168 (67) 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
スミ ダ サワ コ炭田沢子(昭和2
医学博士 乙第881号 昭和63年2月19日 学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者) 神経筋疾患の呼吸機能 (主査)教授 福山 幸夫 (副査)教授 高尾 篤良,教授 小山 生子論 文 内 容 の 要 旨
緒言 神経筋疾患は,その疾患の特殊性のため,呼吸管理 は重要な意義を持つ.特にDuchenne型筋ジストロ フィー症(PMD)では,肺胞低換気による呼吸不全死 亡が,死因の第1位を占めている.しかし,これら諸疾 患の小児期におげる肺機能障害に関する系統的研究は ほとんどない.著者は,7歳未満の若年齢を含む4~22 歳の各種神経筋疾患につき,呼吸機能障害の実態を検 討した. 対象および方法 対象は,進行性筋ジストロフィー症34名(Duchenne 型24名,Becker型4名,肢帯型,顔面肩甲上腕型,肩 甲下腿型各2名),先天性ミオパチー4名(先天性筋線維 タイプ不均衡症2名,セントラルコア病,ネマリンミオ パチー各1名),脊髄性進行性筋萎縮症(SPMA)8名(中 間型Werdnig-Ho仔mann病(WH)1名, Kugelberg -Welander病(K-W)7名),若年型筋萎縮性側索硬化 症1名,計47名である.肺機能検査は,フクダ電子KK のLAM-10 Spiro Analyzerを用い,立位保持可能例 は立位にて,不能例は坐位にて,それぞれ努力性肺活 量(FVC),一秒率(FEV1.o%),%肺活量(%VC), 最高瞬間呼出速度(PEFR)を測定した. PMDの運動 機能障害度は厚生省研究班の新分類に従った. 結果1.PMD
1)Duchenne型PMD
(1)年齢別肺機能FVCは12歳頃までほぼ1.2~1.4 1と一定で,以降減少し,死亡数ヵ月前に激減した. 一832 %VCは9歳頃より異常低値となり,15歳以後は正常の 30%にも満たない傾向があった.年齢(X)と%VC(Y) の相関関係は回帰式 Y=127.8398-5。9667Xで示された. (2)運動機能障害士別肺機能FVCは1期(階段昇 降可能)は増加傾向,II期(手すり使用による階段昇 降可能)からVII期(磁位保持可能)までほぼ一定,剛 期(常時臥床)に激減した.%VCは1期では増加傾向, II期からV期(歩行不能)までやや低下傾向, VI期(四 つ這い不能)に急激に低下した. (3)換気障害の型12歳以上の例は大部分が拘束性障 害型を示した.2)Duchenne型以外のPMD
SP, FSH各1名を除き他の8例では, FVC,%VCと も正常であった. 2.先天性ミオパチー セントラルコア病を除き,他の4例は,FVC,%VCと も低下し,拘束性障害型を示した.3.SPMA
FVCは始め加齢に伴い増加し,11歳頃より下降傾向 がみられた.%VCは加齢に伴い緩徐に低下し,11歳以 降異常低値となった,K-Wの年齢(X)と%VC(Y) の相関関係は回帰式Y篇112.960-2.963Xで示され た. 考察及び結論従来の研究によれば,Duchenne型PMDでは呼吸
筋の筋原性萎縮により拘束性換気障害を示す.%VC は加齢に伴い漸減し,特に13歳以後は脊椎側攣,胸郭169 変形が加わり,著明に低下するという.我々の結果で は9歳,II期になるとFVC,%VCは異常低値を示し, 四つ這い不能になるとその下降曲線は急峻化した.