74 報告する. 18.当院における小腸出血症例の検討 (西新井病院外科) . 今井俊一 康 錫柱・金 英宇 小腸出血は頻度も低く,原因疾患が多彩であり,そ の診断も容易ではない.当院外科において,最近3年 間に小腸出血を5例経験した.その内訳は平滑筋肉腫 4例,特発性回腸潰瘍1例であった.これらの症例の 診断において,腫瘍性病変,血管性病変ともに,上腸 間膜動脈造影が第1選択の検査と考えられた. 19.術前に診断し得た空腸平滑筋肉腫出血の1例 (牛久愛和総合病院外科) 胆気利康 福田陽子・川瀬敦之・泉 公成 村瀬 茂・倉光秀麿・織畑秀夫 小腸腫瘍は胃や大腸の腫瘍に比べてまれでありかつ 簡便な検査法がないため,消化管の診断技術が進歩し た今日でも手術後に初めて確定診断がなされる症例が 少なくない.今回我々は,術前に小腸造影にて診断し 得た空腸平滑筋肉腫の1例を経験したので報告する. 症例は78歳女性.下血を主訴とし,1992年2月24日 当院入院.入院時Hb 6.3g/dl,入院後も下血が続いた ため輸血計10u施行.小腸造影にてTreiz靱帯より約 15cmの所に腫瘍を認めたため,空腸腫瘍からの出血 の診断で,3月31日手術施行.手術所見は,Treiz靱帯 より約15cmの部位に腫瘍が存在し,腸管内の腫瘍は
連続して腸間膜対側につながり,病理学的に
1eiomyosarcomaと診断された.以上,術前に診断し得 た空腸平滑筋肉腫を報告する. 20.術前に診断し得た中結腸動脈瘤の1例 (聖隷浜松病院外科) 稲田直行・戸田 央・阿部展次 伴 覚・影山善彦・金沢裕之 三年 淳・町田浩道・鳥羽山滋生 神崎正夫・小島町次朗・中谷雄三 上腸網膜動脈分枝,特に中結腸動脈に発生する動脈 瘤は稀である.中結腸動脈瘤は腹痛や動脈瘤破裂によ る腸間膜内あるいは腹腔内への出血をもって発症し, 緊急手術にて初めて診断がつくことが多い. 今回我々は,一時プレショック状態となったが,保 存的療法にてvital signs・が安定し,その後1血管造影に て局在診断が可能であり,待期的手術にて切除し得た 中結腸動脈瘤の1例を経験したので若干の文献的考察 を加えて報告する. 21.エタノール注入療法が奏効した肝嚢胞症3例 (釧路中央病院外科) 須賀弘泰 平泉帯止・永田 仁・八木美徳 今回我々は,肝嚢胞症3例に対しエタノール注入療 法(ethanol injection therapy:EI)を施行したので 報告する. 〔方法〕経皮経学的にバルーン付きPTCDチューブ を超音波試導法で留置.純エタノールを使用し,3∼5 回の注入を行った.注入量は,嚢胞の初回排液量の 10∼30%とした. 〔成績〕症例1:42歳女性.最大径5.8×4.5cmの嚢 胞に3回のEI施行.!カ月後縮小. 症例2:60歳女性.最大径7.4×5.Ocmの嚢胞に3 回のEI施行.2カ月後ほぼ消失. 症例3:66歳女性.最大径8.4×7.5cmの嚢胞に5 回のEI施行.1カ月後著明に縮小.いずれもEI療法終了後2∼7カ月にわたり経過観
察中であるが,増大傾向は認められていない. 〔まとめ〕エタノール注入療法は,従来行われてき た外科的療法に比べ,患者に対する侵襲の少ない有効 な治療法であると考えられる. 22.膵・胆管合流異常,肝内胆管嚢腫に対し全胃幽 門輪温存膵頭十二指腸切除術,肝切除術を施行した1 例 (谷津保健病院外科) 永田 仁 御子柴幸男・糟谷 忍・平山芳文 藤田徹・宮崎正二郎・小沢文明 症例は42歳男性.1991年5月8日,心窩部痛,発熱 を主訴に当院受診.腹部超音波像,腹部CT像にて胆 嚢・総胆管・左肝内結石,左肝内胆管・総胆管の拡張 を認め,急性胆嚢炎,急性化膿性胆管炎と診断し,6 月12日胆嚢摘出術,総胆管切開術,Tチューブドレ ナージ術を施行した.術中胆管造影にて複雑な膵管系 奇形を伴う膵・胆管合流異常,左肝内胆管嚢腫を認め たため,肝内胆管外痩術を迫薄した.一時退院し,外 来にて経過観察後,1992年6月3日根治手術目的にて 再入院.同15日根治術として全室幽門四温等等頭十二 指腸切除術,肝外側区域切除術を施行した. 以上のごとく,初回手術時に発見された,肝内胆管 嚢腫を合併する膵・胆管合流異常に対し,全胃幽門輪 温存膵頭十二指腸切除術を施行した症例を経験したの で,若干の文献的考察を加え報告する. 23.当院における腹腔鏡下胆嚢摘出術の経験 (牛久愛甲総合病院外科) 泉 公成 一952一75 一.村瀬茂・川瀬敦之・比気利康 ・福田陽子・倉光秀麿・織畑秀夫 当院では,1992年6月から1993年1月までに,腹腔 鏡下胆嚢摘出術を19例に施行した.内訳は男性10例, 女性9例で,平均年齢は48歳(29∼76歳),胆嚢ポリー プが1例,胆石症18例であった.術中に開腹を余儀な くされたのは,炎症が強く胆嚢管が確認できなかった 胆石症の1例である.本症例は,右季肋部の強い柊痛 と腫脹,発熱で入院し,化学療法で症状軽快後に腹腔 鏡下胆摘術を試みたもので,開腹時,十二指腸穿孔を 来しており,胆嚢摘出に加えて十二指腸憩室化手術を 施行した、術後は,十二指腸断端のIeakage,皮下膿瘍 (MRSA)を併発したが,術後9日目より経口摂取可能 となり,67日目に退院となった.本症例を中心に,当 院における腹腔鏡下肥摘術の経験について報告する. 24.確定診断に難渋した膵頭部癌の1症例 (森下記念病院外科) 西山隆明 森下 薫・山田則道 症例は62歳男性.飲酒歴(+).1カ月前より上腹部・ 背部痛みられ近医で加療するも軽快せず来院.来院時 血液一般検査では異常みられず,CA19−9値208u/ml, USで胆嚢の軽度腫大と膵管の軽度拡張, GIFで乳頭 部の腫大・変形を認め乳頭部腫瘍が強く疑われたが, 以後のERCP(乳頭部生検),低緊張性十二指腸造影, 腹部CT, Angio,で明らかな所見得られず,また CA19・9値の再検でも132u/mlと低下しており膵炎と の鑑別に困難を感じた.2週間後の腹部CT, USの再 検にて,USで膵頭部に2.2×1.7cmの腫瘍を認め膵頭 部癌の診断を得た.手術勧めるも患者は他院での加療 を希望,他院での手術結果は手術不能とのことであっ た.膵・胆道系疾患の診断において,初回検査のわず かな異常所見からの注意深い検索が必要であることを 痛感した. 25.肝細胞癌が否定できず切除を行った尾状葉血管