188 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(81) イマ ムラ ヒロシ(昭和32
博士(医学) 乙第1245号平成4年1月17日
学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
乳癌エストロゲンレセプター検索法と抗エストロゲン療法の効果に関する実
験的研究 (主査)教授 羽生富士夫 (副査)教授 武田 佳彦,内山 竹彦論文内容の要旨
目的 乳癌に対する抗エストロゲン療法の適応決定に際 し,従来より用いられている生化学的測定法による細 胞質,核内エストロゲンレセプター(以下ERc, ERn) に加え,酵素抗体法によるエストロゲンレセプター(以 下ER-ICA)を検索することの有用性を検討する. 対象および方法 1.対象 原発性乳癌35例を対象とした. 2.エストロゲンレセプター(以下ER)の検索 摘出した乳癌組織を凍結,dextran coated charcoal 法にてERc, ERnを測定,同時に酵素抗体法により ER-ICAの検索を行なった. 3.実験的抗エストロゲン療法 マウス腎被膜下移植法により行なった.抗エストロ ゲン剤tamoxifen citrateを投与した治療群と無処置 群から腫瘍増大阻止率を算定し,40%以上を抗エスト ロゲン療法有効とした.なお,評価可能例は27例であっ た. 結果1.ER陽性率
ER陽性率はERc63.0%, ERn40.7%, ER- ICA44.4%であった. 2.ER陽陰性例と抗エストロゲン療法 1)ERcと抗エストロゲン療法 ERc陽性例の有効率は64.7%(11/17例),陰性例の 有効率は20.0%(2//0例)であった. 2)ERnと抗エストロゲン療法 ERn陽性例の有効率は72.7%(8/11例),陰性例の有 効率は31.3%(5/16例)であった. 3)ER-ICAと抗エストロゲン療法 ER-ICA陽性例の有効率は91.7%(11/12例),陰性例 の有効率は13.3%(2/15例)であった. 3.ERcと抗エストロゲン療法効果不一致例 ERcが陽性で抗エストロゲン療法が無効とされた 6例中5例(83.3%)がER-ICAが陰性, ERcが陰性で抗エストロゲン療法が有効とされた2例中2例
(100%)がER-ICAが陽性であった. 考察 実験的な抗エストロゲン療法の結果からはER-ICA が抗エストロゲン療法の指標として最も有効であるこ とが証明された.さらに抗エストロゲン療法の適応と されているERc陽性例でもER-ICAが陰性であれば 無効となる可能性が,抗エストロゲン療法の適応でな いとされているERc陰性例でもER-ICAが陽性であ れぽ有効となる可能性が示唆された. 結論 酵素抗体法によるエストロゲンレセプターの検索は 抗エストロゲン療法の適応の決定,効果の予測に有用 であると考えられる. 一792一ユ89