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共鳴光照射による熱電子コンバータのプラズマ特性

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Academic year: 2021

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愛知工業大学研究報告

第 37号B 平成14年

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共鳴光照射による熱電子コンパータのプラズマ特性

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帯首長岡│倖t 津 田 紀 生 t ' r 山 田 詩tt

Takayuki INAGUMA

Norio TSUDA

Jun YAMADA

Abstract A thermionic energy converter is a generator that directly converts heat into electricity. At the low temperature operation, the converter output is not enough for the practical application. Irradiating the resonance light to the converter filled with cesium gas, the output characteristics are much improved since ionized cesium atom neutralizes the space charge. To investigate the plasma parameter in the converter, a single probe is inserted and the resonance light is irでradiated.Itis found that an electron density is the order of 1O-17m-3, an electron temperature is2000~3000K 1 .はじめに 将来の分散型発電として期待される熱電子コンパータ は、熱電子放出を利用して熱エネルギを直接電気エネル ギに変換する直接発電方式の一つである。高温に加熱さ れたエミッタ電極より放出された熱電子は、低温のコレ クタ電極で捕集され、外部負荷を通って再びエミッタに 戻る。直接発電であるため発電効率が高い上、コンパー タは非常に簡単な2極管で構成され、様々な形状をとる ことができ、保守が容易である他、非常に小型かっ軽量 にすることが可能である。 熱電子発電を行う上で問題となる空間電荷効果により、 低速電子の作り出す負の空間電位が熱電子の放出を妨げ、 出力は大きく制限を受ける。一般にこの問題を解決する ためにコンパータ内部にセシウムを封入し、電極ギャッ プを極端に狭くする方法が採られる。封入されたセシウ ムは高温のエミッタ表面で接触熱電離され空間電荷の中 和に働くだけでなく、エミッタに付着して実効的な仕事 関数を低下させるため多くの熱電子が放出される。しか しセシウムを十分に接触熱電離させるためには、エミッ タの温度を 2000K以上の高温にする必要があり、それ に伴って電極寿命や安定性等に問題が発生する。 そこでセシウムを光電離させる方法によってコンパー タを比較的低温領域で動作させる研究が進められた。発 振波長可変の色素レーザを光源に用い、照射光の波長に 注目して研究が行われた 1,2,3ρ。 その結果セシウムの分 子選移に共鳴する可視光を照射すると出力特性はある程 度改善されることが分かつたが、実用化に対して十分な

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数 匹 掃 さ ザ 調 完 工 事 形 劇 寵毒藍子工学専攻 僅耳市

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愛知工業大学電子工学科(豊田市) 績が得られるまでには至らなかった。そこで照射光の波 長をセシウム原子の共鳴光に変え実験を行った。出力は 可視光照射時より低いレーザエネルギでも100倍程度高 い債が得られることが分かつた。本研究では共鳴光照射 時にコンパータ内部で生成されるプラズマの特性を調べ るため、コンパータにシングルプローブを挿入して測定 を行った。種々の条件に対する依存性が確認され、エミ ッタ加熱時において電子密度は 1017m-3のオーダ,電子 温度は 2000~3000K であることが分かつた。 2. 実験装置 実験装置の構成図を図1に示す。コンパータはパイレ ツクスガラス製で直径約50mm、長さ約 140mmの円筒 形であり、熱電子を放出するエミッタと放出電子を捕獲 するコレクタからなる二極管で構成されている。コンパ ータには光照射用の窓がついていて、窓の内径はエミッ ターコレクタ間の距離である 15mm よりも大きい約 20mmである。窓間隔は約 90mmである。エミッタは 直径約 12.5mmのタングステン渦巻き状ヒータで、太さ 約O.7mmのタングステン線を 5田巻いたものである。 エミッタ温度は半波整流された交流電流により加熱及び 制御されている。また熱の輔射を防ぐためヒータは、直 径約 20mm,長さ約 15mmのニッケル製中空円筒に覆 われていて、ヒータは円筒から約 1mm奥に存在する。 一方コレクタは直径約40mmの円形をしていて、中央は モリブデン製のメッシュが張られている。コンパータは 電気炉の中に設置されていて、その炉温度を変化させる ことで、封入されたセシウムの蒸気圧を調整する。封入 されたセシウムは、エミッタ電極から離れたコンパータ の下方に位置するセシウム溜まりにあり、蒸気となるこ とで管内を満たす。光源にはエキシマレーザ励起の色素

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レーザを用い、直径約 8mmの光を半値幅約 33nsのパ ルスで照射した。エミッタ加熱用の交流電流による電界 の影響を受けないようにするため、レーザ光は半波の休 止期間中に照射され、測定もその聞に行われる。 図1 実験装置構成図 プローブ挿入位置を図 2に示す。プローブは直径約 0.2mm,長さ約 2mmのタングステン線を用い、コンパ ータの電極間上方より挿入された。プローブは太さ約 lmmのガラスで覆われ固定されていて、プローブ先端 は電極聞の中心に位置し、照射光の中心とプローブの先 端が一致している。光照射位置は電極の中心とした。エ ミッターコレクタ聞は短絡されている。プローブ印加電 圧を変化させ、その時のプローブ電流を電流測定用抵抗 の電圧降下により求めた。

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図2 プローブ挿入位置 3. 短絡電流出力特性及ひ、照射光吸収特性 プラズマ特性を調べるに先立ち、プローブを挿入しな い状態で共鳴光を照射した時の短絡電流密度と照射光吸 収率について述べる。短絡電流密度と照射光吸収率の照 射光波長に対する依存性を図3に示す。共鳴光を照射す ると基底状態のセシウム原子(6S)が光エネルギを得て励 起原子(6P)となる。そして励起原子同士が衝突すると分 子状イオンを生成し、空間電荷の中和に働くため出力も 増加する5)。 Cs(6S)+hν(852.0nm)→Cs(6P) Cs(6P)+Cs(6P)→CS2++e 短絡電流、吸収率とも波長 852.0nmでピークを持ち、 この波長において照射光がセシウムに最も共鳴したこと が分かる。吸収率は波長852.0nmで、 90%以上吸収され る。このため光照射により生成されるイオンは主に入射 窓付近で生成されると考えられる。短絡電流は最大で約 lkNm2の高い値が得られ、共鳴光照射による空間電荷の 中和が極めて効果的に働くことが明らかとなった。また、 短絡電流、吸収率とも半値幅は約0.5nmの狭い値である。 原子遷移に寄与するため、狭い範囲の波長でしか反応し ないためであると考えられる。 "1"--'1500

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図3 出力特性と照射光吸収特性 4. プラズマ特性 4 • 1 プロープ波形及び測定方法 決 100

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(3)

熱電子コンパータの共鳴光照射に関する研究 の印加電圧がさらに高くなると、プローブにはイオンの みが注入されるため波形は負の状態のみとなる。

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図4 プローブ波形 プローブ電圧が 3.0Vと高い条件における飽和プロー プ出力波形を図

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に示す。この飽和状態の波形から出力 ピークの前後で計 6 つのサンプリング時刻 h~おを定め る。出力ピークがt3になるようにした。プローブ電圧を 変化させながらそれぞれの時刻6点における電圧値を測 定し、 1つの条件につき計 6つの電圧一電流特性をつく る。

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t1 t2 t3 t4 t5 t6 図 5 飽和プローブ出力波形 その結果、図6の様な電圧 電流特性が得られる。プ ローブ電圧が正の場合プローブ周辺の電子が多量に涜れ 込むため出力は正に大きくなり、プローブ、電圧がプラズ マの空間電位院に等しくなると飽和する。この飽和電流

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はほぼ電子飽和電流に等しい。しかし過剰なバイアス をプローブに印加すると放電を起こし、出力が異常に増 加する。この図より空間電位院における飽和電流 Ipsと 傾きgpを求める。さらに傾きから電子温度

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を、飽和 電涜と電子温度から電子密度 neを以下の計算式より求 める。 31

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計算された電子密度,電子温度を、横軸をサンプリン グ時間としたグラフにプロットする。図7は電子密度の 時間依存{生である。共鳴光照射により生成されたセシウ ムイオンが拡散し、エミッタの表面付近に到達すると空 間電荷が中和され、多くの熱電子が放出される。そのた め電子密度のピークは光照射よりイオンの拡散時間 (100μs程度)だけ遅れて現れる。その後はイオンの消 滅に伴い空間電荷が中和しきれなくなり、電子密度も;減 少する。図 8は電子温度の時間依存性である。光照射に より生成された励起原子の逆励起過程において電子が加 速されるため光照射から暫くは高温の時間帯が続き、そ の後は励起原子の減少に伴って低温の時間帯となる。低 温になっても電子温度はエミッタ温度より高い。これは 放出された熱電子の内、高いエネルギを持ったものがプ ロープに多く流入するためであると考えられる。 [X10+17]

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図7 電子密度 VS.時間

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図8 電子温度 VS.時間 図7より電子密度ピークの時間を求め、その時聞にお ける電子密度を図7より、電子温度を図 8より読み取り、 種々の条件に対する依存性を調べた。 4 ・2 照射光波長依存性 電子密度ピーク値の照射光波長に対する依存性を図 9 に示す。電子密度は波長 852.0nmでピークを持ち、そ の値は1017m-3のオーダであった。照射光は 852.0nmで 最もセシウムに共鳴して吸収されたため電子密度も高く なったと考えられ、これは図3の結果とも一致している。 また半値幅は約O.3nmであり、狭い範囲で反応している ことが分かる。波長依存性の半値幅はセシウム蒸気圧に 依存して変化する。蒸気圧が高くなると衝突拡がりの影 響を受け、波長が 852.0nmから幾分ずれても照射光が セシウムに吸収されイオンが生成される。そのため空間 電荷が中和され出力特性や電子密度も拡がるようになる。 [X10+17] σ3

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図9 電子密度 VS.照射光波長 電子密度ピークの時間における電子温度の照射光波長 に対する依存性を図 10に示す。電子温度は約2000Kで 一定であった。波長 852.0nm付近の光はセシウムに非 常に強く吸収され、与えられる合計のエネルギは大きい が、多くのセシウムにエネルギが分けられ電子密度はあ まり上昇しない。波長が共鳴光からずれると吸収が少な くなり与えられる合計のエネルギは小さいが、エネルギ を受け取るセシウムの数が少なく電子温度は上昇する。 従って照射光波長が変化しでも電子温度はほぼ一定にな ったと考えられる。 n u n u n U

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図 10 電子温度 VS.照射光波長 4 ・3 セシウム蒸気圧依存性 電子密度のセシウム蒸気圧に対する依存性を図 11 に 示す。電子密度はどのエミッタ温度においてもセシウム 蒸気圧が数Paでピークを持った。蒸気圧が高くなると 多くのイオンが生成され、空間電荷が中和される。その ため放出される熱電子の数も多くなり、電子密度が高く なる。しかし蒸気圧が高くなりすぎると生成されるイオ ン数は増加するものの、イオンの拡散や電子の移動が衝 突の影響を受けて制限されるため、電子密度は低くなる と考えられる。 [X10+17]

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熱電子コンパータの共鳴光照射に関する研究 エミッタから放出される熱電子数はエミッタの電極温 度と仕事関数に依存する。コンパータにはセシウムが封 入されているため、エミッタの実効的な仕事関数はエミ ッタ温度とセシウム蒸気圧に従って変化する。エミッタ 温度が低くセシウム蒸気圧が高いと、タングステンヒー タ表面から蒸発するセシウムよりも、ヒータに吸着する セシウムの割合が大きくなり、エミッタの実効的な仕事 関数はセシウムに近い低い値となる。そのため熱電子が 放出されやすい。従って電子密度はパラメータのエミッ タ温度が高いほど、高いセシウム蒸気圧でピークを持つ はずである。しかし測定結果からはあまり明確な測定結 果が現れていない。さらに蒸気圧に対する電子密度の変 化も小さく、出力特性と完全に対応した結果を得られて いない。使用するコンパータの特性,照射光吸収,光照 射位置,プローブ挿入による影響などが原因として考え られる。 電子温度のセシウム蒸気圧に対する依存性を図 12に 示す。電子温度は 2000~3000K の範囲でほぼ一定であ り、あまり明確な変化を示していない。電子温度の評価 は図 6の様な対数グラフの傾きから算出するため、接線 の引き方や測定変動の影響を強く受ける。従って同じ条 件でも変動が大きくなると、電子温度の評価も数百 K の 変動を持ってしまう。 4000 n u n u n u 門 ζ

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図12 電子温度 vs.セシウム蒸気圧 4・4 エミッタ温度依存性 電子密度のエミッタ温度に対する依存性を図 13に示 す。電子密度はエミッタ温度の上昇に伴って高くなるが、 蒸気圧依存性と同様にエミッタの仕事関数変化による影 響は現れなかった。またエミッタ温度に対する変化も小 さく、出力特性とは対応しない。 電子温度のエミッタ温度に対する依存性を図 14に示 す。電子温度はバラツキがあるものの、エミッタ温度の 上昇に伴って僅かに高くなっている。エミッタ溢度に対 する電子温度上昇の傾きは、パラメータのセシウム蒸気 圧が変化しでもほぼ一致している。この温度上昇はエミ 33 ッタ温度の上昇分にほぼ一致しているため、放出熱電子 の温度がエミッタ温度の上昇分だけ上がった結果と考え られる。 [X10+17] 在 Wavelength 852 nm 6件LaserEnergy 1 .0 mJ Vapor Pressure 霞 3.04Pa 口 4β9Pa A 7.10 Pa 1:>.10.55 Pa

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図14 電子温度 vs ヱミッタ温度 4 • 5 レーザエネルギ犠存性 電子密度のレーザエネルギに対する依存性を図 15に 示す。電子密度はレーザエネルギの上昇に伴って増加す る。入射光のエネルギが高くなると生成されるイオン数 も増加し、空間電荷が十分中和されようになる。そのた めレーザエネルギが高くなるほど電子密度も高くなった と考えられる。またパラメータのセシウム蒸気圧が変化 しでも電子密度は変化していない。セシウム蒸気圧が高 い場合でもレーザエネルギが高ければ、電極問空間でも 多くの電離が起こるはずであるが、測定結果では蒸気圧 変化に対する電子密度の増加は殆どない。出力特性では 蒸気圧が数Paの範囲で高くなると短絡電流は増加した。 即ち電極間空間から離れた位置において生成されたイオ ンでも拡散の後に十分空間電荷を中和し、出力を増加さ せることが分かる。

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図15 電子密度 vs. レーザエネルギ 3 電子温度のレーザエネルギに対する依存性を図 16に 示す。セシウム蒸気圧が低い場合、レーザエネルギの上 昇に伴って入力光エネルギが高くなるため電子温度も高 くなる。蒸気圧が高くなると、共鳴光により生成される 励起原子は入射窓付近に限られる。そのためプローブ周 辺の電子温度は上昇せず、ほぼ一定の結果になったと考 えられる。 n u n u n u n u n u n u A ﹃ 円 ζ

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図16 電子温度 vs. レーザエネルギ 5. まとめ 熱電子コンパータに光照射を利用することにより、比 較的低温で研究を行った。 セシウム原子の共鳴光を照射した時のプラズマパラメ ータを測定するため、コンパータにシングルプローブを 挿入して測定した。その結果、電子密度は 1017m-3のオ ーダ,電子温度は 2000~3000K であることが分かつた が、出力特性と十分に対応した結果を得ることはできな かった。使用するコンパータの特性,照射光吸収,光照 射位置,プローブ挿入による影響などが原因として考え られる。そのためプローブ挿入型のコンパータで出力特 性の測定を行い、プロープ測定との条件を出来る限り同 じにする必要があると考えられる。さらにプローブを可 動式とし、光軸方向やそれと垂直の方向に変化させ、詳 しく測定を行うことで正確な評価が可能になり、内部の 現象を明らかにすることが可能になると考えられる。 参考文献 1) 大竹知博、山国語 愛知工業大学研究報告第31号B pp44~48 1996 2) ハ旧朋秀、津田紀生、山国語 愛知工業大学研究報告第33号B pp55~60 1998 3) 五島敬史郎、津田紀生、山田誇 愛知工業大学研究報告第35号 B pp21~26 2000 4) 山国語、川口朋秀、津田紀生、神藤正士 「光照射型熱電子発電器の空間電荷中和効果」 電気学会論文誌A,120・A NO.3.357 2000 5) J.Yamada, T.Okuda "Production and Physical Properties of

Cesium Plasma by Resonance Absorption" J.Phys.Soc.Japan, Vol.35, No.3, 881(1973)

参照

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