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多様な
性
自
認
・
性
的
指
向
に関する対応指針
豊 島 区
平 成 30 年 2 月
《目 次 》
はじめに ... 1 本 指 針 における「多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 の人 々」の定 義 ... 2 【1】多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 に関 する基 礎 知 識 ... 2 1.国 や地 方 公 共 団 体 等 の取 組 み ... 2 (1)国 の取 組 み ... 2 (2)地 方 公 共 団 体 の取 組 み ... 3 (3)豊 島 区 の取 組 み ... 4 (4)その他 ... 5 2.職 員 の理 解 促 進 の必 要 性 ... 6 3.多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 のあり方 ... 10 (1)多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 を構 成 する 4 つの要 素 ... 10 (2)医 学 の視 点 からみる「性 自 認 ・性 的 指 向 」 ... 11 (3)身 近 な存 在 である当 事 者 ... 12 4.日 常 生 活 ・社 会 生 活 における困 難 ... 12 (1)多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 の人 々が困 っていること ... 12 (2)性 自 認 ・性 的 指 向 に関 する「カミングアウト」と「アウティング」について ... 14 ◆コラム 『使 用 に注 意 を要 する言 葉 』 ... 15 【2】職 員 等 及 び教 職 員 に求 められる配 慮 ・対 応 ... 16 1.区 民 に対 する配 慮 ・対 応 ... 16 (1)窓 口 業 務 や相 談 サービス等 における配 慮 ・対 応 ... 16 (2)公 共 施 設 における配 慮 ・対 応 ... 17 (3)福 祉 サービスにおける配 慮 ・対 応 ... 18 (4)災 害 時 における配 慮 ・対 応 ... 18 ◆コラム『トランスジェンダーの方 に起 こり得 る精 神 的 ・身 体 的 な影 響 』 ... 202.児 童 ・生 徒 に対 する配 慮 ・対 応 ... 21 (1)学 校 生 活 上 の配 慮 ・対 応 ... 21 (2)部 活 動 や課 外 活 動 等 における配 慮 ・対 応 ... 24 (3)課 外 活 動 先 等 に対 する情 報 提 供 ... 24 (4)事 務 手 続 き等 における配 慮 ・対 応 ... 25 ◆コラム『通 称 名 を使 用 している児 童 ・生 徒 に対 する配 慮 』 ... 25 3.職 場 における配 慮 ・対 応 ... 26 (1)多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 を受 容 する職 場 づくり ... 26 (2)相 談 の配 慮 ・対 応 について ... 27 (3)職 員 等 の採 用 時 等 における配 慮 ・対 応 について ... 27 (4)豊 島 区 職 員 互 助 会 の取 組 みについて ... 28 (5)職 員 等 及 び教 職 員 に関 わる書 類 等 の性 別 欄 について ... 28 ◆コラム『当 事 者 は、学 生 の中 にもいます!』 ... 28 【3】多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 に関 する相 談 機 関 ・支 援 団 体 ... 29 《豊 島 区 内 の相 談 機 関 》 ... 29 1.情 報 提 供 ... 29 2.心 と体 に関 する相 談 ... 30 《民 間 の相 談 機 関 ・支 援 団 体 》 ... 31 1.包 括 的 な相 談 ... 31 2.法 律 等 、専 門 的 な相 談 ... 32 3.仕 事 、職 場 における悩 みに関 する相 談 ... 33 4.支 援 団 体 ... 33 【4】多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 に関 する関 連 用 語 ... 35 【5】参 考 文 献 ... 38
1 はじめに 平 成 26 年 12 月 、オリンピック憲 章 『オリンピズムの根 本 原 則 』において、撤 廃 すべき差 別 の中 に「性 的 指 向 」が盛 り込 まれ、2020 年 に東 京 で開 催 されるオリンピック・パラリンピ ックは 、「 多 様 性 と調 和 」 を基 本 コンセプ トに、 共 生 社 会 を 育 む契 機 とするこ とが決 定 され た。また、東 京 オリンピック・パラリンピック競 技 大 会 組 織 委 員 会 は 『 持 続 可 能 性 に配 慮 し た調 達 コード(第 1 版 )』を策 定 し、多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 の人 々の権 利 の尊 重 を明 記 した。これまでも日 本 は、性 の多 様 性 に関 する理 解 促 進 、当 事 者 の 人 権 尊 重 を目 的 と した取 組 みを行 ってきているが、近 年 では、より一 層 の理 解 と個 性 を認 め合 う社 会 づくりが 求 められている。こうした中 、区 民 が性 別 等 の違 いに関 係 なく、一 人 ひとりの個 性 が尊 重 さ れ、自 分 らしく生 きることができる「男 女 共 同 参 画 都 市 」を目 指 す本 区 としては、職 員 及 び 関 係 者 (以 下 「職 員 等 」という。)・教 職 員 が、多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 に関 する基 礎 知 識 を身 に付 け、理 解 を深 めることは必 須 である。 本 指 針 は、職 員 等 及 び教 職 員 が、多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 に対 する理 解 を深 め、当 事 者 の 人 々に対 す る適 切 な 配 慮 ・ 対 応 を 身 に付 けるこ とを 目 的 としてい る。 しかし、 当 事 者 によってニーズが異 なることにより、画 一 的 な対 応 ができないため、具 体 的 な記 載 をして いない場 合 があるが、本 指 針 は 当 事 者 の 困 難 に 対 応 する際 の基 本 的 な 考 え方 を示 して おり、個 々の対 応 に困 った場 合 に参 考 にされたい。 さらに本 指 針 に基 づき、各 課 はその所 管 事 業 において、どのようなことが出 来 るのか検 討 することが望 ましい。 本 指 針 は、基 本 的 に職 員 等 及 び教 職 員 を対 象 としているが、内 容 は、区 内 企 業 や医 療 機 関 、活 動 団 体 等 においても、参 考 にしていただくことを想 定 している。区 民 が一 丸 とな り、多 様 性 を尊 重 する、 個 性 あふれる豊 島 区 の 実 現 に向 けて取 り組 んでいくことが期 待 さ れる。
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本 指 針 における「多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 の人 々」の定 義
今 日 、多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 の 人 々につい ては、「セクシュアル・マイノリティ( 性 的 少 数 者 ) 」や 「 LGBT (レズ ビアン/ Lesbian 、ゲイ/ Gay 、バイセ クシュアル/ Bisexual 、ト ラ ンスジェンダー/Transgender)」で表 現 することが一 般 的 である。一 方 、国 連 の諸 機 関 に おいては、「SOGI(ソジ・ソギ/Sexual Orientation and Gender Identity)」という言 葉 が広 く用 いられている。 本 指 針 における、当 事 者 の人 々を表 現 する語 句 について検 討 するとき、「セクシュアル・ マイノリティ(性 的 少 数 者 )」については、「マイノリティ(少 数 )」という言 葉 の 意 味 が差 別 的 なニュアンスを含 むと考 え、不 適 切 と考 えた 。また「 LGBT 」は、性 自 認 ・ 性 的 指 向 の 多 様 性 を 表 現 するには 非 常 に狭 義 であ り、「 SOGI」については、全 ての 性 自 認 ・ 性 的 指 向 につ いて、包 括 的 に表 現 する語 句 であるため、配 慮 ・対 応 すべき対 象 者 が不 明 瞭 になる。そこ で、本 指 針 は 性 の 多 様 性 を 尊 重 し、 「 多 様 な 性 自 認 ・ 性 的 指 向 の 人 々 」 とい う語 句 を 用 いて表 現 する。 【1】多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 に関 する基 礎 知 識 1.国 や地 方 公 共 団 体 等 の取 組 み (1)国 の取 組 み 日 本 は 、 国 連 による 多 様 な 性 自 認 ・ 性 的 指 向 の 人 々 の 権 利 保 障 と人 権 尊 重 を 促 進 する様 々な取 組 みに積 極 的 に関 わってきている。平 成 20 年 、第 63 回 国 連 総 会 に提 出 された 『 性 的 指 向 と性 自 認 に関 する宣 言( 1 )』 に署 名 し、 性 的 指 向 や性 自 認 に よ る 差 別 を な く し 、 全 て の 人 の 人 権 を 保 護 す る 声 明 に 賛 同 し た 。 ま た 、 国 連 LGBT のコア・グループに参 加 して、様 々な 人 権 施 策 の推 進 に尽 力 してきた。 国 内 では、平 成 16 年 7 月 、『性 同 一 性 障 害 者 の性 別 取 り扱 いの特 例 に関 する 法 律 』が施 行 され、一 定 の要 件 を満 たした人 が 戸 籍 上 の 性 別 を変 更 できるようにな った。性 別 取 扱 いの変 更 要 件 に関 して、現 在 も 様 々な議 論 がなされている( 2 )が、心 と 体 の 性 別 の 不 一 致 に悩 む当 事 者 にとっては 、自 分 が望 む性 で生 きるこ とができる ようになり、大 きな前 進 となった。 平 成 27 年 に施 行 された『第 4 次 男 女 共 同 参 画 基 本 計 画 』(内 閣 府 )において も、第 3 次 計 画 に引 き続 き、多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 の人 々の人 権 を尊 重 し、安 1 多 様 な 性 自 認 ・性 的 指 向 の人 々の 人 権 保 護 の 促 進 を求 める 声 明 。 2 性 同 一 性 障 害 者 の 性 別 の 取 扱 いの 特 例 に 関 する法 律 (平 成 15 年 制 定 、平 成 18 年 改 正 ) 第 3 条 で、 性 別 取 扱 いの 変 更 要 件 について、次 の 5 つを挙 げている。①20 歳 以 上 で あるこ と、 ②現 に婚 姻 をしていないこと、③現 に未 成 年 の 子 がいないこと、④生 殖 腺 がない、または生 殖 腺 の機 能 を永 続 的 に欠 く状 態 にある こと、⑤その身 体 について、他 の性 別 に 係 る身 体 の 性 器 に 係 る部 分 に 近 似 する外 観 をそ なえていること。要 件 ③については、法 律 制 定 後 から 批 判 が 強 く、平 成 18 年 4 月 に「現 に 未 成 年 の 子 がいないこと」に緩 和 された 。
基
礎
知
識
3 心 して暮 らせる環 境 を整 備 することの重 要 性 が示 された。平 成 28 年 6 月 に閣 議 決 定 された『 ニッポン 一 億 総 活 躍 プラン 』と『 経 済 財 政 運 営 と改 革 の 基 本 方 針 2016 ~600 兆 円 経 済 への道 筋 ~』においては、多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 への理 解 促 進 、 社 会 全 体 で 多 様 性 を 受 け入 れ る環 境 づ くりを 進 め る こ と が 記 載 さ れ た 。 ま た 、 男 女 雇 用 機 会 均 等 法 の 改 正 に伴 い 、『セクハラ指 針 ( 事 業 主 が職 場 にお ける性 的 言 動 に起 因 する問 題 に関 して雇 用 管 理 上 講 ずべき措 置 についての指 針 ) 』に、当 事 者 に 対 する性 的 ・差 別 的 な言 動 についても 、セクシュアルハラスメント に該 当 することが明 記 された。同 年 12 月 、人 事 院 が通 知 『人 事 院 規 則 10−10(セクシュアル・ハラスメ ントの防 止 等 の運 用 について)』を改 め、違 反 すれば処 分 の対 象 となる言 動 に、性 自 認 や性 的 指 向 に関 する偏 見 に基 づく言 動 やからかいも含 まれることを明 記 した。 また、『事 業 主 啓 発 用 ガイドブック:公 正 な採 用 選 考 をめざして(平 成 29 年 度 版 )』 (厚 生 労 働 省 )の 中 に、採 用 選 考 の 際 、応 募 者 の性 自 認 や性 的 指 向 を理 由 として 不 適 切 な 対 応 を 行 わな いこ と、応 募 者 の 性 自 認 ・ 性 的 指 向 に関 係 な く、本 人 の 人 格 や職 務 に対 する適 性 等 に基 づいて 選 考 するこ と、採 用 担 当 者 が多 様 な性 自 認 ・ 性 的 指 向 に対 する理 解 を深 め、公 正 な選 考 を行 うこと等 が盛 り込 まれた。 平 成 28 年 12 月 には、総 務 省 から住 民 基 本 台 帳 制 度 関 連 の通 知 が出 され、当 事 者 に配 慮 し、性 別 表 記 のな い「住 民 票 記 載 事 項 証 明 書 」や「印 鑑 登 録 証 明 書 」 の発 行 が可 能 になった。 (2)地 方 公 共 団 体 の取 組 み 地 方 公 共 団 体 は 、 各 々 の 人 権 施 策 や 男 女 共 同 参 画 の 基 本 方 針 ・ 計 画 等 の 中 で、多 様 な 性 自 認 ・ 性 的 指 向 の 人 々 に対 す る理 解 を 深 め 、差 別 や偏 見 をな くす 重 要 性 を謳 い、主 に人 権 尊 重 の観 点 から、関 連 施 策 を進 めてきた。 平 成 25 年 9 月 、大 阪 市 淀 川 区 が行 政 機 関 で初 めて『LGBT 支 援 宣 言( 3 )』を行 い、多 様 な 性 自 認 ・ 性 的 指 向 の 人 々 に関 する正 しい 知 識 と理 解 を 深 め 、当 事 者 の 人 権 を 尊 重 し、生 き生 き と暮 らせるまちの実 現 に向 けて取 り組 んでいく旨 を発 表 した。 また 同 年 、 東 京 都 文 京 区 の 『 男 女 共 同 参 画 推 進 条 例 』 に、性 自 認 や性 的 指 向 に 基 づく差 別 や暴 力 、セ クシュアルハラスメント など 、あらゆる人 権 侵 害 を 禁 止 するこ と が盛 り込 まれた。平 成 26 年 には、岐 阜 県 関 市 が『LGBT フレンドリー宣 言 』を行 い、 当 事 者 に対 する配 慮 に向 けた取 組 みを開 始 することが宣 言 された。 平 成 27 年 、東 京 都 渋 谷 区 において『渋 谷 区 男 女 平 等 及 び多 様 性 を尊 重 する 社 会 を 推 進 す る 条 例 』 が 施 行 さ れ 、 同 性 カッ プ ル を 法 律 上 の 婚 姻 関 係 に 相 当 す る も の と し て 認 め る 「 同 性 パ ー ト ナ ー シ ッ プ 証 明 書 」の発 行 が開 始 された。また同 年 、東 京 都 世 田 谷 区 でも『世 田 谷 区 パ ー ト ナ ー シッ プ の 宣 誓 の 取 り扱 い に関 す る 要 綱 』 が 施 行 さ れ 、お 互 い を 人 生 の パ ー ト ナ ー と して 生 活 を 共 に し てい る 、あ るい 3 具 体 的 な取 組 みとして、職 員 人 権 研 修 の 実 施 、 多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 に関 する 正 しい情 報 の 発 信 、 当 事 者 の人 々 の活 動 に対 する 支 援 、 当 事 者 の 声 ( 相 談 )を聴 く旨 が 公 表 されている。
4 は共 にしていく関 係 であるという両 者 の気 持 ちを区 が受 け止 めた証 明 として「パートナ ー シッ プ 宣 誓 書 受 領 証 」 が発 行 さ れ るよう にな っ た 。 同 性 パ ー ト ナ ー シッ プ 制 度 ( 要 綱 )を 導 入 した 地 方 公 共 団 体 は 他 に、三 重 県 伊 賀 市 、兵 庫 県 宝 塚 市 、沖 縄 県 那 覇 市 、北 海 道 札 幌 市 がある。 また、制 度 が導 入 された一 部 の地 方 公 共 団 体 で、同 性 カップルの公 営 住 宅 の入 居 を認 める動 きも出 てきている。渋 谷 区 においては、『渋 谷 区 男 女 平 等 及 び多 様 性 を 尊 重 す る社 会 を 推 進 す る条 例 』 の 施 行 により 、 「 同 性 パ ー ト ナー シッ プ 証 明 書 」 を 発 行 された同 性 カップルの区 営 住 宅 の入 居 が認 められた。平 成 29 年 1 月 に世 田 谷 区 は、『 世 田 谷 区 営 住 宅 管 理 条 例 』、『世 田 谷 区 立 特 定 公 共 賃 貸 住 宅 及 び 世 田 谷 区 立 ファ ミリー 住 宅 条 例 』 、『 世 田 谷 区 立 高 齢 者 借 上 げ集 合 住 宅 条 例 』の一 部 を改 正 し、同 性 カップ ルが区 営 住 宅 に入 居 することが認 め た。その 他 、三 重 県 伊 賀 市 と沖 縄 県 那 覇 市 では、要 綱 に基 づいて証 明 書 を取 得 した 同 性 カップルに市 営 住 宅 の入 居 を認 めている。 地 方 公 共 団 体 の 職 員 に 対 す る 福 利 厚 生 制 度 に つ い て も 、 当 事 者 に 配 慮 し 、 徐 々に整 備 されつつあ る。例 えば、渋 谷 区 、世 田 谷 区 、沖 縄 県 那 覇 市 、岐 阜 県 関 市 において、事 実 婚 関 係 にある同 性 カップルに対 して 結 婚 祝 い金 の支 給 が始 まり、千 葉 県 千 葉 市 では、パ ートナーシ ッ プ を 形 成 した 職 員 の た め の 休 暇 制 度 ( パ ー ト ナ ー 休 暇 、 短 期 介 護 休 暇 、介 護 休 暇 )が導 入 された。 (3)豊 島 区 の取 組 み 豊 島 区 は、平 成 14 年 に『男 女 共 同 参 画 都 市 宣 言 』を区 議 会 全 会 一 致 で採 択 し、翌 年 3 月 に『豊 島 区 男 女 共 同 参 画 推 進 条 例 』を制 定 した。条 例 の第 2 章 「性 別 に起 因 する人 権 侵 害 の禁 止 」第 7 条 においては、性 別 による差 別 や人 権 侵 害 、 セ クシュア ルハ ラス メン ト 、身 体 的 ・ 精 神 的 暴 力 等 を 禁 止 す る旨 を 謳 い 、一 人 ひ とり の「個 」が尊 重 される豊 島 区 づくりに取 り組 んできた。また、『第 4 次 豊 島 区 男 女 共 同 参 画 推 進 行 動 計 画 ( と し ま 男 女 共 同 参 画 推 進 プ ラ ン )( 4 )』 に お い て 、 多 様 な 性 自 認 ・ 性 的 指 向 の 人 々 に対 す る差 別 や偏 見 の 解 消 を 目 指 して、あらゆ る世 代 の 区 民 や教 職 員 、区 内 企 業 等 に対 する啓 発 活 動 に取 り組 む旨 が引 き続 き記 載 された。 また、今 年 3 月 に発 行 された『豊 島 区 自 殺 予 防 対 応 マニュアル』においては、当 事 者 が 希 死 念 慮 や 自 傷 行 為 、 自 殺 未 遂 を 経 験 する割 合 が高 い こ とや、周 囲 の 無 理 解 や偏 見 などから、不 安 や抑 うつ症 状 を抱 える人 が多 いことを記 している。そして、 自 殺 防 止 の観 点 から、学 校 や企 業 、地 域 社 会 において、差 別 や偏 見 をなくし、当 事 者 が置 かれている状 況 について理 解 を深 めていく必 要 性 が指 摘 されている。 多 様 な 性 自 認 ・ 性 的 指 向 の 人 々 に 関 して 、 区 は 理 解 促 進 や 相 談 ・ 情 報 提 供 に 4 施 策 ㉗ 生 活 上 の 様 々な 困 難 を抱 える 人 々への対 応 事 業 77「性 的 少 数 者 (セクシュアル・マイノリティ)の人 々 への理 解 の 促 進 」
5 取 り組 んできた。理 解 促 進 のための 取 組 みとしては、多 様 な性 自 認 ・ 性 的 指 向 に関 する各 種 講 座 (基 礎 知 識 を学 ぶ講 座 、当 事 者 の語 りを聞 く講 演 会 、映 画 の上 映 等 ) を、区 民 対 象 に定 期 的 に開 催 している。また、職 員 に向 けて「男 女 共 同 参 画 職 員 研 修 (平 成 25 年 度 )」を開 催 し、性 自 認 ・性 的 指 向 の多 様 性 について取 り上 げ、施 策 を企 画 、立 案 、実 施 する際 は、男 女 共 同 参 画 の視 点 を 持 ち、当 事 者 の人 々に配 慮 するよう啓 発 した。 相 談 については主 に保 健 所 や教 育 センター、情 報 提 供 は男 女 平 等 推 進 センター 等 で行 っている。例 えば、鬼 子 母 神 plus・AIDS 知 ろう館 ~池 袋 保 健 所 ・健 康 情 報 発 信 スペー スでは 、 関 連 書 籍 やパンフレッ トを 設 置 して多 様 な 性 自 認 ・ 性 的 指 向 に 関 する情 報 発 信 を行 っている。また、中 高 生 センタージャンプ で行 われる、豊 島 区 子 どもの権 利 擁 護 委 員 による相 談 事 業 では、本 人 の性 自 認 や性 的 指 向 についても相 談 できるようになっている。 また、職 員 の福 利 厚 生 制 度 については、平 成 29 年 5 月 から、豊 島 区 職 員 互 助 会 が事 実 婚 関 係 にある同 性 カップルに対 し、結 婚 祝 い金 と病 気 見 舞 金 の 支 給 を始 めた。結 婚 祝 い金 の支 給 は 23 区 において 3 例 目 、病 気 見 舞 金 の支 給 は初 めての 取 組 みとなった。 (4)その他 行 政 機 関 だけでなく、民 間 企 業 においても独 自 の取 組 みが行 われている。採 用 希 望 者 の性 自 認 や性 的 指 向 を尊 重 したり、社 員 やそのパートナーに配 慮 する制 度 を導 入 するなど、多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 の人 々に理 解 のある企 業 が増 えている 。例 え ば、同 性 パートナーを 配 偶 者 とみなす 社 内 制 度 を整 え、結 婚 祝 い 金 の 給 付 や 各 種 休 暇 制 度 を同 性 カップルに適 用 している企 業 、 社 内 規 定 に多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 に関 する対 応 を明 文 化 し、当 事 者 が相 談 できる相 談 窓 口 の設 置 、 社 員 向 けの研 修 が実 施 されている例 がある。 また、企 業 が提 供 するサービスにおいて、同 性 カップルを対 象 に行 われるものも増 えている。例 えば、同 性 パートナーを保 険 金 受 取 人 に指 定 することを可 能 にするサー ビ ス ( 生 命 保 険 会 社 ) や 、 住 宅 を 購 入 す る 際 に 共 同 で ロ ー ン が 組 め る 制 度 の 導 入 (銀 行 )、携 帯 電 話 の利 用 料 金 の「家 族 割 」サービスを適 用 する取 組 み等 がある。 国 内 の取 組 みは、多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 の人 々に対 する 理 解 促 進 に始 まり、 近 年 は 、当 事 者 の 日 常 生 活 や社 会 生 活 にお ける不 利 益 を 解 消 す るため の 制 度 が 整 備 されるなど、より当 事 者 に寄 り添 う取 組 みが進 められてきている。一 部 の地 方 公 共 団 体 で導 入 されている「同 性 パートナーシップ制 度 」は、法 律 婚 と違 って法 的 効 果 が無 いが、行 政 が同 性 カップルを 一 つの「家 族 」として認 識 し、受 け入 れた画 期 的 な 取 組 みである。 しか し、 こ れま で紹 介 した 数 々 の 取 組 みは、 一 人 ひとりの 多 様 性 を 受 容 す る環 境 があって初 めて活 かされる。 当 事 者 に対 する取 組 みと、多 様 な性 に理 解 がある社 会 を創 る取 組 みを、両 輪 で進 めていくことが重 要 である。
6 2.職 員 の理 解 促 進 の必 要 性 豊 島 区 は 、これま でも 多 様 な 性 自 認 ・ 性 的 指 向 に関 す る取 組 みを 様 々 行 ってきた が、 2020 年 のオリンピック・パラリンピックを 控 えた今 、ますます理 解 促 進 の重 要 性 は高 まって いる。日 々 、業 務 で 区 民 の方 に接 す る 職 員 が率 先 して多 様 な 性 自 認 ・ 性 的 指 向 に関 す る知 識 を身 に付 け、当 事 者 の方 にも適 切 な対 応 ができることを目 指 すことが求 められてい る。そこでまずは、職 員 の意 識 や現 状 を把 握 することが必 要 であると考 え、昨 年 9 月 「豊 島 区 職 員 の 多 様 な 性 自 認 ・ 性 的 指 向 に関 する意 識 ・実 態 調 査 」を実 施 した。多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 における認 知 については以 下 のような結 果 が出 ている。
※ アメ リカ精 神 医 学 会 発 行 の「 精 神 障 害 診 断 の 手 引 き 第 5 版 」 におい ては 、「 性 別 違 和 」 が 使 用 されて いる が 、国 内 では まだ「 性 同 一 性 障 害 」が 使 用 され てい る 。 ※ n=1,405
7 「レズビアン」、「ゲイ」、「バイセクシュアル」、「性 同 一 性 障 害 」という言 葉 を聞 いたことが あ る職 員 は 全 体 で 90% を 超 えてい るが、 そ れ に比 べ 、「 ト ラン スジ ェン ダ ー 」 は 77.5% 、 「LGBT」は 66.6%と低 くなっている。また、正 しい意 味 を知 っている比 率 については、 「レズビアン」と「ゲイ」は、全 体 の 90%以 上 の職 員 が内 容 を知 っていた。一 方 、「トランスジ ェンダー」は 65.7%、「性 同 一 性 障 害 」は 78.8%、「LGBT」については 57.5%の職 員 しか 内 容 を知 らなかった。 「性 自 認 に合 うお 手 洗 い や更 衣 室 の 利 用 がしにくいこと」は、 最 も 多 くの 職 員 ( 81.2%) が「困 っている」と回 答 している。しかし、「住 宅 ローンや生 命 保 険 などの手 続 きで制 限 があ ること」(30.0%)や「パートナーが病 気 や怪 我 で入 院 した際 、治 療 方 針 等 について説 明 を 受 けられないこと」(43.3%)、「恋 愛 や結 婚 に関 する質 問 に答 えづらい、話 題 に入 りづらい こと」(47.5%)については、50%を下 回 っている。 n=1,405
8 4つの要 素 を知 っている職 員 (49.0%)と知 らない職 員 (49.3%)は、ほぼ同 数 となった。 「多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 の人 々の割 合 は 13 人 に 1 人 」に対 する実 感 について、「多 いと感 じる」と回 答 した職 員 が全 体 の 53.2%で最 も多 く、「分 からない」(29.9%)、「その通 りだと感 じる」(9.5%)と続 いている。 n=1,405 n=1,405
9 多 様 な 性 自 認 ・ 性 的 指 向 の 当 事 者 に 対 す る対 応 につい て「 学 んだこ とはない 」 と回 答 し た 職 員 は 73.7% で 最 も 多 く 、 「 学 ん だ こ と は あ る が 、 対 応 で き る か 不 安 が あ る 」 (18.4%)、「学 んだことがあるし、対 応 できる」(6.3%)と続 いている。 学 んだ方 法 については 「 独 学 (本 ・インターネットなど) 」が最 も多 く、その 他 「授 業 や講 義 」、「講 座 ・セミナー」、「区 研 修 」などがある。 現 時 点 で、多 様 な 性 自 認 ・ 性 的 指 向 に関 す る 職 員 の 理 解 は 進 んでい ないことが伺 える結 果 となった。また、当 事 者 に対 して「対 応 ができる」と思 っている職 員 は 6.3%と非 常 に少 なかった。 職 員 が多 様 な性 自 認 ・ 性 的 指 向 の 人 々と接 す る上 では、適 切 な 配 慮 と対 応 が強 く 求 められるが、そのためにはまず、正 しい知 識 を身 に付 け、理 解 を深 めることが重 要 であ る。 n=1,405
10 3.多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 のあり方 (1)多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 を構 成 する 4 つの要 素 性 自 認 や性 的 指 向 のあり方 は、大 きく分 けて 4 つの要 素 から成 り立 っている。 それぞれの要 素 自 体 が多 様 であり、その組 み合 わせもまた多 様 である。 ① 性 自 認 は、自 分 の性 別 をどのように認 識 しているかを指 し、一 般 的 に「 心 の性 」と いわれる。自 分 は女 性 、あるいは男 性 、とはっきり認 識 している人 もいれば、女 性 であり 、男 性 でもある 、女 性 と男 性 の 中 間 である、どちらでもない、性 自 認 が分 か らない、決 めたくない等 、様 々な人 がいる。 ② 身 体 的 な性 別( 5 )は、基 本 的 に身 体 的 特 徴 を基 にした性 別 を指 す。しかし、疾 患 等 で「女 性 /男 性 」と二 分 できないこともある。 ③ 性 的 指 向 は、恋 愛 感 情 や性 的 関 心 がどのような対 象 に向 いているかを指 してい る 。 性 的 指 向 が 異 性 に 向 い て い る 「 異 性 愛 ( ヘ テ ロ セ ク シ ュ ア ル / Heterosexual ) 」 、 同 性 に 向 い て い る 「 同 性 愛 ( ホ モ セ ク シ ュ ア ル / Homosexual ) 」 、 女 性 と 男 性 の 両 方 に 向 く 「 両 性 愛 ( バ イ セ ク シ ュ ア ル / Bisexual)」などがある。このほか、どのような対 象 にも恋 愛 感 情 や性 的 関 心 を抱 かない「無 性 愛 (アセクシュアル/A sexual)」や、相 手 の性 別 を問 わない「全 性 愛 (パンセクシュアル/Pansexual)」などがある。 ④ 性 表 現 は、服 装 や立 ち振 る舞 い 等 、外 部 に向 けて自 分 の性 をどのように表 現 し ているかを指 す。 5 出 生 時 の 身 体 的 特 徴 を基 にして 戸 籍 上 の 性 別 が決 めら れるので、戸 籍 上 の 性 別 と 同 義 でもある。 ① 性 自 認 (ジェンダー・アイデンティティ/Gender Identity) ② 身 体 的 な性 別 ③ 性 的 指 向 (セクシュアル・オリエンテーション/Sexual Orientation) ④ 性 表 現
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(2)医 学 の視 点 からみる「性 自 認 ・性 的 指 向 」
性 の多 様 性 を表 現 するとき、「LGBT(エルジービーティー)」という言 葉 がよく使 われてい る。「 LGBT 」は 、「 Lesbian (レズビアン )」 、「ゲイ( Gay)」 、「バイセ クシュアル( Bisexual)」 、 「 ト ラ ン ス ジ ェ ン ダ ー ( Transgender ) 」 の 頭 文 字 を 並 べ た 言 葉 で 、 現 在 、 多 様 な 性 自 認 ・ 性 的 指 向 の人 々を包 括 的 に表 す言 葉 として用 いられている。しかし「LGBT」は、性 自 認 や 性 的 指 向 のほんの一 部 を表 しており 、実 際 はこの言 葉 に集 約 できないほど、性 のあり方 は 多 様 である。 性 自 認 と性 的 指 向 をめぐっては、精 神 医 学 の分 野 で様 々な議 論 が行 われてきた。まず 性 自 認 についての海 外 における動 きとしては 、2013 年 にアメリカ精 神 医 学 会 が発 表 した 『精 神 疾 患 および障 害 に関 する統 計 と診 断 マニュアル第 5 版 (DSM-5)』において、これま で使 用 さ れ てい た 「 性 同 一 性 障 害 」 とい う診 断 名 が「 性 別 違 和 」 に変 更 さ れ た 。 ま た 、今 後 改 訂 が予 定 されている世 界 保 健 機 関 (WHO)の『疾 病 及 び関 連 保 健 問 題 の国 際 統 計 分 類 (ICD)第 11 版 』(以 下 、ICD という。)においても、「性 別 不 一 致 」と病 名 が変 更 され るほか、精 神 疾 患 であるという位 置 づけに関 しても見 直 す作 業 が検 討 されている。 そして、国 内 の 動 きとしては、2004 年 に『 性 同 一 性 障 害 者 の性 別 の 取 扱 いの特 例 に 関 する法 律 』が施 行 され、一 定 の要 件 を満 たすと、戸 籍 上 の性 別 を変 更 できるようになっ ている。 次 に、性 的 指 向 についての海 外 における動 きは、1987 年 に DSM から同 性 愛 に関 する 記 述 が削 除 されたほか、1992 年 には WHO も、ICD の改 訂 第 10 版 において、「同 性 愛 は いかなる意 味 でも治 療 の対 象 とならない」と宣 言 している。 国 内 においては、1994 年 に ICD を公 式 基 準 として採 用 し、翌 年 、日 本 精 神 神 経 学 会 も同 分 類 を尊 重 するという見 解 を出 している。
12 (3)身 近 な存 在 である当 事 者 平 成 27 年 に実 施 された電 通 総 研 ダイバーシティ・ラボの調 査 によると、 多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 の人 々の対 人 口 比 は 7.6%という結 果 が出 ている。日 本 の総 人 口 は、現 在 1 億 2670 万 人( 6 )であり、約 960 万 人 が当 事 者 であるということになる。「自 分 の周 りに当 事 者 はいな い」 と思 っ ている人 は 少 な くな いが、実 際 は、学 校 や職 場 、友 人 ・ 知 人 の 付 き 合 い の 中 で、誰 もが既 に当 事 者 に接 してい る。 自 分 の 周 りにいな いと思 うのは、当 事 者 が カミングアウトしていない、あるいは差 別 や偏 見 を恐 れて言 えない状 況 に置 かれている から であり、当 事 者 がいないからではないことを理 解 することが重 要 である。メディア等 で活 躍 す る、いわゆる「オネエタレント」のイメージが先 行 し、全 ての当 事 者 が、奇 抜 な服 装 や特 徴 的 な言 動 をすると思 いがちだが、実 際 は特 殊 な人 々ではなく、ごく普 通 に生 活 している人 々で ある。自 分 の周 りに当 事 者 がいる、あるいは周 囲 の人 々の家 族 や友 人 、パ ートナーの中 に 当 事 者 がいるという前 提 で、日 頃 から言 動 に配 慮 することが重 要 であ る。 4.日 常 生 活 ・社 会 生 活 における困 難 (1)多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 の人 々が困 っていること 多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 に関 する偏 見 や差 別 、無 理 解 があるために、当 事 者 は生 活 の 様 々 な 場 面 にお い て 困 難 を 抱 え てい るこ とがあ る。 困 難 の 内 容 は、 当 事 者 の 性 自 認 ・ 性 的 指 向 、年 齢 、置 かれている環 境 等 によって様 々であるが、一 例 を下 記 に紹 介 する。 《子 ども・教 育 》 ○学 校 で「男 のくせに」、「気 持 ち悪 い」、「ホモ」、「おかま」、「レズ」などと、 侮 蔑 的 な言 葉 を投 げかけられ、自 尊 感 情 が深 く傷 つけられた。 ○他 の人 に体 を見 られる心 配 や、他 の人 の体 が目 に入 る罪 悪 感 から、学 校 の更 衣 室 やトイレが使 いづらかった。 ○学 校 行 事 において男 女 で色 分 けをしたり、役 割 を決 めていたりするため、自 分 が 望 まない色 をあてがわれたり、好 まない役 割 を担 わされた。 ○学 校 の教 員 を含 めて、身 近 にカミングアウトしている大 人 がいなかったため、 自 分 のロールモデルが見 つけられなかった。 ○学 生 証 に性 別 欄 があるため、見 た目 の性 別 と違 うとして、別 人 と疑 われ 、性 同 一 性 障 害 であることが周 囲 に知 られた。 6 総 務 省 統 計 局 人 口 推 計 平 成 2 9 年 12 月 1 日 現 在 ( 概 算 値 ) に よ る 。 http://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.htm ( ア ク セ ス 日 : 平 成 29 年 12 月 2 5 日 )
13 《就 労 》 ○性 的 指 向 や性 自 認 を理 由 に、解 雇 や内 定 取 り消 しをされたり、辞 職 を強 要 された りした。 ○カミングアウトしたら、「あいつはホモ/レズだから気 をつけろ」と職 場 内 でいいふらされた。 ○営 業 職 を希 望 していたが、「オカマっぽい人 に営 業 はやらせられない」と言 われ、 業 務 内 容 を制 限 された。 ○会 社 の更 衣 室 ・制 服 ・社 員 寮 ・宿 泊 研 修 等 での男 女 分 けがあり、戸 籍 性 でしか 利 用 できなかった。 ○職 場 の健 康 診 断 の際 、人 前 で服 を脱 がなければならず、不 快 な思 いをした。 ○性 別 違 和 があるにもかかわらず、戸 籍 上 の性 の姿 を強 制 されたり、性 自 認 の性 別 の 服 装 を非 難 され、苦 痛 を感 じた。 ○「レズビアンは女 が好 きなんだろう」と言 われ、同 僚 の社 員 から男 性 向 けの ポルノ雑 誌 を 無 理 やり見 せられた。 ○職 場 で安 心 感 が得 られず、常 に緊 張 感 を強 いられたため、メンタルに不 調 をきたし、 強 い孤 独 感 を感 じ、休 職 や辞 職 につながった。 《医 療 》 ○病 院 でパートナーが死 亡 したが、診 療 経 過 や死 亡 原 因 等 の診 療 情 報 を提 供 してもらう ことができなかった。 ○パートナーが入 院 したが、病 室 での付 き添 いや看 護 をさせてもらえなかった。 ○認 知 症 ・意 識 不 明 状 態 のパートナーについて、外 科 手 術 が必 要 となったが、法 律 上 の 親 族 の同 意 が必 要 だと言 われ、スムーズに治 療 を受 けることができなかった。 ○認 知 症 ・意 識 不 明 状 態 の患 者 について、どのような治 療 を行 うかを決 める場 合 に、 患 者 の同 性 パートナーの意 向 が考 慮 されなかったり、他 の親 族 よりも軽 視 されたりした。 ○医 療 機 関 の受 付 では戸 籍 上 の名 前 で呼 ばれるため、受 診 しづらくなった。 ○入 院 の際 、自 分 の性 自 認 とは異 なる共 同 病 室 へ配 置 され、入 院 生 活 が苦 痛 だった。 ○性 自 認 ・性 的 指 向 に困 難 を抱 えている場 合 に特 有 の 医 療 ニーズに沿 って安 心 して受 診 できる医 療 機 関 が地 域 になく、健 康 を害 されてしまった。 ○性 同 一 性 障 害 について相 談 できる医 療 機 関 が身 近 にないため、遠 方 の病 院 に夜 行 バ スで通 院 しているが、貯 金 が底 をつき、途 中 で受 診 を断 念 せざるを得 なかった。 出 典 : 性 的 指 向 および性 自 認 等 により困 難 を抱 えている当 事 者 等 に 対 する法 整 備 の ための全 国 連 合 会 「性 的 指 向 および性 自 認 を理 由 とするわたしたちが社 会 で 直 面 する 困 難 のリスト(第 2 版 )」より
14 (2)性 自 認 ・性 的 指 向 に関 する「カミングアウト」と「アウティング」について ①「カミングアウト」における困 難 と影 響 「カミングアウト」とは、自 らのセクシュアリティを自 覚 し、他 人 に開 示 することを指 す。カミングアウトをする・しないは、個 人 のプライバシーに 関 わることであり、当 事 者 個 人 が選 択 すべきものである。 しかし、本 人 の 性 自 認 や性 的 指 向 を 理 由 に差 別 やいじめを受 けてい たり、それ がきっかけで、心 や体 の不 調 を抱 えていたりする場 合 、支 援 を求 めるために、どうし ても カミングア ウト が必 要 にな る。だ が、 周 囲 の 理 解 が進 んでい ない と 、本 人 がカミ ングアウトすることは非 常 に困 難 であり、そのために、必 要 な支 援 が受 けられない可 能 性 があることに留 意 する。 カミングアウトをされた場 合 は、当 事 者 が勇 気 を出 して話 し ていることを理 解 し、 肯 定 的 に受 け止 めることが重 要 である。同 時 に、どの人 に伝 えているか、誰 に伝 え て良 いのかを教 えてもらい、本 人 が承 認 していない範 囲 の人 に は話 してはならない。 ②「アウティング」とその影 響 カミングアウトが、自 らの意 志 で自 らが望 む相 手 に、自 分 のセクシュアリティを開 示 するのに対 して、アウティングは、ある人 のセクシュアリティについて、本 人 の承 諾 がないまま、第 三 者 に暴 露 する行 為 を指 す。口 頭 で話 すほか、SNS 等 で情 報 を 流 す行 為 もアウティングにあたる。アウティングは、プライバシーを侵 害 する行 為 で あり、時 にアウティングされた被 害 者 が生 命 を失 う可 能 性 もある。実 際 、平 成 27 年 に大 学 院 生 が、アウティングの被 害 に遭 い、校 舎 から転 落 死 した事 件 が起 こっ ている。 それが、善 意 のもとで行 われたことでも、本 人 が意 図 しないところで、本 人 のセク シュアリテ ィが知 られ てしまった 場 合 はアウテ ィン グにな る。 例 えば、当 事 者 から 相 談 を受 けた側 が、困 りごとを解 決 しようと本 人 の承 諾 なしに 、第 三 者 にその内 容 や 対 応 につい て 相 談 した 場 合 など であ る。第 三 者 に、当 事 者 のセ クシュアリテ ィにつ い て話 す 場 合 は 、 誰 にど の ような 内 容 を 話 す のか 、なぜ 話 す 必 要 があ るの か 、必 ず本 人 に説 明 し、了 承 を得 なければならない。
15 ◆◆コラム『使 用 に注 意 を要 する言 葉 』◆◆ 性 の多 様 性 を表 現 する言 葉 はたくさ んありますが、これまでの歴 史 におい てネ ガティブな文 脈 で使 用 されてきた言 葉 もあるので、注 意 が必 要 です。正 しい言 葉 を知 って、使 用 することが大 切 です。 《注 意 を要 する言 葉 》 ノーマル、普 通 の人 、おとこおんな、レズ、ホモ、 オカマ、オナベ、ニューハーフ等 当 事 者 の中 で、自 分 のことを「オカマ」、「レズ」などと、あえて自 虐 的 な表 現 を 使 うことで、ネガティブなイメージを払 拭 しようとする人 もいます。しかし、周 囲 が 同 じように「オカマ」、「レズ」と呼 ぶのは意 味 合 いが異 なります。自 分 で自 分 の ことをそのように呼 ぶことは平 気 でも、他 の人 に言 われると傷 ついたりすることが あるからです。 参 照 : 遠 藤 ま めた 『 先 生 と 親 の ため の LGB T ガイ ド も しあなた が カミ ングア ウト され たなら』 ( 2 01 6) P 1 01
16 【2】職 員 等 及 び教 職 員 に求 められる配 慮 ・対 応 本 区 は 、性 別 など の 違 いに関 係 な く、区 民 一 人 ひとりの 個 性 が尊 重 さ れ 、自 分 らしく生 きられる「男 女 共 同 参 画 都 市 」を目 指 している。 職 員 等 及 び教 職 員 は、日 々の業 務 を通 して区 民 と接 す る機 会 が あり、そ の 中 には 多 様 な 性 自 認 ・ 性 的 指 向 の 人 々も 含 まれてい る。一 人 ひとりが公 務 に従 事 する立 場 として、全 ての区 民 の人 権 を尊 重 し、配 慮 ある対 応 を行 うことは非 常 に重 要 である。また、各 課 においても、その所 管 事 業 において、どのような 配 慮 や対 応 ができるか検 討 することが求 められる。 しかし、職 員 等 及 び教 職 員 が多 様 な性 自 認 ・ 性 的 指 向 の 人 々に対 し て差 別 や偏 見 があったり、誤 った認 識 を持 っていたりする場 合 、適 切 な対 応 をすることはできない。そこで、研 修 を行 い、適 切 な対 応 が行 われるよう 理 解 促 進 することが大 切 である。 <当 事 者 に対 する配 慮 ・対 応 における重 要 な点 > ○「多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 」に関 する正 しい知 識 を持 つ。 ○当 事 者 の要 望 をよく聴 いて受 け止 め、可 能 な範 囲 で 配 慮 ・対 応 する。 その場 の状 況 や周 囲 の人 々の心 情 にも配 慮 し、必 要 に応 じて周 囲 の人 々に 十 分 な説 明 をして理 解 を求 める。 ○いかなる場 合 も、当 事 者 のセクシュアリティをアウティングしない。 1.区 民 に対 する配 慮 ・対 応 (1)窓 口 業 務 や相 談 サービス等 における配 慮 ・対 応 ①多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 の区 民 に対 応 する際 の留 意 点 区 役 所 の各 種 窓 口 や 区 民 専 門 相 談 等 の相 談 サービスに従 事 する 職 員 等 は、 多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 の区 民 に接 する機 会 が多 いと想 定 されるため、不 適 切 な言 動 をしないよう十 分 留 意 する。 特 に、見 た目 の性 別 と戸 籍 上 の性 別 が異 なっ ている当 事 者 の場 合 、必 要 な手 続 きのために自 分 の性 別 等 について 一 から説 明 す るこ とは 大 きな 精 神 的 負 担 とな るた め 、 本 人 確 認 は 必 要 最 小 限 に 留 め る の が 望 ましい。
17 《窓 口 業 務 および相 談 サービスにおける配 慮 ・対 応 例 》 〇当 事 者 の区 民 から希 望 があり 、可 能 な場 合 は、個 室 等 、プライバシーが守 られ る場 所 で対 応 をする。 〇本 人 確 認 書 類 ( 保 険 証 、マイナンバーカード等 ) を確 認 する際 、 見 た 目 の性 別 と書 類 上 の 性 別 が異 な ってい る 場 合 は 、 慎 重 に 対 応 す る 。 例 えば 、 他 の 来 庁 者 がいるような場 所 では、なるべく声 を小 さくして話 す、筆 談 、 書 類 の該 当 箇 所 を指 さしして確 認 をする等 の工 夫 をする。 〇窓 口 で本 人 を呼 ぶ 場 合 、番 号 等 、他 の来 庁 者 に氏 名 が分 からないように配 慮 して呼 ぶ。名 前 で呼 ぶ必 要 がある場 合 は、名 字 だけにする等 の配 慮 をする。 〇手 続 き上 、他 の窓 口 に繋 ぐ必 要 がある場 合 は、事 前 に本 人 に了 承 を得 た上 で、 配 慮 して引 き継 ぐようにする。 ②区 民 に関 わる書 類 等 の性 別 欄 について 区 が裁 量 権 をもつ書 類 における性 別 欄 については、合 理 的 必 要 性 を十 分 検 討 し、必 要 のない 性 別 欄 は 削 除 する。 なお、性 別 欄 の有 無 について合 理 的 必 要 性 を判 断 する際 には、以 下 の視 点 をもって行 うこととする。 〇男 女 のニーズの違 いを明 確 にし、政 策 に反 映 させる必 要 があるか。 〇統 計 上 、性 別 を知 る必 要 があるか。 〇本 人 確 認 の要 件 として、性 別 も必 要 か。 性 別 欄 を設 ける場 合 は、 可 能 な限 りそ の必 要 性 について記 載 することや、性 別 を選 択 する形 式 ではなく、自 認 する性 を記 入 する形 式 にするなど、書 類 の 目 的 に 応 じた配 慮 を行 う。 【記 載 例 1】 性 別 ①男 ②女 ③( ) ※自 認 する 性 を記 載 して下 さい。 【記 載 例 2】 性 別 ( )※自 認 する 性 を記 載 してください。 (2)公 共 施 設 における配 慮 ・対 応 ①施 設 内 の設 備 利 用 に係 る配 慮 ・対 応 多 様 な 性 自 認 ・ 性 的 指 向 の 区 民 が、施 設 内 に あ る、 性 別 によっ て 区 別 され る 設 備 の利 用 (トイレや更 衣 室 等 ) について配 慮 を求 めた場 合 、批 判 や否 定 をせず に受 容 することが求 められる。 本 人 の希 望 に寄 り添 う対 応 が望 ましい が、施 設 によ
18 っては 、設 備 上 の 制 約 があることを 説 明 したり、他 の利 用 者 の 心 情 に配 慮 する必 要 性 について理 解 を促 したりすることが重 要 である。 見 た目 の性 別 と性 自 認 が異 なる人 で、性 自 認 に合 った設 備 利 用 を希 望 してい る場 合 、 公 共 施 設 とい う 特 性 上 か ら 他 の 利 用 者 への 配 慮 が特 に求 め ら れる。 例 えば、トイレに関 しては、本 人 の希 望 や心 情 を受 容 し、本 人 と話 し合 って理 解 を得 た上 で、多 目 的 トイレの利 用 を検 討 していただくのが望 ましい 。この場 合 の対 応 は、 他 の利 用 者 に配 慮 する必 要 から行 うもので、多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 の 区 民 に 多 目 的 ト イ レ の 利 用 を 自 動 的 に促 した り、 強 制 し た りす るも の ではな い 。ま た 、 こ の 時 、多 目 的 ト イ レ の 利 用 をす るこ とで、 本 人 の 意 図 しな い ところ での ア ウ テ ィング に 繋 がらないように配 慮 することが重 要 である。 更 衣 室 の利 用 においては、他 の利 用 者 と時 間 をずらして利 用 する、空 いている 部 屋 を更 衣 室 として代 用 するなどの工 夫 が 考 えられる。こういった場 合 にお いても、 多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 の当 事 者 と他 の利 用 者 の双 方 の理 解 を 求 める必 要 が ある。 ②貸 室 の利 用 についての配 慮 ・対 応 区 民 に貸 室 業 務 を行 っている公 共 施 設 は、利 用 者 の性 自 認 ・性 的 指 向 のみを 理 由 に利 用 の可 否 を判 断 しない。また、施 設 の利 用 目 的 が多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 に関 する場 合 (多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 についての講 座 や勉 強 会 、研 修 の 開 催 等 )も、その利 用 目 的 のみを理 由 に利 用 の可 否 を判 断 しない。 (3) 福 祉 サービスにおける配 慮 ・対 応 高 齢 者 や障 害 のある方 の中 にも、多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 の当 事 者 がいる。当 事 者 の 区 民 が安 心 して福 祉 サー ビスを 利 用 できるようにす ることはも ちろ ん、当 事 者 を 支 える家 族 に対 しても配 慮 が求 められる。 (4)災 害 時 における配 慮 ・対 応 災 害 が起 こった際 は、行 政 も被 災 者 も特 別 な状 況 となるため、すべてに対 応 すること は難 しいが、多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 の被 災 者 の配 慮 について検 討 する ことは大 切 で あ る。『 救 援 セ ン ター 運 営 マ ニュ ア ル 』 改 訂 等 の 際 は、 高 齢 者 や 障 害 者 、病 気 を 持 つ 人 、子 ども、女 性 、外 国 人 等 と同 様 、配 慮 の対 象 に加 えて記 載 することが望 ましい。 救 援 セ ン ターの 運 営 に携 わる職 員 は 、被 災 者 の 中 に当 事 者 が一 定 程 度 い るこ とを 念 頭 において、対 応 することが望 ましい 。また 、 防 災 訓 練 につい ても、被 災 者 の 中 に当 事 者 が一 定 程 度 いることを想 定 し、行 うことが望 まれる。
19 《災 害 発 生 時 に困 ったこと・不 安 に思 ったことの一 例 》 〇救 援 センターで、世 帯 ごと、男 女 別 で取 り扱 われることが多 い。 〇 救 援 物 資 ( 生 理 用 品 、衣 服 、下 着 、髭 剃 り、 化 粧 品 、治 療 薬 ) につい て、登 録 さ れ ている性 別 ごとに配 布 されたため、必 要 な物 資 を受 け取 りづらかった。 (例 )トランスジェンダーの男 性 ( FtM)( 7 )が、避 難 中 に男 性 ホルモンの投 与 が難 しくな ることで月 経 が再 開 し、生 理 用 品 が必 要 になる ケースがある。しかし、見 た目 の 性 別 が男 性 であるため に、周 囲 の 視 線 が気 にな り、生 理 用 品 が受 け取 りにくい 等 がある。 〇性 別 移 行 の 為 の 治 療 中 に罹 災 したが、十 分 な ホルモン剤 等 が入 手 できず、治 療 を 中 断 ・断 念 せざるをえなかったため、体 調 が著 しく悪 化 した。 〇救 援 センター内 で性 自 認 や性 的 指 向 に係 る問 題 (ハラスメントや設 備 利 用 に 関 する こと等 )について、誰 に相 談 してよいのか分 からなかった。 〇救 援 センター内 で性 的 指 向 を暴 露 されてしまい、周 囲 から嫌 がらせを受 けたため、救 援 センターを離 れざるを得 なかった。 〇救 援 センター内 の設 備 (トイレ、更 衣 室 、シャワー)を利 用 したいが、男 女 別 のものしか なく、見 た目 の性 別 と性 自 認 が異 なるために利 用 しづらかった。 〇 救 援 セ ン ター でパー ト ナー の 所 在 を 確 認 しよう とした ところ 、親 族 でな い こ とを 理 由 に 情 報 提 供 を拒 まれ、確 認 できなかった。 〇救 援 センターで、性 自 認 や性 的 指 向 への配 慮 を求 めたところ、「こんな大 変 な時 にわ がままを言 わないで欲 しい」とたしなめられた。 〇周 囲 の視 線 が気 になり、救 援 センター内 で同 性 パートナーと一 緒 に寝 起 きすることが できず、不 安 な毎 日 を過 ごすこととなった。 まずは 、上 記 の 例 の 内 容 を認 識 し、当 事 者 の 困 り ごと、不 安 に思 う気 持 ち を受 け止 めるような意 識 を持 つことが重 要 である。 7 Female to Male の略 。体 の性 別 が女 性 で、 心 の 性 別 が男 性 の 人
20 ◆◆コラム『トランスジェンダーの方 に起 こり得 る精 神 的 ・身 体 的 な影 響 』◆◆ 災 害 時 でホルモン剤 の入 手 が難 しい場 合 、ホルモン治 療 を継 続 することが できなくなり、心 と体 に様 々な影 響 が出 てくることがあります。 《すでに生 殖 腺 (卵 巣 や精 巣 )を除 去 している方 の場 合 》 ホルモン剤 を補 充 することは健 康 維 持 において不 可 欠 です。災 害 時 は、誰 しも精 神 的 不 安 が強 くなりますが、当 事 者 はホルモン剤 が手 に入 らないこと で、ホルモンバランスが乱 れ、精 神 的 ・身 体 的 不 調 が起 きます。 〇気 分 の落 ち込 み、無 気 力 、うつ 〇動 悸 、息 切 れ、睡 眠 障 害 (不 眠 、眠 りが浅 い) 〇肩 こり、手 足 の痛 み、頭 痛 、めまい、吐 き気 〇更 年 期 症 状 の悪 化 (イライラ、ほてり、激 しい発 汗 ) 《生 殖 腺 を除 去 していない方 の場 合 》 治 療 前 の 性 別 の 特 徴 が 戻 っ てくるこ とが多 く、見 た 目 に変 化 が生 じます 。その ため、定 期 的 にホルモン剤 の補 充 を行 っている人 は、現 在 の見 た 目 を極 力 維 持 する必 要 が出 てきます。ホルモン剤 が手 に入 らない場 合 、周 囲 の 避 難 者 の 目 が気 になって、救 援 センターに居 づらくなる、不 安 によるパニック障 害 を発 症 する等 で仮 設 住 宅 等 に引 きこもりがちになる可 能 性 があります。
21 2.児 童 ・生 徒 に対 する配 慮 ・対 応 平 成 28 年 4 月 、文 部 科 学 省 から『性 同 一 性 障 害 や性 的 指 向 ・性 自 認 に係 る、児 童 生 徒 に対 するきめ細 やかな対 応 等 の実 施 について(教 職 員 向 け)』が発 出 され、多 様 な 性 自 認 ・ 性 的 指 向 の児 童 ・ 生 徒 に対 する 具 体 的 な配 慮 事 項 について示 された。また、平 成 29 年 7 月 に閣 議 決 定 された『自 殺 総 合 対 策 大 綱 』には「自 殺 念 慮 の割 合 等 が高 いことが指 摘 されている性 的 マイノリティについて、無 理 解 や偏 見 等 がその背 景 にあ る社 会 的 要 因 の一 つであると捉 えて、教 職 員 の 理 解 を促 進 する」と 記 載 されており、学 校 全 体 で理 解 を醸 成 していくことが重 要 である。 また、日 頃 から児 童 ・生 徒 が過 ごす 機 会 が 多 い 子 どもス キッ プ 、区 民 ひろ ば、図 書 館 等 に、 勤 務 す る職 員 等 に 対 し ても、理 解 を促 すことが必 要 である。なお、まだ自 分 のセクシュアリティについて無 自 覚 であ る幼 児 に対 しても 、 人 権 尊 重 の 視 点 をも って、 「 個 」を尊 重 しな がら 接 す ることが求 められ る。 児 童 ・生 徒 に対 する、さまざまな場 面 における 配 慮 ・対 応 について示 していく前 に、前 提 となる重 要 な点 を以 下 に挙 げておく。 <児 童 ・生 徒 に対 する配 慮 ・対 応 における重 要 な点 > 〇児 童 ・生 徒 の中 に、多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 の当 事 者 が一 定 程 度 いることを認 識 する。 〇 差 別 やい じめ 防 止 の 観 点 か ら 、 多 様 な 性 自 認 ・ 性 的 指 向 に 関 し て 学 校 全 体 で 理 解 を促 進 し、それぞれの「個 」が尊 重 される環 境 を整 える。 〇相 談 があった際 に否 定 や批 判 をせず、本 人 の気 持 ちや希 望 を丁 寧 に聞 き、真 摯 に受 け止 めて対 応 する。また、どのような 配 慮 ・対 応 を希 望 しているかは、一 人 ひ とり異 なっているため、一 元 的 な対 応 をしないように留 意 する。 〇 多 様 な 性 自 認 ・ 性 的 指 向 の 児 童 ・ 生 徒 を 、 “ 特 別 な 子 ど も ” と し て 対 応 し な い 。 様 々あ る個 性 の 一 つとして受 容 する。また 、当 事 者 である児 童 ・ 生 徒 への 配 慮 ・ 対 応 は、その他 の児 童 ・生 徒 と等 しく行 われるもので、“特 別 扱 い”ではないことを 認 識 する。 〇児 童 ・生 徒 の性 自 認 ・性 的 指 向 に関 する配 慮 ・対 応 については、平 成 29 年 3 月 に策 定 され た『 人 権 教 育 プログラム( 学 校 教 育 編 ) 』( 東 京 都 教 育 委 員 会 )を 基 本 とし、区 長 部 局 と教 育 委 員 会 が密 に連 携 を図 り、推 進 していく。 (1)学 校 生 活 上 の配 慮 ・対 応 ①多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 に関 する相 談 体 制 の整 備 自 分 の性 別 が何 であるか、恋 愛 感 情 や性 的 関 心 をどの対 象 に抱 くかなど、性 自 認 や性 的 指 向 は、成 長 するにしたがって自 然 に感 じ取 ったり、無 意 識 に自 覚 したりする ものである。児 童 ・生 徒 によっては、自 分 の性 別 や体 に強 い違 和 感 を覚 えたり、恋 愛
22 対 象 が同 性 であったりなど、周 囲 と異 なる自 分 を 受 け入 れることができず、深 く悩 んで しまうこ とが起 こ りうる。現 在 、児 童 ・ 生 徒 が、本 人 の性 自 認 や性 的 指 向 について相 談 できる場 所 は 多 くなく、学 校 は家 庭 以 外 で悩 みを相 談 できる場 所 として機 能 すべ きである。全 ての教 職 員 や関 係 者 (以 下 「教 職 員 等 」という。)は、多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 に つい て 理 解 し 、 児 童 ・ 生 徒 を 不 用 意 な 言 葉 で 傷 つけな い よ うに す るこ とが 重 要 である。 実 際 の 相 談 内 容 は 、 友 人 関 係 ・ 恋 愛 関 係 に お け る 悩 み か ら 、 設 備 利 用 、 服 装 ・ 髪 型 な ど 、 多 岐 に わ た る こ と が 想 定 さ れ る 。 児 童 ・ 生 徒 から 相 談 を 受 けた際 は、担 任 など 一 部 の 教 員 だけで抱 え 込 まず、管 理 職 、スクールカウンセラー、養 護 教 諭 など、複 数 の 教 職 員 等 が連 携 して対 応 にあたることが必 要 である。 児 童 ・生 徒 が自 分 自 身 のセクシュアリティを可 能 な限 り秘 匿 しておきたい場 合 があ ること等 に留 意 しつつ、本 人 に対 し、教 職 員 等 の間 で情 報 を共 有 する意 図 を十 分 に 説 明 し、対 応 を進 めることが重 要 である。 また、連 携 する対 象 には、本 人 の保 護 者 も 含 まれている。児 童 ・生 徒 によっては、 保 護 者 に自 分 のセクシュアリティについて 伝 えていない場 合 があるため、本 人 の同 意 なく、教 職 員 等 から相 談 の内 容 を伝 えないよう十 分 留 意 する。 学 校 の 中 だ け で 対 応 す るこ と が 難 し い 相 談 内 容 の 場 合 、 外 部 の 相 談 機 関 や専 門 窓 口 に相 談 した り、本 人 に相 談 機 関 の 情 報 を 紹 介 した りす る 必 要 があ る 。そ こ で 、 『 人 権 教 育 プ ロ グ ラム 』 の 主 旨 も 踏 ま え 、 学 校 内 外 に「サポートチーム」作 り検 討 していくことが重 要 である。 また、児 童 ・ 生 徒 が、 外 部 の 相 談 機 関 等 を 利 用 し 始 め ても 、 本 人 の 様 子 や 相 談 の状 況 について定 期 的 に聞 き取 りをするなど、継 続 的 に支 援 していく ことが求 められる。 ②設 備 利 用 についての配 慮 ・対 応 ト イ レ や更 衣 室 等 の 利 用 につい ては 、 施 設 面 の 制 約 を 考 慮 しつつ 、可 能 な 限 り、 本 人 の 希 望 に 寄 り 添 う こ と が 望 ま し い 。 一 人 ひ と り 求 め る 対 応 が 異 な る の で 、 本 人 (必 要 であれば、保 護 者 を交 えて)とよく話 し合 い、どのように対 応 していくのか共 に考 えていくこ とが重 要 であ る。例 えば、トイレの 利 用 につい ては 、自 認 している性 別 のトイ レを 利 用 したい 場 合 も あ れば、 職 員 用 トイレ 、多 目 的 トイレ の 利 用 を 希 望 す る場 合 も あ り、 決 ま っ た 対 応 があ るわ けではな い の で 注 意 す る。 本 人 の 性 自 認 に 沿 った ト イレ 利 用 の希 望 がある場 合 、まず本 人 に対 して、自 身 のセクシュアリティが知 られてしまう リスクについて説 明 し、 そ れを踏 まえてどのような 対 応 をするか、 よく話 し合 うことが重 要 であ る。そ して 、周 囲 の 児 童 ・ 生 徒 に も 当 事 者 の 希 望 につい て 十 分 説 明 し、理 解 を求 めることが必 要 である。 体 育 の 授 業 等 で着 替 えが必 要 な 際 も 、ど の 場 所 を使 用 す るかについ て、施 設 面 の 制 約 を 考 慮 し つつ 、可 能 な 限 り、 本 人 の 希 望 に 寄 り 添 うよう 検 討 す る 。 ト イ レ の 利 用 と同 様 に周 囲 の 児 童 ・ 生 徒 に十 分 説 明 し、理 解 を 求 め ることが必 要 である。お 互 い の 体 を 見 る/ 見 ら れ る 状 況 が発 生 す る場 であ るこ とか ら 、空 い てい る 教 室 の 利 用
23 や使 用 する時 間 帯 をずらすなど、プライバシーを保 護 するための工 夫 が求 められる。 その 他 、健 康 診 断 や宿 泊 行 事 等 で体 を 露 出 せ ざるを 得 ない 場 面 におい ても 、同 様 の配 慮 が求 められる。健 康 診 断 においては、他 の児 童 ・生 徒 と受 診 時 間 をずらす、 宿 泊 行 事 の場 合 は、部 屋 割 りや入 浴 時 間 などに配 慮 する必 要 がある。 設 備 利 用 においては、いずれの場 合 も、当 事 者 である児 童 ・生 徒 の希 望 に寄 り添 う ために十 分 話 し合 うことが基 本 である。その際 、まず本 人 に本 人 のセクシュアリティに ついて周 囲 が知 ってしまうリスク等 についても説 明 し、 また、周 りの児 童 ・生 徒 (または 保 護 者 ) に対 しても 理 解 を求 め 、 誰 も が気 持 ちよく利 用 できるよう に調 整 し てい くこ と が重 要 である。 ③身 だしなみ(髪 型 ・服 装 )、通 称 名 の使 用 について 髪 型 ・ 服 装 ( 普 段 着 、制 服 、水 着 、体 操 着 、ユニフォーム等 )について、児 童 ・生 徒 (または保 護 者 )から、本 人 が自 認 する性 別 に合 わせたいという相 談 があった場 合 、 可 能 な範 囲 で認 めるように検 討 する。 ま た 、学 校 内 で、 本 名 と 異 な る 性 自 認 に合 わ せ た 通 称 名 の 使 用 を 希 望 してい る 場 合 、可 能 な範 囲 でその使 用 を認 めるように検 討 する。認 められない場 合 は、必 要 な 時 以 外 は 名 字 で呼 び 、フル ネーム で呼 ぶこ とを 避 けるな ど 、本 人 の 心 情 に対 す る 配 慮 が求 められる。 ④多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 に関 する情 報 を得 られる環 境 づくりについて 児 童 ・ 生 徒 が、多 様 な 性 自 認 ・ 性 的 指 向 に関 す る情 報 を自 力 で得 ることは容 易 でないと考 えられる。そのため、子 どもたちが一 日 の大 半 を過 ごしている学 校 に、情 報 を 得 る手 段 が 複 数 あ るこ とが望 ま しい 。 例 えば 、 多 様 な 性 自 認 ・ 性 的 指 向 につい て 書 かれた本 や、当 事 者 が自 身 の 成 長 過 程 や過 去 の 経 験 について綴 った 自 叙 伝 等 の 関 連 書 籍 を 配 架 す る こ と は 一 案 で あ る 。 配 架 場 所 に つ い て は 、 当 事 者 で あ る 児 童 ・ 生 徒 や、周 囲 の 子 ど もたちの 心 情 に配 慮 して検 討 してい く。 また、学 校 全 体 で ど の程 度 、多 様 な性 自 認 ・ 性 的 指 向 について 理 解 が進 んでいて、受 容 する環 境 が整 えられているかを踏 まえながら、検 討 していくことが重 要 である。 例 えば、関 連 書 籍 を図 書 室 に配 架 し 、誰 でも気 軽 に手 に取 れるようにする。また、 保 健 室 等 も書 籍 の配 架 場 所 として検 討 できる。養 護 教 諭 は、日 頃 より児 童 ・生 徒 か ら相 談 を受 けることが多 く、本 人 の性 自 認 ・性 的 指 向 について相 談 があった場 合 に、 関 連 書 籍 があることで情 報 を提 供 することができる。加 えて、プライバシーが守 られる 環 境 であ るた め 、 周 囲 の 目 が 気 にな っ て 本 が 読 みづら い 児 童 ・ 生 徒 に と って 有 益 と 考 えられる。 こうした 取 組 みは 、多 様 な性 自 認 ・ 性 的 指 向 に関 する啓 発 と理 解 促 進 が期 待 で きるほか、学 校 全 体 で 多 様 な性 のあり方 を理 解 し、受 容 していく姿 勢 を示 すことがで きる。 ⑤多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 について理 解 を深 める指 導 の実 施 人 権 教 育 の個 別 課 題 の 一 つとして、多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 について取 り上 げる
24 ことが望 まれる。人 はそれぞれかけがえのない個 性 を 持 っており、性 自 認 や性 的 指 向 もその一 つに過 ぎない。お互 いに尊 重 し合 い、認 め合 うことの大 切 さを指 導 することは、 いじめをなくす観 点 から重 要 である。 多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 について授 業 で扱 う場 合 は、まず教 職 員 が正 しい知 識 を 持 ち、学 校 生 活 のあらゆる場 面 で、多 様 性 を尊 重 する気 持 ちを児 童 ・生 徒 が持 てる ように指 導 していくことが重 要 である。 ⑥進 路 指 導 における配 慮 について 児 童 ・ 生 徒 に とっ て、 自 分 の 将 来 を 考 え る 機 会 とな る 進 路 指 導 に お い ても 、 性 自 認 ・性 的 指 向 に配 慮 する視 点 が求 められる。 近 年 、メディアで多 様 な性 自 認 ・ 性 的 指 向 の 人 々について取 り上 げられる機 会 が 多 くなったが、カミングアウトして活 動 している特 定 の著 名 人 のイメージから、当 事 者 と しての生 き方 はこのような感 じだと、当 事 者 の児 童 ・生 徒 が、ステレオタイプ的 に決 め つけてしま うことが想 定 さ れる。メディアで取 り上 げられている生 き方 はあ くまでも一 例 であり、当 事 者 を形 作 っている情 報 の一 部 だけが発 信 されていることも少 なくない。 進 路 指 導 においては、性 自 認 ・性 的 指 向 によって進 路 選 択 に制 限 を受 けることな く、自 分 の希 望 する生 き方 を追 求 していけることを伝 えていくことが大 切 である。 (2)部 活 動 や課 外 活 動 等 における配 慮 ・対 応 部 活 動 や課 外 活 動 等 、通 常 の授 業 と異 なる場 面 では、戸 籍 上 の性 別 によって役 割 が設 定 さ れ るこ とが多 く、 戸 籍 上 の 性 別 と異 な る 性 自 認 の 児 童 ・ 生 徒 にとって精 神 的 苦 痛 となり得 るため、適 切 な配 慮 と対 応 が求 められる。 ま た 、 部 活 動 で 使 用 す る ユニフ ォ ー ム や 物 品 に つ い ても 、 性 別 で 異 な る 場 合 ( 色 の 違 い/ズボン・スカートの違 い等 )は、本 人 の希 望 を聞 いて、可 能 な範 囲 で 配 慮 すること が求 め ら れ る。 着 替 えを す る場 合 も 、 更 衣 室 の 使 用 時 間 を 他 の 児 童 ・ 生 徒 とずら す 、 空 いている教 室 を利 用 するなど、様 々な配 慮 ・工 夫 を行 うことが必 要 である。 体 育 祭 や合 唱 コンクールの参 加 についても、可 能 な 範 囲 で、 本 人 の 希 望 に寄 り添 う ことが望 ましい。様 々な制 約 で希 望 に添 えない場 合 でも、本 人 がやりがいを持 てるような 参 加 の仕 方 について、本 人 とよく相 談 して決 めていく。その 際 、周 囲 の 児 童 ・ 生 徒 の 心 情 にも配 慮 し、本 人 と他 の子 どもたちの双 方 が気 持 ちよく参 加 できるようにすることが重 要 である。 (3)課 外 活 動 先 等 に対 する情 報 提 供 多 様 な性 自 認 ・性 的 指 向 の児 童 ・生 徒 が、課 外 活 動 等 で学 校 以 外 の施 設 や宿 泊 施 設 等 を 訪 れる必 要 がある 際 、当 事 者 の 児 童 ・ 生 徒 に必 要 な 配 慮 や 対 応 につい て、 本 指 針 を配 付 して協 力 依 頼 することが望 ましい。基 本 的 に、該 当 する児 童 ・生 徒 を特 定 して先 方 に伝 える必 要 はないが、安 全 配 慮 等 の理 由 でやむを得 ない場 合 は、あらか じめ本 人 に説 明 し、了 解 を得 てから伝 えるようにする。
25 (4)事 務 手 続 き等 における配 慮 ・対 応 児 童 ・生 徒 に関 わる書 類 (提 出 書 、学 生 証 、各 種 証 明 書 等 )で、学 校 に記 載 項 目 の裁 量 権 があるもののうち、性 別 欄 が設 けられている場 合 、その必 要 性 について改 めて 検 討 するのが望 ましい。 卒 業 等 で学 校 を離 れた元 生 徒 ・卒 業 生 に発 行 する証 明 書 等 の性 別 欄 についても、 その 必 要 性 につい て改 め て検 討 す る 。ま た 、卒 業 後 に 戸 籍 上 の 性 別 や氏 名 を 変 更 し た者 から卒 業 証 明 書 の 発 行 を求 められた場 合 は、戸 籍 を確 認 し、変 更 後 の 性 別 、氏 名 を証 明 書 に記 載 する。 ◆◆ コラム 『通 称 名 を使 用 している児 童 ・生 徒 に対 する配 慮 』 ◆◆ 当 事 者 の児 童 ・生 徒 が、学 校 生 活 を送 るうえで、戸 籍 上 の名 前 と異 なる通 称 名 を使 用 している場 合 、あらゆる場 面 で配 慮 が求 められます。授 業 や部 活 動 、課 外 活 動 時 はもちろん、学 生 証 や名 簿 等 の書 類 上 の配 慮 も重 要 で す。 卒 業 式 等 の式 典 時 も例 外 ではありません。式 典 等 は、全 学 年 の児 童 ・生 徒 、全 教 職 員 のほか、来 賓 や保 護 者 等 も出 席 します。誤 って児 童 ・生 徒 の 本 名 を呼 んでしまうと、本 人 の意 図 しないところでアウティングしてしまうことに なるため、十 分 配 慮 する必 要 があります。