72 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(12) ミズ カミ ク ミ美(昭和3
医学博士 画論1090号平成2年4月20日
学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者)
慢性腎疾患の腎機能と尿酸性化能に関する研究 (主査)教授 杉野 信博 (副査)教授 橋本 葉子,小柳 仁論 文 内 容 の 要 旨
目的 慢性腎疾患において,糸球体機能障害の進行に伴い 尿細管機能の一つである尿酸性化能がどのように変化 していくかを評価検討した. 対象と方法 ①慢性糸球体腎炎(CGN)26例,遠位型尿細管性ア シドーシス(dRTA)16例を糸球体濾過値(Ccr)を基準にして3群に分類し,炭酸水素ナトリウム
(NaHCO3)負荷試験及び一部の症例でFishberg濃縮 試験を行った.②慢性腎不全(CRF)8例, dRTA 3例でfur-
osemide(FM)負荷試験を行った. 結果及び考察 ①NaHCO、負荷を行い,血漿HCO、濃度を30mEq/ 1前後まで上昇させた場合,遠位側酸排泄の指標であ る尿一血液二酸化炭索分圧較差(U・BPco2)は健常者で は30mmHg以上に上昇した.②遠位尿細管機能障害のあるdRTAではU-
BPco2は20mmHg以下の低値であり, Fishberg濃縮 試験による最高尿浸透圧も底値であった.③CGN例ではCcrが低下するほど尿HCO3濃度
(UHC。3)の増加が抑制されたが, Ccr低下時の近位側 HCO3再吸収寸進がこの一因と考えられた.④CGN例において尿濃縮能は中等度糸球体障害
でも明らかに低下しており,これを反映してUHCO3も 低値であったが,UHC。3が50mEq〃を越えた場合には U-BPco2は20mmHg以上に上昇した.⑤健常者ではFM投与により遠位側酸排泄能が促
進され,尿pHが5.5以下に低下し総酸排泄量が増加し たが,dRTAではこれらの反応がみられなかった. ⑥CRF例では通常尿pHは5。5以下に低下したが, 一部にdRTAに類似した反応を示す例がみられた. 結論 ①充分なアルカリ尿下のU-BPc。、と, FM投与に よる最小尿pHとは腎機能障害時にも遠位側酸排泄の 評価に有用である. ②dRTA例では尿濃縮能,尿酸性化能の両者とも に低下していた. ③CGN例ではCcr 30ml/min以上の中等度腎機能 低下の場合,尿濃縮能は低下していたが尿酸性化能は 比較的維持されていた.④Ccr 30ml/min以下のCRF例では通常FM投与
による尿pH低下能は保たれているが,一部により強 い遠位側酸排泄障害の存在が示唆された. 一682一73
論 文 審 査 の 要 旨
本論文は慢性腎不全患者の尿濃縮能と酸性化能とを比較検討し,後者の方が比較的末期に至るまで維持され ていることを指摘したもので,学術的価値が高いものである. 主論文公巽誌 わ尿細管性アシドーシス.概論一定義分類,診 慢性腎疾患の腎機能と尿酸性化能に関する研究 断 日本腎臓学会誌 第XXXII巻 第1号 日本臨床 43(9):1855-1863,19851-11頁(1990年1月発行) 3)特殊な疾患;最近の話題一Renal tubular
副論文公表誌 acidosis1)Clinical and experimental study on renal medicina 23(5)810-811,1986 tubular acidosis(腎尿細管性アシドーシスに 5)尿細管性アシドーシス 関する臨床及び実験的研究) 循環器科 24(4):344-353,1988
Coupled Transport in Nephron- 5)浮腫と低Na血症
Mechanisms and Pathophysiology: 臨床水電解質 5(5):443-449,1986 215-219, 1984