338 氏名(生年月日) 本 籍
学位の種類
学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件学位論文題目
論文審査委員
(108) オオ タケ ヒロ オ大竹寛雄(昭和20
博士(医学) 乙第1355号 平成5年2,月19日学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)
肝表面白色紋理とその類似所見の病理組織像 (主査)教授 小幡 裕 (副査)融授 小林 愼雄,宮崎 俊一論 文 内 容 の 要 旨
目的 慢性肝炎の肝表面に観察される主要な腹腔鏡所見の なかで,赤色下城の臨床的意義については種々報告さ れているが,白色畑町の意義づけに関してはなお明ら かでない.ここではとくに,白色紋理とその類似所見 である門脈枝周囲黄白色斑の病理所見を中心に検討を 加えた. 対象および方法 慢性肝炎5例(B型2例,C型3例)における白色男 持8病変,およびC型慢性肝炎2例,自己免疫性肝炎 2例,原発性胆汁性肝硬変3例に観察された黄白色斑 10病変について,ヤコブ生検鉗子を用いて直視下狙撃 生検を実施し,実体顕微鏡にて観察の上,連続切片を 作製し,病理組織学的所見を解析した.なお一部の症 例では経年的にこれらの形態学的推移を観察した. 結果 1)白色面出8病変の組織像は,いずれも肝被膜直下 に被膜と連続する古い線維化が認められたことから, その出現は局所における肝病変の終息像と位置づけら れた. 2)一方,黄白色斑10病変は,いずれも程度の差はあ るもののリンパ球浸潤によることが判明し,これらの 症例の深部肝生検組織中にリソバ濾胞様集籏が認めら れた. 3)C型慢性肝炎例の経年的観察から,黄白色斑はリ ンパ球浸潤の軽減と線維化の進展に伴い,黄色調は消 裾し,白色紋理へ移行した. 考察 従来,白色紋理は赤色紋理消明後の所見として出現 することは知られていたが,それのみでなく,肝炎特 有の門脈域の炎症がおさまり線維に置き変わった時期 に出現することが実証された. またC型肝炎の肝表面にみられる部位差の解釈と して,肝実質の炎症,壊死の大小,その修復過程,細 胞浸潤の様相(リンパ濾胞形成)などを反映して,赤 色紋理,黄白色斑,白色平飼などが出現してくるもの とみなされる.なお今回,’ ゥ白色斑は白色紋理の前段 階として位置づけられることが明らかにされた. 結語 白色紋理は局所における肝病変の終息像として促え られ,またその類似所見である黄白色斑はリンパ球浸 潤によるもので,経過中線維化の進展と共に白色紋理 へ移行することが判明した. 慢性肝炎例において腹腔鏡により肝表面を仔細に観 察するζとは,その病期・病態を適確に把握するため に極めて有用とみなされる. 一972一339