• 検索結果がありません。

-CC-99_1-本文.indd

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "-CC-99_1-本文.indd"

Copied!
9
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1

はじめに

 わが国の固有種として知られる大型陸生貧毛類のシ− ボルトミミズ(Metaphire sieboldi (Horst, 1883)) は, 日 本に8年間余り滞在したPh. F. von Sieboldによって収集 された動物標本の中から, 環形動物の標本11種12点の 中 の1標本 に も と づ い て,R. Horstが1883年 に 記載 し Sieboldに献名した種である(Horst, 1883; 上野, 1987; 山口, 1993; 渡辺, 2012).その後,新たに記載されたMetaphire communissima (Goto & Hatai, 1899) は,その形質が類似し ていることからM. sieboldiのシノニムではないかとの疑 義が提起されたが, わが国の陸生貧毛類研究の草分けで M. communissimaの記載者の一人である畑井新喜司博士 は,疑問とされたこれら2種の形質の詳細な説明を行い, 両種は異種であるとの見解を明かにして事は収められた経 緯がある(畑井, 1931). このことによりM. sieboldiは国 内外の研究者に名の知れた種となっている.標本を直接に 観察する機会がなく, 研究初期の簡略な記載にもとづき 同定を行った場合に起りがちな問題提起の例であり, 分 類研究者にとって留意すべき教訓を与えた1件であった. Metaphire sieboldiであることの決め手となる形質につい ては, 最近刊行された石塚・ 皆越(2014) による「ミミ ズ図鑑」に掲載されており,本種ならびに類縁種の区別は 比較的容易である(石塚, 2001).  Metaphire sieboldiの分布に関する研究は近年急速に進 んでおり,西日本における分布に関しては Minamiya et al. (2009) の系統地理学的研究がある.本種の原産地は関西地 方の紀伊半島・四国の東部域と推定されており,その分散 については,反時計まわりに中国地方・四国西部地方・九 州地方へと生息域は拡大したという興味深い報告が 2011 年の日本土壌動物学会で大賀らによりなされた.九州本島 では北部の福岡県から南部の鹿児島県まで生息している ことが確認されており, その分布は著者による県別の調 査報告に詳しい(上平, 2004, 2008, 2010, 2012, 2014, 2015, 2016).しかし,本種は九州本島であるならどこにでも普 通に観察される種とはいえず,偏在した分布をしているよ うである.  本研究は,九州本島のほぼ全域にわたる陸生貧毛類の調 査を終えたのを機会に, 大型種のM. sieboldiについて, その偏在する分布の原因を探るため, 生息環境である土 Edaphologia, No. 99: 1–9, December 15, 2016

九州本島におけるシーボルトミミズ Metaphire sieboldi (Horst,1883)

(貧毛亜綱:フトミミズ科)の地理的分布に関する考察

上平幸好

函館短期大学 〒042-0955 函館市高丘町52-1 kamihira@hakodate-jc.ac.jp

Received: 12 February 2016; Accepted 4 July 2016

Abstract Consideration of the geographical distribution of Metaphire sieboldi (Horst,1883) (Oligochaeta: Megascolecidae) on Kyushu Island, Japan. Yukiyoshi Kamihira (Hakodate Junior College, 52-1, Takaoka, Hakodate-shi,, Hokkaido, 042-0955 Japan).

  The present study was carried out to clarify the distribution of the Japanese earthworm Metaphire sieboldi (Horst,1883) on Kyushu. The survey of 255 locations covering almost all the Island was conducted from 2002 to 2014. This species was collected at 31 locations. The results indicated that M. sieboldi were un-uniformily distributed on Kyushu. Although adding results of information collected by other research fellows, there was no change in the uneven distribution. To find out the cause of this distribution, relationships to the soil type, geology and vegetation at the appearance locations of this species were discussed. The appearance frequency of M. sieboldi was clearly higher in old soils (Yellow-Brown Forest soils, Red-Yellow soils) than in comparatively new soils (Kuroboku soils, Grey Lowland soils). This uneven distribution seems to be mainly affected by weathering volcanic ash (Kuroboku soils) which is the result from the huge Aso-4 eruption, and the result from the Aira caldera formation. Kuroboku soils become a barrier for the distribution of M. sieboldi, and the habitat of this species was estimated in the broad-leaved forest on Kyushu Island. 

(2)

壌・地質・植生との関連を調べた.その結果,本種の分布 は地史的に新しい火山灰性土壌によって妨げられていると の結論を得たので報告する.  調査地の概況を以下に記す.九州本島は日本列島の南西 部に位置し,離島を除いたその面積は約35,640 km2ある. 中央に九州山地があり中心をなすのは阿蘇山で, 東西18 km,南北25 kmに及ぶ世界でも最大級のカルデラを有し ている(小野・ 渡辺, 1985). 地質学的知見によれば, 九 州本島は大分県臼杵と熊本県八代を結ぶ臼杵–八代線(古 中央構造線)によって南北に区分され(木村ら, 2003; 堤, 2014),また,北側の地域については火山の分布状況から 北部九州と中部九州に分けられて,その境界をなすのは松 山–伊万里構造線である(唐木田ら, 1992).  北部は比較的なだらかな山地で,火山活動にともなって 地下から貫入した花崗岩類などからできており,南部は白 亜紀から第三紀にかけて海洋プレ−トの沈み込みによって 生成された付加体であり,このため地質的に北部と南部は 全く異なっているという(木村ら, 2003). また, 中部九 州は第四紀火山とその噴出物を取り除くと瀬戸内海に続く 多島海域になるというが(貝塚, 1986),それが阿蘇山の4 回にわたる大噴火によって溶岩で埋まり,一つの九州島に なったと考えられている.  九州の山地は,北東から南西へ伸びる九州山地とその周 辺に位置する幾つかの火山で特徴づけられて,北部九州に は,筑紫山地・筑肥山地・水縄山地・背振山地・三郡山地 など非火山性の山塊があり,中部九州や南部九州では,阿 蘇カルデラや姶良カルデラなどよりもたらされた火山噴出 物によって,基盤となる地層は広範囲に覆われている(木 村ら, 2003). 九州山地南部の太平洋側には, 鰐塚山地・ 高隈山地・肝属山地があり,九州山地の南側には霧島山や 桜島がある.別府–島原地溝には阿蘇山をはじめとする多 くの火山がある(図1). 図1.九州本島の地形と陸生貧毛類 Metaphire sieboldiの調査地点(●).

(3)

 土壌は北部九州に赤黄色土が分布し,中部九州では黒ボ ク土と黄褐色森林土が北東から南西方向にかけて分布す る.南部では太平洋側の沿岸部を例外として黒ボク土が観 察されて,太平洋側の沿岸部は黄褐色森林土である.有明 海沿岸には灰色低地土が広がっている(内嶋, 1995).  植生は,相観に重きをおくと九州山地の標高の高い地域 は温帯林(ブナ帯)で,他の大部分の地域は暖帯林(カシ 帯) である. 森林の群系から区分すると, 相観とほぼ同 じ地域がそれぞれ落葉広葉樹林(ブナクラス域),常緑広 葉樹林(ヤブツバキクラス域)である(吉岡, 1973; 宮脇, 1977).

材料と方法

 調査地点数は離島をのぞいた各県の面積を考慮し設け た. しかし, 現地での複雑な地形や調査に時間的制約の あった場合には,地点数を増減せざるを得なかった.各県 で調査した時期と地点数を表1に示した.総調査地点数は 255地点である.平均して一辺が約12 kmの平方区に,1 調査地点を設定した計算になる.各地点では森林 ・ 原野・ 草地・畑地・道路側溝・人家周辺などの様々な土壌環境下 で,ハンドソーティングによる採集を行い,現地で10% ホルマリンの液浸標本を作製した後に研究室での観察に 供した. また, 本調査の結果に他の研究者等による採集 記録や情報を加えて(Sugi and Tanaka, 1978; Minamiya et al., 2009; 石塚, 南谷, 大賀ら, 水流らの未発表データ)本種 の地理的分布を考察した.土壌型と出現頻度との関連を探 るため, 岸根(1966) の紹介する2組の母比率の差の正 規分布検定を用いた.また,Roland (2009) の統計ソフト SPSSを使用して判定結果を点検した.

結果および考察

 九州本島における陸生貧毛類の調査全地点を図1に示 した.県別でMetaphire. sieboldiの最も出現頻度の高かっ たのは宮崎県で, その出現率「(出現地点数/全調査地点 数) × 100」は30.6%であった.次いで高い出現率を示し たのは長崎県(20.0%),大分県(13.2%),熊本県(13.2%) で,これに鹿児島県(6.8%)が続いた.出現率の低かっ たのは佐賀県(3.1%) と福岡県(2.7%) である(上平, 2004, 2008, 2010, 2012, 2014, 2015, 2016).これら一連の 調査から,本種の出現率は九州本島の北部と南部で低く, 東部で高いことが概ね明らかにされた.また,中西部では 中間的な出現率を示した.これら出現率の違いから,本種 の分布は偏在しているよう推察されたので,確かめるため に過去10年間に他の研究者等が採集した記録と出現情報 の寄せられた地点を,著者の調査結果に加えて図2に示し た.本種の分布はこれらの記録補充にもかかわらず,前述 した分布状況と大きな違いはなかったので,M. sieboldiは 偏在した分布をしていると判断された.  次に, 本種の偏在する分布の原因を探るため, 生息環 境である土壌・ 地質・ 植生との関連を調べた.Metaphire sieboldiは土壌の表層ないし浅層域で採集されることが多 いので(石塚, 2001; 上平, 2004; 内田, 2007),まず土壌型 との関連を調べた.九州本島の土壌は5つに大別されおり (天野, 1987; 内嶋, 1995),本研究では内嶋の紹介する九州 農業試験場の詳細な土壌分布図を参照した(図2). 以下 に各土壌の特徴および生成時代等を説明し,各土壌におけ る本種の出現頻度を対比した.  赤黄色土は湿潤亜熱帯常緑広葉樹林や亜熱帯雨林に主に 分布する成帯性土壌といわれ,脱ケイ酸型土壌でもある. 高温多雨のため植物遺体の分解は早く,腐植A層は薄く, B層の鉄分の酸化程度の強さによって赤色土ないし黄色度 になると説明されている(細野, 1994). 本土壌は主に福 岡県・長崎県・天草諸島と熊本県の宇土半島,そして大分 県南部の佐賀関半島付近で観察される.本来,亜熱帯の樹 林帯に観察されるこの土壌が北部九州を中心に観察される のは,過去の温暖期に生成された土壌が残存した古土壌で あるからという(細野, 1994).また,佐瀬(1994)によ れば,この赤色土を阿蘇山大噴火の火山灰が覆っているの で, その生成時期は最終間氷期(13.1∼11.6万年前) の 最盛期と推定されている.本土壌の分布する11地点でM. sieboldi を採集した.  九州の森林土を, 天野(1987) と内嶋(1995) は褐色 森林土と紹介しているが,日本ペドロジスト懇談会の見解 によると,褐色森林土は湿潤冷温帯の落葉広葉樹(ブナ・ ミズナラなど)に広く分布する成帯性土壌を指し,シイ・ 県 名 県 面 積* 調査地点数   調査時期 宮崎県 7,735 km2 36地点 2002年5月中旬2003年5月中旬~下旬 福岡県 4,955 km2 37地点 2006年6月中旬 2007年6月中旬と9月中旬 佐賀県 2,425 km2 32地点 2006年6月中旬 大分県 6,330 km2 38地点 2010年6月中旬2011年8月中旬 熊本県 7,350 km2 38地点 2012年6月下旬と8月上旬 鹿児島県 6,770 km2 44地点 2013年8月上旬と10月中旬 長崎県 2,680 km2 30地点 2014年10月中旬 表1.九州地方の各県における大型陸生貧毛類の調査地点数と 調査時期. *島嶼面積を差し引いた県面積,ただし橋で結ばれ車乗り入れ ができ,調査した島は県面積に算入. 九州におけるシーボルトミミズの地理的分布 3

(4)

カシなどの湿潤暖温帯照葉樹林(暖温帯常緑広葉樹林)に 分布する成帯性土壌は黄褐色森林土として区別している (細野, 1994).九州の植生は亜高山帯をのぞいて,その大 部分がシイ・カシなどの暖温帯常緑広葉樹林なので(吉良 ら, 1980), 本稿では同懇談会の見解である黄褐色森林土 の名称を採用する.  この土壌は国東半島から多良岳までの中九州山地にか けての高地と, 九州山地から南九州西部山地にかけての 高地,そして南九州東部山地で観察される(細野, 1994). 勘米良(1995) によれば, 九州山地は中期更新世(70∼ 13万年前)以降に隆起し始めて,黄褐色森林土の生成は, 氷期には冷温帯夏緑樹林の影響を一時的に受けた時期も あったが, 完新世の今日までとされる. 著者は本土壌の 18地点でM. sieboldi の生息を確認した.  黒ボク土は風化火山灰を母材にして,黒色で無機物との 混和が進んだ屑粒構造をなす腐植質のA層をもつ土壌をい う(細野, 1994).この土壌は中九州火山群のある地域と, 南九州火山群のある地域で観察される.佐瀬(1994)は, 黒ボク土が生成されはじめたのは3万年前のことと説明 している. 本調査では, この土壌の分布域でM. sieboldi を全く採集できなかった.  灰色低地土は河川の乱流地帯の後背地に広く分布し,粘 質で,地下水位が比較的高いために下層土が弱還元,グラ イ化して灰色を呈する非成帯性土壌である(細野, 1994). 主に有明海に面する佐賀県・福岡県・熊本県の沿岸域と宮 崎県の太平洋沿岸の一部に観察される.比較的まとまった 本土壌の分布域である佐賀平野の南部域は,背振山間に源 を発する河川の運搬作用と有明海の潮流堆積作用によって 図2.九州本島の土壌分布と陸生貧毛類Metaphire sieboldiの出現地点.土壌分布図は九州農業試験場 研究資料59号 (1980) にもとづく.●:著者により生息が確認された地点,◎:南谷・大賀・石塚・ 水流の各氏より情報のあった地点.

(5)

できた, いわゆる河海成の沖積平野で, 河川の乱流地帯 の後背地に分布する土壌が中心となっている完新世(沖 積世)の土壌である(細野, 1994).本土壌の分布域でM. sieboldiを2地点で採集した.福岡県での出現は赤黄色土 の隣接地であり,宮崎県の出現は黄褐色森林土の隣接地で あった.新しく形成され養分豊かな灰色低地土への樹木の 進出にともない,隣接土壌より本種が除々に生息域を広げ ている例と考えることができそうである.  以上の土壌型は, 九州農業試験場(1980) ならびに天 野(1987) との共通した分類型であるが, これに九州農 業試験場は,宮崎県の太平洋沿岸中央地区に極めて狭い範 囲ではあるが灰色台地土(石灰質)を記録し,他方,天野 は宮崎県北部の山中でポドソル土を認め,この土壌を九州 山地の北部に近い高千穂峡付近の狭い2地域で記録して いる.一般にポドゾル土は亜寒帯気候下の針葉樹林帯に分 布するものを指すが,宮崎県のこの土壌の生成過程は不明 である.これら狭い灰色台地土とポドゾル土の分布域に調 査地を設定していない.  表2に, 土壌型別の調査地点数ならびにM. sieboldiが 出現した地点数を示した. 黄褐色森林土における本種の 出現率は高かったが(19.8%), 赤黄色土壌での出現率 (16.2%)とには統計的な差異は認められなかった(0.036 < Z0.05 = 0.121).すなわち,双方の土壌型でのM. sieboldi 出現率には違いがあるとはいえないと判定された.黄褐色 森林土における本種の出現率は, 灰色低地土での出現率 (5.4%)とには差異が認められ(0.144 > Z0.05 = 0.110), 灰色低地土での出現率は低いと判定された.赤黄色土と灰 色低地土での双方の土壌型間における出現率に統計的な 差異は認められなかった(0.108 < Z0.05 = 0.114).また, 黒ボク土に本種は全く出現しなかったので黄褐色森林土 (0.198 > Z0.05 = 0.082),赤黄色土壌(0.162 > Z0.05 = 0.088) とには明かに差意が認められた.黒ボク土と出現率の低い 灰色低地土とに差異は認められなかった(0.054 < Z0.05 = 0.073).  地史的に土壌形成の早かったのは黄褐色森林土と赤黄色 土で,遅いのは黒ボク土と灰色低地土である.この双方の 土壌グループ間で,本種の出現率には有為差が認められた (0.162 > Z0.05 = 0.066).すなわち,地史的に古い土壌で ある黄褐色森林土と赤黄色土にM. sieboldiは出現してい たといえる.事実,93.5%に相当する本種の出現地点はこ れらの古い土壌においてであった.  Metaphire sieboldi が黒ボク土に出現しない理由を探るた め,地質学的知見に照らし本土壌の成因を考察した.黒ボ ク土は中九州火山群と南九州火山群の位置する一帯に広く 分布している(天野, 1987; 細野, 1994). 上平(2014) は 熊本県北部の台地に本種が全く出現しなかったことについ て,阿蘇山大噴火(Aso-4, 9.0-8.5万年前,KA法)による 大量の火山灰放出と降下火砕物 ・ 火砕流(テフラ)に起因 すると報告している.すなわち,阿蘇火山の周囲に広い溶 岩台地が形成されたことで(日本列島の地質編集委員会, 1996),移動力の貧弱な貧毛類はその地で死滅・排除され たが,その後も,この台地では有機物に富んだ厚い土壌の 回復ははかばかしくないことから,新しい溶岩台地への本 種の進出は阻まれていると推察した.佐瀬(1994)は,指 標テフラ層を時間目盛りとして推定すると,九州の風化火 山灰が黒ボク土へと生成がなされ始めたのは3万年前のこ とであるという.したがって,阿蘇山の最終噴火から5.5 ∼6万年を経て,ようやくにして黒ボク土の生成は始まっ たことを佐瀬の報告は教示しており,その経過時間の長さ は,本土壌層の厚さが今なお貧弱なことを推測せしめる.  2012年の集中豪雨で, 中部九州は土砂流失等の大被害 を受けた.その2ヵ月後に著者は現地を視察し,阿蘇カル デラ内にある草千里ヶ浜付近で,火山性の小山をなす微地 形(高さ20 mないし30 mほど) を被覆している芝状の 土壌が,広範囲にわたって擦り落ちているのを観察した. 黒ボク土へと変化しつつあるその土壌の厚さは10 cm程 で,植物由来の有機質に富んだ厚い土壌への遷移は遅々と して進んでいないことが理解された.養分豊かな黄褐色森

2.調査地点の土壌型とMetaphire sieboldi の出現状況.

土 壌 型

調査地点数 出現地点数 出現地点数

/調査地点数 (%)

赤黄色土

68

11

16.2

黄褐色森林土

91

18

19.8

黒ボク土

59

0

0

灰色低地土

37

2

5.4

255地点

31地点

表2.調査地点の土壌型とMetaphire sieboldiの出現状況. 九州におけるシーボルトミミズの地理的分布 5

(6)

林土や赤黄色土の森林に生息しているM. sieboldiが, 有 機質層の貧弱な黒ボク土へその分布域を広げることは難し いと考えられた.  なお, 著者は先に熊本県の報告で(上平, 2014), 黒ボ ク土に本種が出現したと記述しているが,後日,詳しい土 壌分布図を入手したので,あらためて本種の出現地点と照 合し検討した結果,誤っていたので訂正する.  南九州火山群のある鹿児島県には,阿蘇大噴火よりも新 しい姶良カルデラ(2.9∼2.6万年前,C14法)と鬼界カル デラ(7,300年前,C14法) の生成に起因する, シラスや アカホヤ堆積物からなる台地や丘陵地が広がっている(町 田・荒井, 1980; 成瀬, 1985; 町田ら, 1986).これらの台地・ 丘陵地は黒ボク土に相当する地域であるが,著者はこの土 壌の分布域でM. sieboldiを採集していない. この事実を 根拠として,入戸火砕流堆積物(姶良カルデラの成因によ る)であるシラス台地への本種の進出は阻まれていると結 論した(上平, 2015).  シラスが貧毛類の生息に不適な土壌であることの直接 的な根拠は, その主成分がケイ酸や酸化アルミニウムな どからなる火山ガラスにある. これに斜長石や石英など も含まれていて,また,50∼58%の空隙があり粘土や有 機物をほとんど含まない. このため透水性は高く水分と 養分の吸着保持力はないという(鹿児島県工業技術セン ター, 2005).さらに,シラスが厚く堆積している場所で は,その一部が堆積時の熱のために溶けて結合し,溶結凝 灰岩となりシラス台地を造っている(河室, 1988). その ためシラス台地は非常にやせており植物の生育ははかばか しくない.事実,大部分が葉片状の火山ガラスのアカホヤ の分布域では, 樹木成長の障害となっているといわれる (河室, 1988).植物由来の養分豊かな森林土壌に生息する M. sieboldiにとって,有機堆積物が極端に少なく火山ガラ スを主体とする火山灰性土壌は, 貧毛類の生息地として 不適と考えられた.また,本種は直射日光に弱く(上平, 2004),乾燥で硬化するシラスなどの火山灰性土壌に孔を 穿ち潜入することは難しい.適度な湿度のある土壌環境を 好む本種にとって,保水力の極めて低いシラスは不適な土 壌と結論される.  なお, シラス台地と見なされる地域に,M. sieboldiが 出現した特異な例が他の研究者からの報告として3例 あった. その1例は霧島山周辺である(Minamiya et al., 2009).著者は現地を訪れ地形等の観察を行い,そこでの 本種の出現を次のように考えた.霧島山周辺には急峻な地 形が存在しており,降下火山灰は雨などで流失しシラス層 が薄いこと,さらに凹凸のある地形的特徴は,動物の保護 ないし逃避の場を提供しているように観察された.前述の 阿蘇山(Aso-4)大噴火によって形成された溶岩台地とは 異なり,霧島山周辺の特殊な地形の存在は隔離された個体 群を形成せしめ,結果的にその小さな集団をシラスの堆積 から保護しているように推察される.鹿児島市の高台にあ る公園付近での出現例も同様と考える.他の1例は,南九 州市付近での孤立的出現である(Minamiya et al., 2009). 現地付近は断層の移動によって形成された比較的高い崖の ある特異な地形が観察される揖宿山地の境界域であった が,その周辺域も偶然に本種の生息に可能な地域になって いるように考えられた.霧島山周辺や南九州市周辺の特殊 な地形における本種の出現を考えると,シラス台地とされ る地点での本種の出現報告は,今後もあり得ると考える.  以上,阿蘇山大噴火(Aso-4)に起因する溶岩台地と姶 良カルデラの成因によるシラス台地では,その後の風化作 用で火山灰性土壌が形成されつつあるが,M. sieboldiの分 布拡大はそれらの火山噴出物により阻止されていることを 説明した.  火山活動が動物の分布に影響を与えることについては, Sakamoto et al. (2009)によるHynobius yatsui Oyama, 1947 (コガタブチサンショウウオ)の系統地理学的研究で報告さ れている.別府−島原地溝を境として,この種は北部側と 南部側の非火山性山地に2系統存在しているが,漸新世に 火山活動の活発であった同地溝には発見されず,また南部 の九州山地の系統では多くの遺伝的変異のある集団が見つ かっていると報告されており,その2系統の分岐は同地溝 で起った火山活動により誘発されたと推測している.  本研究対象であるM. sieboldiに関しては,九州には九州 東部系統・九州南部系統・大分系統の系統群が存在するこ とをMinamiya et al. (2011) が報告している.系統群の分岐 には生息地の分断と隔離,遺伝子交流の妨げが関与してい ると考えられることから,九州本島の地史的成立過程,特 に阿蘇火山と姶良カルデラ等の形成にかかる火山活動と本 種の系統群分岐の関連の解明が,今後の研究課題となる.  次に,本種の出現地点を現生の植生図に重ねて双方の関 連を調べた.九州山地の標高約 1,000 m以上では落葉広葉 樹林(ブナ帯温帯林) が観察され, およそ800 mを越え ると照葉樹林にモミやツガの針葉樹が混生する.この森林 帯は「モミ ・ ツガ帯」と呼ばれることもあるが,この帯に は常緑広葉樹が多いので, これを照葉樹林帯に含めるこ とも多いという(田川, 1995). 他の地域は広く常緑広葉 樹林(照葉樹林帯,カシ帯暖帯林)である(塚田, 1974). 本研究対象としたM. sieboldiは, 九州本島で偏在した分 布をしつつも比較的広範囲に分布していることは前述のと おりであるが,モミ ・ ツガ帯においても5地点で観察され た.本種は,この帯を含めた照葉樹林帯に生息している種 といえよう.しかし,本種の生息域は照葉樹林であると断 定することには注意が必要である.なぜなら,第四紀更新

(7)

世の氷期,九州本島における2万年前の植生は冷温帯夏緑 樹林で,当時,照葉樹林はわずかに九州南端の屋久島,種 子島に存在したという(塚田, 1974). さらに最寒冷期の 2万5千年前に九州一帯は温帯性針広混交林であったと言 われる(福嶋・ 岩瀬, 2005). 他方,M. sieboldi の九州大 分系統は46万年前に, 九州南部の系統は55万年前にそ れぞれ分化したとの研究報告があるので(Minamiya et al., 2011),九州本島における植生の変遷史と本種の系統分化 した時期を考慮すると,寒冷期の植生下においても本種は 生存しえたことが示唆されていると考えざるをえない.  結論として, 最終氷期後, 約12,000年前からの2,000 年間に急激に温暖化して,現在の気候環境とほぼ同様な状 況になったと考えられているので(福嶋・ 岩瀬, 2005), 九州本島で M. sieboldi は暖温帯照葉樹林に生息している と考えてよい.しかし,本州中部地方における本種の出現 地点の中には,必ずしも照葉樹林帯でない例もある(山口, 1970).たとえば長野県志賀高原付近の,現在としては比 較的冷涼な地域であるが,ここに出現記録があるのは,最 終氷期に本種は亜寒帯針葉樹林内で生活せざるを得ない時 期には耐えたか,あるいは暖かな気候帯の植生である夏緑 広葉樹林まで退いた後に,暖期となった現在,あらたに夏 緑広葉樹林になった地域に分布を拡げている,小個体群の 個体が偶然発見されたのではないかと考えられる例があ る.また最近調査した静岡県で,山梨県との境にある畑薙 第1ダム付近の旧道の堆積落葉中より本種の亜成体を採 集したが(上平, 2016), この地点は標高930 mほどの落 葉広葉樹林中で,赤石山脈の山間部を源流とする大井川上 流に位置する静岡市葵区田代の紅葉の名所として知られる 地区であった.Metaphire sieboldi が出現したこれら両地 点の植生を考慮すると,九州本島においても落葉広葉樹林 (ブナ帯)に本種が出現する可能性は否定できず,精査が 今後の課題として残された.

謝 辞

 本稿をまとめるに当たり,石塚小太郎博士には文献と採 集情報の提供ならびに最近出版された図鑑を寄贈頂きまし た.南谷幸雄博士には最新の貴重な文献と採集情報の提供 を,また佐賀市の水流利徳氏には調査旅行中に佐多岬近く でお会いし,後日,本種の分布について確かな出現情報を 頂きました.京都大学名誉教授の渡辺弘之博士には,多忙 にもかかわらず快く原稿に目を通して頂き,ご教示と激励 を賜りました.函館短期大学の清水陽子助教には統計処理 で協力頂きました.編集幹事の唐沢重考氏には,投稿原稿 の処理に関し丁寧な指導ならびに数々の教示を,また査読 者の方々には適切な修正意見を頂きました.農業・食品産 業技術総合研究機構,九州沖縄農業研究センター情報広報 課の東條一夫氏には,九州農業試験場で作成した図の掲載 に関する相談で,多忙のところ調べ頂き,また有益な助言 を賜りました.小学館と岩波書店には調査地点の作図で, 参考とする地形図等の利用を認め頂きました.皆様に心よ り感謝申し上げます.

摘 要

 九州本島をほぼ網羅する255地点で, 日本固有種であ る Metaphire sieboldi (シーボルトミミズ)の分布調査を行 い,31地点でその生息を確認した. 九州北東部と南部で 出現頻度は低く,東部で高いことが判明した.出現頻度の 違いから本種の分布は偏在しているように推察されたの で,著者の結果に他の研究者による本種の出現報告と情報 提供の結果を加え再度検討したが,分布状況に大きな違い は認められなかった.この偏在する分布の原因を解明する ため土壌型との関連を調べた.地史的に古い土壌である黄 褐色森林土と赤黄色土での本種の出現頻度は高く,新しい 灰色低地土では低かった.この灰色低地土は河海成の若い 土壌であるが,森林土への遷移が進みつつある地域では, 隣接する土壌域から本種が進出しつつある例を観察した. 阿蘇-4大噴火を起因とする広い溶岩台地を覆う黒ボク土 に本種は出現せず,また,姶良カルデラの生成に起因する シラス台地でも,その出現はごく稀であった.それぞれの 台地を覆っている新しい火山灰性土壌は,その特徴的な性 状で本種の台地への進出を妨げ分布の障壁になっていた. 出現地点と植生図との照合により,最終氷河期以後の九州 本島における本種の生息地は照葉樹林帯であると結論した が,2万年前の最終氷期に,九州本島全域は冷温帯夏緑樹 林に覆われていたとする研究報告を考慮すると,本種は照 葉樹林内でなければ生息できないとはいえないことを,本 州における観察例をあげて指摘した. キーワード:ミミズ,地理的分布,シーボルトミミズ,土 壌型,植生

引用文献

天野洋司,1987.九州地方の火山灰と土壌,「日本の自然 1 火山と地震の国」(中村一明・松田時彦・守屋以智 雄編),p. 312.岩波書店,東京. 福嶋司・岩瀬徹編著,2005.図説日本の植生.朝倉書店, 東京. 畑井新喜司,1931.シーボルトミミズ(Pheretima sieboldi Horst)と普通ミミズ(Ph. communissima Goto and Hatai), 動物学雑誌,43: 260–266.

Horst, R., 1883. New species of the genus Megascolex templeton (Perichaeta Schmarda) in the collections of the Leyden Museum. Notes Leyden Museum, 5: 182–196.

(8)

細野衛,1994.土壌の分布と種類,「地表環境の地学―地 形と土壌 ―」(地学団体研究会[新版地学教育講座 」 編),pp. 149–169.東海大学出版会,秦野. 石 塚 小 太 郎,2001. 日 本 産 フ ト ミ ミ ズ 属(Genus Pheretima s. lat.)の分類学的研究.成蹊大学一般研究 報告,33(3) : 1–125. 石塚小太郎・皆越ようせい,2014. シーボルトミミズ,「ミ ミズ図鑑」pp. 54–55.全国農村教育協会,東京. 鹿児島県工業技術センター編,2005. 鹿工技ニュ ース No.68「Q & A」,2005年1月. 貝塚爽平,1986.多様な姿をみせる九州の山やま,「日本 の自然2 日本の山」(貝塚爽平・鎮西清高・小疇尚・ 五百沢智也・ 松田時彦・ 藤田和夫編),pp. 197–212. 岩波書店,東京. 上平幸好,2004. 九州地方における陸棲貧毛類の調査報 告I,―宮崎県で採集された種類と分布―.函館大学 論究,35: 91–102. 上平幸好,2008. 九州地方における陸棲貧毛類の調査報 告II,―福岡県で採集された種類と分布―.函館短期 大学紀要,34: 31–38. 上平幸好,2010. 九州地方における陸棲貧毛類の調査報告 III,―佐賀県で採集された種類と分布―.函館短期大 学紀要,36: 35–42. 上平幸好,2012. 九州地方における陸棲貧毛類の調査報告 IV, ―大分県で採集された種類と分布―. 函館短期 大学紀要,38: 41–49. 上平幸好,2013. 中部地方における陸棲貧毛類の調査報告 II,―山梨県で採集された種類と分布―,函館短期大 学紀要,39: 41–48. 上平幸好,2014. 九州地方における陸棲貧毛類の調査報告 V,―熊本県で採集された種類と分布―.函館短期大 学紀要,40: 37–48. 上平幸好,2015. 九州地方における陸棲貧毛類の調査報告 VI, ―鹿児島県で採集された種類と分布―. 函館短 期大学紀要,41: 49–60. 上平幸好,2016. 九州地方における陸棲貧毛類の調査報告 VII,―長崎県で採集された種類と分布―.函館短期 大学紀要,42: 11–18. 勘米良亀齢,1995.九州山地はいつ高くなったか,「日本 の自然地域編7 九州」(内嶋善兵衛・勘米良亀齢・田 川日出男・小林茂編),pp. 60–63.岩波書店,東京. 唐木田芳文・早坂祥三・長谷義隆,1992.日本の地質「九 州地方」,共立出版,東京. 河室公康,1988.九州の火山灰土壌.九州の森と林業,3: 1–2. 木村幸一・ 田中幸生・ 石塚光司・ 綿引多実子,2003. 九 州地方の古地理に関する調査.国土地理院時報, 102: 91–101. 吉良竜夫・四手井綱英・沼田真・依田恭二,1980. 日本の 植生,「日本の自然」(坂口豊編),岩波書店,東京. 岸根卓郎,1966.理論・応用統計学.養賢堂,東京. 九州農業試験場,1980. 写真でみる九州の土壌と農業, 「九州農業試験場研究資料59号, 図2」(農林水産省 九州農業試験場編),p. 9. 日本列島の地質編集委員会編,1996. 九州四国地方の地 質, 日本における大規模火砕流―分布と地形の関係 ―,「理科年表読本 コンピュータグラフィックス 日 本列島 の 地質」(工業技術院地質調査所監修),pp. 20–41,pp. 116–117.丸善,東京. 町田洋,1986.史上最大級の噴火,「日本の自然8 自然の 猛威」(町田洋・小島圭二編),pp. 35–50.岩波書店, 東京. 町田洋・新井房夫,1980.広域分布する火山灰―姶良Tn 火山灰の発見と,その意義―,「日本の自然」(坂口豊 編),pp. 183–191.岩波書店,東京. 町田洋・ 新井房夫,2011. 新編火山灰アトラス―日本列 島とその周辺.東京大学出版会.東京.

Minamiya, Y., Yokoyama, J. and Fukuda, T., 2009. A phylogeographic study of the Japanese earthworm, Metaphire sieboldi (Horst,1883) (Oligochaeta: Megascolecidae): Inferences from mitochondrial DNA sequences. European Journal of Soil Biolgy, 45: 423– 430.

Minamiya, Y., Ohga, K., Hayakawa, H., Ito, K. and Fukuda, T., 2011. Technical advances, Coelomic fluid: a noninvasive source of DNA in earthworms. Molecular Ecology Resources, 11: 645–649 宮脇昭,1977.日本の自然と植物―日本の自然植生図―, 「日本の植生」(宮脇昭編),pp. 6–9.学習研究社,東 京. 中村一明・ 松田時彦・ 守屋以智雄著,1986. 九州地域の 火山と地震,「日本の自然1 火山と地震の国」(貝塚爽 平・鎮西清高ほか編),pp. 284–312.岩波書店,東京. 成瀬洋,1985.火山灰とシラス台地―南九州―,「日本の 自然7 日本の平野と海岸」(貝塚爽平・成瀬洋・大田 陽子編著),pp. 136–145.岩波書店,東京. 小野晃司・ 渡辺一徳,1985. 阿蘇火山地質図解説. Available at https://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/aso/ text/exp04-1.html (accessed June 16, 2016).

Roland, E., 2009. パソコンで簡単!すぐできる生物統計 (打波守・野地澄晴訳).羊土社,東京.

(9)

Uchino, A., 2009. Phylogeography of Hynobius yatui (Amphipoda:Caudata) in Kyusyu, Japan. Zoological Science, 26: 35–47.

佐瀬隆,1994. 古土壌とは何か,「地表環境の地学 ― 地 形と土壌―」(地学団体研究会 「 新版地学教育講座 」 編),pp. 170–179.東海大学出版会,秦野.

Sugi, Y. and Tanaka, M., 1978. Population study of earthworm, Pheretima shieboldi. In:Biological Production in warm-temperature evergreen oak forest of Japan. pp. 163–171. In: Japanese International Biological Programme Synthesis Vol. 18 (eds. Kira, T., Ono., Y. and Hosokawa, T.), University of Tokyo Press, Tokyo. 田川日出男,1995.故郷の山の照葉樹林―九州山地,「日 本の自然地域編7 九州」(内嶋善兵衛・勘米良亀齢・ 田川日出男・小林茂編),pp. 40–59.岩波書店,東京. 塚田松雄,1974. 古生態学II(生態学講座27b). 共立出 版,東京. 堤之恭,2014.絵でわかる日本列島の誕生.講談社,東京. 山口隆男,1993. シーボルト及びビュルケルの日本の自 然史研究: 特に動物学, とりわけ甲殻類に関する貢 献,「シーボルトと日本の博物学:甲殻類」(山口隆男 編),pp. 45–144.日本甲殻類学会,東京. 山口英二,1970.ミミズの話―よみもの動物記―.北隆館, 東京. 内田智子,2007.ミミズの生態研究法,「土壌動物学への 招待―採集からデ−タ解析まで―」(日本土壌動物学 会編),pp. 189–192.東海大学出版会,秦野. 上野益三,1987.日本動物学史.八坂書房,京都. 内嶋善兵衛,1995. 巨大カルデラ群と照葉樹林の島―九 州の自然,「日本の自然地域編7 九州」(内嶋善兵衛・ 勘米良亀齢・ 田川日出男・ 小林茂編),pp. 1–18. 岩 波書店,東京. 渡辺弘之,2012.ミミズの雑学.北隆館,東京. 吉岡邦二,1973.植物地理学(生態学講座12).共立出版, 東京. 九州におけるシーボルトミミズの地理的分布 9

参照

関連したドキュメント

る、関与していることに伴う、または関与することとなる重大なリスクがある、と合理的に 判断される者を特定したリストを指します 51 。Entity

(2)特定死因を除去した場合の平均余命の延び

注1) 本は再版にあたって新たに写本を参照してはいないが、

本論文での分析は、叙述関係の Subject であれば、 Predicate に対して分配される ことが可能というものである。そして o

排除 (vy¯avr.tti) と排除されたもの (vy¯avr.tta) を分離して,排除 (vy¯avr.tti)

基準の電力は,原則として次のいずれかを基準として決定するも

である水産動植物の種類の特定によってなされる︒但し︑第五種共同漁業を内容とする共同漁業権については水産動

本判決が不合理だとした事実関係の︱つに原因となった暴行を裏づける診断書ないし患部写真の欠落がある︒この