• 検索結果がありません。

血精アポA-IV濃度測定とその臨床栄養学的意義に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "血精アポA-IV濃度測定とその臨床栄養学的意義に関する研究"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

Title

血精アポA-IV濃度測定とその臨床栄養学的意義に関する研

究( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

鳥澤, 英紀

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第1073号

Issue Date

1996-09-11

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15198

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名 (本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 鳥 澤 美

紀(岐阜県)

博 士(医学) 乙第 1073 号 平成 8 年 9 月11日 学位規則第4条第2項該当 血清アポA-】∨漉度測定とその臨床栄養学的意義に関する研究 (主査)教授 武 藤 泰 敏 (副査)教授 岡 野 幸 雄 教授 野 間 昭 夫 論 文 内 容 の 要 旨 アポA-Ⅳは1974年に初めてSwaneyらがラットの血柴中に見いだした比較的新しいアポリボ蛋白であり,その 後ヒト血祭中にも存在していることが明らかとなった。アポA-Ⅳは脂肪吸収の際.小腸粘膜内において合成さ れ,新しく形成されたカイロミクロン粒子の表面に存在する。血祭中においてアポA-ⅣはアポC-Ⅲとの置換に よりただちにカイロミクロンの表面から離脱し,1ipoproteinlipase(LPL)によるカイロミクロンの水解を間 接的に促進させるとされている。その他,1ecithin:Cholesterolacyltransferase(LCAT)のcofactorとしての 機能,末梢細胞からのコレステロールの抜き取り作用なども明らかにされており,抗動脈硬化作用を持つアポリ

ボ蛋白として注目されている。また,最近ラットにおいてアポA-Ⅳが食欲中枢に働いて摂食行動を規制してい

ると報告されている。このように,アポA-Ⅳは小腸における脂肪吸収以外にも種々の生理的機能を持ってい■る と考えられる。しかし,これまでのアポA-Ⅳの機能に関する研究は,玩L扇roでの実験が中心であり,種々の臨 床的疾患における血清アポA-Ⅳ濃度の比較検討や.その測定の臨床的意義に関しての詳細な観察はほとんどな されていない。 そこで申請者は,自製した抗ヒトアポA-Ⅳ抗体を用いて種々の疾患の血清アポA-Ⅳ濃度を測定し.またアポA-Ⅳ濃度の変動を同一症例において観察し,アポA-Ⅳ測定の臨床的意義について検討した。 対象および方法 Ⅰ.対象:急性肝炎18例,劇症肝炎7例,慢性肝炎33例,肝硬変45例,肝細胞癌27例,肝内胆汁うっ滞症15軌 totalparenteralnutrition(TPN)施行患者19例,慢性膵炎5例,慢性腎不全52例,糖尿病44イ札 総数265例で ある。なお健常者82名(男性 53名,女性 29名,34±19歳)を対照群とした。採血は原則として14時間絶食後 の空腹時に行い,その血清を試料とした。なお慢性腎不全(52例)は透析患者であり,糖尿病(44例)は食事療 法中の患者である。またコバルト照射治療を受けた食道癌患者(61歳男性),S字結腸癌の外科的手術時のTPN 施行患者(48歳男性),薬剤性肝内胆汁うっ滞症(30歳男性)に関してはt それぞれの臨床経過におけるアポA-Ⅳ濃度の経時的変動を観察した。さらに2名の健常者男性におけるアポA-Ⅳの日内変動を観察した。 II.方法:1.アポA-Ⅳの精製:アポA-Ⅳの精製はWeinbergとScanuの方法を一部修飾して行った。得られ た蛋白はWeber-Osbornの方法によるSDS-pOlyacrylamidegelelectrophoresis(SDS-PAGE)にてアポA一Ⅳを 分離精製した。2.抗アポA-Ⅳ抗体の作製:分離精製したアポA-Ⅳ500∼1000FLgをFreund'scompleteadjuvant に混和して家兎に免疫し,抗アポA-Ⅳ抗体を作製した。抗休の特異性はWestern blotにより確認した。3.ア ポA-Ⅳの測定:アポA-Ⅳの測定はsingle radialimmunodiffusion(SRID)法およびLaurellのロケット免疫電 気泳動法によった。スタンダードに健常者のプール血清を二次標準物質として用いて検量緑を作製して各検体の アポA-Ⅳ濃度を定量した。4.他の測定項目:他のアポ蛋白(アポA-Ⅰ,A-Ⅲ,B,C-Ⅲ.C-II.E)はSRID 法により測定した。血清脂質(TG,TC)は酵素法により測定した。5.統計学的処理:健常者群との比較検定

はStudent's t testにより行い,アポA-IVと他項目との相関は1inear regression analysisにより行った。 結 果 Ⅰ.アポA-Ⅳの精製とその抗体作製:1.アポA-Ⅳの精製:イントラリビッドに吸着した蛋白から精製した アポA-Ⅳのアミノ酸組成に関しては他の報告者のものとよく一致していた。2.抗アポA-Ⅳの作製:家兎に免 疫して12過後に高力価の抗体を得た。3.アポA-Ⅳの測定:l)SRID法:検量線は片対数グラフを用いて検体 のアポA-Ⅳ濃度を定量した。同時再現性のCVは6.2%以下で目差変動のCVは5.9%以下であった。また測定感度 は0.025mg/dPであった。2)ロケット免疫電気泳動法:同時再現性および目差変動のCVはそれぞれ5.3%以

(3)

-65-下,5.8%以下であった。測定感度は0.025mg/dPであった。Il.健常者および各疾患における血清アポA-Ⅳ 濃度:1.健常者82名の平均アポA-rV濃度は11.3mg/dBであった。健常者と比較して有意に低下していたのは 急性肝炎(急性期),劇症肝炎,胆汁うっ滞症,TPN施行患者および慢性膵炎であり,反対に有意に増加してい たのは慢性腎不全と療尿病であった。しかし,肝硬変.慢性肝炎,肝癌は健常者と差が認められなかった。2.

各症例における血清アポA-Ⅳ濃度の変動。1)食道癌:照射前の食事が十分摂れている時のアポA-Ⅳは9.2mg/

dPであったが,照射開始とともに食事摂取量は食思不振のために減少し,アポA-Ⅳは3.4∼5.4mg/dBに低下 した。しかし予定照射終了後食欲の回復とともにアポA-Ⅳは7.9mg/dBまで回復した。2)TPN施行患者:手 術直前のアポA-Ⅳは8.1mg/dPであったが,TPN施行7日後に0.6mg/dBに低下し,その後TPN施行中は0.6 mg/dPのままであった。しかし経口食事摂取を開始してから1週間後にアポA-Ⅳは9.6mg/dBとすみやかに 回復し,食事摂取開始3週間後には9.9mg/d2まで上昇した。3)薬剤性肝内胆汁うっ滞症:入院時T.Bilは 27.6mg/dPでこの時アポA-IVは5.Omg/dPであった。治療によりT.Bilは漸減し,逆にアポA-IVは徐々に回 復し,最終的に11.9mg/dPまで上昇した。3.アポA-Ⅳの日内変動:朝食後ではTG,アポA一Ⅳに大きな変動 は見られず,昼食および夕食後にTG,アポA-Ⅳが増加した。アポA-Ⅳの上昇は食事5∼6時間後であり.TG の上昇に比べ3時間程遅れていた。肛 アポA-Ⅳと他のアポ蛋白および脂質との相関:健常者82名のアポA-Ⅳ はいずれのアポ蛋白および脂質とも有意な相関は認められなかった。また糖尿病患者44例の空腹時血糖および HbA-CとアポA-Ⅳとの相関も有意ではなかった。一日摂取エネルギーとも有意な相関は認められなかった。 考 察 アポA-Ⅳの測定にはアポA一Ⅳの精製,その抗体の作製および測定系の確立が不可欠である。アポA-Ⅳの精製 は基本的にはイントラリビッドとの親和性を利用したものである。急性肝炎の極期や劇症肝炎および肝内胆汁うっ 滞症が低値を示したのは食事摂取量の減少すなわち脂肪摂取の減少を反映しているものと考えられる。TPN施 行患者でも有意に低下していた。このTPN施行患者においてSeishimaらはTPN施行日数とアポA-Ⅳ濃度の問に 有意な逆相関を認めている。肝内胆汁うっ措症においては小腸内の胆汁酸濃度の低下が脂肪のミセル化を障害し, その結果脂肪の吸収が抑制されているためと推測される。慢性膵炎においてもリパーゼの分泌障害による脂肪吸 収の低下が考えられた。一方,慢性腎不全患者では健常者の約3倍の高値を示していた。これは腎尿細管細胞に おける異化障害がその原因であると考えられる。糖尿病においても有意な高値が認められたが,糖尿病における 腎機能障害を合併している症例が含まれていたためと考えられる。しかしインスリンのアポA-Ⅳ合成に与える 影響も考慮する必要があり,さらなる検討が必要である。また,慢性肝炎や肝硬変および肝癌で健常者との間に 有意差が認められなかったことは7ポA-Ⅳが肝において合成されていないことを反映しているものと考えられ る。しかしアポA-Ⅳは腎の他に肝においても異化されるとする報告もありt 異化臓器としそいずれが優位であ るかも含めてさらに詳細な検討が必要であろう。 以上の成績より′ト腸粘膜から吸収される脂肪量がアポA-Ⅳの血清レベルを規定しているひとっの要因である ことが臨床的にも確認された。健常者のアポA-Ⅳと他のいずれのアポ蛋白とも有意の相関が得られなかったこ とは,アポA一Ⅳが他のアポ蛋白とその機能を異にしていることを示唆しているものと考えられる。また脂質と の検討では食事由来のTG,すなわちカイロミクロン量との相関が予測されたが,有意な相関が認められなかっ た。これは,対象とした健常者にTGが200mg/dBをこえる高脂血症者が含まれていなかったということと, TGとアポATⅣの日内変動に時間的な位相のずれが存在しているためと考えられる。以上のように血清アポA_IV 濃度は臨刺勺には食事(脂肪)摂取量を比較的忠実に反映しており,′ト陽における実際の脂肪吸収量を反映して いると考えられる。このような観点から,アポA-Ⅳの測定が小腸における脂肪吸収能を反映する一つのパラメー ′クーとして利用できる可能性が示唆される。 本研究は,アポA-Ⅳが種々の疾患について,臨床栄養学的面から有用なパラメーターとして臨床応桐できる 可能性を示した。 論文審査の結果の要旨 申請者 烏澤英紀は種々の疾患において血清アポA-Ⅳ濃度を測定し,その病態および重症度により特異的な 変動が認められることを示した。この新知見はアポA-Ⅳの体内動態の解明および臨床栄養学の進歩に少なから ず寄与するものと認める。 [主論文公表誌] 血清アポA-Ⅳ濃度測定とその臨床栄養学的意義に関する研究 岐阜大医紀 44(1):1∼10,1996

参照

関連したドキュメント

「文字詞」の定義というわけにはゆかないとこ ろがあるわけである。いま,仮りに上記の如く

緒  梅毒患者の血液に関する研究は非常に多く,血液像

Heremans: Molecular Biology of Human Proteins, Elsevier Pub.. Marche: Plasma

 単一の検査項目では血清CK値と血清乳酸値に

を,松田教授開講20周年記念論文集1)に.発表してある

熱力学計算によれば、この地下水中において安定なのは FeSe 2 (cr)で、Se 濃度はこの固相の 溶解度である 10 -9 ~10 -8 mol dm

および皮膚性状の変化がみられる患者においては,コ.. 動性クリーゼ補助診断に利用できると述べている。本 症 例 に お け る ChE/Alb 比 は 入 院 時 に 2.4 と 低 値

・  平成 7 年〜平成 9 年頃、柏崎刈羽原子力発電所において、プラント停止時におい て、排気筒から放出される放射性よう素濃度測定時に、指針 ※ に定める測定下限濃