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調査の実施背景 介護保険制度が 2000 年に創設されてから 10 年余りが過ぎました 同制度は 家族介護をあてにせずに在宅介護ができる支援体制を整えることを目的として発足されたものですが 実際には 介護の担い手としての家族の負担 ( 経済的 身体的 精神的負担 ) は小さくありません 今後 ますま

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Academic year: 2021

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2011年 11 月7日 第一生命保険株式会社(社長 渡邉 光一郎)のシンクタンク、株式会社第一生命経済研究所 (社長 長谷川 公敏)では、11 月 11 日の「介護の日」を前に、全国の 20 歳から 69 歳ま での正社員として働いている人で、現在あるいは過去に親(配偶者の親を含む)の介護経験が ある人を対象に、標記についてのアンケート調査を実施いたしました。 この程、その調査結果がまとまりましたのでご報告いたします。 親の介護の主な担い手 (P.2) ● 主な介護の担い手 男性は「配偶者」、女性は「自分」の割合が最も高い 介護の前後における意識の変化 (P.3) ● 介護をする前に比べ、介護を経験した後、「地域の介護サービスのことを知るようになった」、 「自分の自由な時間が減った」、「自分が介護が必要になったときのことも考えるようになっ た」人が8割以上 介護のためのリフォームの内容 (P.4) ● 「廊下やトイレ等の手すりの設置」が約8割 介護のためのリフォーム費用 (P.5) ● 介護のためのリフォーム費用の平均金額は約 97 万円 介護保険サービスにかかる月額費用 (P.6) ● 介護保険サービスにかかる月額費用の平均金額4万 2,854 円 介護保険以外の月額費用 (P.7) ● 介護保険以外の費用として、約8割の人が医療費を支払い、その平均月額は 1 万 7,132 円 介護費用をまかなっている資金 (P.8) ● 第1位は「要介護者(もしくはその配偶者)の公的年金」83.5%、第2位は「回答者自身(もしく はその配偶者)の就労による収入」36.3% 介護を経験する前と経験後に知りたい知識 (P.9) ● 介護経験前は「介護保険制度」や「介護保険から受けられるサービス内容」、経験後は「介護 施設の種類」や「寝たきり予防」も知りたい内容 ㈱第一生命経済研究所 ライフデザイン研究本部 研究開発室 広報担当(安部・新井) TEL.03-5221-4771 FAX.03-3212-4470 【アドレス】http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/ldi <お問い合わせ先>

全国の親の介護経験がある正社員に聞いた

『親の介護に関するアンケート調査』

~正社員として働く人の介護による経済的、身体的、精神的負担~ ≪調査結果のポイント≫ ※ 本リリースは、厚生労働省記者クラブ、 日銀記者クラブに配布しています。

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≪調査の実施背景≫

介護保険制度が 2000 年に創設されてから 10 年余りが過ぎました。同制度は、家族介護 をあてにせずに在宅介護ができる支援体制を整えることを目的として発足されたものです が、実際には、介護の担い手としての家族の負担(経済的、身体的、精神的負担)は小さ くありません。 今後、ますます要介護者が増えることが見込まれている中、当研究所では仕事を持ちな がら介護をしている人の介護実態に注目し、アンケート調査を実施しました。 調査結果の中から、今回は、主に介護にかかる様々な費用等についての分析結果を紹介 します。

≪調査の実施概要、回答者の特性≫

1.調査地域と対象 全国の 20~69 歳までの正社員として働いている人で、現在あるいは過去に、自分も しくは配偶者の親の介護をしている(したことがある)人が対象。 2.サンプル数 953 人 現在、自分もしくは配偶者の親の介護をしている人 472 人 過去に、自分もしくは配偶者の親の介護をしたことがある人 481 人 このニュースリリースでは、このうち、介護保険制度を利用している人(587 人)を 対象にした分析結果を使用しています。 3.調査方法 株式会社クロス・マーケティングに委託して、インターネット調査により実施。 4.実施時期 2011 年 9 月 22 日~10 月 2 日 5.本稿で使用したサンプルの属性(性・年代別) 全体 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 平均 (人) 587 16 69 190 257 55 (%) 100.0 2.7 11.8 32.4 43.8 9.4 (人) 372 4 40 110 177 41 (%) 100.0 1.1 10.8 29.6 47.6 11 (人) 215 12 29 80 80 14 (%) 100.0 5.6 13.5 37.2 37.2 6.5 全体 男性 女性 48.9歳 49.9歳 47.1歳

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図表1 主な介護の担い手(全体、性別)

親の介護の主な担い手

主な介護の担い手 男性は「配偶者」、女性は「自分」の割合が最も高い

29.0 22.3 40.5 25.0 25.5 24.2 18.2 26.1 4.7 13.5 15.3 10.2 7.5 6.5 9.3 4.3 11.1 6.8 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=587) 男性(n=372) 女性(n=215) 自分 自分の親(要介護者の配偶者) 配偶者 ホームヘルパーや介護職員 自分の兄弟姉妹(の配偶者) その他 現在および過去における親(配偶者の親を含む)の介護経験について、そのときの要介 護者を主に介護している(していた)人(以下「主な介護の担い手」)は誰かをたずねた結 果、全体では、「自分」すなわち回答者自身が主な介護者であるとの回答が 29.0%で最も多 く、次いで「自分の親(要介護者の配偶者)」(25.0%)、「配偶者」(18.2%)、「ホームヘル パーや介護職員」(13.5%)などの順となっています(図表1)。 これを性別にみると、男性は、「配偶者」が 26.1%で最も高く、「自分」(22.3%)や「自 分の親(要介護者の配偶者)」(25.5%)を上回っています。男性の場合、親(配偶者の親 を含む)の介護を、配偶者に任せている人が少なくないことがわかります。 一方、女性は、「自分」が 40.5%で最も高いという結果です。本調査はすべて正社員を対 象としています。女性の場合は、配偶者等に頼らず、主に自分が働きながら親の介護を担 っている人が多いことがわかります。

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図表2 介護の前後における意識の変化(全体、介護の担い手別) 92.4 88.3 49.4 51.2 81.3 26.5 55.6 62.2 71.2 38.7 39.5 51.3 79.4 81.9 82.1 86.2 83.5 90.0 27.6 67.0 61.2 60.6 84.7 26.1 33.6 35.5 44.9 53.2 62.9 65.7 75.8 84.7 77.9 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 地 域 の 介 護 サ ー ビ ス の こ と を 知 る よ う に な っ た 自 分 の 自 由 な 時 間 が 減 っ た 自 分 が 介 護 が 必 要 に な っ た と き の こ と も 考 え る よ う に な っ た 精 神 的 に 疲 れ る よ う に な っ た 身 体 的 に 疲 れ る よ う に な っ た 家 族 や 親 族 の 絆 が 強 く な っ た 家 計 が 厳 し く な っ た 睡 眠 時 間 が 減 っ た 職 場 の 同 僚 等 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 減 っ た 仕 事 の 時 間 が 減 っ た 近 所 づ き あ い が 増 え た 全体(n=587) 自分が主な担い手(n=170) 自分以外が主な担い手(n=417) (%)

介護の前後における意識の変化

介護をする前に比べ、介護を経験した後、「地域の介護サービスのことを

知るようになった」、「自分の自由な時間が減った」、「自分が介護が必要

になったときのことも考えるようになった」人が8割以上

注:数値は、「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」の合計値である。 親の介護をする前と比べて、介護中(あるいは介護後)の生活や意識にどのような変化 があったかをたずねた結果が図表2です。 全体では、「地域の介護サービスのことを知るようになった」(86.2%)が第1位で、以 下、「自分の自由な時間が減った」(82.1%)、「自分が介護が必要になったときのことも考 えるようになった」(81.9%)などと続いています。 この意識変化について、自分が主な介護の担い手である人と、自分以外が主な介護の担 い手である人との回答割合を比べてみますと、自分が主な介護の担い手である人は、そう でない人よりも「睡眠時間が減った」「身体的に疲れるようになった」「仕事の時間が減っ た」などの項目の回答割合が高くなっています。 働きながら自分が主に介護をしている人にとっては、介護前の生活に比べ、睡眠時間の 減少や身体的疲労を強く意識していることがわかります。

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図表3 介護のためのリフォームの内容<複数回答> 79.7 28.2 21.8 18.9 12.4 23.7 20.1 13.0 11.0 6.8 7.3 0 10 20 30 40 50 60 70 80 ① 廊 下 や ト イ レ な ど に 手 す り を 設 置 し た ② 住 宅 内 の 床 の 段 差 を な く す た め に ス ロ ー プ を 設 置 し た ③ 畳 か ら フ ロ ー リ ン グ 等 へ の 変 更 、 階 段 や 通 路 の 滑 り 止 め 等 、 床 や 通 路 の 材 質 を 変 更 し た ④ 和 式 便 器 を 洋 式 便 器 に 取 り 替 え た ⑤ 扉 を 引 き 戸 な ど に 取 り 替 え た ⑥ 浴 槽 を 入 り や す い も の に 取 り 替 え た ⑦ 火 災 ・ ガ ス 漏 れ 、 漏 電 な ど の 自 動 警 報 ・ 通 報 装 置 を 取 り 付 け た ⑧ 台 所 の コ ン ロ を 安 全 で 使 い や す い も の に し た ⑨ 緊 急 通 報 装 置 を 取 り 付 け た ⑩ 廊 下 な ど の 幅 を 車 椅 子 で も 通 れ る よ う に 広 く し た ⑪ そ の 他 ( %) (n=354)

介護のためのリフォームの内容

「廊下やトイレ等の手すりの設置」が約8割

注:要介護者が施設入所をしている人以外で、介護のためのリフォームを実施した人が対象。 介護保険利用者のうち、施設入所以外の在宅介護をしている人(501 人)について、介護 のためのリフォームの実施状況をみると、リフォームをおこなった人は 70.7%、おこなっ ていない人は 29.3%でした(図表省略)。 図表3は、リフォームをおこなった人(354 人)について、その内容を複数回答でたずね た結果を示したものです。第1位は「①廊下やトイレなどに手すりを設置した」(79.7%)、 第2位「②住宅内の床の段差をなくすためにスロープを設置した」(28.2%)でした。これ らを含め①から⑤までは介護保険が適用される住宅改修です。 他方、介護保険の適用外ではありますが、「⑥浴槽を入りやすいものに取り替えた」 (23.7%)「⑦火災・ガス漏れ、漏電などの自動警報・通報装置を取り付けた」(20.1%) は約2割の回答であり、便器や扉の交換といった介護保険が適用される住宅改修項目を上 回っています。

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20万円を超える 額から50万円ま で, 18.1 10万円を超える 額から20万円ま で, 11.6 50万円を超える 額, 25.4 10万円まで, 44.9 (単位:%) (n=354)

介護のためのリフォーム費用

介護のためのリフォーム費用の平均金額は約 97 万円

図表4 介護のためのリフォームにかかった費用の分布 リフォームをおこなった人を対象に、介護保険による給付を含め、介護のためのリフォ ームに要した費用をたずねた結果、平均金額は約 97 万円(n=354)でした(図表省略)。 このリフォーム費用の分布をみますと、「10 万円まで」が 44.9%、「10 万円を越える額か ら 20 万円まで」が 11.6%、「20 万円を越える額から 50 万円まで」が 18.1%であり、50 万 円までが7割以上を占めていますが、25.4%を占める「50 万円を超える額」と回答した人 が平均金額を引上げているとみられます(図表4)。

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図表5 介護保険サービスにかかる平均月額費用の分布、平均月額 (全体、要介護度別、要介護者との住まい方別)

介護保険サービスにかかる月額費用

介護保険サービスにかかる月額費用の平均金額4万 2,854 円

介護保険利用者の介護保険サービスにかかる1か月の費用(介護保険制度における居宅 介護サービスや施設介護サービスの利用料の他、各種の加算、支給限度額を超えた場合の 自己負担分などを含む)の平均金額は4万 2,854 円(n=587)でした(図表5)。 この平均月額費用の分布をみると、「1 万円未満」が 20.4%、「1 万円以上 5 万円未満」が 47.0%、「5 万円以上 10 万円未満」が 19.1%、「10 万円以上」が 13.5%となっています。 要介護度別に介護保険サービスにかかる1か月の費用の分布をみると、介護度が高いほ ど金額も高い傾向があることがわかります。また要介護者との住まい方別にみると、施設 等に入所している人、要介護者とは別に住んでいる人(別居)、要介護者と同居している人 の順で、介護費用の金額が高い傾向があります。 20.7 21.0 12.2 23.6 17.8 16.3 47.0 62.2 43.0 48.9 45.8 36.0 52.8 46.5 29.1 8.6 8.5 23.0 25.6 20.8 24.7 16.0 20.7 25.6 13.3 29.1 20.4 40.0 33.3 20.0 12.4 45.7 46.3 11.1 19.1 15.0 7.6 27.0 13.3 13.0 9.3 5.7 13.5 8.5 0% 20% 40% 60% 80% 100% 全体(n=587) 要支援1(n=35) 要支援2(n=54) 要介護1(n=82) 要介護2(n=100) 要介護3(n=90) 要介護4(n=120) 要介護5(n=89) 同居(n=288) 別居(n=213) 施設入所(n=86) 1万円未満 1万円以上5万円未満 5万円以上10万円未満 10万円以上 【要介護度別】 【要介護者との住まい方別】 42,854円 平均月額 23,205円 35,583円 27,516円 43,564円 47,754円 44,450円 65,045円 32,682円 45,608円 70,096円

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図表6 介護保険以外の平均月額費用

介護保険以外の月額費用

介護保険以外の費用として、約8割の人が医療費を支払い、

その平均月額は 1 万 7,132 円

17,132 15,348 12,739 7,578 6,431 0 5000 10000 15000 20000 医療費(n=457) 家事代行など介護保険に含まれないサービス利用料 (n=218) 配食サービス費用(n=155) 移動のための交通費(n=289) おむつ代(n=351) (円) 注:各費用を支払っている人が対象 図表5などに示した介護保険サービスにかかる費用(自己負担分)の他、多くの人は介 護保険以外の費用も負担しています。 こうした介護保険以外の費用のうち、医療費、家事代行など介護保険に含まれないサー ビス利用料、配食サービス費用、移動のための交通費、おむつ代について1か月にかかる およその金額を回答してもらいました。 図表6は、それぞれの費用項目に回答した人の平均金額を示したものですが、費用項目 によって回答者の人数が異なりました。医療費については、介護保険を利用している人 (n=587)のうち 457 人(全体の 77.9%)が回答していますが、家事代行など介護保険に含 まれないサービス利用料については 218 人(同 37.1%)、配食サービス費用については 155 人(同 26.4%)、移動のための交通費については 289 人(同 49.2%)、おむつ代については 351 人(同 59.8%)となっています。医療費やおむつ代は比較的多くの人が支払っている 費用項目ですが、配食サービスや家事代行など介護保険に含まれないサービス利用料につ いては相対的に少ないことがうかがえます。 介護保険以外の費用について、支払っている人の平均金額を費用項目別にみますと、医 療費が最も高く 1 万 7,132 円、次いで家事代行など介護保険に含まれないサービス利用料 が 1 万 5,348 円、配食サービス費用が 1 万 2,739 円、移動のための交通費が 7,578 円、お むつ代が 6,431 円となっています。

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図表7 介護費用をまかなっている資金<複数回答>

介護費用をまかなっている資金

第1位は「要介護者(もしくはその配偶者)の公的年金」83.5%、

第2位は「回答者自身(もしくはその配偶者)の就労による収入」36.3%

83.5 36.3 25.4 10.9 9.0 7.8 7.8 3.4 1.7 1.0 0 20 40 60 80 100 要介護者(もしくはその配偶者)の公的年金 あなた(もしくはその配偶者)の就労による収入 要介護者(もしくはその配偶者)の預貯金、有価証券など 親族の資金 あなた(もしくはその配偶者)の預貯金、有価証券など 要介護者(もしくはその配偶者)の就労による収入 要介護者が加入している民間の介護保険 あなた(もしくはその配偶者)の公的年金 要介護者(もしくはその配偶者)の不動産などの売却資金 その他 (%) (n=587) 図表7は、介護保険利用者について、介護にかかる費用をどのような資金でまかなって いるか(いたか)を複数回答によりたずねた結果を示したものです。「要介護者(もしくは その配偶者)の公的年金」が 83.5%で第1位、次いで「回答者自身(もしくはその配偶者) の就労による収入」が 36.3%で続いています。 要介護者自身の資金でまかなっている人が多いものの、回答者自身の就労による収入で 支えているという人も少なくないことがわかります。

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図表8 介護を経験する前と経験後に知りたい知識<3 つまでの複数回答>

介護を経験する前と経験後に知りたい知識

介護経験前は「介護保険制度」や「介護保険から受けられるサービス内

容」、経験後は「介護施設の種類」や「寝たきり予防」も知りたい内容

49.6 39.4 29.6 15.5 15.3 15.2 12.4 11.8 9.7 9.5 8.3 5.1 2.7 0.5 14.3 20.3 16.5 12.6 12.4 9.5 16.7 16.2 11.8 12.1 11.8 13.6 10.2 7.7 0.7 21.3 0 10 20 30 40 50 介護保険制度 介護保険から受けられるサービス内容 介護費用の目安 介護技術(衣服の着脱、おむつ交換、車いす 操作の方法など) 介護の相談窓口 介護施設の種類 介護施設を選ぶ場合のポイント 認知症 勤務先の介護と仕事の両立支援制度 介護と仕事との両立方法 寝たきり予防 民間の介護保険 成年後見制度 その他 特にない 介護を経験する前に知って おけばよかったと思うもの 今から知りたい・学びたいと 思うもの (%) (n=587) 介護保険利用者に対し、介護を経験する前に知っておけばよかったと思う知識について たずねた結果をみると、「介護保険制度」(49.6%)、「介護保険から受けられるサービス内 容」(39.4%)、「介護費用の目安」(29.6%)が上位を占めていました(図表8)。 また、今から知りたい、学びたいと思う知識をたずねましたところ、介護を経験する前 に知っておけばよかったと思う知識と同様に、「介護保険制度」や「介護保険から受けられ るサービス内容」が上位を占めていました。ただし、「介護施設の種類」(16.7%)、「介護 施設を選ぶ場合のポイント」(16.2%)、「寝たきり予防」(13.6%)などは、介護を経験す

(11)

る前に知っておけばよかった場合の回答割合を上回っています。介護を経験する前に知っ ておけばよかった知識と介護を経験した後に獲得したい知識とは、若干異なっていること がわかります。

≪研究員のコメント≫

今回は、仕事を持ちながら介護をしている人を対象に実施したアンケート調査結果から、 介護の経済的負担を中心に、精神的、身体的負担感をたずねた結果を紹介しました。 介護の担い手についてみますと、男性では「配偶者」、女性では「自分」と回答した人が 最も多く、働いている人でも女性は自分が主に介護を担っている人が多いことがわかりま した。 また、自分が主な介護の担い手であるという人は、自分以外が主な介護の担い手である と回答した人よりも、睡眠時間が少ないことや身体的疲労を訴えている人が多く、働きな がら主な担い手となって介護をすることの大変さが浮き彫りになりました。 こうした身体的、精神的負担に加えて、経済的負担も大きいことがわかりました。例え ば、介護のために負担したリフォーム費用をみますと、平均して約 97 万円に上っています。 また、介護保険サービス以外の、医療費や保険外サービス利用料などの負担も少なくあり ません。 こうした費用を、要介護者の公的年金で賄っている人が8割以上を占めていますが、ご 自身が働いた収入で賄っているという人も約4割となっています。 まさに、介護の経済的負担を考えると働いていることが必要でありますが、働きながら の介護は身体的、精神的に大きな負担であるという実態が浮き彫りになりました。 今後ますます要介護者が増えることが見込まれている中、いかに仕事と介護の両立を図 るかが課題といえます。働きながら介護をする人の負担を軽減するための支援策を社会全 体で考えることが重要です。 (研究開発室 主任研究員 的場康子)

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