に位置す る。そこでアー ミテージ氏 はロシ アか ら石油 を安 く西側市場 に運ぶためのパ イプラインの整備 を急 ぐべ きであると訴 えたのである。考 えてみれば、ブ ッシュ大統領 はテキサス州で 自ら石油会社の経営 を手 がけた し、ライス氏 は世界4 位の石油 メジャー・ シェブロン社 の役員か ら大統領補佐官 に起用 された人物 で ある。 ブ ッシュ政権 は石油関連企業の出身者 が顔 を揃 える政権 とも言 える。彼 らが ロシアの石油開発に 協力す ることで中東依存 、とりわけサ ウジアラビア依存か ら脱却 しよ うと考 えてい るのは至極 当然 とも言 えよ う。そ して、ロシアが世界最大の石油産油国に浮上す る可能性 が確 かに生 まれつつ ある のである。アメ リカの ロシア急接近 にはエネルギー戦略は もとよ り、プーチ ン政権 を対 イラク包囲 網 に取 り込む外交 カー ドに もな り得 るとの したたかな計算が見 え隠れす る。 この戦略 は米同時多発 テロ後 に現実の もの となった。シベ リア産の原油20万 トンを満載 した巨大 タンカーがブ ッシュ大統領の地元 、アメ リカ石油産業の心臓部で もあるテキサスの港 に姿 を見せた ので ある。ロシアがアメ リカヘの原油の直接輸出に本格的に踏み切 った瞬間であった。ロシア石油 企業ユコスのボ ドル コフスキー社長 は、アメ リカは安い原油か らより安全な原油 を求めるようになっ た、 と言 う。 この よ うな事態 に対 して神経 をとが らせているイラクはアバス・ハ ラス新駐 口大使 に `ロシアと アメ リカの間に くさび を打て
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との密命 を授 け、ハ ラス氏 は2002年7月 にモスクワに赴任 した。 ハ ラス氏は7月 18日、ロシアの政財界の要人 を招いてパ ーテ ィーを開 き、イラク関係の重要性 を 懸命 に訴 えたЬサダム・フセイン大統領 は、イラクに対 して約80億ドルの債権 を持つ ロシアが国連 に経済制裁の撤廃 を働 きかける役割 を期待 して きたのであるが、今後 も石油利権 をロシアに引 き続 き優先的に割 り当て ることで対 ロシアエ作 を強めようとしているので ある。またイラク国内および 周辺国に対 しては、湾岸戦争の際 と同様 にパ レスチナ問題 を意識的に絡 め、アラブ世論 を味方 に し ようとしている。これ までにエ ジプ ト、カタール、オマーン、シ リアな どアラブ10ヶ国 と自由貿易 協定 を結び、 さらに友好国の輪 を広 げつつ ある。 ロシア も独 自の思惑で動いている。2000年5月、プーチ ン大統領就任直後の ロシアの対 イ ラク外 交 は現在 とは異 なるものであった。例 えば2000年7月、プーチ ン大統領 はイラクの アジズ副首相 を クレム リンに招 き、ク リン トン政権の イラク空爆 を厳 しく批判 し、それまでの対イラク外交 を維持 す る方針 を示 していた。しか し、2002年1月、モスクワを訪れたアジズ副首相 にプーチ ン大統領 は鳥取大学教育地域科学部紀要 教育 。人文科学 第
4巻
第2号
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会お うともしなかった。 さらに象徴的な出来事が起 こった。2002年 3月 末、中東情勢が緊迫の度 を高めた時の事で ある。 フセイン大統領 はイスラエルの軍事行動に抗議 して30日間の原油禁輪 を表明 し、原油価格 は1バ
レ ル28ド ル にまで高騰 した。それ を受けて、ブッシュ大統領 は国内の戦略備蓄の放出を検討す ると表 明。ところが、ロシアがボル ゴグ ラー ド石油精製工場か ら原油 を満載 した5隻
の タンカーをアメ リ カに向けて出航 させ たのである。ロシアはイラクの禁輸の呼びかけにもかかわ らず原油価格の安定 とアメ リカとの協調 に動 いたので ある。プーチ ン大統領は、エネルギー分野での米 口協調は世界経 済の発展 にとって も重要 な要素 となると言 う。 では、ロシアは完全 に対米協調路線へ と舵 を切 ったのか と言 えばそれほど単純ではない。プーチ ン大統領 はイラク問題 がつ まず きの石 となって進展 しつつ ある米 口関係 を損ないた くはないが、イ ラクに有 る巨大 な利権 も失いた くはない と考 えている。ブッシュ政権のイラク包囲網 をロシアが突 出 して打 ち破 る挙 には出ないが、アメ リカの性急 なイラク攻撃 もなん とか思い とどまらせ たい とい うのがロシアの本音であろう。 一方、アメ リカはまず、パ レスチナ情勢 を打開 したい。テロ組織 に味方 しているとの理由で アラ ファ ト議長排除 とい う最後のカー ドを一度は切 った。しか し、フランスのシラク大統領 との会談で もそ うであったように同盟国の足並みが揃わない。プーチ ン大統領 もアラファ ト議長が選挙で選ば れた存在であることを理由に排除に反対 した。そ こでアメ リカは今一度、アラファ ト議長 に事態打 開のチ ャンスを与 え、イスラエルによる議長監禁 を解かせた。これに対 してはアメ リカ国内のユダ ヤ系団体 が反発 し、中間選挙 をひか えているアメ リカ議会 に反 アラファ ト攻勢 を仕掛 けた。6月 19 日、バ ス停 自爆 テロが起 こり、以後、報復 とテロの連鎖が続 く。アメ リカは6月 24日 、アラフ ァ ト 議長の退陣 を求め、翌25日か らのカナダサ ミッ トに臨んだがG8の
支持 を取 り付 けることは出来 な かった。「パ レスチナ問題の解決→ イラクと対決」とい うアメ リカが描 く図式は早 くも壁 に当たって いる。 アメ リカ国内での議論 も揺れている。7月∼8月 にかけて イラク問題で初の公聴会 を開いたアメ リ カ上院外交委員会での議論 も対 イラク攻撃に根拠無 しとの意見が多数 を占めた。ドイツの シュ レー ダー首相 も党幹部会でイラク攻撃阻止へ あらゆる手立てを採 ると語っている。ヨルダンと トル コも 武力攻撃 は地域の安定 に大 きな影響 を与 えると懸念 を表明 した。前回は最大の同盟国であったイギ リスで も、英国教会の指導者 たちがイラク攻撃 に反対 している。ブレア政権 に加担 しないように求 めてい る。8月 12日付の英紙 デイ リー・テ レグ ラフの世論調査 によれば、英国参戦反対78%、 賛成19%で
あった。 その ような状況 を見 たフセイン大統領 はアメ リカ との軍事的対決に自信す らのぞかせて挑発 して いる。イギ リスに対 しては、イラクを訪間 した与党・労働党のジョージ・ギャロゥェー下院議員に フセイン大統領 は大量破壊兵器の査察 を受け入れ るとの意向を伝 え、同議員 をして「イラクは和平 を望 んでいる」と言 わせている。ブレア首相 は英米一体路線 こそが英国の国際的影響力 を最大限に 発揮出来 る政策であるとの基本的な外交戦略 を維持 しよ うと懸命である。他の主要国が米国 との距 離 を置 けば置 くほど英国の調整役 としての役割 も増す との読み もあろう。 フランスも独 自の思惑で動いている。以前か らイラク経済に深 く参入 してきたフランスである。シ ラク氏が首相時代 にフセイン副大統領 と協力関係 を築いてきたことは周知の通 りである。湾岸戦争 に至 るまで、フランスはイラクに武器輸出 も行 って きた。一昨年暮れにはシェソン元外相 を団長 と したイラク訪問団がチ ャーター機でバ クダッ ド入 りしている。経済制裁解除後 をアピールす るのが220 小山直樹 :社会科続念探求学習の発展 (4) 目的であった。また、サ レハ貿易相 もイラク入 りしている。その フランス も、アメ リカのあ らゆる 武力攻撃 に反対 を表明 し、国連安保理決議 に従 って行動す るよう米国に求めた。 最後 に 日本であるが、 日本政府 は今 日までアメ リカの武力行使提案 に「理解」 を示 している。 第二次世界大戦後、長 い間、日本ではアメ リカの世界戦略 に寄 り添 うことが果た して 日本の安全 保障 を担保す ることになるのか どうか、国論 を三分す る論争 が続 いた。 しか し冷戦が終 わ り、日米 同盟 を巡 る論争 は影 を潜 めて しまい、それに伴 って超大国アメ リカが力の行使 に踏み切 ろうとす る とき、果 た してそれが正 当な ものであるのかどうか、東 アジアの重要 な同盟国 として十分 な論議 を 尽 くさない空気が支配的になろうとしている。こうした 日本の沈黙 こそが東 アジアの地 に一種 の力 の空 白を作 り出 しヽ日本の安全保障 を脅か してい るのではなかろうか。先のアメ リカ上院公聴会で はイン ドがイラクの核兵器開発 に関与 しているとの証言 も有 る。日本 は今一度、アジアが中東 と、そ して ヨーロッパ・アメ リカと抜 き差 しな らない程 に複雑 に絡 み合 ってい る現実 を直視 (視点の広域 化
)し
、 自立的な外交戦略のあ り方 を国民的規模で議論すべ きではなかろ うか。 以上のように、第一次教授書試案の作成後のわずか数年間で、単元構成の軸を「アメ リカのイラ ク攻撃に反対する中国」から「外交戦略」そのものへと移す必要性が高まっている。同時に教授書 試案 を全面的に更新するための典型的事例 も整い始めている。6=第
二 次 教 授書 試 案 更新の最大のポイン トはメイン・クエ ッシ ョンとメイン・アンサーにある。「なぜ、アメリカは再 びイラクヘの武力攻撃 を唱え始めたのか?」 が今回のM.Q.で
ある。対応するM.A.は 「外交戦略は その国の国益 を守 るための ものであり、自己中心性に満ちあふれている。例 えば、プッシュ政権は 一国覇権主義的・孤立主義的世界戦略の下でイラク問題・中東問題・パ レスチナ問題の解決を意図 するので、フセイン政権の打倒・崩壊 をめざして武力攻撃 を唱えている」となる。換言すれば、プッ シュ政権の目的はもはや 1997年 ∼ 1998年 当時のような大量破壊兵器の有無を査察 し、もしも保有 していたならば廃棄 させることに有るのではなく、フセイン政権そのものを打倒することに有 る。戦 費や復興 コス ト等に関する試算 も行われている。政権打倒後のいわゆる親米政権の中身は定かでは ないが、打倒後には中東原油の安定的確保 も可能になると考えているようである。 一般論として「戦後のアメリカはアメリカ的生活様式やアメリカ的民主主義の価値観を国外に普 及することに熱意をもち<文
化外交>に
力を注いできた、それが進んでアメリカ的民主主義の福音 を宣布 しようとする姿勢が強まると<宣
教外交>と
い うことになる、さらに自国の政治 。社会体制 を絶対視 し、その政治イデオロギーを他国に輸出 し、教化 しようということになると<革
命外交>
の様相 を帯びて くる」(細谷千博「外交」F世界大百科事典』平凡社、1988年)と
言われている。02 年8月 15日に出されたアメ リカ国防報告はその延長線上のものと見なせよう。報告は「同時多発テ ロとその後の対テロ戦を踏まえ、米国への奇襲攻撃 も計画するテロ組織やテロ支援国家などによる F21世紀の脅威』を想定」し「米国土防衛 を重視 して軍改革の必要性 を提唱するとともに、状況次第 では米軍による先制攻撃 も必要 と強調」 している。(朝日新聞2002.8.17) 例 えば、前進展開の強化、時には敵の根拠地か ら離れた所でも通常兵力で敵に攻撃を仕掛け、米 国の利益への脅威 を抑止する、抑止が失敗 した場合は敵 を徹底的にせん減する、敵国の政権を取 り 替えるか、あるいは米国の戦略 目的を果たすまで占領する、等を国防政策の目標に掲げていること からもうかがよう。(注8)鳥取大学教育地域科学部紀要 教育・人文科学 第
4巻
第2号 (2003) 221
以上 の こ とを知 識 の構 造 図 に表現 してみ よ う。次 いで第二次教授書試案 を紹介 しよ う。 「外交戦略 (外交政策)」 の構造図 (第二次教授 書試案) 構 成 概 念 一 般 化 事 実 的 知 識 擁裏F緒
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方的でむき出 しの世界 戦略、地域戦略の場合 がある。 Ll国連安保 常任理事国に代表 され る世 界 の大国は、まず世界安全保障戦略 としての外交戦略 (中長期 的クウンドほ
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設 けてい る。 また、周辺国 に対 してはアメ)力の武力行使 問題 を意識的 にか°レスチナ問題 と,ンクさせ て同調、支持 を 求 める戦略 に出てい る。 イラクは02年9月 17日、アナン国連事務総長 宛 の書簡 で大量破壊兵器 の査察再 開を無令
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② パ レスチナ問題 の解説。小山直樹 :社会科概念探求学習の発展 (4) り あ 題 が な は 問 要 く で ナ 必 す 単 チ つ や 簡 ス 保 し は レ を
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① NIIK「世界潮流 2側2
巨竜世界ヘー 中国経済躍進の行方―」(02.5.25)「同一 中国 石油メジャーの ② 儡 契賀慮亀_対イラク包囲戦略の行方 ―」(02.7.30) ② ③ ・シュレーダー首相は党幹部会でイラク 攻撃阻止へあらゆる手立てを採 ると言 つている。平和的解決を求めているの であ り、前回 とは異な り、少な くとも アメ リカの提案には賛成 していない。 ・プ レア政権はブ ッシュ政権 と距離を置 き始めた。査察を提案 している。 。一昨年の暮れにシェゾン元外相を団長 換を '軽 摯ξる酵母母はごと霧子纂鵡魏轟 ・サ レハ貿易相 もイラク入 りしている。 ・ シラク大統領は 「一方的、予防的なあ らゆる武力攻撃」に反対 している。・
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した。 。NIIKワシン トン支局長は最近の 日本 の外交に関す る議論が低調だ と嘆いて いる。特に、アメリカの行動に対 して 。ロシア等カスピ海沿海国からだ。 ・米同時多発テロの後に、カス ピ海産で はなくてシベ,ア産だけど、ロシアは :与晉量塚ぞalε
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してい る。 (第二時) ・そ うですね。今回は単純に 「アメ リ カのイラク攻撃に賛成」 とい う国や 黙認の形で 「容認」す る国はほとん ど無いですね。 では、 日本はどうですか?
日本 も 石油を海外に依存 していますがイ ラ クとの関係 はどうですか ? 生徒か ら引き出 したい知識鳥取大学教育地域科学部紀要 教育・人文科学 第
4巻
第2号 (2003) 225
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① NIIK「対決への道―対イラク包囲戦略の行方―」(l12.7.30) (第四時)1.今
日は、各国の世界戦略、特 に外交 戦略について勉強 しま しょう。 2.「世界戦略」 とは何で しょう? 「外交戦略」とは何で しょう? 「戦争」や 「軍事力の行使」は何 ? 3.交 ギまそ芽多夕零姿奈警壇寛督広零 しょうか?4.考
え方の特徴は何ですか ? 5.そのような考え方をするのはアメ リ カだけで しょうか ?・忌半ア
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イラク再攻撃を唱えるので しょう? ・ きB替豊ヨ揖努色F鍵恋厨憲星貝2曇 ・外交戦略 とは、実現の方法の中でも外 交、すなわち平和的な方法にもとづ く グラン ド・ ス トラテジーのこと。 ・対外政策の一部であるが、外交ではな い。「外交断絶」の次の段階である。 板書 :一 国覇権 主義的 ,一 口行 動主義的 。孤立 主義的な世界戦 略 :号鋪
。多かれ少なかれ どこの国も同じではな い 力比 J 調 対 世 ア 略 い は わ 疇 卵 る 。 互 椒 魏 吹 れ 席 ア や を 米 界 ジ を る プ F 生徒か ら引き出 したい知識 ・外交戦略が行き詰まっているか らでは .為品
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本来 な らば第一次 、第二次教授書試案 にもとづ く実験授業 を学習者 を同一 に して行 う必要が有 る。 しか し、世界情勢の変化 は早 い。そこで、公民的分野で一括 して授業化 したい。例 えば、東京書籍 の教科書 「新 しい社会 公民」(平成13年検定済)を
使用す るクラスの場合は「国際社会 と世界平 和」の投 げ込み授業の形 である。また、概念的知識の構造図 をなお一層整備 して、イラク問題 中心 の構造図か ら「世界各国の世界戦略・地域戦略」を扱 う図へ と移行 させ、その試案の作成 も行いた い。イラク問題 はここ数 ヶ月以内に大 きな動 きも予想 され る。その都度、教授書試案の更新 を行 う ことも必要で あるうが、イラク問題 も一つの事例 とした「世界各国の世界戦略 。地域戦略」試案へ と拡大、一般化す ることも視野 に入れている。今後の課題 と したい。 く注>
1.拙
稿「社会科概念探求学習の発展(3涸 (『鳥取大学教育地域科学部紀要/教
育 。人文科学 』第4巻 第2号 平成15年 1月)を
参照いただきたい。 2.「石油」と「原油」の定義は以下の通りである。試案 。授業および本稿では厳密な区別をしないで適宜両 者を使用 している。「原油」=地
中から採取 したばかりの油。「各種石油製品」=原
油を精製 して出来る。 例えば、力`ソリン・軽油。ナフサからは各種誘導製品が生産 される。「石油」=原
油 。石油製品の総称。3.政
治学概念としては「外交政策」が一般的に使用されているが、本稿および教授書試案では「世界戦略 (国家戦略)」 に揃えて「外交戦略」の語を用いる。私見ではあるが、「外交戦略」の語は多くの分野、場 面で頻繁に用いられてはいるものの、政治学辞典などの項目には未だ見当たらない。本格的な定義は政 治学や国際関係論に委ねるが、現段階では次の枠組みを参考にしている。それは戸部良一氏他5名の共 著『失敗の本質一日本軍の組織論的研究』(中公文庫、1998年)で提案 されている「軍事組織の環境適応 の分析枠組」である。図を構成する7つの概念 (環境、戦略、資源、組織構造、管理システム、組織行 動、組織学習)の内の「環境」―「国家戦略」の系列下部に平和的手段による「外交戦略」を位置付け、 外交戦略が行き詰まり、放棄 された場合に、たちどころにこの分析枠組全体が具体化 されると考えられ よう。なお、同書では日本企業の戦略に関しても言及 し、加護野忠男氏他3名の共著『日米企業の経営 比較』(日本経済新聞社、1983年)の指摘 (「論理的・演繹的な米国企業の戦略」に対 して「帰納的戦略」 を得意とする日本企業の強み)で
締めくくっている。戸部書が軍事戦略以外にも適用可能であることを 示唆 していよう。 管理 ンステム ●統合ンステム '●環嶺罪悟ンステ▲ ●教育ンステお 資 源 0人的資源 0技術 候与体緊、知識・機能) o共 =された将勘緯式 (俎機文化〕 実線 はフィー ド′fッタ関係 を示す 軍事組織の環境適応の分析枠組鳥取大学教育地域科学部紀要 教育・人文科学 第
4巻
第2号
(211C13) 229
4.2002年 8月段階におけるアメリカのイラク再攻撃提案は、とりわけアメリカ政府内強硬派のそれはまさ に国連決議無視の形で提案 されている。この点が湾岸戦争時との大きな違いである。9月に入 リブッシュ 大統領は議会の承認を得る方向を模索 し始めたが、それは合衆国憲法下での合意形成 (議会が宣戦布告 の権利 を有する)で
ある。国際社会の合意形成に向けては「武力査察」案が浮上 している。朝 日新聞 (02.9,11)によれば、新たな国連安保理決議として現行の国連監視検証査察委員会や国際原子力機関の査 察チームに軍事力を持つ査察実施部隊を加えて、疑惑施設への立ち入 りや破壊を強制的に実施 しようと いう案である。当然ながらイラクが呑めない条件での査察であり、イラクの条件不履行や拒否を31き出 し、その上で武力行使に踏み切 り、単独ないし一部同盟国によるイラク再攻撃を正当化 させるのではな いかとの読みもある。なお、02年3月 26日のチェイニー米副大統領発言は、フセイン政権打倒後のイラ クが「資源」に恵まれていることや、米国の支援のもとでの再建にも言及 している。これは石油戦略絡 みのイラク再攻撃論の表明である。 5。 アメリカのアナリス トの一人は、政権首脳部による戦争提起は大統領中間選挙や議会中間選挙絡みだと 言 う。与党や大統領への国民の支持率を上げるための手段として常套化 しているということである。し かし、それも一因ではあろうが、アメリカ「新帝国主義」派の単独行動主義的考え方は単なる選挙対策 上のものだけだとは思われない。毎 日新聞 (02.。3.31)によれば「新帝国主義」を提唱 したのはイギリス 首相外交顧問のロバー ト・クーパ ー氏である。同氏は「新帝国主義」とはテロ支援国家が国際社会の脅 威になった場合、民主的国家がテロ支援国家を軍事制圧 し、その国民に民主主義や人権主義を啓蒙でき るという考え方であると言 う。また、土屋大洋国際大学グローバル・コミュニケーション・センター助 教授によれば (HotWired Japan 02.6.25)、 アメリカにおいても「新帝国主義」が 登場 しているとし て、賛否数名の見解を紹介 している。さらには、田中宇氏は「新保守主義派」(「新帝国主義派」)が
「均 衡戦略 (バランス・オブ・パワー)か
ら一強主義 。自国中心主義 (ユニラテラリズム)」 へと考え方を転 換 し、外交自体を否定 し始めたと言 う。(「米イラク攻撃の謎を解 く」MSNジ
ャーナル、02.9.19) 6。「視点の転換」に関 しては拙稿「社会科概念探求学習の発展(3)」 に紹介 した「大石実践記録分析表」を 参照いただきたい。また、「源社会科学研究科 としての社会科」とは「社会科概念探求学習」のことであ り、その詳細は拙稿「社会科に社会科学の見方をどう活かすか―源社会科学研究科の場合―」(明治図書 『社会科教育』第383号、1993年)を
参照いただきたい。7.酒
井氏は『イラクとアメリカ』(岩波新書 2002年8月)に
おいて、湾岸戦争から02年 までの両国の関 係を「冷戦時の米 ソニ極対立構造」の利用と捉え、「アメリカはカウボーイ型の『正義か悪か』の選択を つきつけるが、フセインのやってきたこともまた、同じ『二極対立』構造をそのまま鏡に映 したものに すぎない」と言 う。そして、「問題は「フセイン的なるもの』一大 きな二つの力が対立 しあうなかでしか 自己を表現 していく方法がないという環境―をいかに乗 り越えるかということこそが、将来の最大の課 題だろう」と指摘 している。朝 日新聞02年 9月 26日の「天声人語」氏は、デッシュ大統領の言動をジョン・ ウェインが演 じる西部劇映画の一場面に例えて、イラク=ネズ ミとアメリカ=ゾ
ウの争いだと表現 して │ヽる。8,9月
22日に至 リブッシュ大統領は「国家安全保障戦略 (ブッシュ・ ドク トリン)」 を発表 し、先制攻撃戦 略を米国の公式戦略とする旨を表明し、国際社会の合意無 しでも武力行使へと進む方向へ舵を切った。こ れを起点に各国は外交活動を一段 と活発化させている。ところで、国立教育政策研究所 。三井正浩氏は 全国社会科教育学会2002年度研究大会において「高校世界史における理論探求学習」を報告 した。授業 モデルはアメリカ合衆国研究者の古矢旬氏の理論と社会経済学研究者の佐伯啓思氏の理論に依狸 した「ア メリカニズム」理論を探求 させるものになっている。「アメリカニズム」理論は本稿の注で紹介 した「新 帝国主義論」と関連する理論と言えよう。詳細な検討は今後の課題 としたい。く参考文献
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1.有
賀 貞、宮里政玄『概説 アメ リカ外交史』有斐閣、昭和60年小山直樹 :社 会科続念探求学習の発展 (4)