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男性にとっての結婚相手の条件:結婚を阻害する経済以外の要因の検討 利用統計を見る

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男性にとっての結婚相手の条件:結婚を阻害する経

済以外の要因の検討

著者

赤井 そのゑ

著者別名

AKAI Sonoe

雑誌名

東洋大学大学院紀要

54

ページ

1-19

発行年

2017

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00009723/

(2)

要 旨

本論は、未婚の男性がどのような基準や条件が整えば結婚を決断しようと考えているのか、 経済以外の要因を明らかにすることを目的とした。そのため、経済的に比較的恵まれた属性 の未婚男性10名を対象に、詳細な聞き取り調査を実施した。得られたデータは「修正版グラ ンデット・セオリー・アプローチ」(M-GTA)によって分析し、19のコアカテゴリーを析 出した。 分析の結果、新たに「新しい結婚スタイル志向」意識が指摘されたが、同時に性別役割分 業意識は支持されており、矛盾をはらんでいた。ほかにも、「楽な関係」重視、「結婚リスク 見極めと回避」の考え方や、「定位家族モデル」の活用が新たな要因として指摘された。ま た、「外見重視」の内実が先行研究とは大きく異なることが指摘された。 その結果、結婚の「適当な相手」の基準は「積み込み過ぎ」で「矛盾を含む」ものとな り、結婚を阻害する要因になっていることが明らかになった。 キーワード 未婚化、大卒男性、結婚相手の基準、結婚の阻害要因 目 次 ⒈本論の目的 ⒉結婚相手の条件に関する諸研究の検討 ⑴恋愛結婚重視への変化 ⑵個人化と結婚観の変化 ⑶社会学的アプローチからみた同類婚の法則 ⑷社会心理学的アプローチからみた同類婚の法則

男性にとっての結婚相手の条件:

結婚を阻害する経済以外の要因の検討

社会学研究科社会学専攻博士前期課程修了

赤井 そのゑ

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⑸質的調査データからみる結婚相手の条件 ⑹量的調査データからみる結婚相手の条件 ⑺先行研究から導き出された課題 ⒊本研究の方法とデータ ⑴本研究の目的と方法 ⑵本研究の対象 ⑶調査の概要 ⑷分析方法 ⒋結果と考察 ⑴析出されたコアカテゴリー ⑵外見重視 ⑶新しい結婚スタイル志向 ⑷「楽な関係」の重視 ⑸「結婚リスクの見極めと回避」 ⑹定位家族モデルの活用 ⒌結論 ⒍本研究の限界と課題

⒈ 本論の目的

日本では、少子化が社会問題になり、その理由として若者の晩婚・未婚化が指摘されてい る。実際に、結婚適齢期にある男女の約9割は結婚願望を持っているが、なかなか結婚に結 びついていない。なぜ日本の若者が結婚しない、あるいは結婚しにくいのか、 結婚が実現できていない理由として、もっともよく指摘されているのは、経済的条件であ る。若者の非正規労働者化が進み、安定した雇用が確保されていない現在、女性にとって、 望ましい経済条件を満たす男性と巡り会うことはかなり困難である。一方で、男性にとって も、いわゆる「所帯を持つ」経済的基盤の形成に自信がなく、その自信のなさゆえに、恋愛 からさえ遠ざかる現象が指摘されており、結婚難の背景に経済状況の悪化があることは間違 いない。 では、若者の経済状況さえ改善すれば、現状の未婚化・晩婚化が解決するだろうか。おそ らく、ある程度の改善は見込まれるであろうが、根本的な解決には至らないだろう。 なぜなら、経済的に恵まれている若者がスムーズに結婚に移行しているかといえば、そう ではないからである。「適当な相手がいない」「決定打がないので結婚へ踏み切れない」とい う若者の声を指摘した研究は数多い。適齢期にある若者は、果たしてどのような条件が整え ば結婚を決断しようと考えているのか。本論では、男性に限定し、経済的に恵まれた条件に

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ある未婚の男性が、どのような基準や条件が整えば結婚を決断しようと考えているのかを検 討するなかで、結婚を阻害する経済以外の要因を明らかにする。

⒉ 結婚相手の条件に関する諸研究の検討

⑴ 恋愛結婚重視への変化 結婚相手を選ぶ際の条件の第一に、現代の日本では恋愛結婚志向が認められる。恋愛結婚 は、第二次大戦後に普及してきたことで知られている。国立社会保障・人口問題研究所の 『第14回出生動向基本調査』(2012)によれば、1947年頃は7割近くが見合い結婚であったが、 1960年代には恋愛結婚が見合い結婚を上回るようになった。ただし、1960年代から80年代に かけては、恋愛結婚の多くは、職場に関係した「職縁」という日本型共同体のネットワーク による恋愛結婚が主であった(岩澤,2010:44-45)。 1970年以降、日本の高度成長の終わりとともに日本の企業文化が変容していき、企業内で の共同体的助け合いよりプライバシー意識の方が優先されるようになり、従業員の結婚が企 業活動の視野から除外される傾向となった。長い間結婚適齢期の一般職女性が担ってきた補 助的業務が外部化されるにともない、独身男女が交流する場や機会も職場から減少していっ た(岩澤,2010:47-48)。1990年以降グローバル化が進み、国際競争力に打ち勝つために厳し い経済戦争に曝され、合理化が進行する中で職縁結婚を支えていた人間関係も崩壊し、職縁 結婚は低下していった(前掲:116-125)。 ⑵ 個人化と結婚観の変化 恋愛結婚志向は、結婚相手を自身で選ぶことにつながり、「個人化」と重なる。山田は、 「近代社会において,家族(および国家)は,選択不可能かつ解消困難な関係として把握さ れてきた,つまり,個人化できない関係の象徴として家族(および国家)が捉えられていた」 (山田,2004:342)と述べている。家族の「個人化」は、家族の枠内で個人化する「私事化」 や「個別化」ではなく、「家族であること」を選択する自由、「家族であること」を解消する 自由を含むことになる。結婚が、イエや親や世間体のためでなく、自分自身という個人の選 択の自由であり、「私らしく生きる」という「個人の意志を優先する」価値観に変化してい ったといえる。 自由恋愛により結婚相手の選択が可能になると、選択の自由と選択枠の拡大から、選択決 定が先延ばしされ、未婚・晩婚化に繋がる。「適当な相手」がいない、「結婚への決定打がな いので結婚へ踏み切れない」という意識には、「個人化」が大きく影響している。 また、「個人化」という結婚観の変化や自立して「働く女性」の増加から、日本でも法律 的な届出をあえてしない「非法律婚」のライフスタイルがみられるようになってきた。既存 の枠を乗り越えてはいるが、「非法律婚」のカップルたちは、一組の男女が夫婦生活をして

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いる事実から「自分達の生き方を『事実婚』という結婚形態をとっているだけであり、自分 達の関係は夫婦なのだという認識をもっている」(善積,1997:33)。つまり「自分達の生き 方」という「個人化」を優先して、「法律婚」という従来からの社会的な枠組みさえも乗り 越えていく結婚観の変化が起きている。 そして、「非法律婚」カップルがどのような基準でパートナー選択をするかについて、善 積は「<生き方の尊重><信頼できる><男女平等を重視><考え方を理解し合える><く つろげる>が入り、六位は<世間体を気にしない>である」(前掲:159)と指摘している。 「事実婚」をする男性は、女性のどこに惹かれたかについて、「多くの男性は自立している点 をあげている」「彼女は割とはっきりしている人なので、人生を送っていく中で、お互いに 支えあっていくということができる人であることが一番よかった」(前掲:165)としている。 非法律婚を選択するカップルは、個人として自立した男女が共に支え合って生きるという価 値観でパートナー選択をしている。また、男性の意識も性別役割分業の「稼ぎ手」意識から 変化しつつあることが見えてくる。性別役割分業の枠を超え、法律婚という枠を超え、自立 した個人が価値観や生き方が同質の相手を選択して結婚する。まさに「個人化」を内包した 「新しい結婚スタイル」を模索する生き方である。 ⑶ 社会学的アプローチからみた同類婚の法則 恋愛であっても、結婚相手の選択には一定の法則が働くという指摘は、長い研究の中で繰 り返し指摘されてきた。すなわち、自由に選んでいても、実際には属性が似た者同士が選択 されているという同類婚の指摘である。人類学的なアプローチからの指摘も数多いが、社会 学的なアプローチからも指摘されている。たとえばP.ブルデュは、『結婚戦略』(1980)のな かで、フランス農村の配偶者選択において、属性の似た者をマッチングする社会的圧力が作 用すると同時に、それを是とするハビトゥスが大きな役割を果たしていることを指摘してい る。 また、上野千鶴子は、「恋愛結婚の組み合わせでできたカップルには非常に強い『同類婚』 の法則がある。恋愛は決して階層を超えていないことがわかる」(上野,1995:75)。さらに 「見合い結婚が恋愛結婚に変わっても配偶者選択の結果は必ずしも変わっていないことがわ かる」(前掲:77)とも述べている。 ⑷ 社会心理学的アプローチからみた同類婚の法則 恋愛結婚における「愛」について、鈴木裕久は「『異性として相手に感じる好意』という 意味である」(鈴木,1995:131)と述べている。そして、好意的感情を作り出すには「魅力 的」であることが必要だと指摘しながら、実際の恋愛結婚を見た時に必ずしも魅力的な男女 ばかりがカップルになるわけではない理由について、鈴木は次の三つの理由を挙げる。

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第一に「個人差や文化差が存在するから」(前掲:132)、第二に「特に魅力を感じなくて も、接触頻度が多くなると、あるいは長期間一緒にいると(最初はそれほど好意を持ってい なくても)次第に相手と離れることが辛くなる、といった心理的傾向がある」。第三に「理 性的、現実的な判断と『拒否されることへの恐れ』が働く。普通の人びとは、自らの資格を 考えてあまり『高望み』をしない」(前掲:134)と述べている。つまり、結婚には「性格が 合う」「分相応の選択」という、同類婚ともいうべき心理が大きく作用していると考えられ る。 ⑸ 質的調査データからみる結婚相手の条件 山田昌弘は、未婚男女へのインタビューを踏まえて、現代日本の未婚・晩婚化について考 察を展開している(山田,1996:49)。そのなかで、「男性の結婚相手を選ぶ条件」として、 「かわいい」「家事が好き」「かしこい」「軽い」の4要素を指摘している。「かわいい」は「自 分のやりたいことを邪魔しない」(前掲:49)であり、「家事が好き」は「家事好きなら男に 家事分担を求めないということで」、「かしこい」というのは「頭がよいことではなく、家事 や子育てを効率よくこなす」ことだと説明している。さらに、「軽い」というのは、「体重の 軽さである。けんかをしたとき、女性が軽ければ少なくとも腕力では負けない」(前掲: 50)、つまり、「男性の仕事の邪魔をせず、家事分担など要求せず、家庭で男性をサポートす ることができる女性が好まれることを示している」(前掲:50)。そのため「年齢では年下が 好まれ、収入や学歴では自分より下が望まれる」(前掲:50)という。 ⑹ 量的調査データからみる結婚相手の条件 内閣府が行った「結婚・家族形成に関する意識調査」は、20代から30代の未婚者・既婚者 の結婚や子育てについての意識を探っている(稲葉他,2015)。30歳代未婚男性が結婚した い理由としてもっとも指摘されたのは「子どもが欲しい」であり、6割以上の者が「家庭を 持ちたい」「好きな人と一緒にいたい」を挙げている。あわせて、「両親や親戚を安心させた い」「やすらぎが欲しい」「老後に一人でいたくない」が4~6割を、「適齢期だと思ってい る」「子供が生まれるのであれば結婚したほうが良いと思う」「社会的に認められない」が2 ~3割を占めている。ほかに、「経済的な安定を得たい」「家事の負担を減らしたい」もそれ ぞれ1割ずつ挙げられた。 結婚相手に求める条件としては、もっとも多かったのは「価値観が近いこと」であり、7 割以上が選択していた。続いて、「一緒にいて気をつかわないこと」「一緒にいて楽しいこと」 を6~7割の者が挙げている。さらに続いて、「金銭感覚」「容姿が好みであること」「恋愛 感情」「共通の趣味があること」を3~4割の者が選択していた。ほかには、「家事や家計を まかせられること」「自分の仕事を理解してくれること」がそれぞれ3割前後から支持され

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ていた。「年齢」「職場」「学歴」はそれぞれ、多数から支持されているわけではなかった。 ⑺ 先行研究から導き出された課題 結婚相手の条件をめぐるこれまでの研究は、恋愛結婚への変化ならびに個人化という社会 変動のなかで、結婚意識や結婚観が変わってきたことを指摘し、もう一方で、それでも同類 婚志向が効いていることを指摘してきた。このような大きな社会変動の中で、個々の人々が どのような条件を考えているかについて、質的ならびに量的なデータの分析から指摘されて いる条件は、次のとおりである。①美人でかわいい、女らしいこと(外見)、②家事・育児 担当可能な性別役割分業意識があること、③出しゃばらない控えめな女性であること、④価 値観が一致していること、⑤恋愛結婚志向であること、⑥学歴ならびに家柄も同等程度であ ること、⑦年齢は30歳くらいまで、以上7つの条件である。 しかしながら、これらの条件を満たせば結婚を決断するかといえば、それは定かではない。 統計データから「結婚相手の条件」を導き出すことはできるが、その結果からは、なぜ個々 人が「適当な相手」を実際に選択して、「結婚への決断」にいたらないのかを知ることはで きていない。

⒊ 本研究の方法とデータ

⑴ 本研究の目的と方法 本研究では、経済的要因以外の結婚相手の条件を探るため、経済的に比較的恵まれた属性 の未婚男性を対象に、詳細な聞き取り調査を実施した。得られたデータを「修正版グランデ ッド・セオリー・アプローチ」(M-GTA)によって分析してカテゴリーを抽出することに より、結婚相手の条件と考えられている要素を得た。 ⑵ 本研究の対象 経済的な制約がないという前提を満たすため、大学を卒業しており、調査時点で正規社員 として働いている男性を対象とした。対象者の選択に当たっては、未婚・晩婚の分岐点にあ る30歳代大卒未婚男性を考慮した。また、適齢期男性が多いこと、多種な「生き方選択肢」 があること、キャリアを持ち働くことと結婚生活の両立が困難で結婚願望を持ちながら結婚 を先延ばしする男性が多いことなどを考慮して、首都圏居住者に限定した。さらに、親の死 亡や介護の必要性など別な要因による未婚化・晩婚化を排除し対象者の条件を一定にするた め、親が健在であるという条件も加えた。結果として、首都圏在住の30歳代、大卒で正規職 員として働いている、親が健在な未婚男性の結婚意識と結婚行動を明らかにすることに研究 の焦点を限定した。貧困や介護格差による結婚を先延ばしする必要のない恵まれた条件の対 象者を選出することによって、本研究の目的である「適当な相手」の基準という意識と行動

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を捉えやすいこと、恵まれているのになぜ結婚行動をしないのかという結婚決断への意識と 行動を捉えやすいと考えたものである。 上記の条件すべてに該当する対象者は、スノーボールサンプリング方式で有意に抽出し た。結果、表1に示した10名から協力が得られた。 ⑶ 調査の概要 2015年5月26日から2016年4月16日までの間に、半構造化された調査票を用いて、 詳細な面接調査法を行った。インタビュー面接の内容は、下記のとおりである。 ①自分のライフコースをどのように描いているのか ②自分のライフコースの中での、結婚の位置づけ、結婚願望や子ども願望はどうなのか ③今現在、結婚したいと思っている、または具体的に結婚を予定している相手がいるか ④結婚したいと思う「結婚相手のイメージ(適当な相手)」基準は、どうなのか ⑤どのような出会い方、付き合い方が望ましいのか、結婚へのターニングポイントは何か ⑥過去の恋愛経験と、その時の「適当な相手」の基準、別れた理由はどうだったのか 本稿ではこのうち、②結婚の位置づけにかかわる設問、④結婚したいと思う「結婚相手の 表 1 調 査 対 象 者 の 概 要 きょうだい数 と順 位 事 例 年 齢 歳 代 学 歴 居 住 状 況 人 数 順 位 女 性 の有 無 職 種 転 職 歴 年 収 (万 円 ) 現 在 恋 人 の有 無 事 例 1 前 半 大 卒 1人 無 団 体 職 員 9年 無 ~ 有 事 例 2 前 半 院 卒 (理 ) 1人 (寮 ) 無 会 社 員 7年 半 無 ~ 無 事 例 3 前 半 大 卒 実 家 母 と 有 地 方 公 務 員 4年 1回 ~ 無 事 例 4 前 半 大 卒 1人 無 会 社 員 7年 無 ~ 無 事 例 5 前 半 大 卒 1人 有 会 社 員 半 年 1回 ~ 無 事 例 6 前 半 院 卒 (理 ) 実 家 母 と 無 地 方 公 務 員 1年 1回 ~ 無 事 例 7 中 院 卒 1人 無 大 学 職 員 2年 1回 ~ 無 事 例 8 前 半 院 卒 1人 有 会 社 経 営 4年 半 2回 ~ 有 事 例 9 後 半 大 卒 1人 無 会 社 員 か月 5回 ~ 有 事 例 10 後 半 大 卒 1人 有 会 社 員 1年 4回 ~ 有 表1 調査対象者の概要

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イメージ(適当な相手)」、⑤結婚のターニングポイントについてたずねた結果のなかで結婚 相手の条件にかかわる部分のみとりあげる。 ⑷ 分析方法 本研究は、M-GTA法を用いて分析を行った。M-GTA法は、人間の社会的相互作用に関 わる研究に適しており、本人の認識や感情の動きや行動がプロセス的特性を持つ研究に適し ている(木下,2015:90)。本研究の研究方法をM-GTA法とした意図は、インタビューの 生の声をデータとし、そこから抽象度を上げながら分析を重ねることで、「適当な相手」の 基準のカテゴリーが把握できるとともに、具体的な個別的特性が把握できるからである。本 研究における調査対象者の意識や行動の理由など「生の声」を探索し、定性的データを体系 的に記述し分析する方法として適切であると判断し用いた。 具体的には、インタビューによって得られた聞き取りデータをテープ起こししてスクリプ トデータを作成した。そのスクリプトデータを、あらかじめ設定していた面接内容の6つの 領域ごとに分けたうえで、まず切片化して概念を析出し、さらにスクリプトデータと概念を 熟読してサブカテゴリーを、サブカテゴリーを相互に照合してカテゴリーを、カテゴリーを 照らし合わせながら再度スクリプトデータを熟読し、コアカテゴリーを作成した。概念から コアカテゴリーまで、使用した用語はすべて、M-GTA法に従っている。 なお、本研究は、東洋大学大学院倫理審査委員会の承認を得て実施したものである。

⒋ 結果と考察

⑴ 析出されたコアカテゴリー 分析の結果、表2に提示したサブカテゴリーとカテゴリー、19のコアカテゴリーが析出さ れた。析出されたコアカテゴリーは、「外見重視」と「外見軽視」、「価値観の一致」と「子 ども願望の一致」、「楽な関係」と「自分にとって楽な関係」、「信頼関係」、「新しい結婚スタ イル志向」と「自己主張の明確な女性」「妻の経済力重視」「働く女性選択」、「性別役割分業 意識志向」、「結婚リスクの見極めと回避」、「定位家族モデル」と「強い結婚願望」「強い子 ども願望」「幸せモデル」、そして「学歴重視」と「地域環境」である。 このうち、先行研究でも指摘されていた7つの条件と照合すると、「外見重視」と「外見 軽視」が①外見と、「性別役割分業意識志向」が②性別役割分業意識と、「価値観の一致」と 「子ども願望の一致」が④価値観の一致と、さらに「強い結婚願望」「強い子ども願望」「幸 せモデル」が⑤恋愛結婚志向と符号していた。 一方で、先行研究では男性にとって③控えめな女性であることが重視されると指摘されて きたが、本分析からは、「妻の経済力重視」で「働く女性選択」をしたいと考えており、「自 己主張の明確な女性」を好む「新しい結婚スタイル志向」の存在が指摘された。

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また、先行研究になかった要因として、相手との「信頼関係」は重要だが、それ以上に 「楽な関係」や「自分にとって楽な関係」を重視している姿勢が確認された。さらに、子ど もに影響するリスクを避けようとする「結婚リスクの見極めと回避」の考え方が働いており、 具体的な結婚選択には「定位家族モデル」が活用されている実態が明らかになった。 以下、調査対象者の「語り」は『ゴシック体』で表記している。 ⑵ 外見重視 山田は「外見重視」について、「かわいい」とは「かわいげのある性格」を意味している と述べていたが、本分析の結果得られた「外見重視」の内容は異なっている。本分析の結果 の「外見重視」は性格的な面ではなく、「痩せている人がいい」「面食い、綺麗な女性が好 み」「容姿から性格に」という「綺麗な顔」「細いスタイル」「オシャレ」「美的センス」のこ とで、見た目を何よりも重視している。 『正直言って、一番最初は容姿からスタートしていって性格へ…』(事例1) 『自分も運動とかして、体重管理とかコントロールしてるんで太った人は苦手』(事例3) 『パッと見という、第一印象が大きいと思う』(事例4) 『どっちかって言うと、顔は可愛いから綺麗な方が良くなってきた』(事例4) 『やっぱりスラーとした、対応が良くて気が利いた、目がパッチリしているような見た目 の子が好きなんです』(事例5) 『好きな顔ってありますけど、僕は色白で猫目の女の子ですね~、そう垂れ目じゃなくて キリっとした目の子が好きなんです』(事例9) 『見た目がわりと細い人、可愛いというより綺麗な人、身長は、そんなに大きすぎると…、 自分より低ければいい』(事例10) 見た目が、「愛」を育み恋愛を成就させて結婚に至る「恋愛結婚志向」の必要不可欠な条 件となっている。恋愛結婚志向が強いため、学歴や出自に拘らず、再婚子連れでも良いとい う意識がある。しかし、恋愛結婚志向の「外見重視」の選別意識が強過ぎると、結果的に高 望みになり、「分相応」の選択ができなくなる。また思う程、適齢期男女の出会いの場は多 くないのが現実で、結婚願望はあるのに結婚できないという矛盾が起きているのではないか。 ⑶ 新しい結婚スタイル志向 「妻の経済力重視」は、家庭経済安定のために「稼ぐ妻」のことである。近年、男性の 「稼ぎ手」意識も大きく変化している。結婚に関する不安の一番に、経済的不安要因が挙げ られている。長い不況と不安定雇用の時代を経験した30歳代大卒未婚男性は、経済的なリス ク対策として「妻の経済力」は当然な意識であると言える。 『自分の中でも決まっていない所があるんですけど、自分1人が働き手だと(この時代)

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何があるかわからないじゃないですか、色んなリスクを考えると働いてもらった方がいいか な~と思うけど』(事例2) 『学歴とか収入力とか、1人でできないこともあるでしょうから支えていける能力のある人』 (事例4) 『どっかに遊びにいく時でもお金がないといけないとかだったら嫌だろうし』(事例4) ただし、「働く女性選択」は、家庭経済安定のために「稼ぐ妻」ではなく、「生きがいと自 分の世界観を持つ人」という「女性の生き方」や「自己実現」という女性の生き方重視の意 識でもある。 『(最近)分かってきたのは、今やっている仕事に誇りを持って、楽しんでやっている人に 魅力を感じる』(事例7) 『二つ目は(失恋して)一回失敗したので、自分の好きな事をしてガンガン働くんで、相 手も別なやりたい事をする人の方がいいだろうと、そこは決めたんですよね~』(事例8) 「自己主張の明確な女性」への志向は、以下の言明等にあらわれている。「自分の意見があ る人」「自己主張がハッキリしていて行動的な女性」など自立した行動的な女性を好む意識 であり、前述の「働く女性」の生き方と共通した意識である。これは、山田の「男性の生き 方を邪魔しない女性」「家庭で男性をサポートするかしこい女性」という意識とは大きく異 なる。 『話してて、何かこう裏表がないという所ですかね、ものをきちんと言う、嫌いなものは 嫌いという。アレ食べたい、コレ嫌いとハッキリしてて、それが良かった』『言いなりにな るとか、直ぐについて来ちゃうとかだと魅力を感じない』(事例1) 『自分以上に自分のことがしたい人がイイ、自分も自由に自分の事したいタイプだから、 それ以上に、自分の事をしたい人がいい』『自分が楽しくなければ嫌だっていう人がイイ』 (事例3) 30歳代大卒未婚男性は、「控えめで言いなりになる女性」を望んではいない。女性の生き 方、女性の人格の尊重など、個別性を認め合うという「個人化」を内包した「女性の自立し た生き方」を認める意識である。男女一人一人の人格と生き方を相互に尊重しながらも、協 力しながら結婚という「共生」をするという意識であり、「新しい結婚スタイル志向」にな っていることが分かる。 「新しい結婚スタイル志向」は、お互いに束縛し合わない関係、お互いに自由に「自己実 現」しながら生き生きと生きていける関係が成立する結婚スタイルを志向するという考えで ある。夫婦だから同居する、夫婦だから夫が妻を養う、妻だから夫に尽くすという従来型の 結婚スタイルをリセットして、お互いにどのように生きていくのかを考えた上で関係性を築 く考え方である。従来の規範や束縛から解放された、対等な人間同志の繫がりと支え合いを 基軸にして共生していく関係性を築く意識である。この関係性は、「非法律婚」カップルの

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考え方や生き方に近いものがある。 『(結婚しても)毎日一緒にいなくちゃ~いけないっていう考えはないですし~』『(一緒に いなくても)何らかの結びつきはほしいので、連絡は取り合えるようにしておきたいですね』 『一緒に行動する、別に自由にするのもイイ、そこで何もないのは虚しいと思う』(事例3) 『子どもがいないと、それもイイかと思うけど、お互いに好きな事をしていればイイ』『お 互い好きになったら一緒に居て、自分の好きな事をしてくれればイイ』『(妻)自分のために お金を使ってくれればイイし』『お互いに好きな事をやって縛り合わない関係、必要な時に 繋がっているという』(事例3) 『そこには(従来の形の)結婚というのは、あまりない。(結婚)それを協力し合いながら 生きていきたい』『1人でもいいと思うけど限界がたぶん出てくるじゃないかと思います』(事 例3) これらの「自己主張の明確な女性」「働く女性選択」「新しい結婚スタイル志向」という三 つのコアカテゴリーは、三つあってこそ「新しい結婚スタイル」が成立する。女性が男性に 依存する生き方では、困難であると言える。この考え方は、一応「法律婚」の形式をとった としても中身は「事実婚」に近い意識があり、善積の非法律婚カップルの「パートナー選 択」項目と一致している。 ⑷ 「楽な関係」の重視 「楽な関係」とは、「気疲れしない関係」ということで言わず語らずとも分かり合える関係 のようだ。 『友達といるみたいで~、2人でいても同じようなスタンスでいられる、何かが変わって という感じでもなく…』(事例3) 『彼女に仕事みたいに気を使って言葉を選んで話すわけにはいかない』(事例9) 『1人暮らしだと週末一緒にいてくれる相手とか、休みが合うとか安らげる相手とかです かね~』(事例4) 『やっぱり一緒に居て疲れないのが一番じゃないかと思うんですが』(事例6) 『自分に似ている事が重要なんですかね~、同じ時に同じ行動をしていればその際に色々 と考えて疲れるってことがないじゃ~ないですか』(事例6) 「ものの見方」「感じ方」「振舞い方」が似ており、分かり合えて心情的に共鳴し合える関 係ということで、そこに「安らげる」「癒される」という感情が起こる。「自分にとって楽な 関係」にも「空気感の合う人」「束縛し合わない関係」「自分を理解してくれる人」と、「同 類婚」に通じる基準が自己中心的な考えに沿って条件化されたものと解釈することもできよ う。

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⑸「結婚リスクの見極めと回避」 「相手と家族の素性の見極め期間」「子どもへの影響要因の回避」という、結婚が「恋愛」 のように一時的なものではなく生涯に渡って長く継続する関係で、特に「子ども」にまで影 響することから失敗を絶対に避けたいという意識が強い。男性は、「結婚=子ども」との関 連で結婚を考えていると言える。「恋愛結婚」をしたいがリスクは回避したいという矛盾し た意識を持っている。 『相手を見定める期間が欲しい、浮気をしない相手とか、借金をしないとか、世間体的な 意味で…お父さんは犯罪者じゃないだろうとか、ドラッグを使っていないとか、借金はない かとか、いわゆる反社会的要素はないかという意味で』(事例4) 『アトピーとか、喘息とかがあると嫌なんで~、子どもに影響するから、子どもが苦労す るのであれば避けたい』(事例4) ⑹ 定位家族モデルの活用 結婚に関しての「定位家族モデル」の影響は予想以上に大きい。「定位家族モデル」は結 婚の土台とも言えるロールモデルとなっている。親のように、「幸せ」になりたい願望が、 「強い結婚願望」「強い子ども願望」を形成していく。自分の成育過程で刷り込まれた「定位 家族」の「幸せモデル」は、結婚の動機に影響するとともに「結婚生活」や「家族形成」の 原型になる。 『自分が弟と2人なので、(子どもは)2人くらい欲しいと思っています』(事例2) 『(結婚)24~25歳くらいですね、親が結婚したのがそのくらい?』(事例4) 『(子ども願望)かなり願望は強かった、(子ども)結婚したら絶対にほしいな~って思い ましたよ、男女1人ずつという感じで、自分の元の家族ですよね』(事例5) しかしながら、対象者らの両親は、約20年前の「男性稼ぎ手」「女性は家事育児の専業主 婦」が主流の時代に生き、母親が専業主婦の性別役割分業型夫婦が多かった。その両親をモ デルとして、伝統的な性別役割分業への志向性は強固に確認された。「子どもは母が育てる」 「育児での性別役割分業意識」などの意識が見られる。教養ある女性に育児を任せたい意識 が強く、男性は育児に関しては一歩引いた意識であり、それが可能な女性を結婚相手基準と して考えている。また、「困る料理の苦手な人」「家事能力のある人」「専業主婦の母」とい うのがあり、料理を中心とした「家事能力」への期待感があることが分かる。そこには「楽」 「幸せ」「愛情」という感情が同居しており、強く刷り込まれた「専業主婦の母」イメージが ある。「新しい結婚スタイル志向」で妻にも働くことを期待しつつ、「妻」に、尽くす「母」 役を期待して「幸せ」感を得るという本音とたてまえの矛盾が存在する。山田の「今まで女 性にサポートされることによって家事をしなくてよいという特権を得ていた男性の女性観が 変化するのは、かなり時間がかかるだろう」(前掲:165)とする指摘と一致する。

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⒌ 結 論

分析の結果析出されたコアカテゴリーのうち、「外見重視」「性別役割分業意識志向」「価 値観の一致」、さらに「強い結婚願望」「強い子ども願望」「幸せモデル」は、先行研究でも 指摘されていた条件と合致していた。ただし、「外見重視」の内実は先行研究とは大きく異 なるものであった。また、「妻の経済力重視」「働く女性選択」を選び、「自己主張の明確な 女性」を好む「新しい結婚スタイル志向」の存在は、先行研究の指摘と矛盾する内容となっ ていた。ほかに、「楽な関係」や「自分にとって楽な関係」を重視している姿勢が新たに指 摘されたが、これは同質性を内包しているという点で、従来型の結婚基準と重なると考えら れると同時に、その中身には矛盾が多く結婚を阻害する要因となっていた。さらに、子ども に影響するリスクを避けようとする「結婚リスクの見極めと回避」の考え方や、「定位家族 モデル」の活用が新たな要因として指摘された。 本研究の新しい知見として、「新しい結婚スタイル志向」意識が指摘できる。個人化の影 響を受けた「自己主張の明確な女性」「働く女性選択」という結婚観の変化が明らかになっ たが、同時に性別役割分業意識は支持されており、従来型の結婚基準と新しい結婚スタイル という結婚基準の過渡期にある「適当な相手」基準があることが分かった。それゆえ、どう しても「積み込み過ぎ」の基準となり男性自身が、まだ整理できていない基準意識であると ともに、多くの矛盾を内包している。 結婚相手にどのような「適当な相手」の基準があるかについて、「積み込み過ぎ」で「矛 盾を含む」ものであることが分かってきた。従来からの「外見重視」がまさに容姿という外 見の意味で重要視されるようになり、従来からの「価値観の一致」や「性別役割分業意識」 が支持されている。一方で、共働きが多い現代社会の動向を反映して、「性別役割分業意識」 自体が、妻の就労を前提としながらも、妻に家事・育児の主たる部分を担ってもらっていた い、またそれができるような女性と是非結婚したいという、客観的に見ればかなり自己中心 的な身勝手な方向に願望が強化されている。その願望には、定位家族の影響が極めて強く反 映されており、両親のような結婚、親なりが当然のこととしてイメージされている。 その一方で、控えめな女性はそれほど支持されず、経済力があり、意思が明確な女性への あこがれが表明されていた。そこには30歳代大卒未婚男性の「結婚への夢」があり、なかな か譲れない「理想への執着」意識が見える。この理想が、性別役割分業意識志向と鋭く矛盾 するものであることを、男性たちは見ようとしていないようにみえる。 親が家族形成を行ってきた時代と現代では条件が異なる。定位家族をモデルとする結婚の あり方は、男性たちが求めている新しい結婚スタイルとは矛盾している。その矛盾を含めて、 積み込み過ぎの理想になってしまっているのではないか。それでいながら「理想への執着」 を捨てるということは、妥協するという失敗意識にも繫がりかねず、積極的に選ばれる選択 肢とはならずに、現実の結婚が遠のいていっているのではないだろうか。

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⒍ 本研究の限界と課題

本論は、M-GTAで得られたカテゴリーを先行研究に照合した結果である。分析で用いた データは、得られた情報の一部に限定しており、より多くの情報を含めて分析を展開する可 能性が残されている。また、本研究で採用したM-GTAは、得られたカテゴリー間の関連を 分析してストーリーラインを描くことができる。ストーリーラインを描いて、未婚男性が結 婚に至っていない要因間の関連を描き出すことが次の課題になる。 本研究は、30歳代大卒未婚男性の「適当な相手」の条件について、詳細な聞き取りインタ ビューの結果を分析したが、本論はあくまで恵まれた30歳代大卒未婚男性のみを取り上げた ものであり、分析対象は10例と少ない。カテゴリーが飽和するまで事例を蓄積する条件を満 たしたとはいえ、たとえば首都圏外など条件が異なる事例を重ねて分析することも、次なる 可能性として考えていきたい。

謝 辞

本稿は、2016年度東洋大学修士学位論文を、大幅に加筆・修正したものである。本研究に 同意し、全面的にご協力いただきインタビューに応じてくださいました皆様に心から感謝い たします。また本研究にあたり、調査方法やデータの分析、執筆に至るまでご指導くださっ ただけでなく、スーパーバイザーの役割もしていただきました西野理子先生に深く感謝いた します。 表2 サブカテゴリーからコアカテゴリーまでの一覧表  (30歳代大卒未婚男性) 表 2 サブカテゴリーからコアカテゴリーまでの一 覧 表 (30 歳 代 大 卒 未 婚 男 性 ) コアカテゴリー カテゴリー 複 数 の概 念 からのサブカテゴリー 外 見 重 視 外 見 重 視 外 見 (容 姿 )(綺 麗 )(可 愛 い) 外 見 (体 重 )(毛 髪 )(身 長 )(顔 )(目 ) 同 じような人 を好 きになる 第 一 印 象 重 視 、全 体 的 な印 象 、最 初 は見 た目 外 見 (センス)(おしゃれ)(顔 と服 装 )(話 ぶり) 好 きになる人 は、似 た傾 向 異 性 としての魅 力 異 性 として魅 力 を感 じる相 手 外 見 軽 視 外 見 軽 視 外 見 軽 視 外 見 (毛 髪 )良 し悪 し 拘 らない外 見 (容 姿 )(顔 ) 価 値 観 の一 致 価 値 観 の合 う人 価 値 観 の合 う人 、一 緒 の価 値 観 金 銭 感 覚 の似 た人 、生 活 感 覚 の一 致 母 の影 響 (生 活 感 覚 ) 価 値 観 の一 致 同 じ話 題 、話 の合 う人 社 会 人 経 験 重 視 文 化 資 本 価 値 観 の一 致 話 が合 う人 共 通 の話 題 探 し、話 しが合 う相 手 子 ども願 望 の一 致 子 ども願 望 の一 致 子 ども願 望 、価 値 観 の一 致 楽 な関 係 楽 な関 係 安 らげる相 手 、癒 される相 手 、気 疲 れしない関 係 価 値 観 の合 う人 同 質 性 、同 調 性 、話 の合 う人 楽 な関 係 世 代 間 ギャップない年 齢 自 分 にとって楽 な関 係 頭 のいい子 頭 のいい子 空 気 が読 める子 空 気 が読 める子 親 しみやすい相 手 親 しみ感 じる喋 る人 自 分 にとって楽 な関 係 付 き合 う相 手 選 択 苦 痛 、ドライな人 、くっ付 き過 ぎ苦 手 楽 な関 係 、束 縛 し合 わない関 係 空 気 感 の合 う人 自 己 主 張 の明 確 な人 、自 分 流 がある生 活 そこそこの人 そこそこセンスのいい人 合 わない素 敵 過 ぎる人 同 質 性 自 分 と同 じレベルの人 理 解 のある人 自 分 を理 解 してくれる人

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男性にとっての結婚相手の条件:結婚を阻害する経済以外の要因の検討 ― 15 ― 信 頼 関 係 嘘 がない性 格 裏 と表 がない性 格 裏 切 らない信 頼 関 係 浮 気 をしない人 、裏 切 らない信 頼 関 係 新 しい結 婚 スタイル志 向 新 しい結 婚 スタイル志 向 枠 組 みを越 える関 係 志 向 協 力 して生 きる関 係 結 婚 、協 力 しながら生 きていく関 係 束 縛 し合 わない関 係 自 由 な関 係 義 務 や強 制 的 な束 縛 からの解 放 妻 の経 済 的 自 由 度 承 認 意 識 生 きる力 のある人 生 きる力 のある人 自 己 主 張 の明 確 な女 性 自 己 主 張 のある人 自 己 主 張 のある人 自 己 主 張 の明 確 な女 性 自 己 主 張 の明 確 な女 性 妻 の経 済 力 重 視 妻 の経 済 力 重 視 経 済 的 な支 え、経 済 力 のある人 女 性 の働 き方 へのゆらぐ態 度 リスク対 策 意 識 リスク対 策 意 識 、妻 の生 きがい尊 重 不 明 確 働 く女 性 選 択 生 きがいを持 つ働 く女 性 生 きがいと自 分 の世 界 観 持 つ人 楽 しんで仕 事 してる人 楽 しんで仕 事 している人 に魅 力 働 く女 性 選 択 適 当 な相 手 、働 く女 性 性 別 役 割 分 業 意 識 志 向 性 別 役 割 分 業 意 識 志 向 妻 の生 き方 、消 極 的 な価 値 家 族 の性 別 役 割 分 業 意 識 男 性 への性 別 役 割 分 業 の圧 迫 感 子 どもへの男 性 の縛 られ感 情 、強 い妻 子 を養 う意 識 仕 事 優 先 志 向 過 渡 期 にある性 別 役 割 分 業 意 識 家 事 能 力 、生 活 力 のある人 変 わらない強 い性 別 役 割 分 業 意 識 専 業 主 婦 の母 、母 の影 響 (生 活 感 覚 ) 教 養 のある人 育 児 での性 別 役 割 分 業 意 識 女 性 的 行 動 、高 い評 価 困 る料 理 下 手 な人 高 収 入 で自 己 評 価 結 婚 の決 め手 は高 収 入 、拘 る高 収 入 納 得 できる収 入 への執 着 30 歳 前 半 の高 収 入 への執 着 収 入 、負 けたくない自 己 意 識 好 きな事 で収 入 を得 る目 標 達 成 意 識 違 ってきた経 済 状 況 信 頼 関 係 嘘 がない性 格 裏 と表 がない性 格 裏 切 らない信 頼 関 係 浮 気 をしない人 、裏 切 らない信 頼 関 係 新 しい結 婚 スタイル志 向 新 しい結 婚 スタイル志 向 枠 組 みを越 える関 係 志 向 協 力 して生 きる関 係 結 婚 、協 力 しながら生 きていく関 係 束 縛 し合 わない関 係 自 由 な関 係 義 務 や強 制 的 な束 縛 からの解 放 妻 の経 済 的 自 由 度 承 認 意 識 生 きる力 のある人 生 きる力 のある人 自 己 主 張 の明 確 な女 性 自 己 主 張 のある人 自 己 主 張 のある人 自 己 主 張 の明 確 な女 性 自 己 主 張 の明 確 な女 性 妻 の経 済 力 重 視 妻 の経 済 力 重 視 経 済 的 な支 え、経 済 力 のある人 女 性 の働 き方 へのゆらぐ態 度 リスク対 策 意 識 リスク対 策 意 識 、妻 の生 きがい尊 重 不 明 確 働 く女 性 選 択 生 きがいを持 つ働 く女 性 生 きがいと自 分 の世 界 観 持 つ人 楽 しんで仕 事 してる人 楽 しんで仕 事 している人 に魅 力 働 く女 性 選 択 適 当 な相 手 、働 く女 性 性 別 役 割 分 業 意 識 志 向 性 別 役 割 分 業 意 識 志 向 妻 の生 き方 、消 極 的 な価 値 家 族 の性 別 役 割 分 業 意 識 男 性 への性 別 役 割 分 業 の圧 迫 感 子 どもへの男 性 の縛 られ感 情 、強 い妻 子 を養 う意 識 仕 事 優 先 志 向 過 渡 期 にある性 別 役 割 分 業 意 識 家 事 能 力 、生 活 力 のある人 変 わらない強 い性 別 役 割 分 業 意 識 専 業 主 婦 の母 、母 の影 響 (生 活 感 覚 ) 教 養 のある人 育 児 での性 別 役 割 分 業 意 識 女 性 的 行 動 、高 い評 価 困 る料 理 下 手 な人 高 収 入 で自 己 評 価 結 婚 の決 め手 は高 収 入 、拘 る高 収 入 納 得 できる収 入 への執 着 30 歳 前 半 の高 収 入 への執 着 収 入 、負 けたくない自 己 意 識 好 きな事 で収 入 を得 る目 標 達 成 意 識 違 ってきた経 済 状 況 13 外 見 重 視 外 見 重 視 外 見 (容 姿 )(綺 麗 )(可 愛 い) 外 見 (体 重 )(毛 髪 )(身 長 )(顔 )(目 ) 同 じような人 を好 きになる 第 一 印 象 重 視 、全 体 的 な印 象 、最 初 は見 た目 外 見 (センス)(おしゃれ)(顔 と服 装 )(話 ぶり) 好 きになる人 は、似 た傾 向 異 性 としての魅 力 異 性 として魅 力 を感 じる相 手 外 見 軽 視 外 見 軽 視 外 見 軽 視 外 見 (毛 髪 )良 し悪 し 拘 らない外 見 (容 姿 )(顔 ) 価 値 観 の一 致 価 値 観 の合 う人 価 値 観 の合 う人 、一 緒 の価 値 観 金 銭 感 覚 の似 た人 、生 活 感 覚 の一 致 母 の影 響 (生 活 感 覚 ) 価 値 観 の一 致 同 じ話 題 、話 の合 う人 社 会 人 経 験 重 視 文 化 資 本 価 値 観 の一 致 話 が合 う人 共 通 の話 題 探 し、話 しが合 う相 手 子 ども願 望 の一 致 子 ども願 望 の一 致 子 ども願 望 、価 値 観 の一 致 楽 な関 係 楽 な関 係 安 らげる相 手 、癒 される相 手 、気 疲 れしない関 係 価 値 観 の合 う人 同 質 性 、同 調 性 、話 の合 う人 楽 な関 係 世 代 間 ギャップない年 齢 自 分 にとって楽 な関 係 頭 のいい子 頭 のいい子 空 気 が読 める子 空 気 が読 める子 親 しみやすい相 手 親 しみ感 じる喋 る人 自 分 にとって楽 な関 係 付 き合 う相 手 選 択 苦 痛 、ドライな人 、くっ付 き過 ぎ苦 手 楽 な関 係 、束 縛 し合 わない関 係 空 気 感 の合 う人 自 己 主 張 の明 確 な人 、自 分 流 がある生 活 そこそこの人 そこそこセンスのいい人 合 わない素 敵 過 ぎる人 同 質 性 自 分 と同 じレベルの人 理 解 のある人 自 分 を理 解 してくれる人 仕 事 に理 解 のある人 仕 事 に理 解 のある人

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― 16 ― 14 信 頼 関 係 嘘 がない性 格 裏 と表 がない性 格 裏 切 らない信 頼 関 係 浮 気 をしない人 、裏 切 らない信 頼 関 係 新 しい結 婚 スタイル志 向 新 しい結 婚 スタイル志 向 枠 組 みを越 える関 係 志 向 協 力 して生 きる関 係 結 婚 、協 力 しながら生 きていく関 係 束 縛 し合 わない関 係 自 由 な関 係 義 務 や強 制 的 な束 縛 からの解 放 妻 の経 済 的 自 由 度 承 認 意 識 生 きる力 のある人 生 きる力 のある人 自 己 主 張 の明 確 な女 性 自 己 主 張 のある人 自 己 主 張 のある人 自 己 主 張 の明 確 な女 性 自 己 主 張 の明 確 な女 性 妻 の経 済 力 重 視 妻 の経 済 力 重 視 経 済 的 な支 え、経 済 力 のある人 女 性 の働 き方 へのゆらぐ態 度 リスク対 策 意 識 リスク対 策 意 識 、妻 の生 きがい尊 重 不 明 確 働 く女 性 選 択 生 きがいを持 つ働 く女 性 生 きがいと自 分 の世 界 観 持 つ人 楽 しんで仕 事 してる人 楽 しんで仕 事 している人 に魅 力 働 く女 性 選 択 適 当 な相 手 、働 く女 性 性 別 役 割 分 業 意 識 志 向 性 別 役 割 分 業 意 識 志 向 妻 の生 き方 、消 極 的 な価 値 家 族 の性 別 役 割 分 業 意 識 男 性 への性 別 役 割 分 業 の圧 迫 感 子 どもへの男 性 の縛 られ感 情 、強 い妻 子 を養 う意 識 仕 事 優 先 志 向 過 渡 期 にある性 別 役 割 分 業 意 識 家 事 能 力 、生 活 力 のある人 変 わらない強 い性 別 役 割 分 業 意 識 専 業 主 婦 の母 、母 の影 響 (生 活 感 覚 ) 教 養 のある人 育 児 での性 別 役 割 分 業 意 識 女 性 的 行 動 、高 い評 価 困 る料 理 下 手 な人 高 収 入 で自 己 評 価 結 婚 の決 め手 は高 収 入 、拘 る高 収 入 納 得 できる収 入 への執 着 30 歳 前 半 の高 収 入 への執 着 収 入 、負 けたくない自 己 意 識 好 きな事 で収 入 を得 る目 標 達 成 意 識 違 ってきた経 済 状 況 結 婚 リスクの見 極 めと 結 婚 リスクの見 極 めと回 避 結 婚 リスクの見 極 めと回 避 回 避 男 女 交 際 リスク回 避 感 情 男 女 交 際 、リスク回 避 感 情 人 柄 の見 える出 会 い方 望 ましい人 柄 の見 える出 会 い方 リスクの見 極 めと回 避 身 元 の分 かる、自 然 な出 会 い方 相 手 と家 族 の素 性 の見 極 め期 間 子 どもへの影 響 要 因 の回 避 定 位 家 族 モデル 学 歴 格 差 両 親 の学 歴 格 差 定 位 家 族 モデル 子 ども願 望 、自 分 の家 族 モデル 両 親 モデル 1 人 っ子 の自 分 と重 ね合 わせ ロールモデルにならない両 親 自 分 の兄 弟 モデル 働 く女 性 選 択 は家 族 モデル 望 ましくない1人 っ子 望 ましくない1人 っ子 の女 性 強 い結 婚 願 望 強 い結 婚 願 望 強 い結 婚 願 望 離 れても繋 がる絆 関 係 強 い恋 愛 結 婚 願 望 強 い恋 愛 結 婚 願 望 強 い子 ども願 望 強 い子 ども願 望 子 ども願 望 、自 分 の養 育 体 験 に重 ねる 両 親 モデルと強 い子 ども願 望 幸 せモデル 幸 せモデル 結 婚 =幸 せイメージ 平 和 な夫 婦 像 平 和 な夫 婦 像 学 歴 重 視 学 歴 重 視 学 歴 は大 卒 、専 門 卒 地 域 環 境 影 響 する成 育 環 境 ヤンキーぽい人 は苦 手

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引用・参考文献

・朝井友紀子.・水落正明(2010)「結婚タイミングを決める要因は何か」佐藤博樹編著『結 婚の壁 非婚・晩婚の構造』勁草書房. ・阿藤誠(1994)「未婚・晩婚の進展―その動向と背景―」日本家族社会学会編『家族社会学 研究』No6. ・岩澤美帆(2010)「職縁結婚の盛衰からみた良縁追求の隘路」佐藤博樹編著『結婚の壁 非 婚・晩婚の構造』勁草書房:44-45 47-77 116-125頁. ・上野千鶴子(1995)「『恋愛結婚』の誕生」吉川弘之編著『東京大学公開講座60 結婚』東 京大学出版会:75-77頁. ・木下康仁(2015)『ライブ講義M-GTA―実践的研究法 修正版グランデッド・セオリー・ アプローチのすべて』 弘文堂:90頁. ・厚生労働省編(2013)『平成25年版 厚生労働白書―若者の意識を探るー』日経印刷株式 会社. ・佐藤博樹・永井暁子・三輪哲(2010)「『出会い』と結婚への関心」佐藤博樹編著『結婚の壁  非婚・晩婚の構造』勁草書房. ・鈴木裕久(1995)「結婚の社会心理学」吉川弘之編著『東京大学公開講座60 結婚』東京大 学出版会:131-134頁. ・筒井淳也(2010)「結婚についての意識のズレと誤解」佐藤博樹編著『結婚の壁 非婚・晩 婚の構造』勁草書房:119頁. ・内閣府(2015)「平成27年度『結婚・家族形成に関する意識調査』報告書(2015)」  (hhtp;//www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/research/h27/zentai-pdf/)、2016 年 9 月 24 日 閲覧.

・Pierre Bourdieu,(1980),” LESENS PRATIQUE” 今村仁志・港道隆共訳(2012)『実践 感覚1』みすず書房.

・Pierre Bourdieu,(1980),” LESENS PRATIQUE” 今村仁志・福井憲彦・塚原史・港道隆 共訳(1990)『実践感覚2』みすず書房:7頁. ・開内文乃(2010)「婚活ブームの二つの波―ロマンティック・ラブの終焉」山田昌弘編『「婚 活」現象の社会学:日本の配偶者選択のいま』東洋経済新報社. ・山田昌弘(1996)『結婚の社会学 未婚化・晩婚化はつづくのか』丸善:49-50 165頁. ・山田昌弘(1997)『近代家族のゆくえ 家族と愛情のパラドックス』新曜社. ・山田昌弘(2004)「家族の個人化」日本社会学会編『社会学評論』Vol54No4,日本社会学会: 342頁. ・山田昌弘(2006)『希望格差社会「負け組」の絶望感が日本を引き裂く』筑摩書房. ・山田昌弘(2010)『「婚活」現象の社会学:日本の配偶者選択のいま』東洋経済新報社.

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Abstract

This paper aims to clarify the criteria and conditions to be fulfilled for unmarried men to decide to marry, by exploring factors other than the economic condition. We conducted a detailed interview of ten unmarried men who were relatively economically well off. The data obtained were analyzed using the Modified Grounded Theory Approach (M-GTA), and 19 core categories were identified.

The results of the analysis indicated a “new marriage style oriented” consciousness, but also found approval for the gendered division of labor consciousness incongruously. In addition, the new factors of emphasis on an “easy relationship,” the concept of “ascertainment and avoidance of marriage risk,” and the utilization of “family of orientation model” into forming their family image were noted. Moreover, the content of “emphasis on appearance” was also found to be significantly different from that of previous studies.

It was overall clarified that the criteria for a “suitable partner” for marriage were “excessive” and “inclusive of contradictions,” thereby impeding marriage.

Keywords

remaining unmarried, male university graduates, criteria for marriage partner, factors impeding marriage

Conditions for marriage partners according to men:

A study of non-economic factors impeding marriage

参照

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