146 みないため昭和57年K大学病院を受診し,1251一インス リン結合率(PEG法)が75%であることよりインスリ ン自己免疫症候群が疑われた.なお過去にインスリン 注射されたことはない.プレドニン治療が開始される も完全に治癒しないため昭和61年10月当センター入院 となった.FBS 58mg/d1,1251・インスリン結合率 58。4%,酸エタノール抽出インスリン2,300μV/mlよ り大量のインスリン抗体の存在が示唆された.ELISA 法を用い血清中のインスリン抗体(lgG)の高値を確認 した.HPLC法により血清中にはヒトインスリンだけ であることも確認した.昭和61年11月と昭和62年5月 の2回に分けて右述部皮下結節の摘出術を施行.術後 低血糖発作の頻度,程度ともに改善し,FBS 81mg/dl と上昇,75g GTTによる反応性低血糖の改善, ELISA 法によるインスリン抗体の抗体価の減少を認めた,皮 下結節の摘出標本の組織学的所見は,巨細胞,組織球, 形質細胞,リンパ球の浸潤を伴なった異物肉芽腫の像 であり,その周辺に黄褐色顯粒を貧食したmacro− phageの集籏が著明であった.また肉芽腫からgoldが 元素分析により検出された.Gold thioglucoseがイン スリン自己抗体産生に関与する機構は不明であるが, 本症例ではgold thioglucose注射による肉芽腫が持続 的なインスリン自己抗体の産生をうながした可能性が あると推察された. 4.マイコプラズマ感染症におけるIgG, IgM特異 抗体 (小児科)江波戸景子・平野 幸子・ 斉藤加代子・横田 和子 (微生物) 町明美奈子・彌吉 眞澄・内山 竹彦 Enzyme−linked immunosorbent assey(ELISA)法
によりMycoplasma pneumoniae(Mp)感染症におけ る特異IgG, IgM抗体を測定した,咽頭培養,血清CF, P}IA抗体価によりMp感染症と診断された30例と, 胸部X−Pより疑われた8例の計38例では,培養陽性
例,CF, PHA陽性菌で, IgG, IgM抗体の高い陽性率 を示した.IgG, IgM抗体の吸光度とCF, PHA抗体 価は培養陽性例では有意の相関を認め,培養陰性例で は相関を認めなかった.培養陽性,CF, PHA陽性の 30例中,4例(13%)はIgG, IgM抗体陰性で, CF, PHA抗体価も急熱であった.培養陰性, CF, PHA民
青の8例中7例にIgG抗体またはIgM抗体の上昇を
認めた.これらは年少児に多く,他の診断法では陽性 率が悪く,年齢でELISA法による診断が有用と考え られた.ELISA法によるIgG抗体, IgM抗体の測定は 検体量も少なく,単独で診断可能であることから,Mp 感染における早期診断に有用であると考えた. 5.RA滑膜組織の継代培養とそのレプリカ透過電 顕的観察 (微生物)今西 健一 (郡山免疫医学研究所)柄崎 脩一・鈴木 郁男 RA患者の手術時に採取した滑膜組織の継代単層培 養を行なった.プラスチック培養器に付着増殖した細 胞の組織化学的特徴をみるためにプラズマ重合膜レプ リカ法による電顕的観察を行なった.初代培養では多 様な細胞が見られ,継代培養での細胞形態は10%牛胎 児血清添加DMEM培地で多様な表面突起と顕著なス トレスファイバーの細胞骨格をもった繊維芽細胞様形 態を示した.抗ヒトフィブロネクチン・ウサギ抗体と 金コロイドで標識しその局在を検索した結果,滑膜細 胞の特徴として多量のフィブロネクチンが産生され, 細胞全面に細胞外マトリックスの形成が認められた. セリウム塩標識化酸性ホスファターゼによる検索では うイソゾーム上に活発な貧食能を暗示する繊維芽細胞 様形態をみた.この方法でプラスチックシャーレに生 育した滑膜構成細胞の細胞生物学的・免疫組織学的ア プローチが可能である, 6.慢性関節リウマチ関節滑膜におけるインターロ イキン1産生一関節破壊への関与 (リウマチ痛風センター)橋爪久美子・宮坂 信之・ 佐藤 和人・西岡久寿樹 我々はRA関節滑膜組織におけるサイトカインの 産生と,関節滑膜に浸潤する細胞の表面抗原について の検索を行った. 対象と方法:対象はde丘nite以上のRA25例,変形 性関節症を始めとする非RA12例である.関節滑膜は 24穴組織培養プレートにて培養し,培養上清中のサイ トカイン活性を測定した.細胞表面抗原の同定は凍結 組織切片を用いて各種モノクPナール抗体を用いる酵 素抗体法により行なった. 結果:まず関節滑膜培養上清中のIL−1活性はRA 患者のみにおいて認められ,非RA患者由来の培養上 清中には認められなかった.このIL−1活性はレ線所見 上,関節破壊の強い組織において高い傾向を示した.またRA関節滑膜においてHLA−DR抗原の発現が活
動性に一致してみられた.かつ培養上清中IL・1活性と 関節滑膜におけるHLA−DR抗原の発現と有意な絹関 がみられた.以上によりIL1が関節組織破壊に深く関 一1404一147 与していることが示唆される. 7.小児各種腎疾患におけるリンパ球サブセット
第3報
(腎センター・小児科)永田 道子・川口 洋・ 甲能 深雪・伊藤 克己 今回私たちは,微少変化型ネフローゼ症候群の末梢 血リンパ球サブセットをtwo color分析を用いて検討 した. 対象は,3歳から17歳(平均11歳)の男児39名,女 児12名の合計51名である. 1.Leu 3a+8一細胞(helper T細胞)は,初発,再 発時に低下し,寛解期に正常化する傾向が認められた. 2.Leu 2a+15+細胞(suppressor T細胞)は,再発 時のみ増加した.3.Leu 3a+8一/2a+15+ (helper/suppressor)比は, 蛋白尿陽性時に近く,寛解とともに正常化した. 4.Leu 7−11+細胞は,再発時のみ増加した.
8.Ti(WT31)陰性CD3陽性large granular
lymphocyte白血病について (第1内科) 押味 和夫・斎藤 博・溝口 秀昭 T細胞抗原レセプター(Ti)はα,βサブユニット から成り,これがCD3抗原と複合体を作ってT細胞膜 表面に存在している.しかし最近α,βではなく,αや δから成るTiが発見されその生理的意義に関し注目 されている.今日発表した症例ぱ,CD3陽性でありなが らTiを認識するモノク・一ナル抗体WT31が陰性の LGL白血病で, non−MHC−restricted cytotoxicityを 有する.Tiのβおよびγの遺伝子の再構成を認める, 抗CD3抗体でnon−MHC−restricted cytotoxicityの抑 制を認めることから,アロ抗原反応性のキラーT細胞 と同様,キラー活性の標的細胞として用いられた K562, MOLT−4, Daudiなどの抗原に対し,未知のTi がレセプターになっており,抗CD3抗体がこのレセプ ターを介する細胞融解のシグナル伝達を乱している可能性が考えられる.CD3+WT31一でnon−MHC−
resfricted cytotoxicityを有するLGL白血病は本卦 が第1例である. 9.自己免疫性肝炎患老における正eu・3a+8+, sup・ pressor inducer細胞の選択的欠損 (消化器内科)加藤多津子 今回我々は自己免疫性肝炎(ACAH)における免疫異常の解析を行なう目的で,ACAH患老の末梢血T
細胞の解析を二重蛍光染色法を用いて行なった.その 結果,ACAH患者では同年代の健常対照群に比し選択 的にLeu・3a+8+細胞が比率でも絶対数でも減少しており,他のLeu・3a+8一, Leu−2a+!5+, Leu−2a+15一細胞