• 検索結果がありません。

大腸菌簇に関する研究 : 病原性大腸菌と非病原性大腸菌との差異に就て

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "大腸菌簇に関する研究 : 病原性大腸菌と非病原性大腸菌との差異に就て"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

東京女醤學會第四回総會記事 91

3・大腸菌篠に關する研究

病原性大腸菌と非病原性大腸菌との差異に就て

東京女子馨斜頚門鑑配餅菌學教室

安 西 港

野釣非病原性大腸菌と病原性大勝菌との差異に斯しては,専ら溶thし現象に一画を置 いて考究されし感が御座います。 今,私の挙国炎,膀胱炎患者の尿より分離せる病原性:大腸菌20株及び健康者 453名 の糞便中16例より溶血性大腸菌を得て,削れに溶血を示さS’る健康者糞便に君側せる 普通大腸菌を謝照として,其の差異に織して珈か所見を述べさせて頂きます。 1)、一般所見 私の分離せる菌は悉くEscherich氏の所謂廣義の大腸菌としての性 朕を有するものにして之れによりては病原非病原の匠別は絶封に不可能であります。 2)衆知の如く大腸菌は其の適鷹性強きものたる故,糖類醗酵作用に臥しても攣化 錯綜せる態度を持する故,本作用により曝者を判然と圃写する事:は出來ません。然し 此庭に注目すべきは溶血性菌は病原非病原たるを問はす「ズルチヅト」分解能を有する もの曳様であります。 3)各種動物血球に封ずる血球凝集反慮。1908年gujQt氏は膀胱炎患者尿より一種 の大腸菌を分離し本菌は動物の血球を凝集する事を知窮二宮氏も亦赤痢様疾患或は 一種の熟性病の病原となり得る血球凝集性大腸菌を想定し麹菌籏は大腸菌籏中判然た る群をなすと云って居ます。 私は先づ此等に序し何等かの知見を得んと欲し前記楽舞株に就き亡研究致しまし た。EPち入,、の羊,「モルモット」豚,家兎血を三型洗零し5%血球浮游液を作り,豫 め「デーyキグラス」上に一滴の生理的洋盤水をおき,之れに24時間寒天斜面培養より凝 固水を避け一白金耳をとりてよく混合し,更に前述の血球浮游液一滴を添抑致します。 然るときは人血球並びに山羊,豚血球に謝して病原性非溶血性菌株たる石井,松尾株 並びに非病原性非溶血性の封照株及び病原性溶血株たるC2を除く溶血性六腸菌は悉 く瞬間的に或ぴは三十秒以内に著明に凝集しますが家兎血球並びに「モルモ。ト」血球 に封しては一般に凝集程度弱く且叉全く凝集を認めぬ事もあります。 筒C,株は形態二上,生理二上及び冤疫學上大腸菌なりと思惟し各種動物血液寒天 雫板上著明なる溶血.環を呈するに拘らす血球凝集反鷹は陰性を示しました。此の事は 尚研究の必要ありと考慮致して居ります。 一 第 7 巻 415 一一

(2)

92 東京女讐三八第四回総會詑事

4)溶血作用 Kayser氏によりて初めて廣義の大腸菌に就て精細なる研究がなさ

れ,其の後病原性菌は溶血能を有し,溶血能を有する菌株の毒力は強きと,叉溶』血力 と菌の毒1生とは『玄行せすと云ふ者あり,或は病原菌は或特定の血球自口ち牛,.厭血に陣 して溶血性を有すと云はれて居ります。私も亦分離せる菌株に就て山羊,人,家兎, 海瞑,牛,豚,の洗際血液を元量の3倍とせるものを10%の割に加へたる血液寒天増 地に20時闇「ブイヨン」培養の一白金耳を移植し其の溶血性を楡索致しました6 病原性菌株中溶血を示せるものは20株中18主帥ち90%で健康者糞便に由來するもの は3.5%の割であります。溶並L能を有する菌株はC2株を除けば塗部血球凝集反撃陽性 であります。故にHamagglutinineとColilyg. ・ineとはhomologのものであらうと 云ふ諸家の設も白軍されます。 5)凝集反慮 大腸菌籏の冤疫學的性歌は衆知の如く顯著なる特異性を有せす,木 反照によりて大勝菌を分類せんとする研究は全く不可能なりと申しますが,溶血性菌 は本菌町中一つの別群をなすと云ふ者もあります。 私も患者尿より分離せる瓦斯不産生,大腸菌D1株及び石原,「吉原瓦斯産生菌,黒 田メタ大腸菌並びに健康者糞便より分離せる溶血性303,341株,非溶血性1,100.株 をえらび低くとも3200倍以上の凝集債を有する抗血清を作り交叉凝集試験ξ行ぴまし た。之の實験成績より病原非病原を匝祝する事は勿.論難事で御座います。本反鷹によ って溶血性菌が他の大腸菌些事より判然たる一群をなすと明言する事は規來ませんが 本機は黒血學的に一事相通する或ものを有するのではなV・かと思惟致します。 6)「リバー・ぜ」産生 「不タラグモメーター」はMichaelis氏の「ドロップピペ.トJを使用し,「トリブチリン」

麺溶液として聯一聯・カ・ウム」籠燐酸・ナ・リウ・・の春な・溶灘難

しおき,ゼレンゼン氏の表に從ひ使用にのぞ.み必要のPhを有する燐酸混合液を暗ゆ 本液10ccに謝して蒸溜水50ccを加へ,之れに,ナ滴の「トリブチリン」を滴下し飽和溶液 を作りて被槍に供しました。之れに37。C20時聞培養の生菌を前記混合液に加へて「リ パーゼ」産出の有無を即しました。 この法により病原性菌株中75,0%は「リパーゼ」を産生し淺飴の25.0%は陰性,非病原 性溶血菌ば50.0%陽性にして,封照株として使用せる非病原性非溶血性菌株は全部陰 性を示しました。 之の威績によれば病原性菌が非病原性菌に比して「リパーゼJ産生の陽性率高きも 非病原性溶血菌と難も「リパーゼ」を産出する菌が存在する故維当拍勺の匪別となす事は 一第 7 谷416:一一

(3)

東京女馨學會第轟回陸田記事 93 出來ません。

7)血漿凝固作用 Mnch Hansの法に從がひて本作用を噂しまレたが豫期の結果

を得る事が出來ませんでし孝。 ・8)動物試験・本試駿により毒性をあちは・し,病原,非病原との間に何等かの關係 あるや否やを検するために,・』37。C20時闇培養の生菌を滅菌生理的食盛水1 cc tc i 1 mg の割・に浮瀞せしめ13−159の雄性「マウス」の腹腔中1(:0.1mg注射せる病原性非溶 血の石井,!松尾株と勤照株を除く全菌株は4日以内に「マウス」を鰭死せしめました。 家兎の皮内反鷹』に關しても前記と同様の菌浮游液を各0.1mg O.05mgを注射し封照

として100株を用ひて槍するにNekrose・或ひはpustel叉はR6tungのみを獲現する

もの等ありて本反慮の詳紬に就ては目下研究中であります。 「以上を総括しますと病原性菌株中190・0%脚皆血性を,85・0%は血球凝集性を有しま す。然し健康者の糞便株と難ども.3.5%の溶血性及び血球凝集性を示すを以て絶樹的 匠別となす事は出來ませんが,病原菌槍出の或る目標となるであちう事は想像に難く ないと思ひます。 「リパーゼ」産生,「マウス」に封ずる毒性二二に於ても同様であります。然.し凝 集反憲,血漿凝固作用等により之れ「を鑑別する事は杢く不可能と言はねばならないと 考慮致します。

4・,病原菌の襲育に及ぼす「わさび」の影響に就て

東京女子醤墨專門學校今村内科教蜜 太 田 登

5.小児指極の測定成績に就て

東京女子讐學專門學校小晃科教室

本誌二丁演読欄に掲載 佐 瀬 梅

今 井 千

座 長(自7番至10番目 今 村1 明

6・乳鬼謄膜炎の臨床

東京女子羅馬專門學校小児科数室

原 田 英

美 子 代 光 子 乳三二膜炎は磯病の模様が年長兄のそれと異なってみる様成書に書いてあります。 一一第 7 着∋417 一

参照

関連したドキュメント

緒  梅毒患者の血液に関する研究は非常に多く,血液像

健康人=於テハ20.61%ナリ.帥チ何レモ胃腸 疾患=於テ一斗康人二比シテ相當減少スルヲ認

直腸,結腸癌あるいは乳癌などに比し難治で手術治癒

に時には少量に,容れてみる.白.血球は血小板

糞で2日直して嘔吐汚血で12時間後まで讃明さ れた.髄外表の他の部分からは比較的早く菌が

 :Bacillus gigasの溶血素に就ては、Zeissler 4)の 記載に見へなV・.:Bacillus sordelliiに關しては

たらした。ただ、PPI に比較して P-CAB はより強 い腸内細菌叢の構成の変化を誘導した。両薬剤とも Bacteroidetes 門と Streptococcus 属の有意な増加(PPI

がんの原因には、放射線以外に喫煙、野菜不足などの食事、ウイルス、細菌、肥満