地球からの大気逸散のメカニズム
2015 年 1 月 13 日 西村 二郎、 室谷 金義 概 要 地球の周りには大気がある。しかし、閉じた系ではないので、宇宙に向けて少 しづつ逸散している。有力な原因として、誰しもMaxwell −
Boltzmann
の速度 分布則を挙げるだろう。しかし、これによる逸散量は後述するように無視できる ほど小さい。 太陽系の地球型惑星に関しても、水星と火星の大気が殆どないことの説明がつ かない。地球とほぼ同じ大きさの金星の大気は実に 90 気圧もある。となると、 地球も逸散過程にあり現在の1気圧まで減ったと考えるべきであろう。然らば 、 金星とその他の惑星(水星、地球、火星)との違いは何か。それは地磁気の有無で ある。地磁気がある地球等の惑星では、電離した大気粒子はローレンツ力により 磁極まで運ばれ究極的に逸散すると考えられる。 具体的には、大気圧分布の変極点にあたる高度 120km 以上では、ローレンツ力 の支配下にあると考え、その圧力になる高度プラス X の高度まで上昇し得る大気 粒子は発散すると仮定して、過去と未来の大気圧を推算した。 なお、地球では、金星とは熱的条件が違うため、海が生成したとき、地球誕生 当初は大量に存在したと思われる炭酸ガスが大量に取り込まれた。また生物の活 動により酸素も大気の主要成分となった。したがって現在の大気組成に近くなっ た 6 億年以降が推算の対象となる。 目 次 1.まえがき 2.大気圧分布、温度分布および密度分布 3.電離層の構造 4.Maxwell −
Boltzmann
の速度分布則による逸散 5.内部的要因による地球大気の変遷 6.地磁気の存在下における荷電粒子の逸散 7.過去と未来の地球の大気圧 8.あとがき1.まえがき 地球の周りには大気がある。しかし、閉じた系ではないので、宇宙に向けて少 しづつ逸散している。 地球は 46 億年前に誕生したといわれている。誕生初期には高温であったが、 やがて冷えてきて 38 億年程度前に海ができたと推定されている。 このレポートでは、38 億年前の大気圧はどの程度であったか。そして将来は どのようになるか、を推測することを目的としている。 このような問題を考えるとき、まず挙げられるのが
Maxwell −
Boltzmann
の 速度分布則である。地表において、引力脱出速度をもつ大気粒子は、逸散すべき 最有力候補源である。地表では、大気粒子の平均自由行路は 100Å程度と小さい ので、特定の粒子は別の大気粒子と衝突する可能性が極めて高い。しかしBoltzmann
Maxwell −
の速度分布則が衝突によって変わるわけではないので、 脱出速度をもっている粒子の数は変わらない。厳密に言えば、この速度には温度 依存性がある。でも、高度 120km 程度までは後述するように対数の尺度では変化 が小さい。それ以上の高度では、太陽からの放射熱の影響が大きくなり、速度は より大きくなる。 しかし、詳細は後に譲るとして、このメカニズムによる逸散量は無視できるほ ど小さい。大きさの小さい水星や月ですら無視できる。したがって、地球型惑星 の水星と火星の大気がすでに希薄であることを説明するには別のメカニズムに よる逸散を考えなければならない。 金星には現在でも 90 気圧の大気が存在するという。金星とそれ以外(水星、地 球、火星)との大きな違いは地磁気の事実上の有無である。荷電粒子は磁力線と の交互作用によりローレンツ力を受け螺旋を描きながら磁極を目指す 、ことはよ く知られている(「地磁気による太陽風のブロック」参照)。 地球の場合地上数 10km 辺りから太陽からの高エネルギーの光子との衝突によ り大気の電離が起きる。もっとも、共存している電子との再結合により、夜にな ると電荷を喪失するものもある。高度が高いほど電離状態は保存される。そして 磁極付近に到達した荷電粒子は方向を変え反対方向の磁極を目指すか夜側に延 びている磁力線によって地球から逸散する。地磁気との交互作用により太陽風の 電子も磁極周辺を目指してやってきて大気粒子と衝突しオーロラを発生させる が、大気との衝突確率はそれほど高くはないだろう。プラズマシートからやって くる超高速の電子による逸散効果の方が大きいのではなかろうか。ともかく大気の逸散に効く「実効高さ」があり、その高さまで到達可能な大気粒子は逸散すると 仮定する。このモデルによれば、逸散によって大気が失われるにつれ、電離層の 高さが下がり、逸散が加速されることになる。 1.大気圧分布、密度分布および温度分布 地球の中心を原点とする球座標をとり、微小セル
(
r
,
r
+
∆
r
)
に関する力の釣合 いを考え、微分方程式を解けば大気圧分布、密度分布について次式が得られる 。⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜
⎝
⎛ −
⎟
⎠
⎞
⎜
⎝
⎛
=
r
H
r
v
r
r
2 2 0 * 0 2 02
)
(
exp
σ
ρ
ρ
;⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜
⎝
⎛ −
⎟
⎠
⎞
⎜
⎝
⎛
=
r
H
r
v
P
r
r
P
2 2 0 * 0 2 02
)
(
exp
σ
・・・(2・1) ただしρ
とP
の間には、理想気体の状態方程式から、ρ
σ
2=
P
・・・(2・2)、なる関係がある。 また、地球の半径をr
0 として、P
0=
P
( )
r
0、 ρ
0=
ρ
( )
r
0・・・(2・3)、 さらに
m
kT
r
GM
r
v
(
)
=
2
;
σ
=
0 0 * ・・・(2・4)、とおいた。v
*(
r
)
はr
=
r
に おける引力圏からの脱出速度である。 たたし、G
: 万有引力定数、M
: 地球の質量、k
:Boltzmann
定数、T
: 大 気の絶体温度、m
:大気粒子の質量である。 ここで、理科年表記載の温度分布をグラフ化する(図 1)。 図1 温度分布 大気圧(理論式)を理科年表のデータと比較してみると図 2 のようになる。対数 尺度で考えると、理科年表の変曲点である 120 km 程度の高度までは比較的よい一致を示しているといえよう。 図 2 大気圧分布 理論式の値が理科年表から乖離する原因は、気温変化の影響と電離により大気 粒子が重力支配からローレンツ力の支配下に移るためと考えることができる。 大気の総量を考えるとき、大気密度の理論式により計算すると無限大となる 。 これは、無限遠までこの理論式に従って大気が存在していると仮定しているから である。上述の説明が正しければ、地球の引力に補足されている大気の量は高度 0~120 km(
H
とおく)まで考えればよさそうである。 一方、地球の重力の支配下にある大気の総量は大気圧×地球の表面積からも計 算値することができる。すなわち、 0 2 0 2 0 0 0 2 04
4
g
r
g
P
r
Q
=
π
=
π
ρ
σ
=5.27×1015 ton・・・(2・5)、 ただし、 2 0 0r
GM
g =
・・・(2・6)、とおいた。( )
∫
+=
r H rr
r
dr
Q
0 0 24
π
ρ
≒⎟
⎟
⎠
⎞
⎜
⎜
⎝
⎛
−
−
0 2 2 0 * 2 0 * 2 0 3 02
)
(
exp
1
)
(
2
4
r
H
r
v
r
v
r
σ
σ
ρ
π
≒ 2 0 * 2 0 3 0)
(
8
r
v
r
ρ
σ
π
= 0 2 0 2 04
g
r
ρ
σ
π
・・・(2・7)となり、(2・5)式と一致する。ただし、 0 2 2 0 *
2
)
(
r
H
r
v
σ
≫1、とした。このことから重力の支配下にある大気の総量 は理科年表の変極点程度の高さまでと考えて良いことが判る。 3.電離層の構造 大気粒子が電離すると、螺旋を描きながら、磁極方向を目指して移動する。 3.電離層 図 3 電離層の日変化と高度(km)と逸散モデル 図 4 太陽風と地磁気 太陽風を構成しているプラズマの一部も地球の磁極を目指して降ってくる。 電離層は図 3 のように なっている。高度が低い と夜間は消滅する方向に 動く。電荷を失った大気 粒子は引力の支配下に戻 る。電離した大気粒子は このような挙動をしなが ら次第に磁極へと移動し ていくものと考えられる。プラズマ中の電子は大気粒子と衝突して発光させる。プラスイオンが電子と衝突 しても発光する場合がある。オーロラ発光は目立つが、太陽風の密度は希薄(1cm3 中に 5 個程度)なので衝突する確率は低い。因みに 120 km 上空に存在している大 気の粒子は 1cm3中に 3800 万個程度である。さらに、プラズマシートからは 1k ~ 10keV 級の高速電子も降ってくるといわれている。これは、大気を逸散させるだ けの駆動力を持ち得るが、やはり衝突の確率は低いものと思われる。 そこで、ここでは、高度(km)=120(現在)+X まで上昇しうる大気粒子は全て磁 極まで移動し、遅かれ速かれ宇宙空間へ逸散するものと仮定する。ここでこの高 度は
P
0=
1
気圧のときのもので、大気が失われるにしたがって "電離高度"が下 がることを考慮に入れていることに注意したい。肝心なのは、高度 120km のとこ ろの現在の大気圧(P
1)までは、理論式(2・1)が成り立つということおよび(2・5) 式に基づいて後述の(5・3)、(5・4)式が成り立っていることである。これによって、 大気の逸散は、大気が失われるにしたがって加速されることになる。 4.Maxwell −
Boltzmann
の速度分布則による逸散 地球の中心を原点とする球座標(
r
,
θ
,
φ
)
を考え、大気粒子の速度をv
v
v
v
= φ φ θ θeeee
eeee
eeee
v
v
v
r r+
+
とすると、位置のエネルギーを考慮に入れたBoltzmann
Maxwell −
の速度分布則は、H
=
r
−
r
0 として次式のように表せる。( )
⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜
⎝
⎛
⎟
⎠
⎞
⎜
⎝
⎛
+
−
=
r
H
r
v
v
v
f
r r r 2 0 * 2 2(
)
2
1
exp
2
1
σ
σ
π
・・・(4・1)、( )
⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜
⎝
⎛
−
=
2 22
exp
2
1
σ
σ
π
θ θ θv
v
f
・・・(4・2)、( )
⎟
⎟
⎠
⎞
⎜
⎜
⎝
⎛
−
=
2 22
exp
2
1
σ
σ
π
φ φ φv
v
f
・・・(4・3).Boltzmann
Maxwell −
の速度分布則は衝突後も保たれる。つまり、引力圏か らの脱出速度をもっている大気粒子は衝突によって速度が変わるが、別の粒子に 継承されて、脱出する粒子の統計的な数は変わらないのである。 さて(
r
,
r
+
∆
r
)
層に存在する大気粒子の量:4
π ∆
r
2r
ρ
(
r
)
のうち、引力圏脱出 速度以上の速度をもつ粒子の量は次式で与えられる。r
H
r
v
dv
v
f
r
r
r
dv
v
f
dv
v
f
r
r
r
Q
v r r r r r r v r r 2 2 0 * ) ( 2 ) ( 22
)
(
exp
)
(
)
(
4
)
(
)
(
)
(
4
* 0 * 0σ
ρ
π
ρ
π
−
∆
=
∆
=
∆
∫
∫
∫
∞ ∞ ∞ − ∞ ・・・(4・4).)
,
(
r
r
+
∆
r
層内の大気粒子は平均して、r
+
∆
r
2
1
の位置に存在していると考え れば、この高度における引力圏脱出速度以上の速度の平均値を<
v
*(
r
)
>
とする と、この層から出るのに必要な時間は、>
<
∆
=
∆
)
(
2
1
*r
v
r
t
・・・(4・5)、で与えられ る。ただし、∫
∫
∫
∞ ∞ ∞−
−
=
>=
<
) ( 2 2 * 2 2 0 * ) ( ) ( * * * *)
(
2
)
(
exp
2
)
(
exp
2
)
(
)
(
)
(
r v r r r v r r r v r r rdv
v
f
r
v
r
H
r
v
dv
v
f
dv
v
f
v
r
v
π
σ
σ
σ
・
・・・(4・6). (4・4)、(4・5)、(4・6)より地球の引力を振り切って逸散する量は次式で与えられる。π
32
=
=
dt
dQ
q
・ 2 0r
・ρ
0・σ
・⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜
⎝
⎛ −
2 2 0 *2
)
(
exp
σ
r
v
・・・(4・4). 大気の総量に対する逸散量の割合は、(2・5)、(2・6)および(4・4)式より、τ
= 2 2 0 *2
)
(
exp
2
σ
σ
π
v
r
g
q
Q
=
・・・(4・5)、 で表される。これを逸散時間と名 付けることにする。ただし、g
は重力の加速度である。T
が一定と見なせる場合には、τ
も一定である。その場合、(2・5)、(4・4)、 (4・5)式より、⎟
⎠
⎞
⎜
⎝
⎛
−
=
⇒
=
+
τ
τ
Q
Q
Q
t
dt
dQ
exp
0
0 ・・・(4・6) となる。 都合がよいことに、(4・5)式においては
ρ
0 が分子分母で相殺されている。こ のため、われわれは地表の大気密度の値を気にすることなく逸散時間を計算する ことができる。 なお、τ
50=
τ
ln
2
=
0
.
693
τ
・・・(4・7)、とおけば、τ
50は半減期を意味する。 地球型惑星(水星、金星、地球、火星)および月について、半減期を計算すれば、 表 1 のようになる。表 1
Maxwell −
Boltzmann
の速度分布則起因の逸散の半減期(1) 平均温度、大気成分、大気圧は現在の値(Wiki-Pedia 参照)である。 表1によれば質量が比較的大きな大気粒子については、水星や月のような質量 が小さな星においてもMaxwell −
Boltzmann
の速度分布則起因の逸散は無視で きることがわかる。質量の小さい気体分子(H2、He、H2O)の半減期を平均温度が 1000 K の場合を含めて計算すると表 2 のような結果が得られる。水素ガスの逸 散は温度を 1000 K とすれば半減期は、金星の場合で 2.5 年、地球の場合でも 19 年と短い。またヘリウムも金星で7百万年、地球で 4 千 5 百万年で半減する。月、 水星、火星程度の大きさの星では、分子量 18 の大気(水)でも逸散しうることが わかる。 表 2Maxwell −
Boltzmann
の速度分布則起因の逸散の半減期(2) 水星 金星 地球 火星 月 H2T
(K) 440 737 288 210 250 50τ
(Y) 1.39×10-3 214 1.36×1017 12.6 2.60×10-4 H2T
(K) 1000 1000 1000 1000 1000 50τ
(Y) 1.33×10-4 2.50 19.0 3.12×10-4 6.79×10-5 HeT
(K) 1000 1000 1000 1000 1000 50τ
(Y) 8.18×10-4 7.00×105 4.48×107 4.55×10-3 9.47×10-5 H2OT
(K) 1000 1000 1000 1000 1000 50τ
(Y) 1500 5.00×1044 9.59×1052 3420 5.15×10-3 ※)逸散量が無視できる大きさの場合はグレー表示にした。 水星 金星 地球 火星 月 直径(km) 4.879 12.104 12.742 6.794 3.472 質量(ton) 3.30×1020 4.87×1021 5.97×1021 6.42×1020 7.35×1019 平均温度(K) 440 737 288 210 250大気成分 O2,Na,H2,He CO2,N2 N2,O2,A CO2,N2,A A,He
平均分子量 20.79 43.44 28.96 42.76 30.11
大気圧(atm) 10-12 90 1 0.0075 10-17
50
τ
(BY) 5.43×107 1.05×10150 3.55×10300 1.04×10119 2.43×103地球型惑星は同じような生成理由に基づいて誕生したことを考慮に入れると 、 どの惑星にも生成当初には、金星のように、炭酸ガスが主体の濃厚な大気が存在 していたものと考えられる。表 1、2 から言えることは
Maxwell −
Boltzmann
の 速度分布則起因によって、月、水星、火星には僅かな大気しか残っていないこと、 地球にも 1 気圧しか残っていないことの説明がつかない。 したがって、大気の逸散については、別のメカニズムを考えなければならない。 それには、宇宙空間への逸散を論じる前に、誕生してからの地球の内部的要因に 基づく大気の変遷についての理解が必要である。 5.内部的要因に基づく地球大気の変化 地球が誕生したころの大気中には炭酸ガスが大量に存在していたと考えられ る。地球は金星よりも質量が 22.6%多いので大気圧も金星の 90 気圧以上あった のではなかろうか。しかし金星とは熱的条件が違う。現在の金星の惑星アルベド (太陽光の反射率)は 0.7、地球のそれは 0.3 といわれている。これは金星に温暖 化ガスである炭酸ガスが大量に存在するためと考えられている。その結果、金星 が受けている太陽からの放射エネルギーは、太陽に近いにも拘らず、地球よりも 少ない。しかし、温室効果により灼熱環境を保っている。ここで、太陽からの放 射エネルギーは、恒星のライフサイクルからいって、増加しつつあり、 46 億年 前には現在の 70%程度であったことに留意して頂きたい。 一方、地球では冷却により 38 億年前に海ができた。海は炭酸ガスを吸収する。 他方、火山活動は炭酸ガスと水蒸気を供給する。とにかく、海ができたことで 、 大気圧は大幅に落ちたに違いない。 地球の場合、炭酸ガスバランスは増減のサイクルを繰り返しながら、平均的に は減少してきたと考えられている。炭酸ガスが少なくなれば地球は寒冷化に向か う。実際、過去に3回(22.2、7、6.5 億年前)も全球凍結が起きている痕跡があ るという。凍結しても、火山活動によって炭酸ガスが増えてくれば温暖化が進み 凍結は解消する。また炭酸ガスの消費(→地表の化学風化反応)には温度依存性が あり、都合がよいことに、自己制御性を有している。 酸素は好気性バクテリア(シアノバクテリア)を起源として 24.5 億年前に現在 の 10 万分の 1 を越え、約 6 億年前に現在のレベルに達した、と考えられている。 このような事情を考慮すれば、地球からの大気の逸散を考える場合、大気が現 在の組成に近くなったとき以降について論ずべきことのように思われる。 6.地磁気の存在下における荷電粒子の逸散図 3 に示されているように、(高度=120+X)km まで到達した大気粒子は全て逸 散するものとすると、このメカニズムによる逸散量は (4・2)式において、第二宇 宙速度の代りに、高度
H
X= 120
+
X
註)まで到達可能な初速( XH
g
02
)を代入 して次式で与えられる。(註:ここでは km 表示したが、然るべき単位を用いる)。π
32
=
q
・ 2 0r
・ρ
0・σ
exp
02σ
XH
g
−
・・・(5・1)、 (2・5)、(5・1)より、+
Q
=
0
dt
dQ
xτ
・・・(5・2)、 ただし、 2 0 0exp
2
σ
σ
π
τ
x xH
g
g
=
・・・(5・3). 充分に小さな時間刻み(∆
t
)を用いれば、t
q
Q
=
−
∆
∆
・・・(5・4)、 として大気の総量の変化を推算することができる。 (2・5)、(2・2)式において差分をとれば次式が得られる。 2 2 0 * 0 02
)
(
σ
ρ
v
r
V
Q
∆
=
∆
・・・(5・5)、 0 2 0=
σ ∆
ρ
∆P
・・・(5・6). 図 3 の電離高度における大気圧をP
1とすれば(2・1)式の大気圧に関する式から 0P
∆
に対する∆
r
1が得られる。 0 2 2 0 * 1 0 1 1 2 2 0 * 0 12
log
)
(
2
2
log
)
(
exp
P
e
r
v
P
r
r
r
H
e
r
v
r
r
X∆
+
⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜
⎝
⎛
⎟⎟
⎠
⎞
⎜⎜
⎝
⎛
−
=
∆
σ
σ
・・・(5.7). これらの差分を使ってq
、Q
、ρ
0、P
0、H
Xを次々に更新することによって 夫々の時間的変化を求めることができる。すなわち、(
n
1
)
H
( )
n
r
1H
X+
=
X+
∆
・・・(5・8)、を (5・1)式に代入してq
(
n
+
1
)
を求め、(5・4)、(5・5)、(5・6)によって∆
Q
、∆
ρ
0、∆
P
0 を計算し、次式によって夫々の時間変化を計算するのである。(
n
)
Q
( )
n
Q
Q
+1
=
+
∆
・・・(5・8)、(
)
0( )
0 01
ρ
ρ
ρ
n
+
=
n
+
∆
・・・(5・9)、(
)
0( )
0 0n
1
P
n
P
P
+
=
+
∆
・・・(5・10). 6.太古の地球と未来の地球の大気圧 ここで、H
X( )
0
=
260
、
270
、
280
km
の3つの場合について地表の大気圧( 0P
) の経年変化を計算すると、次のようなグラフが得られる。ただし、前節で述べた ような理由により、過去に関しては 6 億年まで遡るに止めるべきである。その際、 地球全面凍結の時代があり、地表の温度は現在のものとは違っているが、それも 無視することにする。 どのケーススタディが真実に近いか、決めるには、現在の大気圧の他に過去の 大 気 圧 が せ め て 1 点 は 欲 し い 。 し か し 残 念 な が ら 定 か で は な い 。 仮 に( )
km
H
X0 =
270
がこの場合に近いとすれば 3000 万年後の大気圧は 0.6 気圧と なる。また、1 億年前の大気圧は 2 気圧以上もある。新聞報道(2014 年 9 月 5 日 付け日経新聞)にあった、発育途上で現在のアフリカ象の 12 頭分もある巨大恐竜 が発生した理由も、その辺にあるのかも知れない。 図 5 過去の大気圧 図 6 未来の大気圧7.まとめ ①大気圧分布(理科年表)の変極点(≒120 km)以上の高度に存在する大気は、電離 によりローレンツ力の支配下にあると考えて計算した大気の総量は、地表の大気 圧×表面積から得られる値とよい一致を示している。 ②