被保険者が病気または負傷のため、労務につくことができず、この間事業所から報酬を受けることができない場合に、被保険者の生 活の安定を図るため、傷病手当金が支給されます。
支給要件
1. 労災保険から給付がある業務災害以外の病気または負傷のため、療養中であること 2. 仕事につけないこと(労務不能であること) ※労務不能の判定は、療養担当者(医師等)の意見を基に被保険者の従事する業務の種別を考慮し、本来の業務に耐えられるか否か を基準としています。 3. 連続する3日間を含み、4日以上労務に服せなかったこと(初めの3日間は連続した3日間を【待期期間】といいます)1. 仕事を休んで給料を受けられないとき
①傷病手当金
○待期が完成するケース ×待期が完成しないケース ・労災保険から給付がある業務災害以外の傷病について、就業時間中に労務不能となって早退した場合、その日を待期の初日として 考える場合にのみ待期期間中に算入されます。また、土日、祝日等の公休日や有給休暇期間も待期期間中に算入されます。 4. 給料(報酬)の支払いがないこと ・休んだ期間について、給料の支払いがない場合に支給されますが、給料の支払いがあっても傷病手当金の額より少ない場合は、そ の差額が支給されます。休
休
休
休
休
出
休
休
傷病手当金支給出 出
出
休 休
出
休
休 休 休 休 休
待期完成出
休 休
休 休 休
休 休 休 休
傷病手当金支給 待期完成 土日祝日の「公休日」や「有給休暇」に ついても、待期期間に算入できます。 待期3日間の考え方傷病手当金~支給例~
労務不能と認められた期間
平成25年7月1日~平成25年7月15日
欠勤・無給の期間(請求期間)
平成25年7月1日~平成25年7月15日
標準報酬月額
28万円
支給日額
280,000 ÷
30 =
9,330円(標準報酬日額)
9,330 ×
2/
3=
6,220円(支給日額)
支給される期間
12日間
(7/4~7/15)
(15日間の休業のうち、始めの3日間は待期期間で支給されない。)
支給額
6,220円×12日=
74,640円
【 申 請 書 名 】 健康保険 傷病手当金支給申請書
【 添 付 書 類 】 ・初回→申請期間とその前1か月分の賃金台帳のコピーと出勤簿のコピー
・2回目以降→給与の支給があるときのみ賃金台帳のコピーと出勤簿のコピー
・退職後の請求で老齢年金を受給している場合、または、障害厚生年金等を受給している
場合は年金証書のコピーまたは年金額改定通知書のコピー
*賃金台帳・出勤簿は、請求期間を含む賃金計算期間分を添付
【 提 出 期 限 】 労務不能であった日ごとにその翌日から2年以内
【 注 意 事 項 】 傷病手当金の申請の際には、給与の支払状況について事業主の証明が必要となりますので、
継続して申請する場合は、なるべく会社の給料締めごと1か月(締日の翌日から次の締日ま
で)を単位として申請してください
支給期間
同一の疾病または負傷及びこれによって発した疾病については、支給開始日から最長で1年6カ月です。
【ポイント1】 傷病手当金の支給期間の起算日は、現実に支給を開始した日からとなります。仮に3日間の待期を完成して4日目も労務不 能のため仕事を休み、給料(報酬)を受けない場合は、4日目から傷病手当金の支給が開始され、その日が起算日となります。 また、給料(報酬)を受けることにより傷病手当金の支給を受けることができなかった場合には、給料の支給がなくなった、 または傷病手当金の額より少ない給料が支給されるに至った日から傷病手当金の支給が開始され、その日が起算日となります。 【ポイント2】 疾病または負傷により労務につくことができず、傷病手当金の支給を受けている間に、別の疾病や負傷により労務につくこと ができない場合は、それぞれについて支給期間を計算します。ただし、重複して支給されません。 【ポイント3】 「同一の疾病または負傷」とは、一回の疾病または負傷で治癒されるまでをいいますが、治癒の認定は必ずしも医学的判断の みによらず、社会通念上治癒したものも認められ、したがって症状もなく相当期間就労後同一疾病再発のときは、別の疾病と みなされることがあります。待期
欠 勤
出 勤
欠 勤
欠勤
支給開始
出勤して給与支払があった期
間も1年6カ月に含まれる
退職した場合でも要件を満たしていれば
残りの期間分の傷病手当金が受けられる
※ 支給対象 期間の例1年6ヵ月
支給
支給
支給されない
支給さ
れない
②傷病手当金 資格喪失後(退職後)の継続給付
退職等で被保険者の資格がなくなった場合であっても、次の支給要件①~②をすべて満たしているときは、退職後も引き続き傷病手 当金の支給を受けることができます。≪支給要件≫
①退職日までに被保険者期間が継続して1年以上あること (ただし、任意継続、共済組合、国民健康保険の加入期間を除く) ②退職日当日において、傷病手当金の支給を受けている、または、受けられる状態であり(1ページの支給要件のうち1~3 を満たしている状態であること)、引き続き継続して、同一の病気やケガ(関連するものを含む)で労務不能であること ※退職後、老齢(退職)を事由とする公的年金を受けている場合、傷病手当金支給額との調整が行われます。傷病手当 金日額と年金額(年額)の360分の1に相当する額を比較し、傷病手当金日額が下回るときは、傷病手当金は支給さ れません。(上回るときは差額が支給されます。)在職中に傷病手当金を受給し、復帰されないまま退職した場合等に申請可能です。
在職中に傷病手当金を受給し、復帰されないまま退職した場合等に申請可能です。
ただし、症状の軽快などにより途中で労務可能となった場合、その後の症状悪化などで再び労務不能となったと
しても支給の対象とはなりません。(1年6カ月間の前に受給終了となります)
被保険者期間が継続して1年以上 休み(傷病手当金受給) 退 職 後 (傷 病 手 当 金 継 続 給 付 の 受 給) 傷病手当金(継続給付)不支給 受給開始 受給開始から1年6ヵ月以内 例1)在職中に傷病手当金を受給し、復帰されないまま退職した場合 休み(傷病手当金受給) 退職後(傷病手当金継続給付の受給) 退職 例2)退職後、1度症状が軽快し労務可能となった場合 症状の軽快等③
傷病手当金が支給調整や支給停止される場合
同一傷病(関連するものを含む)について、厚生年金保険の障害厚生年金(同一支給事由の 障害基礎年金を含む)か障害手当金を受けるようになった場合は、傷病手当金は支給されま せん。 ただし、障害厚生年金の額(同一支給事由の障害基礎年金が支給されるときはその合算額) 資格喪失後に傷病手当金の継続給付を受けている方が老齢厚生年金等の老齢退職年金の受給 者になったときは、傷病手当金は支給されません。ただし、年金額(年額)の360分の1が 傷病手当金の日額より低いときは、差額が支給されます。 傷病手当金と出産手当金が 受けられるとき 資格喪失後老齢年金が受けら れるとき 障害厚生年金か障害手当金を うけられるとき 出産手当金を優先して支給し、その間は支給されません。ただし、すでに傷病手当金を受け ているときは、その支給分だけ出産手当金から差し引いて支給されます。 ただし、障害厚生年金の額(同一支給事由の障害基礎年金が支給されるときはその合算額) の360分の1が傷病手当金の日額より低い場合は、その差額が支給されます。また、障害 手当金の場合は、傷病手当金の額の合計額が障害手当金の額に達することとなる日までの間、 傷病手当金は支給されません。 ※ 障害厚生年金との調整の例 (標準報酬月額20万円、障害厚生年金100万円) ・傷病手当金日額:200,000円÷30日=6,670円 → 6,670円×2/3=4,447円 ・障害厚生年金日額:1,000,000円÷360日=2,777円 ・傷病手当金支給日額:4,447円-2,777円=1,670円 労災保険から休業補償給付を受けている期間に、別の業務災害以外の疾病または負傷のため に労務不能となった場合は、その間傷病手当金は支給されません。ただし、休業補償給付の 日額が傷病手当金の日額より低い場合は、その差額が支給されます。 うけられるとき 労災保険からの休業補償給付 を受給中に別の業務災害以外 の疾病または負傷のために労 務不能となったとき【傷病手当金の不支給事例】
①療養担当者(医師)意見の証明日が見込みとなっている 7月10日の時点で労務不能であったと認められるのは、6月21日から当日までであって7月11日以降は見込みとなっており、 傷病手当金はあくまでも事実に基づいて支給決定することから、事実経過を確認できないものについては支給決定できません。 例えば・・・ どうして? この場合・・・ 申請期間 平成25年6月21日~平成25年7月20日 労務不能と認めた期間 平成25年6月21日~平成25年7月20日 証明年月日 平成25年7月10日 平成25年7月11日~平成25年7月20日 療養のための労務不能と認められないとして、不支給 傷病手当金はあくまでも事実に基づいて支給決定することから、事実経過を確認できないものについては支給決定できません。 どうすれば・・・ 例えば・・・ この場合・・・ 7月20日までの申請をするのであれば、7月11日~7月20日までの期間を再度、労務不能と認めた期間として、7月20日以降 の日付で証明をしてもらい傷病手当金支給申請書を提出することにより、支給の可否について再度審査をしなおします。 申請期間 平成25年6月21日~平成25年7月20日 労務不能と認めた期間 平成25年6月21日~平成25年7月20日 療養の給付開始年月日(初診日) 平成25年6月30日 平成25年6月21日~平成25年6月29日 療養のための労務不能と認められないとして、不支給 ②療養担当者(医師)意見の労務不能と認めた期間が見込みとなっている 25.6.30~25.7.2待期期間 実際の支払開始日は25.7.3初診日である6月30日が初めて受診し療養を開始した日であり、医師が労務不能であったと確認できるのも同日からで どうして? あり、6月29日以前は見込みとなっており、傷病手当金はあくまでも事実に基づいて支給決定することから、事実経過を 確認できないものについては支給決定できません。 6月21日~6月29日までの期間に他の医師に受診している場合は、他の医師から証明をしてもらい傷病手当金支給申請 書を提出することにより、支給の可否について再度審査をして支給の可否を決定する。 他の医師に受診していない場合でも、自費で傷病の療養をしていたことについて相当の証明がある場合は、同様に再度申請 することにより、支給の可否について再度審査をしなおします(非常に難しい)。 ③1年6月の法定給付期間満了となっている 申請期間 平成25年6月15日~平成25年7月20日 病名:肝臓ガン 例えば・・・ 支給済期間 平成23年3月11日~平成23年4月20日 病名:大腸ガン 治療経過等 平成23年4月21日以降、今回申請時までの間、定期的に受診し投薬治療等あり今回の肝臓ガンは大腸 ガンから転移したもの。 この場合・・・平成25年6月15日~平成25年7月20日 法定給付期間満了として、不支給 どうすれば・・・ 肝臓ガンとして新たな申請であり、前回40日間だけの支給でその後2年以上も空いているが、大腸ガンからの転移であり、 今回申請まで継続して治療も受けていることから、同一の疾病での申請となり、平成23年3月11日が支給開開始日となる るため、1年6月の法定給付期間満了日は平成24年9月10日となる。 したがって、今回申請分については支給決定できません。 健康保険傷病手当金は該当しません。年金制度からの障害年金に該当する可能性はあるので、年金担当部署に相談することをお 勧めする(初診日がどの年金制度加入時なのか、症状の程度が該当するのかによる)。 なお、決定に不服がある場合は、決定を知った日から起算して60日以内に社会保険審査官(北海道厚生局内)に審査請求できる。 どうして・・・ どうすれば・・・ 24.9.10