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カンパニー制の意義と課題

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カンパニー制の意義と課題

1 はじめに

 最近,カンパニー制をとる会社が注目されて いる。カンパニー制とはイ可か。カンパニー制が 注目されている理由を明らかにすることが第1 の目的である。  そもそも,事業部制組織の出現と共に,責任 会計が業績管理会計へと移行したように,カン パニー制が職能別組織とも米国型事業部制とも 異なる組織形態ならば,業績管理会計にも修正 を加えなければならない。確かに,カンパニー 制は,インベストメント・センターとしての事 業部制と変わりはないという見解もある。しか し,筆者は,必ずしもそうではなく,日本企業 に特徴的なマネジメント・コントロール・シス テム(MCS)が利用されていると考える。  カンパニー制は,資金管理の委任(社内金利・ 社内資本金・事業部ないしカンパニーのB/S, P/しの存在),一層大きな権限と責任(設備投 資の裁量額の大きさや社内倒産のリスク),R OI,ROE等の評価尺度の重視,(稀ではある が,)カンパニーへの人事権の付与,等の点に 特徴がある。  さらに,micro proflt centerとしてのカンパ ニー制のように,柔構造組織をとっている場合 には,従来の業績管理会計によるマネジメント・ コントロールには限界があるだろう。  第2に,カンパニー制の一例にすぎないので あるが,カンパニー制を具体的に説明するため に,本稿では浅田教授らとヒアリングをしたT 社の事例を紹介する。カンパニー制をとってい るという数社を比較した類型化は今後の課題に 回すことにしたい。  さて,カンパニー制といってもその内容はさ まざまであり,一旦とったカンパニー制の見直 しを迫られた企業もある。そこで第3に,カン パニー制が成功する条件について考察する。例 えば,コーポレート・ガバナンスの考え方,管 理会計システム,インセンティブの与え方,エ ンパワメント,どこまで機能を本社に残すべき か等,何が問題なのかについて考察する。同時 に,その検:討過程において,事業部制,micro profit center,分社制,純粋持株会社等とカ ンパニー制を比較して,カンパニー制の特徴と 問題点を指摘し,部分的に現時点での提案をす ると共に今後の課題を提示することにしたい。

ll カンパニー制の意味とねらい

1,日本型事業部制とカンパニー制  西澤 修教授の分類によれば,分社制は社内 分社制と社外分社制に二分され,事業部制もカ ンパニー制も社内分社制の一種である点で共通    りしている。結論を先に言えば,事業部があらゆ る職能を事業部の中に揃えた自己充足的事業部 であり,インベストメント・センターであるな らば,すなわち,「米国型事業部制」ならば, 実質的にカンパニーと同じであるとする意見が  のある。  区別がはっきりでるのは,カンパニー制を職 能別事業部制と比較した場合である。すなわち, 1)西澤(1995)p。44. 2)高木(1996)p.20.

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一90一 滋賀大学経済学部研究年報 Vol. 4 1997 日本企業の事業部制は資本の運用を委譲された インベストメント・センターになっていない場 合が多い。そこで,カンパニー制と呼称を変え ることによって,製品別から顧客別・市場別の 事業部制へ移行することをねらっている。より 一層,市場のニーズへの的確・柔軟・迅速な対       の 応を目的とするのがカンパニー制である。  では,職能別事業部制も含め「日本型事業部 制」の特徴とは何か。浅田教授は,その特徴と        のして以下の諸点をあげている。  ①事業部と事業所のリンクの曖昧性(日本   企業では事業所に製造部門・製造子会社が   あり,企画・開発責任が事業部の根幹にあ   る。事業所=工場であり,種々雑多な製品   を生産しており,それらを複数の事業部が   統括していることが多い)。  ②本部への事業部の高い依存度(低い自己 3)伏見・渡辺(1995)p.7,pp.9−10.正統的事業 部制と日本企業が独自の事業部制をとった経緯・・ 伏見教授らの研究による  伏見・渡辺(1995)によれば,事業部制は,わ が国では1920年代のGMやデュポン社による導入 よりも古く,1908年掛三菱合資会社の事例がある。 本社とは別に鉱業部,銀行部,造船部の3部が, 上納金のシステム,大幅な権限委譲等の点からみ て事業部に相当するものであったという。  1933年の松下電器産業の例も有名である。その 後,1960年代の通産省による答申「事業部制によ る利益管理」がでて,インベストメント・センター 方式の事業部制 (米国型,正当的事業部制)が 指向されたものの,日本型事業部制になってしまっ た(伏見・渡辺(1995)pp.4−5)。  伏見教授らは,財閥解体後の「株式相互持ち合 い」に伴い企業集団が形成されたこと,およびそ の結果としての「企業経営の株主支配からの解放」 に日本型マネジメント・コントロールの背景があ るとしている。すなわち,法人株主は利益配分よ りも「外部株主からの防衛」を目的として株式の 所有に特徴がある。経営者が所有主から資本を委 託されているという意識も薄れ,事業部長たちも 経常利益や売上高利益率に配慮しつつマーケット シェアを拡大することに専心することになったと いう(伏見・渡辺(1995)p.8)。 4)浅i田 (1995)pp.53−55.   充足性),  ③職能別組織を大きくしたものとしての事   業部(自己完結的組織ではない),  ④事業部長の権限が小さく責任が重いこと   (米国の事業部制も権限く責任),  ⑤責任会計制度があまり活用されていない   こと,以上である。  さらに,つけ加えるとすれば,本社が事業部 の経営に頻繁に干渉すること,事業部の業績評 価尺度の種類が幅広いこと,事業部の財務的業 績を事業部長の報酬や処遇と結合することによ り活動を誘導する方法はあまりとられないこと も特徴としてあげられよう。  これに対し,伏見・渡辺(1995)によれば 「カンパニー制」をとっている会社に以下の特 徴のいくつかがみられるという。  ①あたかも独立企業のように運営される単   位を同一法人内にもうける分権化方式であ   る。  ②設備投資や人事のような権限までもカン   パニーへ委譲する。  ③社内資本金制度を採用し,資産・負債・   資本の構成,投下資本に対する収益性を重   視する。  ④貸借対照表を業績評価の柱とし,資本利   益率を基本的な目標指標とする。  さらに,(財)社会経済生産性本部の産業課 題フォーラム’94において提唱された「アソシ エーティド・カンパニー」にみられる以下の3 点も追加されている。  ⑤事業会社を市場ニーズに対応して行動さ   せようとする。  ⑥迅速な意思決定ができるように組織をフ   ラットかつオープンにする。  ⑦経営資源が豊かな大企業の強みと機動的・   革新的な意思決定がしゃすい中堅企業の強   みをもたせる。  アソシエーティド・カンパニーは,本部と複 数の事業会社から成り,本部は事業会社に大幅

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な権限委譲を行う。これにより,中小企業のク イック・レスポンスと機動的な決定を可能にす る。それだけではなく,このカンパニー制は, 大企業の資源活用,フラットでオープンな組織, 本部機能の明確化(政策策定と事業会社間の調 整,大規模な投資,資金調達,基礎研究等)の 特徴を備えている。「事業会社」には,R&D, 製造,営業の機能をもつ「製品・サービス別チー ム」の他に,人事,計画,経理担当者を置く。 これらの組織は流動的で経営資源は事業会社間 を移動する。人事面でも,管理職と専門職の複 線型人事がとられ,長期雇用は前提とされない。 外部企業との提携によるアウトソーシングも積 極的に進められる。  アソシエーティッド・カンパニーとはホール ディング・カンパニーに近い形である。しかし, 日本ではこれまで持株会社が禁止されてきたの で,カンパニー制はその代わりにとられた形態       のであるとされる。  以上の特徴から,カンパニー制は「米国型の 事業部制,インベストメント・センター方式」 は「正当的な事業部制」に極めて類似している とされる。しかし,それらが「アソシエーティ ド・カンパニー」に等しいかは慎重な検討を要 する。再言すれば,現実には「カンパニー」と いってもいくつかのバリエーションがある。  例えば,浅田教授が「コーポレート・カンパ ニー制」と呼んでいる組織は,「日本型事業部 制」を指し,「アソシエーティド・カンパニー 制」は,「米国型事業部制」に近いものを指し ている。しかし,「アソシエーティド・カンパ ニー」はソニー,三菱化学,日立製作所がめざ している理想型であり,組織図は米墨型事業部 制に似ていても,それらは日本企業である以上 マネジメント・コントロール・システム(報酬 5)浅田(1996)pp.21−23./伏見・渡辺(1995) p.3./西澤(1995)p.46./日経産業新聞,1994 年8月3日。 システム,業績管理会計その他)が米国型事業 部制とは違っている。つまり,米国型事業部制 でも日本型事業部制でもない第3の形態をとる と考えられる。表1のカンパニー制の右の欄の 特徴をどの程度まで取り入れたものをカンパニー と呼んでよいかは,必ずしも明確ではない。  ここでは,便宜上,日本型事業部制とアソシ エーティド・カンパニー制という両極端に類型 化しておこう。現実の日本企業はその間のどこ かに位置していると考えられる。 2.カンパニー制のねらい  カンパニー制に関しては以下のようなねらい があると考えられる。 ① トップの情報処理負荷の軽減:全社的経

 営と事業運営との分離(CEOとCOOの

 分離)によって,トップは,戦略的・全社  的な意思決定に集中できる(後述)。 ② 事業の効率的遂行・スピード経営と顧客  ニーズの反映:戦略や業務の違う事業を独  立させることにより事業計画,投資計画を  立てやすくし,効率的な事業の遂行を可能       ラ  にし,収益意識を高める。現場に近い所で  意思決定を行い迅速に市場に適応すること  (職能別の効率性よりも市場のニーズへの  適応を重視すること)。 ③ 競争による組織活性化:権限の大幅な委  譲と独立採算の業績評価を徹底することで  カンパニー間での競争を促進する。 ④ 資金管理の委任と株主軽視の体質改善:

 ROI, RI, ROEのような指標を重視

 し資本の運用を委ねられていることを事業  部長に認識させること。社内金利制度や社  内資本金制度の存在,事業部B/Sの作成  が前提になる。 ⑤人材育成:ヒエラルキー組織では,仕事  が細分化するため視野が狭くなる。そこで, 6)武藤(1996)p.9

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一92一 滋賀大学経済学部研究年報Vol.4 1997

表1 日本型事業部制とカンパニー制の比較

日本型事業部制(日本企業に比較 的よくみられる事業部制)注 職能別事業部制が多い トップ・マネジメントは業務執行にも干渉 する 企業は従業員のものという意識 事業部の権限・責任が比較的小さい 大きな設備投資の権限は事業部にない 資金管理は本社で行う 業績評価尺度は利益が主。職能別事業部制な ので,収益・費用・利益と幅広い 事業部業績と事業部長の報酬との結合の程度 は少なく,せいぜい賞与・昇進に反映するに すぎない どの事業部でも,全社的に統一された人事シ ステムになっている 日本型事業部制と対置される理想 としてのカンパニー制 独立企業のような自律的,自己充足的組織 戦略方針決定と業務執行の分離 企業は株主のものという意識 カンパニーの権限・責任が大きい 相当大きな投資をカンパニーレベルで決定で きる カンパニーでも資金管理を行う 社内資本金や社内金利を計算

ROI, ROEのような資本の有効利用を評

価する 金銭的報酬やストック・オプション 抜擢による動機付けを行う 利益は配当され,社内留保も行われて次期に 繰り越される。赤字の場合も累積し,倒産も ありうる カンパニー毎に新規採用,その他の人事権が あり,給与体系や人事システムを変えること もできる 注:日本企業の事業部制といっても職能別組織,製販分離の事業部等の複合体である。米国企業の場合も,   自己充足的組織からのみ成っているわけではない。カンパニー制は日本型事業部制を基本に右の欄のい   くつかの特徴をもったものとして存在している。 カンパニーのプレジデントを経験させることを 通じて将来の経営幹部を養成する。  勿論,個々の企業の事情(カンパニー制をと るに至った理由等)によってカンパニー制をと る理由のうちどれを重視するかについては違い があり,その組織形態,運用にも相違があろう。  次節では,以上で述べたことを,実際に調査 した丁社の事例を紹介することで部分的に,し かし具体的に説明することにしたい。T社が, 一種のカンパニー制である所以は,事業部B/ Sの作成,社内資本金制度,社内金利制度をとっ ている点,カンパニーへの大幅な権限委譲にあ る。勿論,これ以外にもさまざまなカンパニー 制が存在するが,その類型化と比較は別稿に 譲る。

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皿 カンパニー制の下での管理会計………

 T社の事例

1.T社の組織の変遷  T社は,1992年3月に機能別組織から事業部 制および事業本部制へと組織変更した。そのね らいは,各製品事業の企画・開発・技術・製造 の一元管理と一貫した戦略策定を行うため,製 品事業毎の責任・権限の明確化,意思決定の迅 速化であった。  しかし,本部毎に競争意識が高まり,事業本 部問に壁ができたため,調整する必要がでてき た。つまり事業横断的な問題を解決する必要が あった。二年後,事業本部を廃止し,販売推進 本部の下に複数の支社(販売事業部),販売本 部と並列に複数の事業部が置かれた。いわば職 能別事業部制であり,製販分離組織である。  ところが,事業部間で同じ物を作って競合す るという無駄が生じた。そこで,1996年4月か ら事業カンパニー制を導入した。このカンパニー 制においては,A, B商品事業グループカンパ ニーの中にある複数の事業部の中に販売・企画 部門を設置,販売支援のために販売促進グルー プと市場開発グループを置いた。 図1 事業本部制 取 締 几又 そ 会 下 長 社 長 副社長

営業本部

一一

・商品事一

支 社 事業部 事業部 事業部 事業部 事業部 事業部 図2 1994年3月 事業本部制の廃止 取 締 会 長 社 長 齢 副社長 ム 販売推進本部 事業部 事業部 支社 支社 支社

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一94一 滋賀大学経済学部研究年報Vol.4 1997 2.T社のカンパニー制の特徴と導入の効果 【T社のカンパニー制の特徴】  T社のカンパニー制は以下のような特徴をもっ ている。  第一に,商品・顧客別に分けた商品事業グルー プカンパニーと地域に分けた地域カンパニー (支社)から成っている。  第二に,新規関連事業グループを設置した。  第三に,カンパニー間にまたがる課題は経営 会議で審議する(9人,月2回)。  第四に,カンパニー毎にP/L,B/Sを作成 する。社内資本金制度,社内金利制度がある。 →後述  第五に,カンパニーを支援するグループ(本 社,基礎・技術,商品企画開発,販売促進,市 場開発グループ)を設置している。 【事業カンパニー制の導入の効果】 事業カンパニー制の導入により,以下のよう な効果があった。  第1にカンパニー制のねらいでもある「ビジ ネスのスピードアップ」である。これは,支社 と事業カンパニーが共同することにより「新商 品の拡販」「クレーム対応」「弱点ルート攻略」 等の点でのスピードアップを実現したことを指 している。  さらに,製造・販売部門だけでなく開発部門 も事業部内にある点で,顧客ニーズを反映した 製品を設計段階から反映しやすい体制にあると 思われる。  第2に「製販一体の強化」である。  事業本部制の下では,営業本部の下に複数の 支社があり,それとは独立して事i業部が設置さ れていた。製造事業部問では同じ複数種類の製 品を生産し互いに競合するという不都合があり, 調整の必要があった。カンパニー制に移行する ことで,ある程度,別々の製品を生産・販売す ることが可能になったと推測される。  また,一般に,日本企業の事業部制は製販分 離の組織が多いといわれる。組織図からみると T社も商品事業部と支社とで製販分離になって いるようにみえる。T社では疑似的製販一体の 活動強化により利益を改善できたということで ある。商品事業部の中に製造・販売部門がある ことから,支社との調整がうまくいっていれば       ア  製販一体の強化がうまくいっていることになる。  T社のカンパニー制の組織図(簡略化したも の)は図3のとおりである。この図で各事業グ ループと支社がカンパニーである。T社は基本 的に支社よりも製品カンパニーに重点があると 思われる。  問題は,組織図から明かなように,事業グルー プカンパニーないし事業部は開発・製造・販売 機能をもっているとはいえ,それと支社という 営業機能が分離している点にある。これらをど う統合していくかが大きな問題である。  カンパニー制では,各カンパニーにより大き な自律性を与えるだけに,より大きな求心力, あるいは調整の仕組みがなければ,組織の分裂 になってしまう恐れがある。組織文化も重要な 要因であるが,業績管理会計システムを中核と するマネジメント・コントロール・システムが その役割を果たしていると思われる。 7)支社(地域別カンパニー)と各事業グループカ ンパニーとはマトリックス型組織になっている。 支社で「課題解決のスピードアップ」「営業への 人的・物的支援の強化」「支社全体のコスト意識 の高揚」が認められ,事業グループカンパニーや 事業部で「支社へのタイムリーな対応」「支社と の相互理解」「情報共有化」がみられたという点 に,事業カンパニー制の効果は現れているという。  では,支社と事業グループカンパニーとの聞に 上述のような効果が現れる条件は何か。私見では, その前提として両者の問に協調の組織カルチャー のあることが重要であると思われる。  支社と事業部との間に直接対話を実現したり, 一体感を醸成する努力がなされたことはわかるが, どうやって両者の間に相互理解を生み出せたり不 信感を解消したのかが明かではない。

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図3 T社の組織図

取締役会

副会長 社 長 副社長

経営戦

経営会

議  略 室

総合技術会議

総合販売会議

常務会

A商品事業グループカンパニー          5事業部 B商品事業グループカンパニー一・          6事業部 C関連事業グループカンパニー

    一3開発センター

D関連事業グループカンパニー 13支社(地域カンパニー) 販売促進グループ 市場開発グループ 商品企画・研究技術グループ 工場

00部

○○本部  例えば,以下に述べる事業部貸借対照表,社 内資本金制度や社内金利制度は,事業部長に事 業部利益を大きくしたり,借入金を小さくする インセンティブを与える。  本社費の配賦も管理不能要因による結果を業 績に含めることになる一方で,事業部長の自律 性の知覚を高めたり,本社費削減を牽制する作        ラ 用が働くことはよく知られている。  業績管理会計による業績評価でカンパニー業 績をどのように捉えているか,そして,各組織 長の権限・責任,調整のしくみはどのようになっ ているか,経営計画とカンパニーの業績評価は どういう関係にあるかについて,次に説明する。 3.事業部損益計算書(P/L)と貸借対照表  (B/S)  T社では,事業部損益計算書(P/L)と事 業部貸借対照表(B/S)を作成している。  事業部損益計算書(P/L)は,売上高から 8)谷(1987)第5章 売上原価を控除した粗利益から成る。さらにそ こから事業部部門費および事業部関連費用を控 除した残額が事業部貢献利益である。事業部貢 献利益から本社費負担額を控除して事業部の業 績評価に利用される事業部経常利益が計算され る。さらに,そこから法人税・原価差額・長期 金利等を控除して事業部純利益が計算される。  事業部部門費とは,事業部が直接管理できる 費用のことであり,事業部に実際発生額以上の 費用を直課する。例えば,事業部販売間接費, 事業部研究開発費,事業部子会社・関連会社費 がこれである。事業部関連費用とは,事業部が 管理する費用であるが,主要な管理は事業部以 外でやり,事業部は実際発生額以上の額を直課 あるいは配賦される。広告宣伝費,アフターサー ビス・クレーム費,短期借入金金利,セールス 部門費,物流コストその他から成る。  本社費は予算として各事業部に対社外売上高 の8%を全事業部一律に賦課され,予算で設定 した金額を月々同額で賦課される。だが,例え ば広告宣伝費は売上高の1.3%であるが,そ

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一96一 滋賀大学経済学部研究年報 Vol. 4 1997 のうちの個別製品の広告宣伝費はその製品に関 連する事業部と本社で二分の一ずつ負担するこ とになっている。というのは,個別の製品の広 告にも全社的売上に影響のある社名がでてくる からである。  費用負担に関する基本的な考え方としては, 社外売上を計上する事業部がコストを負担し, 社内売上の場合は社内振替品の振替先事業部が 負担する。各費用は,部門コードごとに集計し, 各基準で各事業部に配分されている。  例えば,セールス部門費は,セールス部門 の部門費(人件費,旅費交通費,地代家賃,減 価償却費その他)をセールス労務用役比で各事 業部へ配賦されている。  なお,支社の費用も事業部へ配賦されている。  T社では,P/しと並んで事業部貸借対照表 (B/S)を業績評価の柱としている。事業部B /Sは全社的B/Sを分割して作成したものであ り,半期に一度作成される。定期的にB/Sを 作成することにより事業部長の責任をはっきり させ問題点を自覚させている。T社におけるB /Sの作成目的は,①事業カンパニーへの投下 資本の効率的運用をさせ,②事業としての価値 (キャッシュフロー)を把握し,③金利計算を 行い,④事業部の累積利益と損失を把握するこ とである。  利益管理だけではなく資金管理を行うために はB/Sを作成する必要があり,そのためには, さらに後述の社内資本金制度・社内金利制度の         ラ 導入が必要である。  ところで,西澤(1981),挽(1996)によれ ば,社内資本金制度を導入した当時の松下電器, および他の企業では「事業部の資本調達源泉を 問うことによって自己資金経営に向けて事業部 を動機づけるために社内資本金制度が採用され   た」のであり,一方,近年この制度を導入する企 業においては「事業部の業績を継続的に,累積       ユのして測定し評価すること」をその目的としてい るという。T社の場合にもこの目的がみられる。  「資本の調達源泉を問う」というのは,資本 金,借入金,留保利益等の額を明らかにするこ とにより,安全な財務構造へ向かうように事業 部長に努力するインセンティブを与えることを 意味する。例えば,借入金に対し金利を課すこ とは借入金の増大を抑制する可能性がある。ま た,自己資本の額が明らかになることで,自己 資本利益率(ROE)のような尺度による評価 が可能になり,株主から受託した資本の効率的 運用責任を果たしているか否かを示せるように なる。  他方,留保利益を計算し累積利益を計上する ことは,それを大きくするインセンティブを事 業部長に与え,長期的な観点での投資や収益力 の向上へと事業部長を動機づける効果があるだ ろう。  なお,事業部貸借対照表と不可分の関係にあ る社内資本金制度は,田中(1997)によれば, 1980年以前は主な機能が「資金利用の効率化」 であったのが,最近は「ROEの目標の達成を 促す機能」がより重視されるようになってきて いるという。これはROEの大きさが株価の下 落の一因となり,資金を調達する際の障害とな         ユ う ることに一因がある。 4.社内資本金制度,社内金利制度  T社の基本的な考え方では,「固定資産+投 資・貸付金」を事業部資本金としている。投資 は資本金と自己金融(事業部純益+減価償却費) から賄い,不足分については本社から借り入れ る。  投下資本の効率的運用がなされるよう,事業 カンパニーは独立法人と同じように資本コスト を負担する。ここで資本コストとは,事業部 9)西澤(1995)p.50. 10)挽(1996)p.43. 11) lbid., p. 44. 12)田中(1997)p.220.

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B/Sにより計算された自己資本に対する配当 金と借入金に関する金利(いずれも事業部から 本社へ支払)である。借入金には短期・長期が あり,それぞれ別のプライムレートを用いてい る。したがって,低金利の昨今は借入金の資本 コストはあまり問題にならない。企業によって は,金利を高くすることによって「それを賄え るほどの利益をあげるように努力せよ」という メッセージを事業部に与える企業もあるが,そ れとは対照的である。また,T社では,配当金 については,黒字の事業部のみ資本金×3%で 課されている。これは,筆者の解釈では,新規 事業の事業部等,支援したい事業を優遇すると いう意味で配慮したものであろう。  これらの資本コストは事業部単位で計算され るが,3つの事業グループは,事業グループの 資本金・借入金合計に対して計算されている。  「長期借入金」は,「当期利益+繰越利益+ 減価償却累計額+本社長期未払金く固定資産の 増加額+建設仮勘定の増加額+投資・貸付金の 増加額」の場合に計上され,不等号が逆の場合 にはF本社預金」が計上される。キャッシュフ ロー(利益・減価償却累計額)を増加させれば, 本社預金を増加させる,あるいは本杜長期借入 金を減少させることができる。  なお,この他に,本社が事業部に対して支払 う本社預金金利,支社についても金利賦課の制 度がある。 5.カンパニー制導入に伴うしくみの改善  T社では,上述のような制度の他に,カンパ ニーの導入と並行していくつかの仕組みを変更 あるいは導入した。例えば,権限委譲と電子メー ルによる稟議書の回覧,中期経営計画の変更, 業績評価制度と報奨システム,全社最適を実現 するための会議体の設置等である。  商品の種類が増加するとトップレベルで全て の決定を行うことは難しくなるので,ビジネス のスピードアップのために権限委譲を行った。 同時にカンパニー問の活動を調整する会議体の 設置により全体最適を実現しようとしている。 (1)権限の委譲と責任の明確化  事業部長の責任とは,広くは事業グループ長 の方針に基づき商品の売上・利益責任を果たす こと,事業部内の各部門,各支社との製販一体 化の推進,地域に密着した販売活動,商品企画・ 開発のスピードアップである。  支社長は,担当エリアの販売業務を担当し, 担当地域の売上・利益責任を負う。営業本部が あった頃に比べてより自律性が高まり,事業部 長に近い責任・権限をもつようになった。けれ ども,イニシアティブは事業部がとる。支社と 事業部の調整は,事業グループ長が行う。  事業グループ長の責任は,事業グループ全体 の売上・利益責任,グループ内各部門・各支社 との製革一体化,全社最適を実現することであ る。  しかし,このような権限・責任関係は重複し ており,事業部と支社との問の調整の仕組みが, 単に会議と事業グループ長の調整だけによるも のではなく,会計数値による財務的コントロー ルも重要な役割を果たしていると思われる。 (2)業績評価制度と報奨制度  事業部の業績は従業員の賞与に反映するよう になっているが,成熟商品を扱っている事業部 の場合に比べて新商品を扱っている事業部の場 合とでは後者の方が利益はあがりにくいので, 不公平にならぬようハンディをつけている。こ のような業績評価上の配慮は生産子会社につい ても行われている。たちあがったばかりの子会 社は最初は赤字で規模拡大につれて利益が拡大 していくのが普通だからである。 【販売部門と事業部門の業績評価】 業績評価方法としては,数式で評価得点を出 している。販売部門の場合,順位をつけて表彰 し,1位,2位には,一回宴会をやることので きる程度の金一封を授与し,事業部門の場合は,

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一98一 滋賀大学経済学部研究年報Vo1.4 1997 表彰しテレフォンカード程度の賞を出すことに よって組織を活性化している。基本的に金銭的 報酬よりも名誉,自己実現によるインセンティ ブが重視されていると考えられる。販売部門と 事業部門,同じ部門の中でも条件が悪い地域あ るいは製品を担当している場合,努力にかかわ らず業績が低迷するかもしれない。金銭的な差 をつけることは必ずしも動機づけの面で良くな いため業績と連動した報酬の金額は小さくして   の いる。 (3)中期経営計画  次に,経営計画の策定,経営計画と業績評価 の関連について。  経営計画は,3年先までの対応を行うための 計画であり,カンパニー制に移行後,以下のよ うな変化があったという。 1.T社は競合企業,市場動向(市場占有率,  需要等)の調査を必ず行い,3年先までの環  境変化を予想して早めに対応できるようになつ  た。(従来は,他社の動向を十分みていない,商  品戦略,中期計画をたてない場合もあった。) 2.人員採用・配属計画,設備投資計画,新商  品開発・発売計画,新規ルート開発について  は中期売上・利益計画と連動させる。 3.中期計画は経営環境の変化にあわせて定期  的に毎年見直される。中期計画は毎年ローリ  ングで短期予算と同時にたてられる。中期商  品戦略も中期立案のスタート時点で立案され  る。短期予算は中期計画の部分的修正により  作成される。   細かい数値が先行するのではなく,環境把 13)事業部門業績評価基準では,評価得点=1(経  常利益の対予算達成率+同対前年伸長率)÷2×  0.5+(総資本経常利益率の対予算:達成率+同対  前年伸長率)÷2×0.3+(一人当たり売上高の  対予算達成率+同対前年伸長率÷2×O.2)}×100;  前年と同じだと100点になる。販売部門あるいは  支社の業績評価基準はさらに複雑な数式で表され  るがここでは割愛する。  握,重点施策が中心。各部門の中期重点課題  は何かがまず検討される。 4.支社毎の中期計画,ルート,商品戦略をた  てる(従来は支社毎の地域中期計画がなかっ  た)。 5.中期計画は,毎年5−7月に経営会議で討  議される。特に重点課題・部門ついては10−  11月に討議される。 6.中期経営計画については経営戦略室でガイ  ドを作成し,全社的目標(売上,利益その他  の経営指標だけではなく,福祉目標,重点施  策等)を掲げ,事業部,支社,関連会社等に  提言を行っている。 7.中期計画の達成努力が維持されるように以  下の仕組みが利用されている(従来は立案後  のフォローがなかった)。 ①経営会議;重点課題(機能性商品の開発   等,中期マイルストーン)は経営会議で討   議する。 ②業績評価;重点課題を事業部長,支社長   の評価項目とする。重点課題をパーソナル・   チャレンジ・プランにおりこみ,組織を活   性化する。 ③成功体験;特定商品に特化することで成   功体験をさせ,士気を向上させる。 ④報奨制度;事業を赤字から黒字に転換で   きたら全社員に報奨金を出す。業績向上が   著しい部門に対して人事評価ランクAの比   率を増加させる。  以上のような達成努力を持続させる仕組みの 中に,中期計画と業績評価の関連がみられる。 このような中期計画を核として,全社の各計画 と連動させている。 6.T社における課題  自律性を備えたカンパニーが機動性を発揮し, 顧客満足を生み出すためには,調整の仕組みが うまくできていなければならない。前述の管理 会計システム,業績評価システムと報奨システ ムもその仕組みといえる。

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 これらの調整の仕組みとして,会議と人脈が 重視されている。  カンパニー内の調整は毎月開催される「グルー プ別事業部長会議」によって行われる。事業部 と支社との調整は「グループ別支社長会議」 (半期に一回)と経営幹部が販売店を毎月訪問 することによって行われる。全社レベルでの調 整の仕組みとしては「総合販売会議」(半期に 1回)や「総合技術会議」(随時)がある。さ らに,「経営会議」(月2回)での審議,「常務 会」での決済「部門長会」を経て決議内容が全 社に知らされる。  題意では,このような会議や資料の増加によ り業務効率の低下したことも一部指摘されては いるが,概ねうまく機能しているようである。  ここで,「調整」を以下の3つに分類するこ とにしたい。  第1に,事業部(ないしカンパニー)内の職 能問の調整,第2に,事業部問,支社間,ある いは支社(地域カンパニー)と事業グループカ ンパニーとの問の調整,第3に,本社の意思決 定機関と事業グループカンパニーとの間の機能 の調整,である。  T社では,今後の課題として「部門無配,部 課長対話集会等による社内情報の共有化」が あげられている。これは主として第1の調整に 関わる問題である。上述のその他の会議は,第 2と第3の調整に関わる仕組みであろう。 に対し製品に関する提案を行いクレーム処理も する。しかし開発は行っていない。ここでルー トとは商品の性格上,販売と同時に設置を必要 とすることから据え付け工事を行う業者や電気 屋等を指す。新規ルートというのは,たとえば, 全国展開の量販店を通して製品を販売するよう なケースである。  問題なのは,違うルートで同じような製品を 売るケースでお互いにバッティングする場合, その調整をどうするかである。事業グループ長 が調整役であることはわかるが,具体的プロセ スにおいて問題がないとはいえない。  T社のカンパニー制のねらいの一つは,地域 の顧客に密着した販売活動の展開であった。複 数のルートで同じような商品を扱っている場合, 調整コストがかかる点,T社のシステム製品に T社で生産できない電気製品を組み合わせる場 合,外注コストが高くつくことも問題となって いる。  第3の調整に関しては,T社のカンパニー制 ではコーポレートの意思決定と業務執行の独立 をねらっていると推測できる。  重点課題・重点部門については経営会議で審 議・解決していくことからトップダウン的なと ころもある一方で,数多くの会議による調整や 先述のような管理会計システムが調整のための システムとなっている。  まず,第2の調整についてである。  13の地域カンパニーに製品を提供しているカ ンパニーとして,A, B, C, Dグループカン パニーの4つが考えられる。地域カンパニー (支社)は,それぞれAはX,BはY, C, D は新規ルートという別々のルートでエンドユー ザーに商品を提供するのを原則としている。し かし,これらのルートは絶対的なものではなく,

例えばAがYのルートを,BがXのルートを使

用する場合もある。各支社はそれらのルートを 通じてニーズ・市場1青報を得ると共に,ユーザー  なお,今後の課題として,カンパニー制をと りながら,その運営方法,制度,組織の内容を 変えていくこと。例えば,国際事業等新規カン パニーの設置,カンパニーとスタッフ部門の責 任範囲の明確化,研究部門藩中長期的な課題を 検討する部門の位置づけの明確化,事業部数の 変更,評価制度の変更等が考えられている。  以上が,T社のカンパニー制の成功事例の要 約であるが,導入後,時間の経過と共に環境の 変化に応じてその内容は変化していくものであ り,ワン・ベスト・ウェイがあるわけではない。

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一100一 滋賀大学経済学部研究年報Vo1.4 1997

IV カンパニー制とその他の組織形態

 カンパニー制がもつ特徴は他の組織形態がも つ特徴と共通点をみいだすことができる。IV節 では,近年注目されているマイクロ・プロフィッ ト・センターや持株会社とカンパニー制の関係 をみることでカンパニー制の意味を考察する。 1.カンパニー制と持株会社  持株会社とは,広義には議決権のある株式の 過半数を所有する会社(親会社)をいう。狭義 には純粋持株会社のことを指し,「株式の所有 により国内の事業活動を支配することを主たる 事業とする会社」をいう。純粋持株会社は事業 を受け持たない。この純粋持株会社はこれまで        ユ ラ日本国内では独禁法で禁止されてきた。ただし, 日本の親会社が海外に持株会社を設立し,さら にその子会社として事業会社をおくという形を とっていることはあった(海外には純粋持株会 社がある)。そして,国内でも最近純粋持株会 社が解禁になった。  武藤氏によれば,持株会社の特徴は以下の諸 点にある。  ①子会社は親会社の本社費を配賦されない。   したがって,事業そのものの収益性が明確   になる。その代わりに子会社は配当を支払   うことになる。しかし,親会社の本社費の   負担は過大になる。  ② 純粋持株会社の場合,子会社が事業活動,   親会社の経営者は戦略的決定と経営管理に   集中できる(これについては,カンパニー   制でも可能)。  ③純粋持株会社では,社長としての意識改   革,株主・資本を意識させる点でカンパニー   制と共通点をもつ。  ④合併ではないので,人事について,企業   が他社と合併する場合のように勤務形態・ 14)神戸大学会計学研究室編(1997)pp.1174−1175.  /田中(1997)pp.221−223.   賃金体系等を同一のものにする必要がない。   その限りにおいてコンフリクトが少ない   (これについてもカンパニー制でも可能)。  ⑤自律的な企業文化を維持できる。  ⑥持株会社には,子会社への投下資本の範   囲でのリスクがあるだけである。  これらの特徴は逆にデメリットにもなりうる。 例えば④では別会社問での人の移動がやりにく くなる。⑤では子会社間に壁ができる可能性も ある。  ところで,制度的には純粋の持株会社が禁止 されていても,企業は純粋持株会社のように行 動できる。このことが,持株会社が解禁になっ た理由の一つかもしれない。逆に「制度上」は 純粋持株会社になっていても,その機能を生か       うしきれない場合もある。持株会社は法的に独立 した企業の集まりなので統合がうまくいかない 可能性がある。以上のことから,持株会社が解 禁になってもカンパニー制が選択される余地が 残されているとも考えられる。  企業はカンパニー制を選択するか,資本関係 だけでつながる分社化(持株会社)へ動くか,あ るいは資本も含めたもっと広い意味での資源依 存関係が重視されるか,興味深いところである。 2.マイクロ・プロフィット・センター(MP  C)としてのカンパニー  MPCとは, Robin Cooperが名付けた組織 概念である。これは,生産プロセスを分割して 利益責任をもたせたり,組織を小さな自律的事 業単位に分割して利益責任をもたせる場合の組 織単位を指す。ここでは,自律:的事業単位とし てMPCを定義しよう。  カンパニーの自律性が高く,カンパニーの長 が大きな権限をもち,責任が明確にされ,カン パニー毎の構成メンバーが少ない場合に,カン パニ・一一一はMPCの一種と考えられる。カンパニー の自律性が高いほど,本社の役割が調整・サポー 15)武藤(1996)pp.11−13, pp。15−16.

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トにあるほどボトムアップである可能性は高い。 しかし,強いエンジンの車には強力なブレーキ が必要であるように,大藩な権限の委譲と同時 に強い求心力の機構も備える必要がある。つま り,谷教授が京セラの事例で言及しているよう にトップダウンとボトムアップの調和が必要で ある。  組織が分裂しないためには,エンパワーメン トが大きいほど強い求心力が必要であり,MP C問にインターアクションのあることが不可欠 である。その求心力とは,忠誠心,業績に連動 したストックmオプションであったり,年俸給 であるかもしれない。トップが示す経営理念あ るいは経営哲学,管理会計システムが重要な役 割を果たすとも考えられる(先述のT社の場合 は金銭的報酬を求心力に用いていない点では日 本的事業部制に近いといえる)。また,丁社で は中期計画や会議体によりカンパニー問の活動 を調整していた。すべてのカンパニー制につい て妥当するとは断言できないが,完全にフラッ トな組織ではなくヒエラルキ・一による調整と水 平的調整を併用する組織としての企業モデルが 日本企業に多いように思える。

V カンパニー制の問題点………今後の

 課題

1.MPCの特徴とカンパニー制

 カンパニー制といっても,そのねらいや組織 にはいくつかの型がある。そして,どのようなカ ンパニー制がよいのかについても見解が分かれる。  ある種の理想的カンパニー制を考えるにあたっ て,以下のMPCの特徴を参考にすることがで きよ琴。 第1に,大きな組織を,よりフラットな小さ な組織に分割する。全員参加が仕事のやりがい につながり組織を活性化する。 16)拙稿(1997)  第2に,市場のニーズを把握し顧客満足に向 けて迅速に意思決定・行動できるように,MP Cへ大平な権限委譲が行われると同時に大きな 責任も負わされる。  第3に,曖昧だった責任をはっきりさせ,結 果を現場ヘフィードバックする。個人的短期的 業績を重視しその結果を大きく報酬に反映させ ることにより活性化を図る組織もあれば,経営 理念,組織風土の改革により活性化を図る組織 もある。  第4に,重要課題についてはトップダウンで 進めることもある一方で,現場の知識を利用す るためにボトムアップを重視する。  第5に,単なる上位から下位への権限委譲だ けではなく,MPC問をネットワークで結び, 垂直的・水平的インターアクションによる情報 共有化を前提にした自律分散型組織である(M PC間に壁を作らない)。  カンパニー制でも,これらのうちのいくつか を特徴としてもつだろう。例えば,自律的,自 己充足的で小さな組織がよいという仮説がある。 しかし,機能の重複というような無駄が発生す る場合や,細分化が進みすぎるとかえって統合 が難しくなる。また,カンパニー制は幹部社員 の経営参画意識を高める点では意義があるが, 必ずしも全員参加の経営を目指すものではない だろう。 2.カンパニー制のあるべき姿と研究課題  ここで,筆者は以下の諸点をカンパニーの理 想像を描くための研究課題として提示したい。  ① コーポレートの経営と事業経営を分ける   べきか。  ②共通職能部門の職能を事業別にどこまで   分化すべきか。  ③オープン・ネットワークとしての組織を   どのように実現するか。  ④業績評価方法,業績評価と報酬の関連づ   けはどうすべきか。

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一102一 滋賀大学経済学部研究年報Vol.4 1997 (1)戦略策定と業務執行の分離と組織に二男を  刺す必要性   まず,権限委譲と横の統合についてである。  単に組織を細分化すればよいというものでは  ないという例をソニーにみることができる。   ソニーでは,市場別に細分化されすぎてい  た組織を8つのカンパニーに統合した。これ  が第一次カンパニー制である。これにより,  カンパニー毎に開発・製造・販売まで一貫し       エリ  た事業活動が可能になった。   ところが,カンパニー毎に分離された事業  間に技術的なシナジーが予想されるような場  合には,戦略・開発面で横串を刺す必要があ  る。ソニーが第二次カンパニー制へ組織変更        エ ラ  をした理由の一つはこれであった。   すなわち,ソニーは第二次カンパニー制で  トップの意向を各カンパニーの事業戦略に反  映しやすくするために,商品開発と営業機能  をカンパニーから本社へ移した。これは,D  VD(デジタル・ビデオ・ディスク)の事業  化のために,DVDビジネス・センターとい  う独立組織を設置することで,縦割りのカン       ラ  パニーを横につないだのである。   松下電器においても重点事業には経営資源  を集中的に配分しトップダウンで事業をすす  めていく方向を模索している。いずれも分社  化を見直す方向である。先述のT社の場合も,  重点課題についてはトップレベルの介入が行  なわれる。   カンパニー制をとることにより,本社部門 17)今村(1995),DHB編集部(1996)p。28. 18)日経新聞,1997.5.12,p。48.そのために,「最  高○○責任者」「○○戦略担当役員」等の役職を  設け,全社的な課題 (技術,マーケティング,  情報等)について戦略を設定し,現場の意見を吸  い上げ,各事業を推進する企業が散見される。日  本では,通常,監視役と業務執行者が同一人物で  あるため,上述の肩書きを取締役がもつ場合が多  い。一部の企業では,取締役でない役員を置く試  みを始めている(日経新聞,1997.5.12,p.48.)。 19)高木(1996)pp.19−21. とカンパニーとの問で,戦略的意思決定機能 と執行レベルの意思決定機能を分担すること になる。ここで,戦略策定機能とは,事業構 造の決定,経営資源の配分,事業戦略の監査     の 等を指す。このような分業には,トップおよ び現場レベルでの意思決定の迅速化,責任区 分の明確化という意義があると考えられる。  ソニーでは,このような戦略策定と執行と の分離を意思決定を行う取締役(CEO)の 入津を削減し,別に執行専門の業務執行役員 (COO)をおく(いわば米国流のやり方を とる)という形で行った。  これとは対照的に経営と執行を融合する方 法をとる会社もある。日産自動車では,専務 制,経営会議,常務会を廃止し,全役員が全         社的意思決定の会議に参加するという。これ は,現場の状況をよく知っているのは平の取 締役であるという認識や,年齢の若い者にも 会議で発言する機会を与えることで全員参加 による「組織の活性化」をはかるためであろ うか。その反面,会議に時間がかかるという 弊害もある。けれども,少人数による意思決 定の方が任された少人数のスタッフにリスク を負担させることで組織の活性化になり,意 思決定を迅速化するという見方もできる。 (2)カンパニーへの職能の分化はどこまで行う  べきか   小さな本社が望ましいと考えるのが通常で       あろう。しかし,なにもかも全てカンパニー  へ分散するのは,調整コスト,規模の経済の  観点からみて望ましくない。   上述のソニーのように,商品開発を本社で  まとめて行えば,開発の重複の時間的無駄・  コストを削減することができる。また,M社  の例では,全社に一つの購買部門でまとめ買 20)関根(1996)p.60,pp.61−62. 21)日経新聞,1997.6.9 22)今村(1995)p.16.

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いしたり一箇所で生産を行うことが,コスト の削減や規模の経済に結びつくというメリッ トもあろう。また日本企業では人事部は本社 にあるのが通常である。しかし,人事部の職 能までも分散した企業もある。某商社では, 最近,新規採用を半数はカンパニーレベルで 行い給与体系も別々にした。カンパニー問で の人事移動は原則としてできないので,カン パニー間は別会社のようである。これについ ては先述の持株会社のねらいと共通点がある のかもしれない。どの職能をどこまで分散さ せるべきか,そしてこれらをどう統合するか が今後の研究課題である。 (3)フラットでオープンな組織   第ll節で述べたアソシエーティド・カンパ  ニーはフラットでオープンな性質をもってい  るとされる。   フラットな組織とは,換言すれば,ヒエラ  ルキーが少なくネットワークにより組織を運  営する組織である。市場に近い現場に権限を  委譲し自律的組織とするだけではなく,部門  間の協働を促進する仕組みがなければならな  い。   そのために,米国企業の場合は情報技術  (IT)を使用し,日本企業の場合は主とし  て人脈というネットワークを用いてきた。重  要なことは後者のネットワークが損なわれな  いようにすることである。   例えば,ソニーではオープン・エントリー  制と社内公募制により職能別のキャリア形成  を推進している。   高木(1996)によれば,日本型事業部制は,  職能別事業部制である。事業部間をまたがる  人事異動は少なく,「出身畑」といわれる職  能事業部門をもちながら,いろいろな仕事を  経験し人脈(人間ネットワーク)を広げてい  く。運良く主流の仕事を多く経験できた人間  のみがネットワーク能力をもつ優秀で積極的  人材となる。高木教授は,この人間ネットワー クが損なわれないような形でカンパニー制が 導入されるべきであるとし,ソニーのDVD ビジネスセンター,オープン・エントリー制 (採用の際に職種の希望をきく),社内公募制 (キャリアを積めるよう移動先を希望できる) は,積極的人間を育成し人間ネットワークカ       ラを活用する仕組みであるとする。  /」・倉吉教授は,Galbraithの理論に基づき, 計画・意思決定の中心となり各会社にとって コアとなる機能を担う人材をネットワーク・ インテグレーター(NI)として育成する必 要性を指摘した。NIは組織結合をリードす る存在であり,①製品・サービスの供給プロ セス全体を評価できるような情報と能力をもっ ていること,②他の機能別組織子会社,社 外からパートナーを選ぶ能力・権限をもって        いること,を必要条件としている。  さらに,組織の壁を越えた連携,調整のた め,少なくとも情報交換を可能にするという 意味でのオープンな組織にするためにはIT の併用も有効である。  出口(1996)では,「コア・コンビタンス以 外の機能を,外部に頼り,自分たちの力以上 の実力を発揮することを目的とする」モジュ ラー組織ないしバーチャル・カンパニーの概        の 念をあげている。  アウト・ソーシングからさらに進んで,オー プン・ソーシングという概念も提唱されてい る。これは,情報ネットワーク上で自社の技 術を公開することによって企業内外の技術者 やユーザーを含めた製品開発・改良を推進し,        うその結果を企業が利用する戦略である。IT の利用はこのような可能性ももたらす。どの ような形でITを利用すべきかを考察するの も今後の課題である。 23)高木(1996)pp.22−26. 24)小倉(1997)/Galbraith(1995)。 25) 出口 (1996)p.45. 26) lbid., pp. 46−48.

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一104一 滋賀大学経済学部研究年ee Vol. 4 1997 (4)業績評価と報酬のリンクについて   権限委譲と責任の明確化,分業に伴う調整  と並んで,インセンティブを与え組織を活性  化する仕組みが重要である。   田中(1997)によれば,社内資本金制度およ  び事業部貸借対照表は業績モニターとコミュ  ニケーションの手段である。それらの基本的  機能は,日本的事業部制を補完する機能であ  るという。これらによりROI,ROE,RI等の業  績測定が可能になる。財務数値を提供し目標  と業績評価基準を提示し組織メンバーを目標  の達成へ導く機能である。インセンティブ・  システムに代わる仕組みとしてこれらが機能 していると、謬。   問題は,カンパニー制を導入する際に,米  国の事業部制では不可欠である業績と連動し  た報酬システムが必要であるか否かである。  必要であるとしても採用されない理由はなに  か。   この問題については,個人レベル(組織の  長,従業員個人)と組織単位レベル(集団)  に対する業績と報酬で分けて考えるべきであ  るが,以下では特に区別せずに述べることに  する。   カンパニー制をとっている企業の中でも,  上述のT社のように業績と報酬はリンクさせ  ても,基本的に金銭的報酬によって組織を活  性化させることを考えていない企業もあれば,  武田薬品のように業績評価と報酬を完全にリ  ンクさせて成果主義を重視し始めた企業も     ラ  ある。   なぜそのような違いがでているのか。カン  パニー制をとっているいないにかかわらず,  日本企業では個人業績と報酬をほとんどリン  クさせていない。その理由として,次の諸点  が考えられる。 4。 22 P −,. り自4

26

PP

    7ρ0 ∩口Qσ QりGJ 1 1 中形 田尾    

78

2∩乙  (1)責任と権限が曖昧なため個人の業績の独 立的測定ができないため。あるいは個人間で 差をつけないほうが協働するのに好都合であ るから。(2)めだつ業績をあげやすい仕事のチャ ンスを与えられた者と裏方の仕事を会社の都 合により割り当てられた者の問に不公平がで るため。(3)短期的業績評価や金銭的報酬が活 性化にあまり意味をもたない研究職のような 場合,他の人事制度の工夫による組織の活性 化を試みているため。(4)人事考課による評価, 経理理念によるコントロールが行われている ため。(5)カンパニー制をとっていない場合に 比べれば独立採算になったとはいえ,カンパ ニーの業績は管理不能な要因による結果が混 じっているため,そのままカンパニーの長の 業績評価として使用できない。(6)同じ企業内 のカンパニー間で競争するデメリットや新規 事業を始めたばかりのカンパニーに配置転換 になる者に対する配慮による。(7)短期的業績 測定が可能であっても報酬とリンクさせると 長期的観点に立脚した意思決定を避けるリス クがでてくるから。  以上のように,業績と報酬とをリンクさせ ない理由は,主として公平な評価の困難さ, リンクの結果生じる逆機能的効果に起因して いると思われる。  これに対し,カンパニー制を導入すること で権限・責任が明確になり,資本の効率的運 用も含む業績の独立的測定が可能になったと いう観点から,カンパニーあるいは事業部の 業績をカンパニー一一の長や従業員の報酬に反映 させ,組織活性化を図るという立場がある。 T社の事例で紹介した報奨制度は集団業績を 金銭的報酬の一部にリンクしているにすぎな い。詳しくは別事に譲るが,以下の課題を提 示しておきたい。第1に,業績測定の拡大で ある。第2に,どのような報酬を誰に与える かという問題である。非財務業績(品質,ス ピード,顧客満足)も含めた公平な評価と報 酬の種類・効果が研究課題となる。ただし,

(17)

カンパニー制に関しては,従業員一般よりも トップ・マネジメントによるカンパニーの長 のコントロール,さらに事業部長のコントロー ルが話の中心なので,それらの長の業績評価, 報酬をどうするかということも研究課題であ る。また,ストック・オプションも提案され ているが,株価の低迷や株主持ち合い比率が 高い日本の状況でどれほど効果があるのかと いう意見もある。また,曖昧さを尊ぶ文化に おいて,個人の業績の差を明確につけ誰に何 株を与えたかを明確にすることで生じるチー ムワークへの悪影響も問題の一つである。  以上,いずれも明確な答が見つからない今 後の検討課題である。管理会計の観点からは, どのようなカンパニー制をとるかによって, 分散した組織の調整・統合のために,どのよ うな業績管理会計システムを構築し,NIに どのような情報を提供すればよいかというこ とが課題になる。

w 結 び

 カンパニー制へ移行する際の困難について, 浅田教授は,資産・負債の管理を事業部長に委 譲する際にそれらを公平に分割するための合意        ラ 形成のむずかしさを指摘している。これに加え て,年功制をやめて急に短期的な業績主義へ移 行したり,カンパニー毎に処遇を変えるといっ たような大幅な組織改革は,大きな抵抗を受け るに違いない。外部労働市場の不在のようなB 米の社会条件の違い,取締役の数を減らすこと による昇進ポストの減少等も考えておかなけれ ば,プラス効果よりも大きなコストが発生する リスクがある。  米国と異なった社会状況の下で,単純に米国 型事業部制の組織を模倣するのではなく,日本 にあった形での運営方法を考えていかなければ ならない。その一例として,カンパニー間をつ 29)浅i田 (1995)p。54. なげるシステムにしても人間のネットワークの 仕組み,face to faceの公式・非公式の調整は なくすべきでなく,その上でITを導入する方 法を考えるべきであろう。  カンパニー制を運営するための人材育成のし くみ等,考察すべき課題は多い。カンパニーの 業績評価にしてもコーポレートガバナンスの考 え方の違う日本でROEを使用することが果た して妥当だろうか。事業部制会計をどのように 修正すべきだろうか。  本稿では,カンパニー制の意義が必ずしも一 義的ではないことを示し,カンパニー制の一事 例として,日本型事業部制の特徴を色濃く残し たT社の事例を紹介した。また,カンパニー制 に関連してどのような課題が考えられるのかに ついて提示した。 参 考 文 献 浅田 孝幸「日本型事業部制の見直しと総合的マネ  ジメントの構築」Business Research,/995,9. 浅田 孝幸「日本型事業部制の見直しと総合的マネ  ジメントの構築」 『「事業部制とマネジメント革新」  事例集』 経営組織情報センター資料集No 1,企  業研究会,1996年。 今村 守彦「事業部制からカンパニー制(社内分社)  へ」Business Research,1995.10. 尾形宏「武田薬品工業におけるカンパニー制の導  入と本社部門改革の実際」Busmess Resea−  rch,1996.9. 小倉 昇「資本コスト管理の観点から見た事業部バ  ランスシートの機能と限界について」原価計算研  究,第19巻1号。 小倉 昇「柔構造組織のマネジメント・コントm一  ルと管理会計情報」日本会計研究学会第56回大会,  pp.86−87,1997年。 神戸大学会計学研究室編,会計学辞典,第5版,同  文舘,!997年。 北田 進一「社内分社制の採用と権限委譲」Busi−  ness Research, 1995. 10.

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一106一 滋賀大学経済学部研究年報Vol.4 1997 木村 幾也「カンパニー制を基礎とした連結経営管  理」企業会計,1995年,VOL.47, NO.2. 真田 享「意思決定組織の改革と本社機能の見直し」  Business Research,1995.10. 篠原 洋一「リーダーの研究」日経新聞,1997.6.7. 関根 次郎「今なぜ「カンパニー制」の見直しなのか」  Business Research,1996.5. 武藤 泰明「持株会社組織のメリットと課題」DH  B,1996年,April/May。 高木 春男「日本型カンパニー制の成功条件」DH  B,1996年,April/May。 田中 隆雄 『管理会計の知見』森山書店,1997年。 谷 武幸 『事業部業績の測定と管理』 税務経理協  会,1987年。 田宮 治雄「社内資本金制度の特徴と問題点」企業  会計,1995年,VOL.47, NO.2. 出口 弘「自律分散型組織の戦略的設計」DHB,  1996年,April/May。 日経新聞「近ごろ会社ではやるチーフ・○○・オフィ  サー」1997.5.12.p.48. 西澤 修「高収益の原動力 松下電器の事業部制会  計(上)(下)」DHB,1981年。 西澤 修「カンパニー制における社内分社会計」企  業会計,1995年,VOL.47, NO.2. 挽 文子「社内資本金制度の目的と機能」原価計算  研究,第20巻2号,1996年。 伏見 多美雄・渡辺 康夫「カンパニー制マネジメ  ント・コントロールと日本型事業部制」産業経理,  1995年,第54巻四号。 拙稿「ネットワーク組織におけるマネジメント・コ  ントロール」彦根論叢,第307号,1997年5月。 Cooper, R., When Lean Enterprises Collide, Harvard Busmess School Press, 1995. Galbraith, J. R.,Designing Orgamzations, Jossey−Bass, 1995. 【謝辞】本稿第皿節の作成にあたって,T社の方々 には大変お世話になりました。本稿では頂いた資 料・調査内容の一部しか紹介できませんでしたが, 今後,他社のカンパニー制との比較を行う予定で す。なお,本稿は,文部省科学研究補助金による 支援を受けています。ヒアリングの機会を与えて 下さった諸先生に感謝いたします。

参照

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